Rock Listner's Guide To Jazz Music

Collector's Club


<Club 12> Live In Hyde Park

演奏:★★★★★
音質:★★☆
評価:★★★☆
[Recording Date]
1969/7/5

[1] 21st Century Schizoid Man
[2] In The Court Of Crimson King
[3] Get Thy Bearings
[4] Epitaph
[5] Mantra
[6] Travel Weary Capricorn
[7] Mars
Bonus Track
[8] Band reunion meeting
[9] 21st Century Schizoid Man
 (Insrutumental)
Greg Lake (vo, b)
Robert Fripp (g)
Ian McDonald
   (sax, fl, mellotron, vo)
Michael Giles (ds, vo)
Peter Sinfield
(words & illumination)
データが正しければ「<Club 1> Live At The Marquee」の前日の演奏。この日はハイド・パークでローリング・ストーンズのフリー・コンサートが開かれ、キング・クリムゾンはその前座として出演。大観衆の前で喝采を浴びて成功へのきっかけとなった歴史的なステージとされており、翌日のマーキーは大盛況だったとイアン・マクドナルドは語っている。音質はところどころ乱れるし、広がり間のない、低音域が不足したブートレグ的な音だけれど各楽器の音の分離が良く演奏そのものはしっかりと聴き取れる。肝心のパフォーマンスはどうかというと非常に素晴らしい。これ以前にリリースされていた「Epitaph Vol.1 & 2」「Epitaph Vol.3 & 4」と比べてもより自由度の高い演奏を聴くことができる。[9] はスタジオ録音の歌なしバージョンで演奏も違っている。フリップの解説によると"ちゃんとしたソロ"をオーバー・ダビングすることを前提に録音したものでソロ・パートが退屈なのはそのせいだとしている。同じくフリップのコメントで、マイケル・ジャイルズのドラミングを絶賛している点についてはまさにその通りでここでも凄まじいプレイを聴くことができる。(2006年7月16日)

<Club 1> Live At The Marquee

演奏:★★★★★
音質:★☆
評価:★★★
[Recording Date]
1969/7/6 ?
("Believed to be
  from the Sunday 6th July")

[1] 21st Century Schizoid Man
[2] Drop In
[3] I Talk To The Wind
[4] Travel Weary Capricorn
[5] Improv:
    including Nola and Etude No 7
[6] Mars
Bonus Track: 1969/10/17
[7] Trees
Greg Lake (vo, b)
Robert Fripp (g)
Ian McDonald
   (sax, fl, mellotron, vo)
Michael Giles (ds, vo)
Peter Sinfield
(words & illumination)
キング・クリムゾンは69年5月18日から8月24日までの毎週日曜日にロンドンのクラブ、マーキーに出演していた。デビュー間もなく、まだ名声を勝ち得ていなかったということで狭いクラブでの演奏を余儀なくされていたんでしょう。この音源はその中の1公演。興味深いのは「Islands」に収録されている [2] "Letters" が演奏されていること、[3] がライヴで聴けること、[5] では遊びでジャズっぽい演奏をしているところなど。それにしてもここで聴ける演奏は凄まじい。技術の高さはもちろんのこと、4人のテンションの高さが尋常ではない。こんな演奏がクラブで聴けたなんて本当に良い時代だったんだなあとつくづく思ってしまう。音質的には、一応各楽器の音はなんとか聴き取れるレベルというかなりの悪さなので記録として以上の価値を見出すのは難しい。尚、DGM オリジナル盤では4曲目に収録されている”Epitaph" が国内盤ではオミットされ、さらに [7] が短縮されている。(2006年7月15日)
追伸:現在の国内盤Collector's King Crimson BoxではDGMオリジナル盤と同じ内容になっているようです。(2008年9月20日)

<Club 25> Live At Fillmore East

演奏:★★★★
音質:★★☆
評価:★★
[Recording Date]
1969/11/21 [1]-[4]
1969/11/22 [5]-[8]

[1] The Court Of
      The Crimson King (fragment)
[2] A Man A City
[3] Epitaph
[4] 21st Century Schizoid Man
[5] The Court Of
      The Crimson King (fragment)
[6] A Man A City
[7] Epitaph
[8] 21st Century Schizoid Man
Greg Lake (vo, b)
Robert Fripp (g)
Ian McDonald
   (sax, fl, mellotron, vo)
Michael Giles (ds, vo)
Peter Sinfield
(words & illumination)
69年11月21日、22日のフィルモア・イーストにおける第一期クリムゾンのライヴ音源で、両日共どういうわけか1曲目が曲後半のイアン・マクドナルドのフルート・ソロからとなっている。演奏はこの時期としては平均的なもので特に不満はないけれど、曲数が少なく "Mars" が入っていないのでなんとも淡白な印象を受ける。音質もさほど良くない。強いて言えば同じ曲を同じ長さで演奏している両日の差を見つけるというマニアックな楽しみ方ができるのがウリなのかも。尚、本作の [2]-[4] は「Epitaph Vol.1」の [5]-[7] に収録されていたものと同じ音源。このランナップの音源もそろそろ底をついてきたのか? ブートレグはまだまだあるらしいんですが。(2006年7月16日)

<DGM Live!> Zoom Club, Frankfurt, Germany



演奏:★★★★
音質:★★★★
評価:★★★★
[Recording Date]
1971/4/12

[1] Cirkus
[2] Get Thy Bearings
[3] In The Court Of The Crimson King
[4] Lady Of The Dancing Water
[5] 21st Century Schizoid Man
[6] Pictures Of A City
[7] The Sailor's Tale
[8] Cadence And Cascade
[9] The Devil's Triangle
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
アイランズ・クリムゾンは71年4月12日から4日間、ドイツのズーム・クラブで毎日2セットのデビュー・ギグを行う。これはその初日のギグ。音がなかなか良いことは嬉しい誤算で、この良質音源が公開されるのがこんなに遅かったのは不思議な感じさえする。メル・コリンズのソロは既にフリーキーだしウォーレスのドラムも十分にパワフルなんだけれど後の荒っぽさと比べると理性的に演奏している感じで、それでいながらルーズな感じがするところもあるのが特徴か。特に [7] はまだまだ演奏の方向性が固まっていない印象を受けるものの、やはり一番のハイライト。その [7] を除くと、過去のレパートリーからが多く、演奏にこのメンバーならではのカラーがまだそれほど出ていないのは仕方のないところ。それでも、[2] は後の荒っぽさが垣間見える前衛的な演奏が楽しめる。[8] は第一期から演奏されている "Mars" で、(恐らく)フリップがメロトロンを弾いているためにギターがなく第1期での演奏とはちょっと雰囲気が違っていて怪げなムードはやや後退。代わりにシンフィールドのVCS3によるサウンド・エフェクトが入る。全体的には、後に顕著になるブルース/ジャム色はまだそれほど濃厚ではなくフリップも新しいバンドを楽しんでいるように聴こえる。[7] では"Lark's Tongues In Aspic Part II のギター・リフらしきものが聴こえてきて、もうこの頃にはこの曲のアイディアがあったことが判明。それ以外のトピックとして、ウォーレスのヴォーカルが妙ににクリアに聴こえるというオマケもある。尚、コメントされていないけれど [2] はイントロすべて、[6] はイントロ前半が欠けている。(2006年7月19日)

<DGM Live!> Zoom Club, Frankfurt, Germany



演奏:★★★☆
音質:★★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1971/4/13

Disc 1
[1] The Sailor's Tale
[2] Cirkus
[3] Get Thy Bearings
[4] Cadence And Cascade
[5] In The Court Of The Crimson King
[6] 21st Century Schizoid Man

Disc 2
[7] Pictures Of A City
[8] The Sailor's Tale
[9] Lady Of The Dancing Water
[10] Get Thy Bearings
[11] The Devil's Triangle
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
唐突に "Circus" の途中から始まるアイランズ・クリムゾンのズーム・クラブ2日目。シャッフルっぽいフリップのリズム・ギターの [1] がちょっと新鮮。全体的な印象は前日と大きくは変わらないものの、曲ごとの演奏は結構違う部分があり、やはりクリムゾンはライヴ・バンドだということを思い知らされる。この日もフリー・ジャズ化した [3] がなんともカッコいい。しかし、シンフィールドのVCS3によるエフェクトがところどころで鬱陶しいのが玉に瑕。そして、この音源はコレクターズ・クラブ。 [6] はイントロが欠け、さらに歌のところに戻る手前でいきなりプツン。[10] は恐らく曲の中盤くらいからフェードインもせずにいきなり始まる。その [5] は他の日の演奏とは異なりフリップのソロ・パートがあってこの日はここで "Lark's Tongues In Aspic Part II" のリフを披露。尚、アイランズ・クリムゾンのお披露目ギグとなったズーム・クラブでの4日間は、各2セットずつ演奏したうちのどちらか1セット、または2セットから選抜しているらしく、この日の音源のみ曲が重複している。他の3日間に較べると中途半端なカットが多いこの日ではあるものの、曲が多く、同じ曲での演奏の違いを楽しみたいという人にはこの日がお勧め。(2006年7月21日)

<DGM Live!> Zoom Club, Frankfurt, Germany



演奏:★★★☆
音質:★★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1971/4/14

[1] Cirkus (Incomplete)
[2] Get Thy Bearings
[3] In The Court Of The Crimson King
[4] 21st Century Schizoid Man
[5] Pictures Of A City (Incomplete)
[6] The Sailor's Tale
[7] Cadence And Cascade
[8] The Devil's Triangle
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
アイランズ・クリムゾン、デビュー・ギグの4日間のうち当初は最初の2日間だけが DGM Live! で公開され、残りの2日間もその後公開、すべて入手可能になった。この日は [1] [5] の曲目に imcomplete とコメントされているものの、冒頭がほんの少し欠けているだけで(初日や2日目にもこの程度の欠けはあった)気にするほどのものではない。引き続き音質はなかなか良いけれど、この3日目はほんの少しだけ音がコモリ気味でコリンズのサックスの音が薄い感じがする。収録曲目については初日とほぼ同じだし演奏の質も似たようなもの。[4] の中間部で、ギターとサックスで例のユニゾンからアドリブ・パートに入るのがいつもの展開ながら、この日はどういうわけかそのユニゾンのところでフリップのギターしか聴こえない。連日演奏されるこのメンバーによる唯一のオリジナル [6] はスタジオ録音での演奏とは異なり、タムを回しながらカウ・ベルを使った始まり方をしているのが特徴でウォーレスの言葉を借りるとエルヴィン・ジョーンズ風ということになる。全体的に初日と較べると若干テンションが低いように感じるし、先にリリースされた2日間と較べると少し見劣りする感は否めない。(2006年8月14日)

<DGM Live!> Zoom Club, Frankfurt, Germany



演奏:★★★☆
音質:★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1971/4/15

[1] Pictures Of A City
[2] The Sailor's Tale
[3] In The Court Of The Crimson King
[4] Cadence And Cascade
[5] The Devil's Triangle
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
ズーム・クラブでのデビュー4日目。[1] はイントロ途中からで、どういうわけかこの4日間の音源すべてでこの曲がこの部分から始まっている。この日の音源は5曲、44分だけで聴きどころである"Get Thy Bearings"がないこともあってちょっと物足りない。このズーム・クラブでの4日間の音源を総括すると、

初日:個々の曲がほぼ完全収録され演奏のテンションも高い
2日目:中途半端なカットがところどころにあるものの他の日にはない演奏が聴ける
3日目:初日と似た傾向ながら、音質、演奏のテンションが僅かに劣る
4日目:3日目と似た感じで収録曲が少ない

といったところ。あえて1つを選ぶとしたら初日か。翌年の全米ツアーの演奏と較べるとまだジャズのセッション風のテイストがあってまだまだ抑え気味ではあるけれど、初期の初々しい演奏はこれはこれで悪くない。(2006年8月14日)

(追記)
「Sailors' Tales Box」でもこのズームクラブ4日間の音源はほぼそのまま。「ほぼ」と書いたのは、たとえば従来音源では2日目の"21st Century Schizoid Man"の頭がほんの少し欠けていたところが、しっかり頭から入っていたりするという違いがあるにはある(だからどうしたレベルの話)。音質はほんの僅かに整えられた印象ながら従来音源からほとんど違いはない。(2018年1月7日)

<Club 14> Live At Plymouth

演奏:★★★★
音質:★★★★
評価:★★★★
[Recording Date]
1971/5/11

Disc 1
[1] Cirkus
[2] Picture Of A City
[3] Sailor's Tale
[4] The Letters
[5] Lady Of The Dancing Water
[6] Cadence And Cascade

Disc 2
[7] Get Thy Bearingss
[8] In The Court Of Crimson King
[9] Ladies Of The Road
[10] 21st Century Schizoid Man
[11] Mars
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
サウンドボード音源にブートレグから歓声と拍手の音をミックスしているという説は、この不自然な音を聴く限り事実のように思える。音質は繰り返して聴くに耐えるレベルで、数あるアイランズ・クリムゾン期の、あまり褒められたものではない音質のライヴ音源の中では良い部類に入る。71年4月のズーム・クラブでのウォーミングアップ的な4日間のギグを経て、この日がツアー初日。1ヶ月の間を経て少しタイトになったように感じるものの依然としてラフな演奏で、しかしながら「Earthboud」のようなヤケクソ状態には至っていない。第1期にもライヴでときどき演奏されていた [4] は、このラインナップでの演奏は少なく貴重。この日の [3] はより長尺のジャムになっており、やはりジャム色の強い [7] はかなりフリーキーな演奏。この時期にシンフィールドが多用していたVCS3シンセサイザーに対し、メル・コリンズもウォーレスもネガティヴなコメントをしているのは今聴くと別に新しさを感じないからでしょう。尚、日本盤は、DGM オリジナル盤から [1] の冒頭(曲が始まる前の約2分で少しメロトロンのサウンドチェックが聴こえる程度)をカット、 [7] をかなり複雑に編集(日本盤ではテーマからメル・コリンズのサックス・ブローに突入、ドラム・ソロを挟んでテーマに戻るという展開。それに対して DGM オリジナルではヴォーカルから入り、サックス・ソロ、日本盤より長めのドラム・ソロに短めのギター・ソロ、そしてテーマに戻るという展開)して約7分カットしている。その [7] は恐らく DGM 盤は完全収録と思われるものの冒頭約2分半はオーディエンス録音の別音源から収録しており、この部分だけ音質が非常に悪いし、ドラム・ソロも冗長で全体の構成が散漫。日本盤は最後のテーマを編集で冒頭に持ってくるという大技も決まり、全体の構成もスッキリとしていて正直こちらの方が聴きやすい。収録時間が3分も異なっている [9] は、曲の後の拍手の時間が長いか短いかだけの違いで演奏は同じ。日本盤ではオミットされている [11] は音量レベルが低く妙な音のバランス。総じて日本盤の方がまとまっていて聴きやすい。(2007年10月2日)
追伸:現在の国内盤Collector's King Crimson BoxではDGMオリジナル盤と同じ内容になっているようです。(2008年9月20日)

<DGM Live!> Green Place House, Glasgow, England

演奏:★★★☆
音質:★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1971/5/28

[1] Pictures Of A City
   (incomplete)
[2] The Sailor's Tale
[3] In The Court Of The Crimson King
[4] Cadence And Cascade
   (incomplete)
[5] Get Thy Bearlings
[6] RF Announcement
[7] Ladies Of The Road
[8] RF Announcement
[9] 21st Century Schizoid Man
[10] The Devils Triangle
[11] Cirkus (incomplete)
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
ライヴ・アーカイヴ大量放出、2012年4月に71年春からの16公演分をパッケージで販売。FLACで$66、MP3で$50と、ブートレグとして販売された場合を考えると良心的。以下、DGMのWebサイトからの試聴での僕の勝手な音質評価。ごく一部を除き、エクセレントと思える音質のものはないので正直なところMP3で十分。
71/05/11 ★★★★(既発)
71/05/28 ★★★★
71/05/29 ★
71/08/09 ★
71/08/10 ★★★★☆
71/08/11 ★★
71/08/28 ★
71/09/04 ★★
71/09/19 ★★★
71/10/09 ★
71/10/15 ★
71/10/16 ★★★(既発)
71/10/19 ★★☆
71/11/11 ★★
71/11/13 ★★★★☆(既発)
71/11/24 ★★★
今回は星3つ以上(青色)のものに絞って4公演を購入。

この音源は当初、5月22日「Town Hall, Birmingham, England」として公開されていたもの。しかし、「Sailor's Tale」ボックスおよび現在のDGMサイトでは、「Green Place House, Glasgow, England」に修正されているため、本項目の名前も変更した(ジャケット写真はそのまま)。

まずはこの5/28分から。音はブートレグと考えれば十分にいい。特に重低音が出ているところは蔵出しライヴ音源としては珍しい。ところが、ホールでの録音ということでギターやサックスの音にダイレクト感がなく、ベースの音域が薄い。このような音のバランスのせいか、演奏に迫力を感じない。このラインナップが始まったばかりの時期ゆえにまだ演奏の凄みが出てきていないところに、ホールと言う会場とこの録音バランスで更に勢いを殺がれた感じ。[2] のコリンズのフルートソロでは、ソニー・ロリンズの"セント・トーマス"のフレーズが飛び出しているのも余裕を表しているというよりは、演奏のスタイルが固まっていないからのように思える。1枚もので80分の限界収録という点はいいとしてもあまり積極的に勧められる音源ではない。(2012年5月5日)
本音源は

<DGM Live!> Marquee, London, England



演奏:★★★★☆
音質:★★★★☆
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1971/8/10

Disc 1
[1] Pictures Of A City
[2] Formentera Lady
[3] The Sailor's Tale
[4] Cirkus
[5] The Letters
[6] Cadence And Cascade

Disc 2
[7] Improv
[8] Ladies Of The Road
[9] RF Announcement
[10] 21st Century Schizoid Man
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
当時のクリムゾンにとっては手馴れの地、マーキーでのライヴ。音のヌケが少し悪く、一部テープのヨレがあるとはいえ上モノと言えるクオリティ。また、クラブでの録音とあって反響音がなく、サックスもギターもヴォーカルもベースもダイレクトなサウンドを楽しめる。まだこんなに良質な音源があったのかという思いを代弁するかのように DGM でも Arguably the greatest find... という書き出しでこの音源の解説を始めている。そして演奏もまた素晴らしい。第1期のレパートリーだった"Get Thy Bearlings""The Devils Triangle""In The Court Of Crimson King"あたりはこの時期になると演奏されなくなってくる。代わってインプロが入るようになり、27分にも及ぶその [7] がこの音源のハイライト。後の "Groon" と比較すると勢いは劣るものの、その分自由でいろいろ試し ながら演っている感じが新鮮。ただ、VCS3も大きくフィーチャーしているところは相変わらず煩い。クラブという自分たちにとって演りやすい環境、そして夏を迎えてバンドとして成長してきたことも合わせて、春先の音源よりも充実したパフォーマンスを楽しめる。まさに掘り出し物音源。微笑ましいメンバー紹介も一興。(2012年5月5日)
「Sailors' Tales Box」収録音源は、内容も音質も特に違いなし。(2018年1月11日)

