小児科外来(こばやし小児科・脳神経外科クリニック)

小児科外来

予防接種

予防接種には、予防接種法に基づいて行われる‘定期予防接種‘とそれ以外の‘任意接種‘とがあり、定期予防接種の接種年齢は政令で決められています。予防接種の種類が増え接種スケジュールが複雑になっていますので詳細は受付にお問い合わせください。

当院では、初回接種時に以後の接種スケジュールを保護者の方と相談の上、立てさせていただいています。
また里帰り分娩などで、初回接種を他院で受けられた赤ちゃんも、継続して接種スケジュールを立てさせていただきますので、診察時に医師にご相談ください。

明石市の予防接種券は、当院でも使っていただくことができます。

当院で接種可能な予防接種

(2016年10月以降)

  • 定期予防接種:
    • B型肝炎ワクチン
    • 小児の肺炎球菌ワクチン(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)
    • Hibワクチン
    • 四種混合(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)ワクチン
    • MR(麻疹・風疹)ワクチン
    • 水痘ワクチン
    • 日本脳炎ワクチン
    • DTトキソイド
    • ロタウイルスワクチン
    • BCG
  • 任意接種:
    • おたふくかぜワクチン
    • インフルエンザワクチン
    • 麻疹ワクチン
    • 風疹ワクチン
    • 不活化ポリオワクチン
    • A型肝炎ワクチン
    • 髄膜炎菌ワクチン
    • 定期予防接種対象疾患の接種を対象年齢以外の年齢で行う場合

低身長相談

 人間の赤ちゃんは約50cmの身長で生まれますが、成長に従い個人差が出てきます。同性の同じ年齢の子供の平均身長に比べ著しく背が低い場合を医学的に低身長症といいます。では、低身長とはどのぐらいの身長を指すのでしょうか?
下のグラフを見て下さい。年齢による平均身長の推移を男女別に表したグラフ(成長曲線)です。真ん中の太い線が平均身長を表わします。一番下-2SDの線からさらに下に外れる場合は要注意です。具体的には満4才の男の子で92.5cm、女の子では91.9cm以下、7才では男児109.5cm、女児108.8cm以下の場合が低身長を考える基準(-2.0SD)となります。また、現在の身長が-2.0SD以上であっても、1年間の成長速度が2年続けて-1.5SD以下(小学校低学年で約4cm以下)の場合も検査の対象となります。
 低身長の原因はさまざまですが、大きく分けると、成長に必要なホルモンの異常、妊娠期間の割に小さく生まれその後の伸びは遅い場合、染色体の異常、骨や軟骨の異常、心臓、腎臓、肝臓、消化管など内臓の病気、栄養状態の不良、心理的な要因、そして病気とは考えにくい体質性、家族性、未熟児での出生、などが挙げられます。何の病気も見つからず個性として小柄だという場合が圧倒的に多いので、低身長=病気というわけではありません。しかし、低身長症の検査で重大な病気(例えば脳腫瘍など)がみつかることもありますから注意が必要です。
 では次に、成長ホルモンという言葉をご存知ですか?成長ホルモンは身長の増加に関係する重要なホルモンの一つです。このホルモンの不足により身長の伸びは悪くなり“低身長”になってしまいます。低身長症の中には、治療の基準を満たせば成長ホルモンによる治療が可能なものもあります。低身長の治療において大切なことは他の疾患と同じく、早期発見、早期治療です。成長ホルモンの投与可能な期間は身長が伸びている間のみです。また、治療効果を期待する上でも正常身長との差が開かないうちに治療を開始する必要があります。
  当院では成長ホルモン分泌不全の患者さんに対する成長ホルモン療法を行っています。“背が低い”ことでお悩みの方、詳しい話が聞きたい方はご相談下さい。成長曲線のグラフも外来にありますのでお気軽にお申し出下さい。

成長曲線(男子)成長曲線(女子)

夜尿

 生まれたての赤ちゃんは眠っている間も起きているときと同じように排尿します。しかし、3歳ごろになると起きている間のおもらしは減り、自分からおしっこを知らせるようになってきます。おしっこが出る仕組み(排尿機構)の発達には個人差が大きいようです。 乳幼児期に夜寝ている間に無意識におしっこをもらすことを‘おねしょ‘といいますが、5~6歳を過ぎても月に数回以上‘おねしょ‘を認める場合を‘夜尿症‘と診断します。
 ‘おねしょ‘をする子供は大きくなるにつれ減ってきますが、夜尿症は5~6歳児で約20%、小学校高学年でも約5%にみられるといわれています。夜尿の原因は一つではありません。夜間に作られるおしっこの量、それをためる膀胱の容量、便秘が関与している場合もあります。最近では、夜尿に対して積極的な治療が行われるようになってきました。 相談することで‘おねしょ‘に悩む期間が減り親子ともに心の負担が減るかもしれません。小学校に入学しても夜尿が続く場合には一度ご相談ください。

