トリプタン服用時の注意(こばやし小児科・脳神経外科クリニック)

脳神経外科パンフ集

トリプタン服用時の注意

 トリプタンは大変有効なお薬ですが、その効果を最大限に発揮するために、服用に際しては次の2点に特に注意してください。

  • 片頭痛の頭痛に使用する

     一般的な鎮痛剤とは異なるため、どんな頭痛にでも効くわけではありません。医師とよく話し合って、服用するべき頭痛(片頭痛)の特徴(下図参照)を把握します。

  • 適切なタイミングで服用する

     片頭痛が起こったと分かったら、20~30分以内といったできるだけ早いタイミングで服用します。具体的には頭を軽く振ってみて片頭痛の痛みを感じたら服用して構いません。逆に頭痛が来る予感がするけれども、まだ全く頭痛がない状態(前兆期・予兆期)で服用すると確実な効果は期待できず、効く時もあれば、効かない時もあるといった状態になります。また例えば睡眠中から片頭痛が始まっているときなどのように、頭痛が始まってからすでに時間が経っているときは、たとえ痛みの程度が弱くても、トリプタン単独では通常充分な効果が期待できず、消炎鎮痛剤の併用が必要です。これは、トリプタンは神経系のセロトニン受容体に働く薬剤であって、それ自体は消炎鎮痛作用を持っていないということと深く関連しています。

片頭痛の経過図