<DGM Live!> Greyhound, Croydon, England

演奏:★★★★
音質:★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1971/9/19

Disc 1
[1] Cirkus
[2] Picture Of A City
[3] Formentera Lady
[4] The Sailor's Tale
[5] The Letters
[6] Cadence And Cascade

Disc 2
[7] Ladies Of The Road
[8] Groon
[9] 21st Century Schizoid Man
[10] The Devil's Triangle
[11] Lady Of The Dancing Water
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
サウンドボードカセット音源と説明されてはいるものの、オーディエンス録音かと思わせるブートレグらしい薄い音、そして歓声。それでも各楽器の音をよく拾えているという意味では合格点を出せる。演奏はこのメンバー、この時期としては平均的。フリップのギターがいい塩梅にワイルドかつ理性的に響いているのはまさにこの時期ならではの良さで、半年後くらいになるとバンドそのものが凶暴化し、フリップもそれに乗せられてしまうようになる。聴いて損はないけれど、この音源ならではの特徴となるとレパートリーに"Groon"が加わったことくらいか。ただし、テーマこそ"Groon"ながら実際にはあまり集中力のないインプロで後のワイルドさには及ばない。その [9] のおちゃらけたエンディングと、 [10] の前にメロトロンで遊んでいるところ、フリップと客が楽しそうにやりとりをしているところが貴重と言えば貴重。(2012年5月5日)

<Club 30> Live In Brighton

演奏:★★★★
音質:★☆
評価:★★★
[Recording Date]
1971/10/16

Disc 1
[1] Cirkus
[2] Pictures Of A City
[3] Formentera Lady
[4] The Sailors Tale
[5] The Letters
[6] Islands

Disc 2
[7] Ladies Of The Load
[8] 21st Century Schizoid Man
[9] Groon
[10] Mars
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
アイランズ・クリムゾンの中期にあたるもの。演奏内容じたいはこの時期の平均的なレベルでレパートリーも慣れ親しんだものばかり。ただし、ここでは [6] が入っていることが目玉で、ではその内容はというと決して悪くないものの、やはりスタジオ盤の静謐なムードを再現するには至っていない。音質が悪いのでコレクター以外はこの曲目当てに入手する必要はないでしょう。ボズ(?)と観客のおちゃらけたやりとりが多く聞けるのも本作の特徴といえば特徴。(2006年7月15日)

<Club 18> Live In Detroit

演奏:★★★★
音質:★★★★☆
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1971/11/13

Disc 1
[1] Picture Of A City
[2] Formentera Lady
[3] Sailor's Tale
[4] Cirkus
[5] Ladies Of The Road
[6] Groon

Disc 2
[7] 21st Century Schizoid Man
[8] Mars
[9] In The Court Of Crimson King
[10] Lady Of The Dancing Water
    (incomplete)
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
音質はモノラルで広がり感がなく、音にやや厚みがない。それでも総じて良好で痛痒なく聴ける。ツアーを重ねていよいよ充実期に入ってきたアイランズ・クリムゾンをこの音質で聴けるのはなんとも嬉しい。初期においてはハイライトのひとつだった"Get Thy Bearings" は "Groon" に代わり、さらに新しいレパートリーも加わってよりこのラインナップの音楽性がより明確に。演奏はよりタイトになり、やけっぱち系のワイルドさを増してきた感じで徐々にバンドが持っているポテンシャルを発揮。ジャム系の演奏とブルース色も濃くなってきており、充実期に入ってきていること(特に [3] に長足の進歩)を実感できる。[9] はコテコテなブルースに改作されたレア・バージョンでタイトルを見なければ何の曲かと思うような悪乗りとも取れる驚きの3分半。しかし、このメンバーの資質がよく表れていていると同時にフリップの自暴自棄気味のギターが聴ける貴重なテイクで本作最大のトピックであるなのは間違いない。昔はこのラインアップによる演奏がそれほど好きだったわけではなかったんだけれど、いくつかのライヴを聴き比べてきた結果、そのときごとに演奏の雰囲気が違うという意味では次期クリムゾンより上を行っているのではないかとすら思うようになった。ちなみに録音日は12月13日と記されており、しかしこの日にライヴをやった記録はなく、ライナーノーツにある「デトロイト2回目の公演」という記述から11月13日説が正しいとされている。尚、日本盤はDGM オリジナル盤から [6] の後半10分をカット(すべてドラム・ソロ)、[8] を2分短縮(こちらは巧みに部分的にカット)、最後の"Lady Of The Dancing Water(Incomplete)" を未収録にして2枚組を1枚に収めている。日本盤を持っていればわざわざ買い換える必要はないと思う(2007年10月2日)
追伸:現在の国内盤Collector's King Crimson BoxではDGMオリジナル盤と同じ内容になっているようです。(2008年9月20日)

<DGM Live!> Academy Of Music, New York, NY

演奏:★★★★
音質:★★★☆
評価:★★☆
[Recording Date]
1971/11/24

[1] Cirkus
[2] RF Announcement
[3] Pictures Of A City
[4] RF Announcement
[5] Formentera Lady
[6] The Sailor's Tale
[7] 21st Century Schizoid Man
[8] RF Announcement
[9] The Devil's Triangle
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
Peter Sinfield
 (words, sounds & visions)
ボワンボワンに反響したホール特有のオーディエンス録音。DGMサイトではブートレグが音源であると明記してある。そういう音源としては演奏は聞き取りやすい部類とは言えるものの、やはりブートレグらしい薄い音質であることには違いない。さて、内容のほうはというと、長く英国内をツアーしてきたところから北米に移り、約1ヶ月のツアーを行っている時期のもの。現代のニューヨークにはこんな場所はないだろうと思って調べてみると、なんとかつてはオペラハウスだったという由緒あるホールで、こんな場所で演奏していたことに少し驚く。演奏は順当に進化、そして充実、ワイルド化してきていて好ましい。コリンズのサックスもフリップのギターもいい具合に荒れているし、ウォーレスのドラムもヤケクソ気味な感じが強まっている。[6] のエンディングではこの日も遊び風に締めている。[9] はそろそろ聞き納めの時期。実質6曲で音質も良くないので文字通りコレクター向き。(2012年5月5日

<DGM Live!> Armoury, Wilmington, Delaware



演奏:★★★★
音質:★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1972/2/11

[1] Picture Of A City
[2] Formentera Lady
[3] The Sailor's Tale
[4] Cirkus
[5] RF Anouncement
[6] Ladies Of The Load
[7] Groon
[8] 21st Century Schizoid Man
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
72年春のツアーでは最初期の音源が登場(2008年5月〜7月ころに公開された)。演奏はアイランズ・クリムゾンらしいワイルドなものだけれど、他の音源と比べると僅かに気迫が足りないように感じるのは、モノラルでこじんまりとしたスケール感のない録音状態の影響かもしれない。72年の2月、3月はすでに音源が山ほど出ているために、この音源をあえて強く推奨する理由は見つけにくい。もちろんその他音源より大幅に劣るというわけでなく、普通に聴いていれば十分ワイルドで時に暴力的なところもしっかりと出ているし、このあたりからがこのユニット充実期でもあるからして悪いということはない。音質をごまかすためにあえて大音量で聴いてみよう。(2006年9月6日)
「Sailors' Tales Box」収録音源は他の同ボックス既発音源より音質の向上を実感できる。ただし "Groon" でところどころ音のバランスが乱れるところなどはそのままで変わらない(マスター音源がこうなんでしょう)。(2018年1月16日)
この日の"Groon" "21st Century Schizoid Man" を「Earthboud」に採用していることになっているが演奏は違うものになっているし、音質もだいぶ落ちる。この日あるいは「Earthbound」のデータが間違っているか、この日のLate Showから採用したかどうちらかと考えられる(たぶん前者)。(2018年10月12日)

The Academy Of Music, New York

演奏:★★★★☆
音質:★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1972/2/12

Disc 11
[1] Pictures Of A City (Incomplete)
[2] Formentera Lady
[3] The Sailor's Tale
[4] RF Announcement
[5] Cirkus
[6] Ladies Of The Road
[7] Groon
[8] 21st Century Schizoid Man

Disc 12
[1] Pictures Of A City (Incomplete)
[2] Formentera Lady
[3] The Sailor's Tale
[4] RF Announcement
[5] Cirkus
[6] Ladies Of The Road
[7] Groon
[8] 21st Century Schizoid Man
[9] Cadence And Cascade (Incomplete)
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
72年2月12日のEarly ShowとLate Show。「Sailors' Tales」ボックスで初公開された音源。音質はアースバウンドと同程度でモノラル。このボックスでの公開まで寝かしておいた理由は特にないように思える、良い意味でのアイランズ・クリムゾンのアベレージ的音源。11日の音源は、"Cirkus" の冒頭をボズがスキャットで歌って、当初のメロトロンをエレピっぽいサウンドだけでやっているのはレア。この日の "Groon" は原曲のフレーズを入れようとフリップが四苦八苦している感じが面白い。(2017年12月5日)

<DGM Live!> Grande Ballroom, Detroit, MI

演奏:★★★★☆
音質:★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1972/2/17

[1] Picture Of A City
[2] Formentera Lady
[3] The Sailor's Tale
[4] Cirkus
[5] RF Anouncement
[6] Ladies Of The Load
[7] Groon
[8] 21st Century Schizoid Man
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
95年ツアーの大量放出が終わったと思ったら、次は72年春のアメリカ・ツアーの音源の大量放出。16公演をパッケージで安く購入できるようにしてくれたのは嬉しい配慮。しかしながら、95年ツアーが14公演中13公演が初出だったのに対し、今回の新規公開は8公演分のみと価値がやや下がる。特に、録音状態と内容が良い部類に入る
<Club 3> Live At Jacksonville
<Club 9> Live At Summit Studio
<Club 23> Live In Orland
<Club 35> Live in Denver
が含まれているのは、既に手元に所有しているマニアにとってはそれほど有難くない話。ただし、日本で発売されていた編集版を持っている僕のような人間には一応のアップデートにはなる。

この音源について。
音質は「Earthbounds」レベルのモノラルで、しかしながら音量が大きい部分では「Earthbounds」以上に音割れが盛大であるところが難点。2/11の音源(Armoury, Wilmington, Delaware)と比べると、音の抜けが更に悪いものの低音の厚みはこちらが上で総合的にはどう評価するかは好み次第という感じ。パフォーマンスはこの時期標準的なもので、比較的近年公開された音源では途中からであるであることが多い "Pictures Of A City" がウォーミングアップから入っているところが特徴。、[7][8] で部分的に「チッチッチ・・・」というノイズが入るのが耳障り。演奏はこの時期としては平均的でもちろん悪くはないので楽しめる。ただ、この日でなければ聴けないパフォーマンスというほどのものでもない。(2011年4月10日)

Cinderella Ballroom, Detroit

演奏:★★★★☆
音質:★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1972/2/18

Disc 13
[1] Pictures Of A City
[2] Formentera Lady
[3] The Sailor's Tale
[4] Cirkus
[5] RF Announcement
[6] Ladies Of The Road
[7] Groon
[8] 21st Century Schizoid Man
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
日付からすると「Sailors' Tales」ボックスで初登場の音源、しかし中身は前日2/17と同じ。DGMのサイトでは2/18のこの会場でライヴがあったことになっているものの、音源についての記載はないため、2/18の日付は間違いと思われる。以前にあった [7][8]のノイズは除去されている。(2018年1月16日)

<DGM Live!> Arie Crown Theatre, Chicago, IL

演奏:★★★★
音質:★★
評価:★★
[Recording Date]
1972/2/19

[1] Cirkus
[2] Groon
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
72年春のアメリカ・ツアー大量放出の中で、なぜかこの日だけ2曲のみでのリリース。2曲のみではライヴとしての価値は低いものの、このラインナップの一番の聞かせどころである"Groon"が入っているところが唯一の救いか。音質的には音の抜けも分離も良くない、完全なブートレグ的クオリティ。(2011年4月10日)

<DGM Live!> Auditorium, Miami Beach, FL

演奏:★★★★
音質:★
評価:★
[Recording Date]
1972/2/25

[1] Picture Of A City
[2] Formentera Lady
[3] The Sailor's Tale
[4] Cirkus
[5] Ladies Of The Load
[6] Groon
[7] 21st Century Schizoid Man
[8] Improv
[9] Cadence And Cascade
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
72年春のアメリカ・ツアー・パッケージの中でもっとも音が悪く、とても音楽を楽しもうという気にはなれないレベルの典型的オーディエンス録音。演奏はかなり激しく、良さそうなんだけど、いかんせん音が悪すぎて真面目に聴く気がしない。(2011年4月10日)

<Club 3> Live At Jacksonville
<DGM Live!> Live in Jacksonville, FL



演奏:★★★★
音質:★★★☆
評価:★★★☆
[Recording Date]
1972/2/26

[1] Pictures Of A City
[2] Cirkus
[3] Ladies Of The Road
[4] Formentera Lady
[5] The Sailors Tale
[6] 21st Century Schizoid Man
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
コレクターズ・クラブ Vol.1 として国内盤で発売されたのは1999年の7月。このころは、まだ「Earthboud」をはじめアイランズ期のクリムゾンのライヴ音源はCDでリリースされておらず、かなり貴重なディスクだった。音質はこのアルバムの [5] が収められている「Earthbounds」と同等で、音が割れ気味かつ少々コモリ気味で決して良くはなく、それでもなんとか聴けるレベル。メル・コリンズの「はい、コルトレーンが師匠です」と言わんばかりのフリーキーなテナー、フリップの神経質な音のギターとメロトロン、がなりたてるヴォーカル、ドッタンバッタンしたドラムがこの時期のサウンドの特徴でこれが渾然一体のなった喧しい音と静寂な部分が同居したところこそがアイランズ・クリムゾンの魅力。スタジオ盤とは明らかに違うバンドの本性が見えている。「Earthbounds」 がインストゥルメンタル中心であるのに対してこちらはヴォーカル曲が多いところが大きな違い。尚、国内盤は [5] が短縮版なのでマニアは注意を。(2006年7月15日)
追伸:現在の国内盤Collector's King Crimson BoxではDGMオリジナル盤と同じ内容になっているようです。(2008年9月20日)
72年春のアメリカ・ツアー・パッケージ購入で結果的にDGMオリジナル盤を入手。いきなり演奏から始まる日本盤 [1] に対してDGMオリジナルはサウンドチェックとMCが冒頭にあり、[5] が約4分長い無編集版になり、[6] は始まりでハイハットのカウントが入っているのと終了後のMCが少し入っている程度の違い。[5] に価値がありそうに思えるものの、ウォーレスの決して面白いとは言えないドラムソロが長くなっているだけなのでむしろ編集版の方が聴きやすい。それにしても、この音質のものに、あえて日本盤だけ編集を施して無駄な部分はカットしようという手間のかけ方はある意味凄い情熱で、初期の日本盤コレクターズ・クラブは力が入っていたなあと今になって思う。ちなみのDGMのWebサイトによると、日本盤コレクターズクラブVol.1は既に廃盤で再プレスの予定はないとのこと。(2011年4月10日)

<Club 23> Live In Orland
<DGM Live!> Kemp Coliseum, Orlando, FL



演奏:★★★★☆
音質:★★★☆
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1972/2/27

Disc 1
[1] Picture Of A City
[2] Formentera Lady
[3] Sailor's Tale
[4] Cirkus
[5] Ladies Of The Road

Disc 2
[6] Groon
[7] 21st Century Schizoid Man
[8] Earthbound
[9] Cadence And Cascade
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
[8] が「Earthboud」に収録されていることからもわかるように音質はあまり良くない。演奏の内容も当然似た傾向。アナログ盤の収録時間の制約に縛られて中途半端なフェード・イン/アウトが多かった「Earthbounds」に対して、1ステージを(恐らく)完全収録したこのディスクの方がより当時のステージの姿を捉えた記録で、ワイルドでアナーキー、ブルース/ジャム色が濃厚なグループの特性を余すことなく堪能できる。演奏に重きを置いているとはいえ、これが果たしてプログレなのかという疑問が湧かなくはないけれどそんなことはどうでも良く、激しいジャムを聴かせるロック・グループとして楽しめばいい。このラインナップになってからステージもかなりの数をこなしてきたことによりメンバー間で手の内もわかりながらより奔放に展開される演奏はまさに充実真っ只中にあり、そういう意味でもこの音源がこの世に出たことは非常にありがたい。解説ではメル・コリンズが、ウォーレスを「単にビート刻むだけでない歌心を持ったドラマーはなかなかいない」、ボズを「生まれつきのミュージシャン。短期間であれだけ成し遂げた人はない」、フリップを「困難な中でもこの素晴らしい現象の一部だった」と評しており、なんとなく各人の関係が見え隠れしていて興味深い。(2006年8月13日)
現在は、DGM Liveでも配信されており、気軽に入手できるようになった。内容に変化はない。(2011年4月10日)

<DGM Live!> Stanley Warner Theatre, Pittsburgh ,Pennsylvania



演奏:★★★★☆
音質:★★★★☆
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1972/3/6

Disc 1
[1] Pictures Of A City
[2] Formentera Lady
[3] The Sailor's Tale
[4] Cirkus

Disc 2
[5] Ladies Of The Road
[6] Groon
[7] 21st Century Schizoid Man
[8] Improv
[9] Cadence And Cascade*
* source recording incomplete
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
マスターテープのヒスノイズこそやや耳に付くものの、バランス良くクリアな音でベースの厚みもしっかりあって実に良好な音質。演奏はこのランナップにしては抑え気味、しかし緩んだ感じは皆無でガッシリとしていて聴き応えもある。最後の曲が途中で切れているところを除き、ほぼ1ステージの収録なので量的にも満足できる。MCのふざけ具合は、ここでもお約束通りという感じ。フリップのギターもところどころその調子に乗せられているんじゃないかと思うところもある。サプライズこそないけれど、ライトなマニア(?)にも勧められる好音源。(2012年10月10日)
[8] に続いて最後に収録されていた"Cadence And Cascade (Incomplete)" が「Sailors' Tales Box」ではオミットされている。それ以外は従来と同じ曲と内容。この日の音源は、曲間でフリップのアナウンスの他にステージでのふざけた感じのやりとりやお遊び演奏などが多く収録されていた。それらをすべてカットしているため、"Cadence And Cascade" のカットを含めてトータルで12分程度短くなっている。カットしたおちゃらけ部分はある意味アイランズ・クリムゾンの性質を表していたという側面もあるため、記録として考えると残念な措置。一方で純粋にライヴ・アルバムとして仕上げるという観点ではこの編集で正解。(2018年1月18日)