トイレトレーニング:排尿編

  1. 1) 排尿の仕組み
    1.  おしっこが出る仕組み(排尿機構)の発達について、概略を説明します。 幼児期以降になると、尿が膀胱にある一定量をこえて貯まると、その刺激が尿意として大脳に伝えられるようになります。そして、その刺激を受け取った大脳から、今度は、尿意(おしっこ)をがまんする、出すといった指令が、膀胱へ伝えられます。乳児期では、尿意を感じる機能や、尿意をがまんする機能が未熟なため、膀胱におしっこが貯まった刺激だけで排尿してしまいます。尿意は2~3歳ごろに自覚するようになりますが、尿意をコントロールできるようになるのは3~4歳頃です。また、膀胱容量も年齢とともに増大し、2歳から4歳半の間で、約2倍になります。
  2. 2) トイレトレーニングの開始時期
    1.  尿意が自覚できる年齢に達していることが必要です。2歳から3歳の間で開始する場合が多いようですが、尿意が自覚できる時期には個人差があります。「3歳までにはおむつを卒業」とか、「幼稚園に入園するまでには」などの目標は決めない方が良いと思います。排尿の間隔が長くなり、おしっこが出そうな仕草が見られるようになる頃がトレーニング開始の時期です。
  3. 3) トレーニングの進め方
    1. 1. トイレを楽しい雰囲気にし、トイレに慣らしましょう。 子供用便座、おまる、トレーニングパンツなどを用意する際、こどもの好きな色、キャラクターなどを取り入れるのも一案です。兄弟やお友達がトイレに行く姿を見せ、一緒に連れて行き便座に座らせてみます。
    2. 2. トイレに誘う。 朝、食後、就寝前など決めた時間にトイレに誘います。排尿できてもできなくても、うまく座れればOKです。十分にほめてあげます。
    3. 3. おしっこのサインをキャッチしましょう。 もじもじしたり、急に動きが止まったり、おむつをさわる子もいます。
  4. 4) 注意点
    1. 1. “あせらない”こと、“しからない”ことが最も大切です。子どもの気持ちを大事にします。興味を示さない、理解できない、いやがる時には、トレーニングは一旦中止します。トイレトレーニングの時期は反抗期と重なりますので、親もつい感情的になりがちですが、あくまで子どものペースを大事にします。
    2. 2. “おむつがとれる”のと“おねしょがなくなる”のとは全く別です。5~6歳の子どもの約20%におねしょがみられるとの報告もあります。
    3. 3. “おしりがぬれた感覚”を教える事が必要、とか夏にトレーニングを開始するのが望ましい、などの説もありますが、医学的な根拠はないように思います。ぬれたおむつは湿疹の原因になりますので、早めに取り替えて下さい。

トイレトレーニング:排便編

  1. 1) 排便、便秘の仕組み
    1.  健康な腸は、常に腸の中の内容物(便)を肛門の方向へ移動させるように一定の間隔で動いています。この運動は腸の壁の中にある神経によって支配されています。普通は食後10~15分で腸の動きは活発となり、肛門の筋肉(肛門括約筋)が弛緩し便意をもよおし (排泄反射)、排便に至ります。 この排泄の反射感覚が起こっているのに排便しない(がまんする)ことが続いた場合に、習慣性の“便秘”が生じます。軽い便秘でも排便時に強い痛みを生じる場合があり、これを経験した子どもは排便を避けたいと便意をがまんするようになります。腸の肛門に近い部分に貯まった便は、腸粘膜により水分を吸収され、ますます固くなり便塊となります。便塊の排出には強い痛みを伴うため、一層排泄が困難になるという“便秘の悪循環”に陥ることがあるので注意が必要です。
  2. 2) トイレトレーニングの開始時期
    1.  便意(便がたまった感覚)を自覚できる年齢に達していることが必要です。排便の場合は“いきむ”動作が見られるので、わかりやすいと思います。いきむ様子が見られるようになったら、「うんち、出たね」などと声かけをして、便を出す感覚を覚えさせましょう。
  3. 3) トレーニングの進め方
    1. 1. おしっこの場合と同じく、トイレを楽しい雰囲気にし、トイレに慣らしましょう。便の場合は、いきまないと出ない子どももいますので、トイレに足を置く台を用意するなど、いきみやすい工夫をしましょう。
    2. 2. 子どもの排便のリズムをつかみましょう。排便の回数、便の硬さ、出る時間帯は子どもにより様々です。“うんち“と教えるようになれば、トイレに誘ってみましょう。
  4. 4) 注意点
    1. 1. “あせらない”こと、“しからない”ことが最も大切です。子どもの気持ちを大事にします。いやがる時には、トレーニングは一旦中止します。トイレトレーニングの時期は反抗期と重なりますので、親もつい感情的になりがちですが、あくまで子どものペースを大事にします。
    2. 2. 排便を知らせた後に“おむつ”に排便できても、必ずしもトイレで出来るとは限りません。あせらずに子どものペースで進めましょう。上手に出来た場合は十分に誉めてあげましょう。