<DGM Live!> Riverside Theatre, Milwaukee , Wisconsin



演奏:★★★★
音質:★★★☆
評価:★★★★
[Recording Date]
1972/3/8

Disc 1
[1] Pictures Of A City
[2] Formentera Lady
[3] The Sailor's Tale
[4] Cirkus
[5] Ladies Of The Road
[6] Groon*

Disc 2
[7] Groon*
[8] 21st Century Schizoid Man*
[9] 21st Century Schizoid Man
[10] Cadence And Cascade
* source recording incomplete
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
音質は「<Club 23> Live In Orland」と同じくらい。演奏は2日前の「Stanley Warner Theatre」よりもワイルドさがやや勝る。この日前後の音源もだいぶ揃ってきた中、こうやって聴き比べると音が良いほど演奏が整然としているように感じるようになってきた。つまりこのラインナップのライヴの暴力的なワイルドさは実は録音状態の悪さが加担していたのではないかという疑念も湧いてくる。いずれにせよ、この音源もアイランズ・クリムゾンの持ち味はしっかり堪能できる安心アイテム。この時期、演奏曲目はほとんど同じではあるものの、強烈なジャムを売り物にしていただけに決して同じことの繰り返しではないことは当たり前で、出てきたら出てきたで手を出してしまうのがマニアの悲しい性。本音源ならではの面白いところは [8] で気の抜けたイントロが始まると途中でストップ、MC が入ってメンバー紹介、そして [9] で仕切り直して演奏に入るところ。[3] のコリンズがアドリブに入るところはファラオ・サンダースを思わせる凄まじさでいつものこととはいえ血が騒ぐ。(2007年1月7日)
「Sailors' Tale」ボックスでは、上記やりなおしとMCはカットされている。(2018年1月18日)

<DGM Live!> The Barn, Peoria , IL



演奏:★★★★
音質:★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1972/3/10

[1] Cirkus (incomplete)
[2] Announcement
[3] Ladies Of The Load
[4] Groon Peoria (incomplete)
[5] 21st Century Schizoid Man
   (incomplete)
[6] Improv (incomplete)
[7] Cadence And Cascade
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
前半は欠けているようで [1] の終盤からというブート的始まり方。[2] でボズが変な草笛みたいなもので「ゆかいに歩けば」を吹いているのが後にバッド・カンパニー「Burning Sky」収録の "Knapsack"につながっているようで、つまりはボズのお気に入りの曲だったということか。いつもと違うタイトルが付けられている [4] は、この一部(19分のうちの7分半)を抜き出したもの「Earthboud」の "Peoria" の元音源。最後のドラムソロ終盤でメル・コリンズのフリーキーな「きよしこの夜」が被さってくるという展開(incomplete とクレジットされているがカットされていない)。「5] は最後の歌の部分でフェードアウト。[6] は途中からと、音源全体としてこの日は中途半端なところが多い。音質も「Earthbound」クオリティなので、熱心なマニア以外にはあまりお勧めできない。(2006年9月6日)
「Sailors' Tale」ボックス音源は既発との違いは特に特になさそう。(2018年2月4日)

<DGM Live!> FairGround Coliseum, Indianapolis, IN

演奏:★★★★
音質:★★
評価:★★☆
[Recording Date]
1972/3/11

[1] Pictures Of A City(incomplete)
[2] The Sailors Tale
[3] Drum Solo
[4] 21st Century Schizoid Man
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
[1] は頭が少し欠けているだけでダメージは小さいものの、[3] は他の日だと [2] の一部扱いなのにあえて曲の扱いをしているという苦肉の策が示す通り、実質3曲、35分の短さ。いかんせん量が不足していて評価しづらい。演奏はいい意味で平均的。音質もアイランズ・クリムゾンとしては平均的で、つまり内容的には満足できるレベルなだけに収録時間の少なさが惜しまれる。(2006年9月6日)

<Club 9> Live At Summit Studios
<DGM Live!> Summit Studios, Denver, Colorado





演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★★
[Recording Date]
1972/3/12

[1] Pictures Of A City
[2] Cadence And Cascade
[3] Groon
[4] 21st Century Schizoid Man
[5] Improv: Summit Going On
[6] My Hobby
[7] Sailor's Tale
[8] The Creator Has A Master Plan
    including Improv: Summit
    & Something Else
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
コロラド州デンバーにあるサミット・スタジオでラジオ番組用に収録されたライヴ音源。恐らくオリジナル・マスター・テープからのカッティングと思われ、アイランズ・クリムゾンのライヴ音源の中で胸を張ってオフィシャル・クオリティと言える最高音質(DGM のユーザー・レビューでは teriffic sound というコメントもある)がうれしい。アイランズ・クリムゾン後期の録音ということもあり、さぞかし弾けた演奏なのではという先入観を持って聴いてみると、スタジオ・ライヴということもあってか「Earthboud」や「<Club 3> Live At Jacksonville」ほど荒っぽい演奏にはなっていない。むしろ整然としたタイトな演奏でこのメンバーの別の一面を見ることができる。特にウォーレスのシャープなドラミングが印象的。というわけで「Earthbounds」の激しさが好きな人にはやや物足りないかもしれないけれど、全体の緊張感は極めて高い。また、この日の最大の特徴はメロトロンを使っていないことで、物足りないどころか引き締まったソリッドなサウンドに聴こえるのは意外な発見。[7] はなんとファラオ・サンダースのカヴァー(オリジナルはファラオの「Karma 」で聴ける)で、リズム・パターンをそのままにメル・コリンズがサックスやフルートを乗せていく。このユニットにはコルトレーン〜サンダースの流れが息づいているのだあと思っていると徐々にロックらしいフィーリングに推移、いきなりコテコテのブルース・ジャムへと変わる。まさにこのユニットのルーツをそのまま反映した演奏で、フリップの戸惑い気味のブルース・ギターが聴けるというこの日の音源最大の目玉トラックになっている。尚、DGM オリジナル盤は6曲目に"My Hobby"というイアン・ウォーレス作の曲が入っているようです。(2006年7月15日)
追伸:現在の国内盤 Collector's King Crimson Box では DGM オリジナル盤と同じ内容になっているようです。(2008年9月20日)
DGM 盤と国内盤との違いについて。プレイング・タイムとして1分50秒長い [5] は曲のあとのMCが長く入っているだけ、そして注目の [6] は単にウォーレスがわめいているだけのおふざけ30秒。日本盤の方がベター。(2011年4月10日)
「Sailors' Tale」ボックスでは、リミックスが施され別物に仕上がっている。ギターとサックスの音が左右に広がり、音場も広くなっていて、音質そのものも向上している。ただし、従来盤の定位がしっかりしたタイトなサウンドの方が僕の好み。また、CDでは後半に妙な編集がされている [8] はブルーレイ盤収録の音源では恐らくノーカットで収録されており、およそ12分長いバージョンを聴くことができる。(2017年12月9日)

<DGM Live!> Sound Track, Denver , CO

演奏:★★★★☆
音質:★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1972/3/13

[1] Formentera Lady (incomplete)
[2] The Sailors Tale
[3] Ladies Of The Road
[4] The Letters
[5] 21st Century Schizoid Man
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
<CLUB 35> と同じ日でありながら異なる曲リストに異なる演奏内容。[1] はほぼ歌い始めからでダメージは少ないし、主要曲は入っている。でも、見せ場の "Improv" がないのでトータル約40分と満腹感は得られない。それでも演奏の中身は濃い。フリップのギターがいつも以上にエグく聴こえる。音質は「Earthbound」クオリティで、サックスとギターがやや遠くリアリティに欠ける感じの音であるところが少々残念。(2011年4月10日)

<Club 35> Live in Denver
<DGM Live!> Sound Track, Denver , CO



演奏:★★★★☆
音質:★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1972/3/14

[1] Formentera Lady
[2] The Sailors Tale
[3] Cirkus
[4] Ladies Of The Road
[5] The Letters
[6] Improv
[7] 21st Century Schizoid Man
[8] Cadence And Cascade
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
そして実は <CLUB 35> と同じ音源なのはこちらの方。 [6] は"Groon"とされていたものが、ここでは"Improv"となっている。聴いてみるとあのテーマがないのでこちらが正しそう。ジャケットを変えて別物のように見せているのは日付などの間違いを誤魔化すためなのかも。音質は「Earthbounds」クオリティで、音もあまり歪んでおらず、楽器の分離がそこそこ良くて妙な反響などもなく聴きやすい。ただ、ギターとサックスの音量が控えめで奥まっているのが玉に疵。(2011年4月10日)

<DGM Live!> Winterland Arena, San Francisco

演奏:★★★★☆
音質:★
評価:★
[Recording Date]
1972/3/21

[1] Tune Up
[2] Pictures Of A City
[3] Formentera Lady
[4] The Sailor's Tale
[5] Cirkus
[6] Ladies Of The Road
[7] Groon
[8] 21st Century Schizoid Man
[9] Cadence And Cascade
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
音が大変遠く、低音はスカスカという古式蒼然とした正統派ブート的音質。こうなるともう僕の許容範囲を超えてしまっている。音が悪いからなのかもしれないけれど演奏は結構熱いように聴こえる。何しろ音が悪すぎてメル・コリンズの音が耳に刺さる。また観客の反応が結構良い。パッケージ販売の中に入っていなければ、手を出すことはなかった音源。(2011年4月10日)

<Club 40> Live in Boston
<DGM Live!> Orpheum, Boston , MA



演奏:★★★★
音質:★★☆
評価:★★★
[Recording Date]
1972/3/27

[1] Announcement
[2] Pictures Of A City
[3] Formentera Lady
[4] The Sailors Tale
[5] Cirkus
[6] Groon
[7] 21st Century Schizoid Man
[8] Improv
[9] Cadence And Cascade
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
アイランズ・クリムゾン最後から6番目にあたる後期のライヴ。低音が薄く、ホールの響きを伴った音場感のブート的音質。ボヤケたベースの音と薄いドラムの音がいかにもオーディエンス録音であることを物語っているものの、音が悪いなりに聴きやすい。演奏は荒さ控え目で引き締まっている傾向。それでも、メル・コリンズのブロウは相変わらずのキレっぷりで、大人しさは微塵もなく、よく整理された荒さと言える迫力で、僕好みの演奏になっているのはうれしい限り。レパートリーはずっと代り映えしないもので、強いて特徴を言うならば、編集によって曲間なく繋がっている形となっている [6] [7] の流れがやや新鮮。ちょっと驚くのがオーディエンスの反応の良さで、[7] の後にはなんと盛大な手拍子が起こったりする。アメリカでは決してメジャーとは言えないクリムゾンが、一部ファンにとはいえ熱狂的に迎え入れられている姿にちょっとした感動を覚える。そんなことを思いつつ、そして内容的にはまずまずでありつつ、このラインナップの音源ももう飽和気味で良いものは出尽くしている感があるのは否めない。(2009年10月10日)

<DGM Live!> Municipal Auditorium, New Orleans, LA

演奏:★★★★
音質:★
評価:★
[Recording Date]
1972/3/31

[1] Tune Up
[2] Pictures Of A City
[3] Cirkus
[4] 21st Century Schizoid Man
[5] Improv
[6] Cadence And Cascade
[7] Improv (incomplete)
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
こじんまりとしたAMラジオ的音質。ベースの音はほとんど聞こえないし、ドラムはライヴ会場の外から聴いているかのような音。演奏はかなり白熱している感じがする。そして音が悪いほど演奏が混沌としていてワイルドに聴こえてしまう。いや、でもさすがにここまで音が悪いとそんな聴き方でもちょっとキツイ、というくらい何をしているのかよくわからないよって、よほどのマニア以外には勧められない。パッケージで大量放出された72年は春のアメリカ・ツアー音源、新規モノでは良質なブツはなく、さすがにそろそろネタ切れという印象。(2011年4月10日)

Unidentified 1972 show



演奏:★★★★☆
音質:★★☆
評価:★★★
[Recording Date]
1972/Unknown

Disc 26
[2] Pictures Of A City (Incomplete)
[3] Cirkus
[4] Ladies Of The Road
[5] 21st Century Schizoid Man
[6] RF Announcement
[7] The Letters

Disc 27
[1] Pictures Of A City (Incomplete)
[2] Cirkus
[3] Ladies Of The Road
[4] Formentera Lady Improv Section
[5] The Sailor's Tale
[6] 21st Century Schizoid Man
Boz Burrell (vo, b)
Robert Fripp
   (g, mellotron)
Mel Collins
   (sax, fl, mellotron)
Ian Wallace (ds, vo)
こちらは「Sailors' Tale Box」のおまけディスク扱いの2枚。ディスク25に続いて [1] に"Blow No.3" を収録。2曲め以降は収録日不明のライヴを収録(約43分)でこちらも「Sailors' Tales Box」で初公開された音源。モノラルで音質は良くはないものの、音の乱れが少ないサウンドボード録音で、ブート慣れしている人なら十分許容範囲。演奏内容から、恐らくアイランズ・クリムゾンとしては後半(全米ツアー?)のものと思われ、パフォーマンスは良い。"Ladies Of The Load" のコーラスパートでのフリップのややふざけ気味のギターやフリップのアナウンスの後のお遊び演奏は他ではちょっと聞き覚えがないもの。"Letters" の内容も他音源とやや違っていて以外とレアな内容になっている。Disc 27は26と似たような音質で、演奏内容で聴く限り時期的にも近いと思われる。"The Sailor's Tale" がおよそ20分と長い(ドラムソロが長いだけ)。ちなみに Disc 26の [1] は「Sailors' Tales」ボックスの目玉音源のひとつであるオーディション/リハーサル音源の "Blow No.3" が収録されている。(2018年2月10日)

<Club 20> Live At The Zoom Club



演奏:★★★★
音質:★
評価:★
[Recording Date]
1972/10/13

Disc 1
[1] Larks' Tongues In Aspic Pt I
[2] Book Of Saturday
[3] Zoom
[4] Improv: Zoom Zoom

Disc 2
[5] Easy Money
[6] Improv: Fallen Angel
[7] Improv: Z'Zoom
[8] Exiles
[9] The Talking Drum
[10] Larks' Tongues In Aspic Pt II
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
Jamie Muir (per, allsorts)  
このディスクは、フリップ、ウェットン、クロス、ミューア、ブラッフォードによる初めてのギグを収録したもの。プライベート録音のため音質はコモリ気味で低音が薄く、ブートレグ慣れしていない人にとってはかなり辛いレベル。悪いなりに各楽器の音の分離は良好で演奏じたいはなんとか楽しめる。このラインナップ最初期のライヴとあって、曲もまだ仕上がりきっておらず、全体に荒削りな印象。[2] はブラッフォードが珍しく普通のロック・リズムを刻む試行錯誤段階バージョン。後に "Fallen Angel" に発展する [6] 、そして [5] はまだまだ未完成。比較的仕上がっている [9] [10] も後の演奏と比べるとかなりルーズなムードが漂う。しかし、なんといっても [3](22分)、 [4](45分) こそがこの音源のハイライト。他のどの音源でも聴けない即興性に満ちた演奏である、というのは好意的な見方で、煮詰めていない曲であるために必然的に自由度が高くなったというのが恐らく真相ではないかと思える。しかし、だからこそこの音源は価値が高い。ともすると即興性ばかり語られることが多い、フリップ、ウェットン、ブラッフォード期のクリムゾンは、実はミューアが抜けてからは意外と曲がしっかりしていて演奏の自由度が狭まっている。真に即興性に満ちていたのはミューア在籍時だったことがこの音源を聴くとよくわかる。(2007年2月9日)
「The Complete Recordings」ボックス盤に音質改善はなし。元が悪すぎて修正も困難なのでしょう。(2013年11月6日)

<Club 2> The Beat Club, Bremen



演奏:★★★★
音質:★★★★
評価:★★★★
[Recording Date]
1972/10/17

[1] Improv:
     The Rich Tapestry Of Life
[2] Exiles
[3] Larks' Tongues In Aspic PtT
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
Jamie Muir (per, allsorts)  
ジェイミー・ミューア入りランナップで初めて公式に録音されたパフォーマンスとされる音源(「<Club 20> Live At The Zoom Club」はオーディエンス録音)。ミューア在籍時の音源ということだけで貴重だけれど、性急に始まる [1] からして異様なテンションで繰り広げられる即興性の高い演奏に圧倒される。このころはまだ持ち曲が少なかったこともあって、このような長尺インプロヴィゼーションに走っていたと思われ、しかしこの時期でしか味わえないこの演奏なだけに価値がある。新メンバーでこれだけのパフォーマンスを繰り広げることができることにフリップはさぞかし手応えを感じたのではないだろうか。全39分のうち26分を占めるこの [1] こそがこのディスクのハイライト。モノラル録音のために音の広がり感には欠けるものの音質はクリア、充分聴けるレベルでミューア在籍時代で唯一まともな音質であることにも価値がある。素晴らしい!(2006年7月15日)
「The Complete Recordings」ボックス盤について。 [1] は所有してる日本盤コレクターズ・クラブでは演奏部分だけを収録してるが、このディスクでは演奏前の会話や軽く音を出しているところなど約2分30秒も収録されている。音質向上はない。(2013年11月6日)

<DGM Live!> Technical College, Hull, England



演奏:★★★★☆
音質:★★☆
評価:★★★☆
[Recording Date]
1972/11/10

Disc 1
[1] Walk On...No Pussy Footing
[2] Larks' Tongues In Aspic Pt I
[3] Book Of Saturday
[4] Announcement
[5] Improv I: Vista Training
          College Under Spot Light
[6] Exiles

Disc 2
[7] Easy Money
[8] Improv II
[9] The Talking Drum
[10] Larks' Tongues In Aspic Pt 2
[11] 21st Century Schizoid Man
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
Jamie Muir (per, allsorts)  
これもジェイミー・ミューア在籍時の音源。「<Club 20> Live At The  Zoom Club」とほぼ同等の音質で、わずかにこちらの方が高音域がクリア。とはいえ、所詮は音に厚みのない劣悪なオーディエンスなので音質重視派にはまったくお勧めできない。通常、この録音状態だとベースの音は拾えていないことが多いけれどウェットンのベースがブンブン唸っているおかげで幸いにもしっかりと聴こえてくる。次に肝心のパフォーマンスについて。この時期の聴きどころはなんと言ってもインプロにあり、[5] は「<Club 2> The Beat Club, Bremen」の1曲目と同じ曲であるために新鮮味は薄いもののそのテンションの高さにはやはり舌を巻く。一般的にパーカッション奏者という補足的な役割に留まるものであるのに対し、バンド・メンバーを鼓舞する影響力を持ち得ることをジェイミー・ミューアが見せつけている。[8] は「<Club 20> Live At The Zoom Club」 に収録されているのと同様の "Fallen Angel" の原型にあたるインプロ。全体的に曲や演奏の完成度はそこそこ([10] なんてかなりボロボロな仕上がり)に、演奏の自由度で勝負しているところはミューア在籍時の特徴を象徴しているとも言え、そこを堪能するのであればよりインプロに時間が割かれている「<Club 20> Live At The Zoom Club」の方が面白いかもしれない。さて、この音源の目玉はなんと言っても [11]。このラインナップでも演っていたことじたいがちょっとした驚きで期待が高まるところ。ただし、ここまで述べてきた通りの特徴を持つかなり荒っぽい演奏になっているので好みが分かれると思う。(2006年7月15日)
「The Complete Recordings」ボックス盤に音質良化はなし。(2013年11月6日)

<Club 24> Live In Guildford



演奏:★★★★★
音質:★★★
評価:★★★★
[Recording Date]
1972/11/13

[1] Larks' Tongues in Aspic (Part I)
[2] Book Of Saturday (Daily Games)
[3] Improv: All That Glitters Is
                           Not Nail Polish
[4] Exiles
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
Jamie Muir (per, allsorts)  
ミューア入りラインナップはビートクラブを除いてオーディエンス録音、その中ではベースの厚みもそこそこあるところがこの音源の売り。ミューアの打楽器もよく聴こえてくるし、演奏じたいは良い意味で水準をクリア。ただし、曲は少なめでトータルで43分、そのうち[3]が24分を占めている。よって、主に[3]を聴くべき音源。その[3]は、違う曲名が与えられているものの、ビートクラブ1曲めと同じインプロで怒涛の勢いで始まるオープニングからして好き者には堪らない。それをこの音質で聴けるのであれば、曲数が少なくても良しとするマニアはきっと少なくないに違いない。 (2006年7月15日)
「The Complete Recordings」ボックス盤に音質良化はなし。(2013年11月6日)

Glasgow Green's Playhouse

演奏:★★★★
音質:★
評価:★★
[Recording Date]
1972/12/1

[1] Larks' Tongues In Aspic (Part I)
[2] RF Announcement
[3] Book Of Saturday
[4] Improv: A Vinyl Hobby Job
[5] Exiles
[6] Easy Money
[7] Improv: Behold! Blond Bedlam
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
Jamie Muir (per, allsorts)  
「The Complete Recordings」ボックスで初公開された音源。いかんせん音が悪すぎるので繰り返し聴く気にはなれない。となると、「その場限り度」が高いこの時期はインプロに注目。[4](約20分) は他の日のような激しいものではなく、クロスのバイオリンを中心にフィーチャー。どうやらギターが絡んできているようなんだけれど音が悪すぎて混濁し、何がなんだかよくわからない。6分くらいからドラムが入りギターもメロトロンも加わっていき徐々にスリリングになっていく展開。一度クールダウンしてから再度演奏が熱を帯びていく。[7] は [6] が終わってそのままつながっている。ほとんどフリップのカッティングによる即興でそれに打楽陣とメロトロンが絡む約6分。音が悪いのが大変残念。(2013年11月6日)

<Club 48> Live In Newcastle

演奏:★★★★
音質:★★★★
評価:★★★★
[Recording Date]
1972/12/8

[1] Larks' Tongues In Aspic Part One
[2] RF Announcement
[3] Book Of Saturday (Daily Games)
[4] Improv I
[5] Exiles
[6] Easy Money
[7] Improv II
[8] The Talking Drum
[9] Larks' Tongues In Aspic Part Two
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
Jamie Muir (per, allsorts)  
ジェイミー・ミューア在籍時のラインナップの音源で新たに発見されたのだというサウンドボード音源。また、これまで同ラインナップで比較的音質良好なブツは曲数が少ないという欠点があったところにこの音源。音質は、サウンドボードであってもオフィシャルレベルとは言えない。高音域は伸びないし全体的にぼんやりした音。もちろんモノラル。ただし、ベース音の厚みがあって音のバランスは悪くないし、ミューアの活躍ぶりもわかる。インプロもこれまでリリースされたものとまるで違う(あたりまえだけど)し、曲も「Larks' Tongues In Aspic」アルバムのすべてを網羅している。つにミューア在籍時音源の究極盤か、と言いたいところではあるけれど、演奏のテンションは他音源の凄まじい部分と比較すると僅かに落ちるのと、[9]が3分47秒で切れてしまうところが惜しい。とはいえ、ボックスセットにも収録していなかった音源と考えると決定版と言って差し支えないと思う。(2019年5月13日)

Portsmouth Guildhall

演奏:★★★☆
音質:★
評価:★★
[Recording Date]
1972/12/15

[1] Book Of Saturday
[2] Improv:An Edible Bovine Dynamo
[3] Exiles
[4] Easy Money
[5] Improv: Ahoy! Modal Mania
[6] The Talking Drum
[7] Larks' Tongues In Aspic (Part II)
[8] 21st Century Schizoid Man
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
Jamie Muir (per, allsorts)  
これも「The Complete Recordings」ボックスで初公開された音源で、音質はかなり酷い。インプロは [2] も[4] もここでしか聴けない曲でこの時期の演奏の自由度の高さを満喫できる(それぞれ約9分と16分)。音源的に注目は、このラインナップ唯一の [8]。後に何度も演奏されているバージョンと較べて細かいところは違うものの完成度は劣っていない・・・と思う。というのも、音が悪すぎて細かいところはよくわからない。本当はミューアもいろいろやっているんだろうなあと想像でしか物を言えないのが残念。(2013年11月6日)

<DGM Live!> Richard Club, Atlanta, Georgia

演奏:★★★★☆
音質:★★★☆
評価:★★★★
[Recording Date]
1973/6/23

[1] Dr. Diamond
[2] Larks' Tongues In Aspic Pt I
[3] RF Anouncement
[4] Easy Money
[5] Improv I
[6] Exiles
[7] Book Of Saturday
[8] Improv II
[9] The Talking Drum
[10] Larks' Tongues In Aspic Pt II
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
終始「ブ〜ン」という低周波ノイズを伴っていてそれが少々耳に付く。それさえ気にならなければ演奏を楽しめる音質。コレクターズ・クラブを含む正規音源としては73年の中盤は初登場、 [1] の最も古い演奏が聴ける。テンポが少し遅くまだ形がカッチリとできあがっていないし、それは以降の曲も同様で全体に緩い。それが悪いかというとそんなことはなく、ラフで自由度が高いところが魅力で、74年以降のカッチリとした演奏を聴き慣れているとむしろ新鮮に感じる。特に後にスピードアップしていく [10] がじっくりと重く演奏されているところはこのラインナップ初期の特徴で、しかもこのまずまず音質でそれを楽しめるのはうれしい。ジェイミー・ミューア脱退後初期の音源としても貴重で、やや手探り感を残しながら緊張感の高い演奏を展開しているところが聴きどころ。(2008年9月13日)

University Of Texas, Arlington, TX

演奏:★★★★
音質:★★
評価:★★
[Recording Date]
1973/10/6

[1] Walk On
[2] Improv I
[3] Larks' Tongues In Aspic Pt I
[4] RF Announcement
[5] Easy Money
[6] The Night Watch
[7] Fracture
[8] Book Of Saturday
[9] Lament
[10] Improv II
[11] Exiles
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
「STARLESS」ボックスのボーナス・ディスク扱いながらDGM Live! で公開済み音源。"Larks’Tongues In Aspic Part I"のエンディングで「ジャーン」のあとの余韻部でブラッフォードがリズムキープしているのは珍しい。"Fracture"は中間にグラスゴーと同様の"Starless"の一部分を挟んだ演奏になっていて終盤のメロトロンの盛り上がりが目立つ。あとは特に目立つトピックはないものの、この時期らしく全体にゆったりと演奏されているのが特徴か。1ステージ収録と思われ、内容的には良い。「STARLESS」ボックスは音質の良い音源が多く、73年10月の音源はグラスゴーの素晴らしい音質とパフォーマンスがあるだけに価値が下がってしまう。(2014年11月16日)

<DGM Live!> Apollo, Glasgow, Scotland
Appolo Theatre, Glasgow, UK



演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★★
[Recording Date]
1973/10/23

Disc 1
[1] Sharks' Lungs In Lemsip
[2] Larks' Tongues In Aspic Pt I
[3] Announcement
[4] Easy Money
[5] We'll Let You Know
[6] The Night Watch
[7] Fracture
[8] Lament

Disc 2
[9] Book Of Saturday
[10] Tight Scrummy
[11] Exiles
[12] Improv IV
[13] The Talking Drum
[14] Lark's Tongues In Aspic Pt II
[15] Peace - a Theme
[16] Cat Food
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
「The Great Deceiver」Disc 2 [3]-[11] に収録されていた音源の恐らくは完全版。従って音質は文句なしの最上級。「The Great Deceiver」ではギターソロをチューリッヒの音源に差し替えてあった [6] もここでは編集前の音源で収録。新たに追加となったのは [7] [8] [11]-[14] の6曲。まず [7] 。全体的にテンポがゆったりとヘヴィに演奏されているのがけっこうエグイ感じがしてなんともいい。後半に入ることを告げるフリップの激しいギター・カッティング前に、約1分40秒の Jazz-Rock Middle Section(DGM原文そのまま:これの発展形が後の"Starless"に採用される) が挿入されている。ちょうど1ヵ月後の音源(「The Nightwatch」、アルバム「Starless And Bible Black」に収録されたもの)をはじめ、他の音源でもこの展開はない(後に10月6日でも同じことをやっていることが判明)ので完成途上だったのかも。[12]-[14] の流れはこの時期定番とはいえ、これまた全体にゆったりとヘヴィに演奏されている。こうして通して聴くとこの日は勢いはほどほどにじっくりと演奏されているようで、しかし結構危なっかしいところもあったりするという微妙なバランスで成り立っている印象。でも、僕はなんだかこの日の演奏に愛着がある。73年のオフィシャル・ライヴ音源、実は「The Great Deveiver」以外にはひとつも出ていなかったこともあって意外と貴重だったりもする。(2007年1月7日)
「STARLESS」ボックス音源について。もともと音質が良い音源だったところに更に磨きがかかり、音が中央寄りに定位するようになった。変化は大きくはないものの明らかに違うことがわかるリマスタリング。[6] のギターソロは「The Great Deceiver」と同様にチューリッヒの音源に再度差し替え直してある。確かにオリジナルのグラスゴー音源のソロはちょっと時間を持て余している感じがあるので、フリップとしてはこれを最終版にしたくないという思いがあったのかもしれない。(2014年11月16日)

<Club 41> Live in Zurich
Volkshaus, Zurich, Switzerland



演奏:★★★★★
音質:★★★★☆
評価:★★★★★
[Recording Date]
1973/11/15

Disc 1
[1] Walk On ... No Pussyfooting
[2] Improv: SomePussyfooting
[3] Larks' Tongues In Aspic Pt I
[4]RF Announcement
[5] Lament
[6] Peace: A Theme
[7] Cat Food
[8] The Night Watch
[9]Fracture

Disc 2
[10] The Law OfMaximum: Part 1
[11] Improv: The Mincer
[12] The Law Of Maximum: Part 2
[13] EasyMoney
[14] Exiles
[15] Improv: Some MorePussyfooting
[16] The Talking Drum
[17] Larks' TonguesIn Aspic Pt II
[18] 21st Century Schizoid Man
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
「The Great Deceiver」の Disc 4 [5]-[12] に収録されていた音源がバージョンアップされて再登場。従って音質は非常に良い。これだけの音源があるのならバラさないで最初から出してくれ、と言いたくなるけれど、どうやら [11] は別のソースから持ってきているようでこの曲のみブートレグ音質になる。なるほど、完全版でリリースしたくてもできなかったのは、そして「The Great Deciever」では [10] と [12] が無理やり繋がっていたのはそういうわけか、と合点がいく。ここで初登場となっているのは大半がお馴染みの曲で、この時期限定の [6] [7] ももちろん収録。既にリリースされていたのがインプロばかりだったところに、これらの曲が追加されたことによって1ステージとして成立、曲のバランスが非常に良くなったことで通して聴いても飽きがこない。演奏は曲によってややテンションにムラがあるようにも感じるけれど、それも含めて1ステージをディープに楽しめる。こうして真剣に聴いてみると改めてこのラインナップの演奏に畏敬の念を抱かずにはいられない。(2010年6月18日)
「STARLESS」ボックスは、"The Law Of 〜 Part1" と "Part2" の間の "The Mincer" がコレクターズクラブ Vol.41 のブートレグ・ソースではなく、アルバム「Starless And Bible Black」の "The Mincer" 音源に差し替えるという荒業を駆使しており、これにより(当然ながら)音質は良くなった。しかし、オーバダダブされたコーラスがライヴ音源に入り込む不自然さは拭えず、Part2への連続性も無理が出てしまった。ちなみにこの部分、DVD-Audioではブートレグ・ソース(40th Anniversaryと同じ)、ブルーレイではスタジオ音源ソースが使われている。(2011年11月16日)

Palazzo delo Sport, Udine, Italy



演奏:★★★★
音質:★☆ (Disc 27)
音質:★★★★☆(Disc 7)
評価:★★
[Recording Date]
1974/3/19

Disc 27 (bonus disc)
[1] Walk On: No Pussyfooting
[2] Improv: Some Pussyfooting
[3] Larks' Tongues In Aspic Pt I
[4] Lament
[5] Dr Diammond
[6] The Night Watch
[7] The Great Deveiver
[8] Guts On My Side
[9] Improv II
[10] Starless
[11] Book Of Saturday
[12] Exiles
[13] Fracture

Disc 7
[1] Exiles
[2] Fracture
[3] Larks' Tongues In Aspic Pt II
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
如何にもオーディエンス録音らしい音の薄さ。一応各楽器の音は聴き取れるものの音質も不安定で聴きづらく、あえてこの音源を聴こうという気は起きない。"Guts On My Side"というレア曲が入っているものの、「Starless And Bible Black」の40周年記念で既に公開されたものと同じ音源。強いて言えば "Improv II"が9分49秒とこの時期にしては長いということくらいか。最後3曲だけの方は翌日と同等の高音質。(2011年11月16日)

<DGM Live!> Palasport, Brescia, Italy
Palazzo delo Sport, Udine, Italy



演奏:★★★★
音質:★★★★☆
評価:★★★★
[Recording Date]
1974/3/20

[1] Larks' Tongues In Aspic Part I
[2] Dr. Diamond
[3] Easy Money
[4] Lament
[5] The Night Watch
[6] Improv I
[7] Starless
[8] Exiles
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
冒頭から怪しげなノイズを発し、そのまま [1] につながる展開はある意味予想通りのお得意パターンとはいえ、スタジオ録音よりも遥かに緊張感があってカッコイイ。そしてこの時期によく演奏された [2] もクリムゾンでなければ、このメンツでなければできない緊張感のある曲。スタジオ盤(「Red」)収録に至らなかったのは恐らく他の曲との整合性だけが問題だったのではないかと思わせるほど完成度は充分に高い。以降もお馴染みの曲にいつも変わらないハイ・レベルな演奏が続く。メロトロン、ギター、ベースが織り成すノイズを巧みなパーカッションで盛り上げるブラッフォードの活躍は、やはり聴き逃せない。ルバートっぽい導入部から徐々にテンポが浮き上がり、スリリングな曲へと展開していくインプロの [6] はやはり聴きどころで、流れるように連なっていく [7] はおそらく最初期の演奏と思われ、アレンジもヴォーカルもまだ形ができていない雰囲気を出しつつもある意味新鮮な印象。そして [8] は約4分を過ぎたところでブッツリ。せめてフェード・アウト処理できなかったのかと思ってしまうがこれはコレクターズ・クラブ。マニアはこんなことくらいで落胆してはいけない。(2006年8月14日)
「STARLESS」ボックス音源について。少しだけ音質向上し、広がりよりも中央に固まった音場感に変わっている。クレジットでは [1] Improv I (その影響で中盤のインプロが Improv II)になっているけれど、従来の "Larks' Tongues In Aspic Pt I" の冒頭部を切り出しただけ。(2014年11月16日)

ORTF TV Paris, France

演奏:★★★★
音質:★★★★☆
評価:★★★★
[Recording Date]
1974/3/22

Disc 9
[1] Larks’ Tongues In Aspic Pt II
[2] Improv
[3] The Night Watch
[4] Lament
[5] Starless
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
映像で有名なフランスのテレビ番組収録のときの音源。音質良好。ギターの音がやや薄く引っ込み気味、その分クロスのバイオリンがよく聴こ える。(2014年11月16日)

Palais Paul Videl, Avignon

演奏:★★★★
音質:★★★☆
評価:★★★☆
[Recording Date]
1974/3/24

Disc 10
[1] Walk On: No Pussyfooting
[2] Doctor Diamond
[3] Lament
[4] Fracture
[5] The Night Watch
[6] The Great Deceiver
[7] Starless
[8] Exiles
[9] The Talking Drum
[10] Larks’ Tongues In Aspic Pt II
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
ややコモリ気味ながら低音もしっかりしたモノラル・サウンドボード。一連のコレクターズクラブ音源に比べるとやや荒っぽい音質で、特に大音量で多くの楽器が鳴っているときに煩い感じになる傾向にあるものの、普通に聴くことに何ら支障のない音質。演奏は、良い意味で標準的で十分楽しめる。ブラッフォードが即興的にいつもと違う叩き方をしているところが多いように思えたり、クロスの "Starless" のソロがワイルドだったりと聴きどころもある。その "Starless" は、最後の最後のジャーンのところから急遽ステレオに変わる。どうやらマスターテープは2種類をつなぎあわせているらしい。この日は曲の並びもなかなか良いし、これは1本のコンサートとして楽しめると喜んでいると最後 [10] はこれからというところ(3分43秒)でブッツリと切れてしまう。そこまでが良かっただけにガッカリ度は大きい。(2014年11月16日)

Palais Des Sports, Besancon, France

演奏:★★★★
音質:★★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1974/3/25

Disc 11
[1] Dr. Diamond
[2] Lament
[3] Fracture
[4] The Night Watch
[5] The Great Deceiver
[6] Improv I
[7] Starless
[8] Exiles
[9] Improv II
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
[6] はコンピレーション・ライヴ盤「Cirkus」で一部使われていたらしい。他は初出。音質は前日と同傾向ながら音は少しこちらの方が整ったステレオ・サウンドボード。[1] は途中から。"Fracture" 終盤のギターとバイオリンのハモりの音程が微妙に狂って不協和音的。3曲めに "Fracture" を入れてくる展開は珍しいかも。演奏は良い意味で標準的。静かなインプロパートで終了することもあって地味な印象に。(2014年11月16日)

Stadttheater, Augsburg, Germany

演奏:★★★★
音質:★★★★☆
評価:★★★☆
[Recording Date]
1974/3/27

Disc 12
[1] Walk On: No Pussyfooting
[2] Dr. Diamond
[3] Lament
[4] Easy Money
[5] Fracture
[6] The Night Watch
[7] The Great Deceiver
[8] Starless
[9] Improv: Augsburg
[10] Exiles
[11] Larks’ Tongues In Aspic Pt II
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
2007年に DGM Live! で公開済み音源。やや荒い感触で高音の伸びがない音質ながらベースがギュインギュインと唸って迫力がある。音場の広がりも上々。ただ、なぜだか全員で演奏が進んでいるときのスネアドラムの音だけ立体感がないという感じの不思議なステレオ・サウンドボード。演奏はアグレッシヴで尚且安定していて聴き応えタップリ。一方でこの日ならではの聴きどころと思えるところはあまり思い浮かばない。[11] は2分50秒で切れる。この曲まで完全に収録されていたら通して聴いても満足できる内容。(2014年11月16日)

Halle Der Fachoschule, Dieburg, Germany

演奏:★★★★
音質:★★★★☆
評価:★★★☆
[Recording Date]
1974/3/28

Disc 13
[1] Dr. Diamond
[2] RF Announcement
[3] Lament
[4] The Night Watch
[5] Fracture
[6] Improv I
[7] Exiles
[8] The Great Deceiver
[9] Improv II
[10] Starless
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
初登場音源。前日よりも整った高音質。こちらもベースがギュインギュインと唸る。パフォーマンスは平均的(もちろん彼らのレベルという前提なので十分に凄い)。"Fracture" の後半はブラッフォードがいつもと違うオカズで勢いを増強し、フリップが荒れた低い音域で迫っていてちょっと新鮮。既存のコレクターズ・クラブ音源と比べても遜色ない内容で、なぜこのタイミングで出てきたのかは不明。[10] はヴォーカルのパートまででブッツリと切れてしまう。(2014年11月16日)

<Club 29> Live In Heideberg
Stadthalle, Heidelberg, Germany



演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★
[Recording Date]
1974/3/29

[1] Improv: Hideberg I
[2] Dr. Diamond
[3] Exiles
[4] Improv: Hideberg II
[5] Starless
[6] The Night Watch
[7] Lament
[8] Easy Money
[9] Fracture
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
74年の3月後半はそれにしても音源が多い。充実期で演奏レベルが一番高かった時期だけに音さえ良ければ当然素晴らしい記録として重宝するのがマニアの悲しい性というもの。翌日の演奏が先に「<Club 15> Live In Mainz 1974」で出ていて、演奏、曲、録音状態、収録時間(58分)、すべての点で似た傾向の本音源。この日は導入部のインプロから"Larks' Tongues In Aspic Part 1"ではなく "Dr. Diamond" へとつながる形式。その [2] が終わったあとに放送禁止用語を交えながら長いMCが入っているのは意外と珍しいかも。クレジットされていないものの [3] の冒頭もインプロから始まり、そこから連なる展開はやはりスタジオ・バージョンよりカッコイイ。 [6] へ連なるインプロの [5] は9日前の「<DGM Live!> Palasport, Brescia, Italy 1974」と同じ展開ながら演奏内容はスリリングかつ別物で、このグループの引き出しの多さを見せつけられる。そんな優秀な音源ではあるんだけれども、重要曲 [9] が3分少々で、突然ブッツリと、まるでCDプレイヤーが壊れたのかと思わせるかのような切れ方をして面食らう。DGM のホームページにあるレビューでその旨を書いたコメントを見なければ不良品かと思う唐突さで、しかしそういうものだと知ったときのショックは小さくはない。(2006年7月15日)
「STARLESS」ボックス音源はリマスターしているものの、ほとんど違わずほんの少しだけ音質ブラッシュアップしている程度。(2014年11月16日)

<Club 15> Live In Mainz
Elzar Hof, Mainz, Germany



演奏:★★★★★
音質:★★★★☆
評価:★★★★★
[Recording Date]
1974/3/30

[1] Improv: The Savage
[2] Dr. Diamond
[3] Improv: Arabica
[4] Exiles
[5] Improv: Atria
[6] The Night Watch
[7] Starless
[8] Lament
[9] Improv: Trio
[10] Easy Money
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
これも74年春のヨーロッパ・ツアーから。音質はウェットンの声が若干シャカシャカしていることとバス・ドラムの音がやや大きめであること以外には申し分なく演奏のテンションも言うことなし。1時間弱という長さも手ごろ、3/24以降の他の音源は妙なところでカットされているものばかりだけれど、この音源はその点でも問題なし。正規に販売しても全く問題ない、この時期のクリムゾンを堪能するには最高の音源。やはり前半で聴けるインプロ・パートがスリリングで最大の聴きどころになっているが、あまりライヴでは良い印象がない [7] がクロスのソロもフリップのギターもテンションが高く「<DGM Live!> Palasport, Brescia, Italy」の演奏よりもまとまりがあって印象が良い。(2006年7月15日)
「STARLESS」ボックス音源はリマスターされていはいるものの、ほんの少しだけ音質ブラッシュアップした印象。 Disc 26 にはこの日の終盤3曲を追加。"Easy Money"は重複。ただし、bootleg only source というコメント通りのオーディエンス録音で音質は悪い。(2014年11月16日)

<DGM Live!> Jahnhalle, Pforzheim, Germany



演奏:★★★★★
音質:★★★★☆
評価:★★★★
[Recording Date]
1974/3/31

[1] The Great Deceiver
[2] Improv
[3] Dr. Diamond
[4] Improv II
[5] Exiles
[6] The Night Watch
[7] Lament
[8] Starless
[9] Easy Money
[10] Fracture
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
「<Club 15> Live In Mainz」翌日の音源。今宵は、いきなり激しいイ ントロから入る [1] で飛ばし、インプロから、いつもよりテンポを落とした [3] へという序盤でこれもなかなかカッコイイ展開。再びインプロの [4] から [5] へという流れはもうお約束のパターンで、[4] はタイトルに偽りなく、例によってこの場限り即興的な演奏。74年の3月後半から4月の前半はどういうわけか良好音質の音源が複数リリースされているけれど、レパートリーは似た傾向でそろそろ飽食感があるのは否めず、"Fracture(この音源でも約3分でブツ切れ)" "Larks' Tongues In Aspic Part 2" あたりの人気曲も聴きたいと思うのがマニア。そうは言っても、それぞれ音質も演奏も良いので無視できないのもまた事実だし、聴けば同じ曲でも同じようには演奏していないこともあって、手を出すべきがいつも悩みつつも入手してしまう。第2期(アイランズ期)と違って演奏はその都度変わっても演奏の持つムードは良くも悪くも変わらない(高いレベルで同じムードの演奏ができることは本来は感嘆すべきこと、というのが第3期ラインナップに対する僕の意見で第3期のライヴ音源にここまで満たされてしまっている今、1ステージのコンプリートものをリリースしてくれないと満足できなくなってくる。(2006年8月15日)
もともとやや荒れ気味の音質が「STARLESS」ボックス音源のリマスターでほんの少しスムーズな感触になった。(2014年11月16日)

<Club 36> Live In Kassel
Stadthalle, Kassel, Germany



演奏:★★★★★
音質:★★★☆
評価:★★★★
[Recording Date]
1974/4/1

[1] The Great Deceiver
[2] Improv I
[3] Dr. Diamond
[4] Improv II
[5] Exiles
[6] The Night Watch
[7] Lament
[8] Starless
[9] Easy Money
[10] Fracture (Imcomplete)
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
高音域はやや霞み、全体に軽くフランジャーがかかったような癖のある音質。それでもベースの厚みがしっかりしているのは一応、サウンドボード録音だからでしょう。演奏はいつも通りハイレベルで安定しているので安心して楽しめる。[1]〜[3]の流れは少し目新しくカッコいいんだけれど、この日前後のオフィシャル・レベル音質音源が山ほどリリースされている中、この日の音源にそれほどの価値があるとは思えない。もちろん20年前にリリースされていたらきっと大騒ぎされていたに違いないレベルの音源でもあるんだけれど、もうこの程度のものではマニアは喜びませんよと誰かフリップの肩に手に乗せて言ってあげてはくれないだろうか。(2008年11月22日)
「STARLESS」ボックス音源は、こちらもほんの少しだけ音質ブラッシュアップした印象でほとんど変わらない。(2014年11月16日)

Stadthalle, Gottingen, Germany

演奏:★★★★★
音質:★★★★
評価:★★★★
[Recording Date]
1974/4/2

[1] The Great Deceiver
[2] Doctor Diamond
[3] Exiles
[4] Fracture
[5] RF Announcement
[6] Lament
[7] Starless
[8] Improv I
[9] The Night Watch
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
「STARLESS」ボックスにて初登場の音源。ステレオ・サウンドボードで音質は良いが少し抜けが悪い。バスドラムがやや強調されて、高音がシャリシャリした感じ。"The Great Deceiver" "Doctor Diamond" とヴォーカル入りハイテンポ曲を冒頭から展開するセットリストは珍しい。[1] は Imcomplete と書かれているけれど頭欠けなし。掛け声も聴こえてきて気合いが入っている。[4] ではベースの唸りが目立つ。[6] でギターリフに合わせてブラッフォードのスネア連打で迫るところが普通のリズムキープの叩き方になっていてかなりレア。全体に内容は良いものの、[9] で終わると盛り上がりに欠けるのは仕方がないところ。それにしてもこの74年3月〜4月の音源がおしなべて時間が60分弱となっているのは、録音用テープが60分までだったということなんだろうか?(2014年11月16日)

Veterans Memorial Coliseum, Columbus, OH

演奏:★★★★☆
音質:★★★☆
評価:★★★★
[Recording Date]
1974/4/28

[1] The Great Deceiver
[2] Lament
[3] Improv I
[4] Exiles
[5] Fracture
[6] Easy Money
[7] Improv U
[8] The Night Watch
[9] RF Accouncement
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
DGM Live!でリリース済み音源をボックスセット「Road To Red」で入手(よって既存音源との比較はできません)。[1] は頭欠け。音のクリアさはまずまずでも音のバランスがかなり特殊。まず、ギターの音量が極端に低いところにすぐ違和感を感じる(ただしソロになるとそれほど気にならない)。ブラッフフォードのシンバルを含む金物系パーカッションの音も遠い。結果としてスネアドラムとベース、メロトロンが目立ち、もっとも前に出てきているのがヴォーカルというバランス。そのウェットンはいつも以上の熱唱ということもあり、ヴォーカルを堪能するべき音源。2曲の Improv は次の曲につながる2分半程度のイントロ的なもので過剰な期待をしてはいけない。最後の曲も静かな [8] で特に盛り上がらず、フリップのいつもの気怠いアナウンスで地味に終わる(歓声はなかなかの盛り上がりだが)ので娯楽性に乏しい音源。(2013年11月3日)

<DGM Live!> Stanley Warner Theatre Pittsburgh, PA



演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
評価:★★★★
[Recording Date]
1974/4/29

Disc 1
[1] Walk On
[2] The Great Deceiver
[3] Lament
[4] Improv Bartley Butsford
[5] Exiles
[6] Fracture
[7] Easy Money
[8] Improv Daniel Dust
[9] The Night Watch

Disc 2
[10] Dr Diamond
[11] Starless
[12] Improv Wilton Carpet
[13] The Talking Drum
[14] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[15] 21st Century Schizoid Man
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
既にボックスセット「The Great Deceiver」でリリースされている74年4月29日音源のの完全版。新たに追加されたのは [3] [6] [7] [15] のみで、ここまで音源が溢れている状況ではさほど目新しさは感じない。 [6] は途中でマスターテープの問題なのか妙な途切れ方、つながり方をしていて未発表だったのはそのせいなのかもと思わせる。一方で [15] はこのラインナップ中でも上位に来るパフォーマンス。充実期とあって演奏はもちろん十分に素晴らしく、この時期のクリムゾンの魅力を存分に味わうことができる。ボックスセットという形態で収録されているとなかなか聴こうという気持ちになれないので、このような形式でリリースされるのは良いと思う。一方で最近の DGM Live! はジャケットを省略するようになってきてちょっと寂しい。(2009年3月28日)
そんな不満を書いていたところ、4月12日にDGMからメールが。途中で切れてヘンなつながり方をしていた [6] を修復したとのこと。確かに完全版として収録されていて、いつもよりブラッフォードが走り気味で展開する"Fracture"を堪能できる。もちろんフリーで再ダウンロード可能というのは従来通り。ジャケットも同時にUpload。いやはや DGM は仕事が丁寧だ。(2009年4月12日)
「Road To Red」盤で特に音質向上は認められない(Audio restoredのクレジットもない)。音源的には [15] の後の拍手と歓声、SEが1分ほど長く収録されている程度で既存リリースからのアドバンテージは特にない。(2013年11月3日)

Hofheinz Pavilion, Houston, TX

演奏:★★★★☆
音質:★★★★☆
評価:★★★★
[Recording Date]
1974/6/5

[1] The Great Deceiver
[2] Lament
[3] Improv
[4] Exiles
[5] Fracture
[6] Starless
[7] The Talking Drum
[8] Larks Tongues In Aspic Pt
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
ボックスセット「Road To Red」で初公開の音源。ややコモリがあるので音の広がり感はないもののサウンドボードの良好音質。ベースの音に厚みがあってヴォーカルが最も前に出ていてギターがやや遠めという楽器のバランス。[1] は途中からのフェードイン。[3] はこの日に限らず [4] イントロ的な即興でスリルはそこそこのインタールードの扱い。全体的にパフォーマンスは上々で演奏に没頭できるがそれゆえに [8] が4分20秒でブッツリと切れるところでガッカリする。(2013年11月4日)

<DGM Live!> Tarrant County Convention Centre,
                                                     Fort Worth, TX



演奏:★★★★
音質:★★★
   (「Road To Red」盤)
評価:★★
[Recording Date]
1974/6/6

[1] Walk On
[2] Easy Money
[3] Lament
[4] Fracture
[5] Improv I
[6] The Talking Drum
[7] Larks Tongues In Aspic Pt II
[8] 21st Century Schizoid Man
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
有名なブートレグ音源であることが DGMサイトに謳われている通り、いかにもブートな音質。サイトで試聴したはずなのに、[1] の音質の悪さはどうしたことか。音が薄く、無駄に広がった音場は個人的は最も嫌うタイプの音質。と思ったら [3] で厚みが増し、その音場も解消、どうやら別ソースに差し替わったらしい(サウンドボードからのカセットとクレジットあり)。それでも音がイイとまでは言い難い。内容は特筆すべきことはなく、いつも通りのハイレベルな演奏が展開され、ようやく安心していると、[8] で冒頭のソースと覚しき音源に差し戻って聴いていてテンションが下がってしまう。ブートなんて記録だから流れも何もないだろう、というのはもっともだけれど、こういう音質の流れはやっぱり萎える。(2010年8月22日)
リミックスのクレジットある「Road To Red」では、劇的に変わったとまでは言えないものの、確実に全体にクリアさを増して一皮剥けた印象。(2013年11月3日)

<DGM Live!> Fairground Arena, Oklahoma City, OK



演奏:★★★★
音質:★★★☆
評価:★★★
[Recording Date]
1974/6/7

[1] The Great Deceiver
[2] Lament
[3] Improv I
[4] Exiles
[5] Fracture
[6] Starless
[7] Improv II
[8] The Talking Drum
(The Talking Drum insert)
[9] Larks Tongues In Aspic Pt II
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
[1] は頭が欠けて、いきなり途中から始まる。音質もそれなりで、一応各楽器の音は拾えているものの、音圧とクリアさはあまり期待しない方がいいというレベル。曲目も目新しいものはなく、お楽しみのインプロは [3] [7] 合わせて6分足らず、と全体的に薄味な音源。また、ところどころフリップのギターがかなり遠いところにあり、場合によっては(特に [1])聞こえない部分も少なからずある。本来ならマイナスにしかならないこの音のバランス、しかし、既に膨大音源に食傷気味のマニアにはデヴィッド・クロスの活躍がもっとも分かりやすいという、いささかひねくれた価値を持つという考え方もできる。最近は、この前日の音源のように更に音質が悪いものもリリースされており、さすがに良好な音源は底をついてきたかという印象を抱かせる。(2010年8月22日)
元々、ソースのテープでは [8] と [9] のつなぎ目が紛失していたのを前日の音源で補う処置をしていることがコメントされていた。「Road To Red」盤でも同じ措置を取っているものの、[8] の3分47秒から [9] の冒頭1分52秒を別トラックとして "The Talking Drum inset" とクレジットし補足部分を明確にしている。また、全体に音質の修復が行われクリアさが1枚向上している。(2013年11月3日)

Civil Auditorium, El Paso, TX

演奏:★★★★
音質:★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1974/6/8

[1] Larks Tongues In Aspic PtU
[2] Lament
[3] Improv
[4] Exiles
[5] Easy Money
[6] Fracture
[7] RF Announcement
[8] Starless (Part1)
[9] Starless (Part2)
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
この北米ツアーには完全オフィシャルレベルの最高音質盤が何公演かあるけれど、それらよりやや落ちる程度の音質。ただしモノラル音源でヴォーカルの声量が大きいところが一部歪んでいる。それでも 6/16 デンバーの音源よりは音場に広がりが感じられ、見通しがよく、楽器の音量バランスが適切なのでだいぶ聴きやすい。特にメロトロンの音がうまく捉えられていてうまくサウンドの色付けができている仕上がり。このレベルなら資料的意味合いではなく音楽を楽しむ観点で聴ける。[1] は頭欠けも30秒程度なので被害は最小限。インプロ [3] は激しい系ではなく思わせぶりなムード漂わせるいつもの [4] のイントロ的なもの。全体的にこの時期のクリムゾンとしては安定志向なものの、パオーマンスは上々でそれを目的として聴くのなら十分満足できる。曲目が少々物足りないのと"Starless" の中間部がバッサリとカットされていることが、「Road To Red」ボックスまで公開されなかった理由か。(2014年2月1日)

Coliseum, Denver, CO

演奏:★★★★☆
音質:★★★☆
評価:★★★
[Recording Date]
1974/6/16

[1] The Great Deceiver
[2] Lament
[3] Exiles
[4] Easy Money
[5] Starless
[6] The Talking Drum
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
音質は、厳しく見ると広がり感がなく(モノラル)良いオーディオ・システムで聴くとさすがにコモリが気になる。ベースの音量が大きめで厚みがあって時にブリブリと歪んだ音がワイルド。ギターが冒頭はやや遠い。近年出てきた音源にしては珍しく [1] はちゃんと頭から始まる。ウェットンのヴォーカルはかなりオンマイク気味で歌い方がちょっとと荒っぽいのがこの音源の特徴かも。演奏全体に勢いを感じさせる素晴らしいパフォーマンスで [4] のギターのワイルドさも堪能できる。これで [6] が5分強でブッツリと切れずにちゃんと完奏されて、いつもの流れ通りに"Larks' Tongues In Aspic Pt II"まで収録されていれば、通して聴けるライヴ・アルバムとして扱うこともできたかもしれない。(2014年2月1日)

<DGM Live!> Performing Arts Centre, Milwaukee, WI



演奏:★★★★☆
音質:★★★★☆
評価:★★★★
[Recording Date]
1974/6/22

[1] Larks Tongues In Aspic Pt II
[2] Lament
[3] Improv I
[4] Exiles
[5] Improv II
[6] Night Watch
[7] Starless
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
これまでに一度もリリースされていなかった音源にもかかわらず音質は上々で、少々抜けが悪いものの音楽に没頭して聴けるレベル。[1] は頭欠け。トータルで45分とボリュームは多くないが、例によって演奏はその日限りの生モノ的即興性十分で、適度な粗さを残しつつも高度なテクニックで押すパフォーマンスには十分納得できる。 注目のインプロ、 [3] は [4] につながる1分半のイントロのようなもの、[5] はパーカッシヴなブラッフォードの細かいリズムを基点にウェットンがウネり、フリップのギターとクロスのメロトロンが絡みつく。お得意の展開とわかりつつ、好きな人にはたまらない8分半。[7] 後半でフリップのギターの音量が急に下がって薄っぺらい感じになってしまうのがちょっと残念。曲数が少ないので物足りないのは事実だけれど、コンパクトにこの時期のクリムゾンを味わえるとポジティヴに考えればなかなかの音源。(2012年7月21日)
「Road To Red」盤は音質向上はほとんど感じない。ただし、[1] で主に左チャンネルにあったドロップアウトがなくなっているなど修復の跡が見られる。(2013年11月3日)

Aquinas College, Grand Rapids, MI

演奏:★★★★★
音質:★★★★☆
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1974/6/23

[1] Larks' Tongues In Aspic PtU
[2] Lament
[3] Improv I
[4] Exiles
[5] Easy Money
[6] Improv U
[7] The Great Deceiver
[8] Fracture
[9] Starless
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
こちらもモノラル音源(赤箱初出はみんなそうなのか)。ただし音質はなかなか良く、6月8日の El Paso と同等かそれよりも少し良いくらい。 特にベースはかなり低い音域からしっかり出ていて全体の音の厚みを支えているし、各楽器の音量バランスもいい。[1] の頭欠けは20秒位と被害は最小。[3] は慣例通り [4] へのつなぎインプロで、入りから刺激的で実にカッコいい。[5] はフェードインから最後の1分30秒のみの収録。入れる必要があったのかと思うけれど次のインプロ [6] につながっているのでその連続感、雰囲気を入れたかったんでしょう。その [6] は怪しいムードからスリリングに展開お得意のパターンで、もちろんマニアなら楽しめる4分強。[1] 以外に欠落もなく、全体にパフォーマンスに活気があって音質も良好という赤箱屈指の良好音源。(2014年2月1日)

<Club 45> Live In Tronto



演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★★
[Recording Date]
1974/6/24

Disc 1
[1] Larks' Tongues In Aspic P II
[2] Lament
[3] Exiles
[4] Improv-The Golden Walunt
[5] The Night Watch
[6] Fracture

Disc 2
[7] Improv
    -Cluesless And Slightly Slack
[8] Easy Money
[9] Starless
[10] 21st Century Schizoid Man
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
ダウンロード販売とCDメディア販売とどう区別をつけているのかさっぱりわからないコレクターズクラブ・シリーズ。74年、このラインナップ後期の音源がCDメディアで登場。音質は非常に良く、まごうことなきオフィシャルレベル。まだこのレベルの音源が出てくるところがコワイ。演奏も全員好調でパワーと勢いも十分でかなり充実、パフォーマンス面でもまだこのレベルものが今頃出てくるところもコワイ。実はこの音源、ボックスセット「The Great Deceiver」 Disc 4 [1]-[4] のフルステージ版と思われるもの。このラインナップの高音質音源は掃いて捨てるほどあるんだけれど、100分近い1ステージ丸ごとの音源というのはあまり多くないので、そういう意味では価値がある。 重複曲の [7] は1分40秒くらい長くなっている(カットされているところは非常にわかりにくいところ)し後半ドラムが入ってからはリマスタリングで音質が明らかに向上しているせいかこちらの方がずっと緊張感が高く感じる。フルステージなので全体に流れができているし、およそ10分のインプロ 2曲入りという構成もいいバランス。コレクターでなくても聴く価値アリの素晴らしいライヴ。(2012年7月4日)
元々音質がかなり良いだけに「Road To Red」で特に向上した感じはしない(Audio restoredのクレジットもない)。また、何故か音圧を下げる措置がなされている。内容に変化はないものの、[1] の前に "Walk On: No Pussyfooting"が追加されている。(2013年11月3日)

<DGM Live!> Convention Center, Quebec City, Quebec



演奏:★★★★
音質:★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1974/6/25

[1] 21st Century Schizoid Man
[2] Lament
[3] Improv I
[4] Exiles
[5] Easy Money
[6] Improv II
[7] Fracture
[8] Starless
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
[1] は従来のDGM音源で冒頭欠けていて唐突に入るところ、「Road To Red」収録盤ではさらに15秒ほどカットしてキリのいいところから始めている。もともと良かった音質は少しだけとはいえ更に向上している(ただしモノラル)。とはいえややコモリ気味でベース過多、ギター控えめの音量バランス、ドラムの音がモヤっとしていて音の見通しはもうひとつ。[1] を除くとセットリストはこの時期の音源とはあまり変わり映えしない。[6] は曖昧でゆったり系、後半のクロスのソロが印象的。[7] いつもより心持ちタメた感じ聴こえるし、ブラッフォードもマンネリ防止の工夫が見られる。[8] では静寂パートのコードが変わるところフリップが間違えているところも聴きどころか。と一応挙げてはみたものの、突出したところはなく平均的。ベース音量過多の録音バランスが気にならなければまずまずの音源、と思っていたら最後はこれから大盛り上がりのフィナーレというところでブッツリ。これはガックリ来る。(2014年2月1日)

Kennedy Centre, Washington, DC

演奏:★★★★
音質:★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1974/6/27

[1] Lament
[2] Improv I
[3] Exiles
[4] Easy Money
[5] Improv II
[6] Fracture
[7] Starless
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
どうやら1曲めが欠落して"Lament" から始まっている、という鑑賞物であることなどおよそ想定していないブートレグ的な構成。音質は、もう少しドラムの音が前に出てくれればとは思うもののバランス良好で合格点(これもモノラル)。ただ、時々音量バランスが変動し、[6] の後半などはベースの音ばかりが目立つというウェットン・ファン限定のものになってしまっているところもある。曲目やパフォーマンスは合格点で、これだけ音源が放出されている中、インプロも地味目なので音源としては特徴があまりない。(2014年2月1日)

<DGM Live!> Casino, Asbury Park, New Jersey



演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★★
[Recording Date]
1974/6/28

[1] Walk On
[2] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[3] Lament
[4] Exiles
[5] Improv: Asbury Park
[6] Easy Money
[7] Fracture
[8] Starless
[9] 21st Century Schizoid Man
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
「USA」 の加工前オリジナル音源。よってエディ・ジョブソンのオーバーダビングはなく本来のデヴィッド・クロスの演奏が聴ける。その他もよく聴くと「USA」は手が加えられた音源だなと気づくところがある。[5] のインプロはここでは5分も長くなっているのは誰が見てもわかる相違点。細かいところでは [9] のヴォーカルの入りのところ、本作ではシンバルが何度か盛大に鳴っているのに「USA」ではシンバルの音が入っていなかったりする。そんなこともあって何らかのしがらみを抱えていたと思われる「USA」に対してこの音源は(恐らく)純粋なマスターテープに極めて近いものと思われ、曲順も適切に並び替えられてコンサートとしてこの日の音源を究極に楽しめる形でのリリースとなった。改めて言うまでもなく、この日の演奏は本当に素晴らしい。(2006年8月15日)

<DGM Live!> Penn State University,
                              University Park, Pennsylvania



演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★★
[Recording Date]
1974/6/29

[1] Walk On
[2] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[3] Lament
[4] Exiles
[5] Improv:
     Is There Life Out There?
[6] Easy Money
[7] Improv:
     It's For You But Not For Us
[8] Fracture
[9] Starless
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
「The Great Deceiver」の Disc 2 [12] [13]、Disc 3 [12] [13] の音源を含むこの日のフル・コンサート(DGM Webサイトの解説にそう書いてある)。既発部分については変化はなく、音質的にもほとんど変化なし。セット・リストは前日と比較すると "21st Century Schizoid Man" が外れてインプロが1曲追加された程度の違い。DGM Webサイトの解説では機材にトラブルがあったと書かれているけれど、それと感じる部分はない。このラインアップの音源ももういいだろうと思いつつ音質が良いものとわかっているのでついつい入手してしまう。この日の音源の聴きどころは既発のインプロのような気がするので追加曲も聴きたいコレクター向けか。「The Great Deceiver」がリリースされたときの衝撃や感動も、ここまで来ると薄れてしまうというマニアの身勝手さはいかがなものかと自問自答してしまう。それでも解散直前の円熟したパフォーマンスが素晴らしいことに間いはなく音楽としての輝きは今でもまったく褪色していないのも確か。終了の SE までしっかり収録されており、解説どおりに1ステージとして楽しめるのもこの音源の良いところ。(2007年9月22日)
元が十分すぎるほど素晴らしいためか「Road To Red」盤に特に違いは感じない(Audio restoredのクレジットもない)。(2013年11月3日)

Palace Theatre, Providence, RI

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★★
[Recording Date]
1974/6/30

Disc 1
[1] Walk On: No Pussyfooting
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Lament
[4] Exiles
[5] Improv: A Voyage To
      The Centre Of The Cosmos
[6] Easy Money
[7] Improv: Providence
Disc 2
[8] Fracture
[9] Starless
[10] 21st Century Schizoid Man
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
「The Great Deceiver」の Disc 1すべてと Disc 2 [1][2] (この「Road To Red」では [10] の1曲扱い)に相当する音源。 [7] が「Red」に収録されている音源として知られている。内容は文句なしに素晴らしい。(2013年11月3日)

<Club 10> Live In Central Park, NYC



演奏:★★★★★
音質:★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1974/7/1

[1] Walk On...No Pussyfooting
[2] 21st Century Schizoid Man
[3] Lament
[4] Exiles
[5] Improv: Cerberus
[6] Easy Money
[7] Fracture
[8] Starless
[9] The Talking Drum
[10] Larks' Tongues In Aspic PtU
John Wetton (vo, b)
Robert Fripp
 (g, mellotron)
David Cross
 (violin, mellotron)
Bill Bruford (ds)
「Red」の録音が74年7〜8月とされていることを考えると、このライヴはその直前のものということになる。また [8] の前にジョン・ウェットンが「これがツアー最後のギグ」と言っていることから70年代クリムゾン最後のライヴということにもなる。ブートレグらしい音質ながらオーディエンス録音としては上々で各楽器の音はよく聴き取れる部類。いきなり [2] をもってくるのも含めて曲はベスト・オブ第3期と言えるもので、ウェットンもフリップも認めているように演奏も素晴らしい。ただ、インプロが1曲しかないことに不満を覚える人がいるかもしれない。これで音が良ければ名盤として扱えるんだけれど、このメンツの高音質ライヴ音源は既に掃いて捨てるほどあるためによほどのマニアでない限りあえてこれを入手する必要はないと思う。(2006年7月16日)
「Road To Red」盤はかなり音に手を加えていることがわかる仕上がり。音場が全然違っていて広がり感がある。高音域の抜けが良くなっているものの、その分シャリシャリしていて耳に刺さるので、どちらが良いかは好みが分かれると思う。(2013年11月3日)

<Club 11> Live At Moles Club

演奏:★★★
音質:★★
評価:★☆
[Recording Date]
1981/4/30

[1] Discipline
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Elephant Talk
[5] Matte Kudasai
[6] The Sheltering Sky
[7] Indiscipline
[8] Larks' Tongues In Aspic PartU
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
81年に、フリップ、ブリュー、レヴィン、ブラッフォードで活動を開始したこのグループは当初ディシプリンと名乗っており、すぐにキング・クリムゾンと改名したことは良く知られるところ。この音源は、そのディシプリンのデビュー・ギグを収めたもの。ジャケットの写真通り、会場はかなり狭いクラブのようで、こういうところでこういう質の高い音楽を聴く機会を与えられている英国というのは本当にうらやましい国だと思ってしまう。それはさておき、録音状態はいかにもブートレグらしいコモリと低音部の薄さを伴う辛い音質で、各楽器の音の分離がまずまずなのがせめてもの救いという感じ。演奏は後のものほど固まっておらずまだ手探りの状態だけれど、そういうごく初期の瞬間を捉えた音源として価値がある。(2006年7月16日)

<DGM Live!> StadtHalle, Cologne, Germany

演奏:★★★☆
音質:★★★
評価:★★☆
[Recording Date]
1981/10/14

[1] Frippertronics
[2] Discipline
[3] Thela Hun Ginjeet
[4] Red
[5] Frame By Frame
[6] Matte Kudasai
[7] The Sheltering Sky
[8] Indiscipline
[9] Neal And Jack And Me
[10] Elephant Talk
[11] Larks' Tongues In Aspic PtU
[12] Thela Hun Ginjeet
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
コモリ気味だけれど反響音は少なく、楽器の音の分離もまずまずでオーディエンス録音としては良好。会場は歓声や拍手の感じからして500人程度の規模か。ブリューのMCもなんかふざけた感じがして、なるほど従来のクリムゾン・ファンがこういうところを拒絶した気持ちもわかる。ディシプリン・クリムゾン初期の演奏とあって演奏がまだ固まっておらず、これを「緩い感じがイイ」と感じるか「締りがない」と感じるかで評価が別れるんだろうけれど、僕の感覚では後者でスリルがないと感じる。早くも演奏されている最も未完成な [9] が実は聴きどころも、近い時期の音源(「<DGM Live!> The Roxy, Los Angeles, California」)にも収録されているし、そちらの方が音質も良いのであえて手を出す必要はないと思う。(2007年2月10日)

<DGM Live!> The Savoy First House, New York, NY

演奏:★★★★
音質:★★★☆
評価:★★★☆
[Recording Date]
1981/11/7

Disc 1
[1] Frippertronics
[2] Discipline
[3] Thela Hun Ginjeet
[4] Red
[5] Matte Kudasai
[6] The Sheltering Sky
[7] Neal And Jack And Me

Disc 2
[8] Manhattan
[9] Frame By Frame
[10] Elephant Talk
[11] Indiscipline
[12] Satori In Tangier
[13] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
81年11月5〜7日にかけて、ニューヨークのSavoyというクラブで5公演を行ったときの全公演が同時にコレクターズ・クラブのカタログに加わった。すべてオーディエンス録音で音質はまちまちで、この7日の1stセットが一番良い。ややスカスカした音ながら意外と低音(特に超低音)が出ていて、狭い会場だったという条件のよさはあったにしてもオーディエンス録音としては上級レベル。さて、トーキングヘッズに在籍してたブリューにとっては一種の凱旋になったツアー、その本人は思ったほどは舞い上がっておらず、むしろ実家に帰ってきたかのようないい意味での余裕がある。まだアルバム1枚をリリースしたのみでのツアーとあって、セットリストは「Discipline」からの曲が中心ながら、 [7]、そして実際には "Neurotica"である [8] が既に演奏されている。パフォーマンスはこの時期としては平均的で、まだ緩さがあり、特に [4] などにそれを感じる。81年のツアーはあまり音の良い音源がないので、そういう意味では価値がある。(2012年9月30日)

<DGM Live!> The Roxy, Los Angeles, California

演奏:★★★★
音質:★★★☆
評価:★★★☆
[Recording Date]
1981/11/23

Disc 1
[1] Frippertronics
[2] Discipline
[3] Thela Hun Ginjeet
[4] Red
[5] Matte Kudasai
[6] The Sheltering Sky

Disc 2
[7] Neal And Jack And Me
[8] Frame By Frame
[9] Neurotica
[10] Elephant Talk
[11] Indiscipline
[12] Sartori In Tangier
[13] Larks Tongues In Aspic PtU
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
81年モノの中では一番まともな音質。やっぱり音がクリアなのはいい。その代わりベース(スティック)の音がぼやけ気味で厚み不足、全体の音も軽い。実はオーディエンス録音のようで、それを考えればかなり良好と言える。やや緩めの演奏であるところはこの時期共通なところだけれど、この日はそれなりの緊張感があってその緩さをポジティヴに受けてとめることができる。[4] のゆったりした始まり方がなんともカッコいい。[8] のイントロ部分も以降に比べると「遊び」のある演奏に感じる。[9] はかなり試行錯誤段階の印象だけれど後のスタジオ収録バージョンとは違っていてこれはこれで面白い。後の完成度の高い音源は普通にリリース(「Absent Loves」)されていることもあって耳に馴染んでいるだけに、アレンジも演奏も明らかにムードが違うこの時期の演奏には妙に新鮮な印象を受ける。(2007年2月10日)

<Club 26> Live In Philadelphia

演奏:★★★★
音質:★★★★☆
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1982/7/30

[1] Thela Hun Ginjeet
[2] Red
[3] The Howler
[4] Frame By Frame
[5] Matte Kudasai
[6] The Sheltering Sky
[7] Discipline
[8] Elephant Talk
[9] Indiscipline
[10] Neurotica
[11] Heartbeat
[12] Sartori In Tangier
[13] Larks' Tongues In Aspic PtU
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
80年代クリムゾン活動開始後1年と少々を経てで演奏もだいぶ固まってきた。音質はベースの音が少しだけ割れ気味になっている以外はクリアで良好。演奏のレベルは充実一途で非常にレベルが高く、80分弱のステージを堪能できる。あるいは1曲目に、ブリューもドラムを叩く "Waiting Man" があった可能性があるものの、本音源では [1] からスタート。[9] 恒例、冒頭のドラム・パフォーマンスでもブリューのタイコは出番が少なく、ブラッフォードのドラムが満喫できる。全体を通してそのブラッフォードのテンションが高くバンド全体にその勢いが乗り移っているのがこの音源の魅力。約2年後にあたる「Absent Loves」と比較するとどの曲も演奏の感じがまだ違っていてそれもまた楽しい。これもまた名演集のひとつ。(2006年7月26日)

<Club 37> Live At The Pier, New York

演奏:★★★★
音質:★★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1982/8/2

[1] Waiting Man
[2] The Howler
[3] Frame By Frame
[4] The Sheltering Sky
[5] Neal And Jack And Me
[6] Neurotica
[7] Elephant Talk
[8] Indiscipline
[9] Sartori In Tangier
[10] Larks' Tongues In Aspic PtU
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
音質は最高とまでは言えないまでも、鑑賞に堪えるレベルをキープしていて良好。ただし、若干軽めなギターやドラム、薄いベースの音が僕の好みに合わない。内容は、序盤に "Thela Hun Ginjeet" を収録していないこともあり、全体にゆったりした印象を与える。演奏も最高とまでは言えないものの、十分好調で楽しむことにいささかの不安もなく、Collector's Clubの音源として水準に達していると言える。ブリューのノリが良くヴォーカルで吠えまくっているのは地元を意識してのことかも。[7] (後半のギターのうねりが少し異色)あたりから俄然張り切りまくる。[8] の入りのブラッフォードのパーカッション・パフォーマンスも少し変わっていて新鮮で、曲に入ってからもブリューの勢いに引っ張られた熱のこもった演奏、しかもブリューのアドリブ・ヴォーカルがちょっと他で聴けないノリで面白い。安定したパフォーマンスを楽しめる良質音源で、もちろんどれを聴いても同じということはないクリムゾンのライヴの特徴を楽しめる。(2009年10月18日)

<DGM Live!> Place De Nations, Montreal,
                                                   Quebec, Canada

演奏:★★★★☆
音質:★★★★
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1982/8/4

Disc 1
[1] Sound Check
[2] Waiting Man
[3] Thela Hun Ginjeet
[4] Red
[5] The Howler
[6] Frame By Frame

Disc 2
[7] The Sheltering Sky
[8] Neil And Jack And Me
[9] Discipline
[10] Nerotica
[11] Elephant Talk
[12] Indiscipline
[13] Heartbeat
[14] Satori In Tangier
[15] Larks' Tongues In Aspic PtU
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
この音源の注目はなんといっても冒頭に入っている27分にも及ぶ [1] のサウンドチェック。しかし、歓声が入っていたり、場面場面で音が急に切り替わったりと正体不明なリハーサルの寄せ集めといった感じ。また、この [1] だけはカセット・テープで隠し録りしたかのような音質。[2] からが通常のステージ。このくらいの時期からブリューとブラッフォードが向かい合って中央に据えた太鼓を叩きながら始まる [1] がオープニングの定番に。全体的に 81年までの演奏と比べるとよりタイトになっていることがよくわかるし、そうかといって84年のときほど研ぎ澄まされていないのがこの時期の特徴。ここでは録音のバランスのせいかレヴィンの浮遊するスティック・ワークが耳に残る。ギターの絡みもよりスリリングに、そしてブラッフォードに本来のキレ味が戻っているのが嬉しい。1ステージ・コンプリートの82年モノ音源としてお勧めできると言いたいところだけれど、[6] が2分56秒でブッツリ切れるのは聴いている方としては結構ガックリ来る。それ以外は文句のない名演集。(2007年2月10日)

<Club 16> Live In Berkeley

演奏:★★★★
音質:★★★☆
評価:★★★☆
[Recording Date]
1982/8/13

[1] Waiting Man
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] The Howler
[5] Frame By Frame
[6] Matte Kudasai
[7] The Sheltering Sky
[8] Discipline
[9] Neil And Jack And Me
[10] Nerotica
[11] Elephant Talk
[12] Indiscipline
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
サウンドボード音源と思われるものの、音が割れ気味(特にドラム)でギターの音はチープ、ベースの音も聴きづらく音の分離が悪いためにもうひとつ楽しめない音質。この4人の演奏、特にシモンズを駆使したブラッフォードのドラムと、レヴィンのスティック・ワークは細部まで行き届いた繊細な音作りが表現できてこそ楽しめるんだと気づかされる。82年夏の音源は前後にもっと音質の良い音源があるし、演奏曲目にも特筆すべき点がないだけに敢えてこの音源を選ぶ必要はないでしょう。尚、この音源はピッチが速いとのことで、ピッチを修正したものが DGM Live! で公開されている(https://www.dgmlive.com/tour-dates/466)けれど、確か昔は無料だったのに今は通常の音源と同様に販売されている。(2008年8月29日)

<Club 4> Live At Cap D'Agde

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1982/8/26

[1] Waiting Man
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Matte Kudasai
[4] The Sheltering Sky
[5] Niel And Jack And Me
[6] Elephant Talk

Bonus Track (1982/8/27)
[7] Indiscipline
[8] Heartbeat
[9] Larks' Tongues In Aspic PtU
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
ロキシー・ミュージックの前座としてフランス、スペイン、ポルトガルを廻ったツアーのときの音源で、解説のフリップのコメントによるとロキシー・ミュージックがライヴ収録のために機材を用意していたたからついでにどうかと言われて録音したものとのこと。8月26日分後半のテープは DGM になく、翌日の後半部を合わせて1ステージ分のパッケージにしたらしい。ディシプリン・クリムゾンも中間期に入ってきて演奏は熟れた印象を受ける。録音状態は当然素晴らしく通常のアルバムとして発売しても全く問題ないクオリティ。ディシプリン・クリムゾンのライヴをどれか1枚と訊かれれば「Absent Loves」だけれど、そこには未収録の曲が3曲([4] [5] [8])入っていることや、演奏のニュアンスも若干異なることから、次に手を出すべきはこのディスクか「<Club 26> Live In  Philadelphia」でしょう。コレクターズ・クラブらしからぬ、はにかんだフリップが収まっているジャケットは異色。尚、8月27日公演分は DVD「Neal And Jack And Me」で観ることができる。(2006年7月15日)

<DGM Live!> Arena, Cap D'Agde, France

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1982/8/26

[1] Waiting Man
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Matte Kudasai
[5] The Sheltering Sky
[6] Neal And Jack And Me
[7] Elephant Talk
[8] Indiscipline (imcomplete)
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
コレクターズ・クラブの中では古株の音源、82年、ロキシー・ミュージックの前座として廻ったヨーロッパツアーの模様を収めた<Club 4>は、オフィシャル化してなんら不思議のない良好パフォーマンスに最上音質の音源だった。その音源は82年8月26日と27日を組み合わせたものだったんだけれど、この度、ついに単独音源としてリイシュー。[3] [8] が従来は収録されていなかった新音源。<Club 4>と同じ音源も一部編集のされ方が違う。[1] は歓声抜きでいきなりイントロのパーカッション部分が始まり、またその部分が非常に長くなっているし、[2] は曲が終わったあとのMC(ブラッフォードのフランス語MCも)がかなり長めに入っている。しかし、これが良いかどうかは少々微妙で、冗長に思える。やはりコレクターズ・クラブ初期の音源は、聴く作品としてしっかり作ってあったということがよくわかる。新音源の [3] は演奏がやや緩い感じでもうひとつ、そして [8] は後半でかなり乱暴に終わっており、マスターテープそのままの生々しい記録を聴くことができるのがマニアックな楽しみ。それでもやはり全体のパフォーマンスは良好なので、残されている音源の完全版としてマニアは喜んで聴こう。(2012年9月30日)

<DGM Live!> Arena, Frejus, France

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★★
[Recording Date]
1982/8/27

[1] Waiting Man
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Matte Kudasai
[5] The Sheltering Sky
[6] Neal And Jack And Me
[7] Elephant Talk
[8] Indiscipline
[9] Heartbeat
[10] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
<Club 4>の単独音源化、こちらは8月27日のもの。<Club 4>に収録済みだった [8]-[10] に前半部分だった [1]-[7] が追加されている。または DVD 「Neal Jack And Me」に収録されているものに、[2][3] が追加されたものという言い方もできる。この日の分は恐らく前座のステージとして完全収録であるところが嬉しい。26日同様、パフォーマンスは大変素晴らしく、単独音源として充実した作品と言って差し支えない。若々しいブリューとレヴィンのパフォーマンスが聴きどころ。(2012年9月30日)

<DGM Live!> Palais Des Sports, Dijon, France

演奏:★★★★☆
音質:★★★★
評価:★★★☆
[Recording Date]
1982/9/24

[1] Waiting Man (imcomplete)
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] The Howler
[5] Matte Kudasai
[6] The Sheltering Sky
[7] Neil And Jack And Me
[8] Frame By Frame
[9] Nerotica
[10] Elephant Talk
[11] Indiscipline
[12] Heartbeat (imcomplete)
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
やや抜けが悪いものの、楽器のバランスも取れた、まずまずの録音状態。[3] が始まる前にマイクから少し離れた位置感でブリューが"Red!"と叫んでる声が聴こえたりするところなんて若さを感じる。演奏はいい意味でハイレベルで安定。それいて若さ故の勢いもあってとても良い。[6] が最後の方でブツっと来れて [7] の途中につながる荒っぽいところは如何にもコレクターズ・クラブ的。完全収録されていない曲が多くなければもう少し楽しめる。(2011年2月11日)

<Club 32> Live In Munich

演奏:★★★☆
音質:★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1982/9/29

[1] Waiting Man
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Frame By Frame
[4] Matte Kudasai
[5] The Sheltering Sky
[6] Neil And Jack And Me
[7] Elephant Talk
[8] Indiscipline
[9] Heartbeat
[10] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
こちらもやや抜けが悪いけれど一応ステレオ・サウンドボード録音。楽器の音量バランスは整っていて(音量バランス的に大きいわけでは ないにもかかわらず)ベースの音を良く捉えた録音状態、また、ブリューのマイクがやや遠く、コーラスのマイクは普通通り、つまり結果的にはレヴィンの声が目立つバランスになっている。まあ、この4人のラインナップの音源もいい加減あふれ気味だけに、録音バランスもこのくらいの癖があった方が新鮮味があって良いのかも。演奏はこの4人としてはごく平均的で可もなく不可もなく。演奏の良さによってリリースされた音源とは思えないがもちろん悪いということはない。本音源はコレクターズ・クラブ配信、即ちCDというパッケージで売られているわけだけれど、DGM Live!(=ネット配信)との棲み分けは一体なんなんだろう?CDを全部リッピングして聴くようになった身にはCDというパッケージでの販売はもう個人的にはやめてもらってもいいと思う次第。 (2011年2月11日)

<Club 21> Champaign-Urabana

演奏:★★★☆
音質:★★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1983/1/17-30

[1] San Fransisco
[2] Tony Bass Riff
[3] Sequenced
[4] Steinberger Melody
[5] Fragmented
[6] Not One Of Those
[7] ZZZZ's
[8] Reel 3 Jam
[9] Robert And Bill
[10] Say NO
[11] Robert's Ballad
[12] Heat On The Jungle
[13] Grace Jones
[14] Adrian Looped
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp (g)
Tonny Levin (stick, b)
Bill Bruford (ds)
80年代クリムゾン3部作には録音日がジャケットに表記されていないので断定できないけれど「Three Of A Perfect Pair」がリリースされたのが84年ということを考えると、このリハーサル集はそれよりかなり前のものであると考えられる。それでも「Three Of A Perfect Pair」が見え隠れする部分は当然あり、[5] は明らかに"Industory"の原型。[7] [9]は "Larks' Tongues In Aspic Part V" の原型か。リハーサル集ということでヴォーカル入りの曲はなく実験的な演奏に終始していることから曲としての完成度を語るものではないのは当然のことで、演奏に緊張感を求めるのも無理というもの。とはいえ、[12] のように少し詰めればアルバムに入れられたと思うような興味深い演奏もあり、リハーサルでこのクオリティの音楽が作れる4人の才能を再認識。80年代クリムゾンの各アルバムにはポップな曲と演奏に主軸を置かれた曲とに大別されるるけれど、後者を好む人であればそこそこ楽しめる内容。(2006年7月15日)

<Club 8> The VROOOM Sessions

演奏:★★★☆
音質:★★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1994/4/20-5/4

[1] Bass Groove
[2] Fashionable
[3] Monster Jam
[4] Show Mellow
[5] Krim 3
[6] Funky Jam
[7] No Question Asked
[8] Adrian's Clouds
[9] Calliope
[10] One Time
[11] Booga Looga
Adrian Brew (g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
タイトルどおり、活動再開のお披露目盤としてリリースしたミニ・アルバム「VROOOM」のリハーサル集。故に緊張感が不足していたり曲と呼べない状態のものがあったりするけれど、いろいろ実験しながらダブル・トリオの可能性を探っていることを伺い知ることができる内容になっており、これはこれで興味深い。「VROOOM」の曲を連想させる部分、特にへヴィーなサウンド部分がが殆どないところが少々意外で当初はメタリック路線を考えていなかったのかも、なんて想像させてくれる。何度も鑑賞するためのものではないけれど高度な演奏能力を持った技術集団であることを知るための記録としては面白い。(2006年7月15日)

<DGM Live!> Prix D'Ami, Buenos Aires Argentina

演奏:★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1994/9/28

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda: Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Sex Sleep Eat Drink Dream
[5] Discipline
[6] Red
[7] One Time
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Improv Two Sticks
[11] Elephant Talk
[12] Indiscipline
[13] Funky Jam

Disc 2
[14] Heartbeat
[15] Sleepless
[16] VROOOM VROOOM
[17] The Talking Drum
[18] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[19] VROOOM
[20] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ダブル・トリオ・クリムゾンの凄さは言うまでもなくその高度なパフォーマンスにある。6人のテクニシャンが集まり、それぞれが自分の持ち味を生かしつつ、悪い意味での衝突を避けてそれぞれのスペースを持っていることは今となっては当たり前のこととして受け入れてしまっている感があるけれど、実はこれだけの実力者が集まってもそう簡単にその領域に到達していたわけではないということがよくわかるのがダブル・トリオ初日のライヴであるこの音源(<CLUB 47>の資料によるとこの日の演奏はサウンドチェックと書かれているが歓声入っている)。とにかく [1] からズッコケる場面が少なからず出てきて、微笑ましいというか、彼らも人の子だったんだなあと改めて思ってしまう。アレンジも日本公演のころとはだいぶ違うので、こうして聴いてみると意外に新鮮な感じも受ける。このユニットの初期段階の演奏は、全体に締まりがなく緩い感じがするところが特徴で、ツアー終盤の演奏と比べると明らかに質が変わっているけれどそれぞれに良さがあると思う。そんなダブル・トリオ初期ライヴの中でも最も手探り感が強いこともあってこの音源は完成途上にあるところを楽しむという非常にマニアックなシロモノ。完全主義者であるフリップがこの音源をリリースしたことに驚きを感じてしまうほど危なっかしい瞬間が多数あるところが聴きどころか。(2007年2月10日)

<DGM Live!> Prix D'Ami, Buenos Aires Argentina

演奏:★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1994/9/29

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda: Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Sex Sleep Eat Drink Dream
[5] Discipline
[6] Red
[7] One Time
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Improv Two Sticks
[11] Elephant Talk
[12] Indiscipline
[13] Funky Jam
[14] Matte Kudasai

Disc 2
[15] VROOOM VROOOM
[16] The Talking Drum
[17] Larks' Tongues In Aspic PtU
[18] Heartbeat
[19] People
[20] Sleepless
[21] VROOOM
[22] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ダブル・トリオ2日目のライヴ(<CLUB 47>の資料によるとこの日はプライベート・ギグ)。いくら凄腕が集まったとはいえこのフォーマットで演奏したのは皆初めてだっただろうし、途中で演奏を投げ出せるリハーサルとも違うライヴではそう簡単にパワー全開というわけにはいかなかったようでまだ恐る恐る演奏している印象を受ける。特に顕著なのはドラム2人のぎこちなさ。また、全体で見てもところどころ噛み合っていないと感じさせる部分がある。それでも、このラインナップの聴かせどころ [9] はそんな手探り感、未完成感が却って面白い。この音源ならではの曲は、まず [5] で、しかしながらディシプリン・クリムゾンのころと変わり映えしないのでイマイチ。もう1曲は「<Club 8> The VROOOM Sessions」にも収録されていた [13] で、こんなところにも試行錯誤段階であることが見て取れる。完成度は後の音源の方が遥かに高いので、それを期待するのなら断然日本ツアー以降の方がいいと思う。(2007年2月10日)

<DGM Live!> Prix D'Ami, Buenos Aires Argentina

演奏:★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1994/9/30

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda: Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Sex Sleep Eat Drink Dream
[5] Discipline
[6] Red
[7] One Time
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Improv Two Sticks
[11] Elephant Talk
[12] Indiscipline
[13] Funky Jam
[14] Matte Kudasai

Disc 2
[15] VROOOM VROOOM
[16] The Talking Drum
[17] Larks' Tongues In Aspic PtU
[18] Heartbeat
[19] People
[20] Sleepless
[21] Red
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ダブル・トリオ3日目のライヴ。まだまだ演奏は熟れておらず、手探り感が強いのは前2日間と同じ印象。セットリストをほとんど変えていないのは、あえて同じ曲を選んでメンバー間のインタープレイを馴染ませる狙いがあったのではないかと思える。ただし、この日は最後に "Red" をもう一度演奏しているところが違う。"Red"は曲がカッチリしていてあまり自由度がないのに、なぜこの曲をあえて2度演奏したのかは単なる1人のリスナーにはわからない。もっともそれまでの2日間も [1] [2] を繰り返していただけなので大差ないわけで、気分の問題だったのかも。一方で、そんなダブル・トリオ初期ならではの演奏が楽しめるのがこの音源の魅力で、そうはいいつつ、3日分も出す必要があるのかと疑問を抱き、それでもお布施をしてしまうのがクリムゾン・マニアの悲しい性。新曲よりも旧曲の方が観客の反応がいいのところを含めて、立ち上がったばかりのバンドの姿を捉えている面白みはあるものの、あえてこの音源から行く必要もなく、コレクター向けであることには違いない。[19] は前日に続いてヴォーカルなしのインストゥメンタルで演奏されている。(2009年10月24日)

<DGM Live!> Broadway Thatre, Buenos Aires Argentina

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1994/10/7

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda: Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Sex Sleep Eat Drink Dream
[5] Red
[6] One Time
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Improv: Two Sticks
[10] Elephant Talk
[11] Indiscipline
[12] VROOOM VROOOM

Disc 2
[13] Matte Kudasai
[14] The Talking Drum
[15] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[16] Heartbeat
[17] Sleepless
[18] Discipline
[19] VROOOM
[20] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
9/30の音源「<DGM Live!> Prix D'Ami, Buenos Aires Argentina」から一週間しか経過していないにもかかわらず、演奏にまとまりがあるように感じるのと同時に自由度も高まっていて長足の進歩を感じる。あるいは日によってデキにムラがあったのかも。正規盤「B'BOOM」の収録時期のうちの1日ということもあって、演奏のムードは似た傾向。それでも、日によって演奏が違うというのはこのユニットにとって当たり前、というわけで手を出してしまうのがマニアの悲しい性。マニアを自認する人はお布施をしましょう。(2007年2月10日)

<Club 47> Teatro Broadway, Buenos Aires Argentina

演奏:★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1994/10/8

Disc 1 (Afternoon Show)
[1] VROOOM
[2] Coda: Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Sex Sleep Eat Drink Dream
[5] Red
[6] One Time
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Improv: Two Sticks
[10] Elephant Talk
[11] Indiscipline
[12] VROOOM VROOOM
[13] Matte Kudasai
[14] The Talking Drum
[15] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[16] Heartbeat
[17] Sleepless

Disc 2 (Evening Show)
[1] VROOOM
[2] Coda: Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Sex Sleep Eat Drink Dream
[5] Red
[6] One Time
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Improv: Two Sticks
[10] Elephant Talk
[11] Indiscipline
[12] VROOOM VROOOM
[13] Matte Kudasai
[14] The Talking Drum
[15] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[16] Discipline
[17] Heartbeat
[18] Sleepless
[19] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
どうやらダブルトリオ時代のライヴはすべて録音されていたのではないかと思われる(注:2022年9月現在、96年8月8日〜23日を除いてすべて公開されている)昨今、今度はまた94年南米ツアー、ウォーミングアップ期の音源をリリースしてきた。ただし、これまでのコレクターズ・クラブと違うのはDVDオーディオのフォーマットで出してきたところ。音声フォーマットはロスレス4.0ch(24bit/48KHz)、DTS 4.0ch(24bit/48KHz)、LPCM 2.0ch(16bit/48KHz)を収録、ロスレス以外は普通のDVDプレイヤーでも再生可能という仕様。このディスクは DVDオーディオ製品として売られているんだけれど、ロスレス4.0ch以外の音声を選ぶと、ライヴの映像を観ることができるという、実はビデオソフトとしての側面を持つ。ダブルトリオ期の音源は数多くあれど、実はライヴ映像は日本公演のもの以外としては初めての蔵出しで、DVDオーディオとしてよりも映像作品としての方が価値があるように思える。肝心のパフォーマンスはというと、このラインナップ初期らしい初々しい演奏で、全体にゆったりと、お互いの出方を探りあっている印象。他の初期南米ツアー音源同様、まだ噛み合っていないところも散見される。映像を見ると、意外や各人の表情は穏やかで、戸惑ってる風も気負っている感じもなく、リラックスしたムードで演奏していたことがわかる。リアルタイムでクリムゾン復活を聴いてきた身として当時を思い出してみると、この演奏で十分凄いと思っていたわけで決してレベルは低いわけではない。ちなみに、映像を見るとステージ向かって上段左から、マステロット、ガン、ブラッフォード、下段左からフリップ、ブリュー、レヴィンという配置となっていて、後のフォーメーションと違うのは意外な発見。ブラッフォードのドラムセットも微妙に違うように見える。尚、サラウンド音声でリアに割り振っているのは歓声と演奏の補足的なサウンドで、「Deja VROOOM」やスタジオ盤諸作のような大胆な音の振り分けはしていないので、これによって聴こえにくい音が聴き取れるようになったという感じはしない。その代わり、左にフリップ+ガン+マステロット、右にブリュー+レヴィン+ブラッフォードが主に収録されているところは従来の音源と大きく違うバランス。ところで、アルゼンチンの国民性がクリムゾンに合うとは思えないんだけれど、客の反応が非常に良く、フリップを含む全員が、新ラインナップによるクリムゾンに手応えを感じて満足そうな表情をしているところが非常に印象的である。映像は全体に暗めで、カメラの台数が少なく、フリップがほとんど映っていないなどアングルもイマイチであり、映像作品としての完成度は高くない。あるいはそれ故にビデオ作品としてではなく、DVDオーディオとしてリリースしたのかもしれない。サラウンドの意義も薄いことを含めて、全体にいろいろなところが中途半端であり、それでもやはり見所があると言う意味でマニア向け商品であり、コレクターズ・クラブのひとつとしてリリースされたのは納得できる。余談ながらDGMから直接購入したら、ジャケットと同じデザインのステッカーとマグネットが付いてきました。(2012年7月22日)

<DGM Live> Kulturhaus, Dornbirn, Austria

演奏:★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/1

Disc 1
[1] Discipline
[2] VROOOM
[3] Coda Marine 475
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] Red
[7] One Time
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Improv Two Sticks
[11] Elephant Talk
[12] Matte Kudasai
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] People

Disc 2
[15] VROOOM VROOOM
[16] Sleepless
[17] Indiscipline
[18] Prism
[19] The Talking Drum
[20] Larks Tongues In Aspic Pt II
[21] Heartbeat
[22] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
(前置き)
ある日、DGMから届いたメール。そこには、
King Crimson '95 European Tour Discount Pricing Introduced
と大々的に宣伝されていた。何のことかと思って見ると、なんと95年春のヨーロッパツアー、14公演すべてが音源化され、まとめて買うとMP3で46ドル、FLACでも60ドルに値下げするということが記されていた。ダブル・トリオ音源は既に過剰にリリースされ、よほどのマニアしか追随していないと思われるけれど、それでも放出する理由は何なんだろう?
きっと、フリップがこのサイトを見て「こんなにレビューしている変わり者がいるようだな。いっぺんに出したらどうなるか面白そうだからやってみるか」と思ったに違いない。という冗談はともかく、ここまで付いてきた人ならこれにも付いて来れるだろうというフリップの魂胆が見え隠れする企画と考えるの妥当だろう。そして毒を食らわば皿までの心境である僕は、あまり迷うことなく購入したのであった。
前年に南米ツアーでウォーミングアップを済ませ、スタジオ録音を済ませてからの95年春のヨーロッパツアーは、ダブル・トリオの発展期序盤にあたる。一番変化、進化を遂げた時期を全公開してどうぞ楽しんでください、というのがこの一挙大放出の主旨ということになるんじゃないだろうか。全体的にセットリストがほとんど変わっていないのは、曲は決めておいて、その中でいろいろ探って行こうというという意味があってのことではないかと推測される。

<5月1日>
南米ツアーのころの演奏に近い感じ。すなわち少し緩めで緊密度がやや薄い。久しぶりの6人揃ってのライヴということもあってから、手探り感が強く、かなり危なっかしいところも見られる。良くも悪くも一旦リセットして、新たな領域に踏み込むための第一歩といったところか。(2011年2月5日)

<DGM Live> Teatro Smeraldo, Milan, Italy

演奏:★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/2

Disc1
[1] VROOOM
[2] Coda Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream
[11] People
[12] VROOOM VROOOM

Disc 2
[13] Indiscipline
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Prism
[17] The Talking Drum
[18] Larks Tongues In Aspic Pt II
[19] Dinosaur
[20] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
引き続き曲のテンポがゆっくりめでムードは変わらない。危なっかしい所は減っているけれど、まだ所々にある。演奏は色々試して探り合っているところも継続中。なぜか"Dinosaur"を2回演奏している。(2011年2月5日)

<DGM Live> Teatro Tenda, Florence, Italy

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/3

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream
[11] People
[12] VROOOM VROOOM

Disc 2
[13] Indiscipline
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Prism
[17] The Talking Drum
[18] Larks Tongues In Aspic Pt II
[19] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ツアー3日目で、ぎこちなさが少し抜けてきた。演奏は相変わらず手探りな感じながら、相手の顔色を見ながらいろいろ試していた当初と比べると積極的に探りを入れる感じに少しずつではあるけれど変わってきているように思う。その結果、 "THRAK" はじめ、よりアグレッシヴに。どういうわけかフリップのギター音の存在感が強いミックスで、そのギターが必ずしも完璧なわけではない部分がよくわかるのが面白い。(2011年2月5日)

<DGM Live> Teatro toniola, Mestre Venice, Italy

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/4

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream
[11] People
[12] VROOOM VROOOM

Disc 2
[13] Indiscipline
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Prism
[17] The Talking Drum
[18] Larks Tongues In Aspic Pt II
[19] Sleepless
[20] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ツアー4日目。演奏の破綻はなく、プラスアルファを求めていろんなプレイを試しているという、非常に好ましくも安定したパフォーマンス。スラックなどでそれが顕著。録音が良く楽器のバランスと音像が良い。(2011年2月5日)

<DGM Live> Volkshaus, Zurich, Switzerland

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/6

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream
[11] People
[12] VROOOM VROOOM

Disc 2
[13] Indiscipline
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Prism
[17] The Talking Drum
[18] Larks Tongues In Aspic Pt II
[19] Sleepless
[20] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
2日前の前回公演と全く同じセットリスト。"VROOOM VROOOM"はブラッフォードのリズムの取り方が他の日にはない感じで新鮮。この日は全体的にテンポも遅めでジックリ演奏し、その中で何ができるかを試しているかのような印象。1日ずつ聴くとわかりにくいけれど5月1日と比較すると演奏の落ち着き方が違ってきていることがわかる。でも、どういうわけか後半で「アレアレ?」というところが。"Sleepless"はゆっくりと、そして締まりなく演奏される。この日はノッてなかったということか。(2011年2月5日)

<DGM Live> Phillipshalle, Dusseldorf, Germany

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/7

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] Walking On Air
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream
[11] People
[12] VROOOM VROOOM

Disc 2
[13] Indiscipline
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Prism
[17] The Talking Drum
[18] Larks Tongues In Aspic Pt II
[19] Heartbeat
[20] Sleepless
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ドイツに飛んで6日目。この日もゆっくりじっくり傾向。スラックの崩れ方がだいぶイイ感じになってきている。飽き防止なのか、5曲目に"Walking On Air"を持ってきたことでかなり調子が狂う。"People"から間髪入れずにつながる"VROOOM VROOOM"はとても緩く演奏されていて、ツアー中はいろいろと遊んでいたんだなと思わせる。"Red"のアグレッシヴさとエンディングの粘りがだいぶ増してきた。そしてこの日の締めを任された"Sleepless"がイントロからいつもと違うパターンで、演奏もノリもかなり違っていて新鮮。(2011年2月5日)

<DGM Live> Tempodrom, Berlin, Germany

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/8

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream
[11] People
[12] VROOOM VROOOM

Disc 2
[13] Improv Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Heartbeat
[17] Prism
[18] The Talking Drum
[19] Larks Tongues In Aspic Pt II
[20] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
前半はブリューのギター音量が目立つ録音バランス。ブラッフォードが気持ち良さそうに暴れていてイイ。全体的に熟れてきて日本公演のころの雰囲気に近づきつつある。曲のテンポもわずかながら上がっている感じがする。この日も「おやっ?」というところが皆無ではないけれど、程良い緊張感と勢いがあって好ましい。"Larks'Tongues In Aspic Pt II"のブリューのギターソロはキレまくっている。(2011年2月5日)

<DGM Live> Philharmonie, Munich, Germany

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/10

Disc 1
[1] Walk On Improv
[2] VROOOM
[3] Coda Marine 475
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Red
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Matte Kudasai
[11] Sex Sleep Eat Drink Dream
[12] People
[13] VROOOM VROOOM

Disc 2
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] The Talking Drum
[19] Larks Tongues In Aspic Pt II
[20] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
1日空けてミュンヘンへ移動してのドイツ3日目。ノリの良さは前日同様で、いよいよ脂が乗ってきた感じ。特にブラッフォードとマステロットはお互いのテリトリーと入り込んで良い領域が分かり始めた感じで絡み方が巧みになり、そのスピード感とパワーもはこの欧州ツアー前半とは大違い。レヴィンのウネり方が増しているのもその影響か。全体の傾向としては前日と変わらないが、当然ながら演奏の中身は違っていいて聴いている方も飽きない。なぜか"VROOOMVROOOM"の演奏が噛み合っていない。"Larks' Tongues In Aspic PtII"ではブラッフォードが遊びすぎて失敗している。全曲がハイ・パフォーマンスというのはなかなか難しいらしいことも、こうして続けて聴いていくとよくわかる。(2011年2月5日)

<DGM Live> Liederhall Beethoven, Stuttgart, Germany

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/11

Disc 1
[1] Discipline(Imcomplete)
[2] VROOOM
[3] Coda Marine 475
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Red
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Matte Kudasai
[11] Sex Sleep Eat Drink Dream
[12] People
[13] VROOOM VROOOM

Disc 2
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Heartbeat
[18] Prism
[19] The Talking Drum
[20] Larks Tongues In Aspic Pt II
[21] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
"Discipline"がオープニングという趣向変更もこの日は殆ど最後の部分だけ収録。ブラッフォードの乱れ打ちは勢いをキープ。"THRAK"はインプロパートに入ってもドラムの細かいリズムキープが続く、聴いたことがない展開でいよいよ崩れ方が大きくなってきている。この日はブリューのノリがイマイチで全体に微妙に噛み合っていないところが散見される。(2011年2月5日)

<DGM Live> Zenith, Paris, France

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/13

[1] Discipline
[2] VROOOM
[3] Coda Marine 475
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Red
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Matte Kudasai
[11] Sex Sleep Eat Drink Dream
[12] People
[13] VROOOM VROOOM

Disc 2
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Heartbeat
[18] Prism
[19] The Talking Drum
[20] Larks Tongues In Aspic Pt II
[21] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
イタリア、ドイツは3回以上演っているのにフランスは1回だけ。確かにパリジャンが好きそうな音楽ではない。今宵も聴いたことない展開の"VROOOM"が新鮮。"THRAK"の崩れ方が一段と気持ち良くなっていてヨーロッパ・ツアー初頭とは別モノ。とはいえ、この日の演奏は少し雑というかいろいろと試しすぎな感じ。その不安定感がこの日の聴きどころ。"Prism"はかなりラフでフリッパートロニクスでない普通のフリップのギターが入っているところがレア。(2011年2月5日)

<DGM Live> La Luna, Brussels, Belgium

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/14

[1] Discipline
[2] VROOOM
[3] Coda Marine 475
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Red
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Matte Kudasai
[11] Sex Sleep Eat Drink Dream
[12] People
[13] VROOOM VROOOM

Disc 2
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Heartbeat
[18] Prism
[19] The Talking Drum
[20] Larks Tongues In Aspic Pt II
[21] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
次はベルギーへ。短い"Discipline"を冒頭に持ってくるようになって3日目、ウォーミングアップ用として定着。全体に熟成度が高まったことに感慨深さを覚えるものの、この日も乱れがところどころに見られる。いや、これが本来の平均的なパフォーマンスということであることが通して聴いて行くと実感できる。(2011年2月5日)

<DGM Live> Congresgebow, Den Hague, Netherlands

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/15

[1] Discipline
[2] VROOOM
[3] Coda Marine 475
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Red
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Matte Kudasai
[11] Sex Sleep Eat Drink Dream
[12] People
[13] VROOOM VROOOM

Disc 2
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Heartbeat
[18] Prism
[19] The Talking Drum
[20] Larks Tongues In Aspic Pt II
[21] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
大量一気放出のヨーロッパ・ツアーの中で唯一既にリリース済みだった音源。珍しく3日連続で同じセットリスト。この日まで来ると"VROOOM"はじめ、全体に曲のテンポが速くなってきているのを実感できるはず。先にリリースされた公演なだけに演奏は破綻が少なく、かつ自由度も高いという高バランス。そしてノリが良く、他にないフレーズや音使いが目に付くという美味しさ。特に"ImprovTwo Sticks"の絡み、"Indiscipline "イントロのブラッフォードのシンセドラム(木琴系のアレ)超高速叩きが聴きどころ。(2011年2月5日)

<DGM Live> Royal Albert Hall, London, England

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/17

Disc 1
[1] Walk On Improv
[2] VROOOM
[3] Coda Marine 475
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Red
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Matte Kudasai
[11] Sex Sleep Eat Drink Dream
[12] People
[13] VROOOM VROOOM

Disc 2
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] The Talking Drum
[19] Larks Tongues In Aspic Pt II
[20] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
地元、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホール公演。とはいえ、英国人は今や2人だけの国籍構成では特に期するものがないのか、ミスは少ないものの想定以上のブリリアントなプレイが飛び出す訳でもない手堅い演奏。後半は弾けているというよりは悪い意味でラフになっている。翌日と合わせて音場感が狭い録音。(2011年2月5日)

<DGM Live> Royal Albert Hall, London, England

演奏:★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/5/18

Disc 1
[1] Walk On Improv
[2] VROOOM
[3] Coda Marine 475
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Red
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Matte Kudasai
[11] Sex Sleep Eat Drink Dream
[12] People
[13] VROOOM VROOOM

Disc 2
[14] Improv Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] The Talking Drum
[19] Larks Tongues In Aspic Pt II
[20] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
引き続きロイヤル・アルバート・ホール、そしてブリューのMCにもある通りヨーロッパ・ツアー最終日。演奏は前日と似たムードで特別良いわけではない。即興性を打ち出しにくい曲では少々疲れや飽きを感じる(特にブリュー)。一方で"THRAK"ではかなりやりたい放題で締めの部分を抜いて次の曲につなげる荒技で押してしまっている。

ツアーを通して聴くと、地味なところではブリューのヴォーカル・コンディションの変動幅が少ないことにちょっと感心する。そしてやはり凄いと思うのはブラッフォードのドラミング。「おお、こう来たか」「このパターンはカッコいいな」と思うところがあっても、同じ手は使わない。まさにアドリブならではの変幻自在さに舌を巻く。

全体的に見ると、各メンバーの特にディシプリン・クリムゾンの4人の引き出しの多さと自分の裁量でどこまでできるかのサジ加減の巧さには改めて驚かされる。正直なところ、"THRAK"のような自由度の高い曲のパフォーマンスはほぼ同じという日もあるんじゃないの?蔵出ししてるのは違うパターンのものを選んでるんじゃないの?という疑念を持っていたんだけれど、通して聴くと毎日ぜんぜん違っていることがよくわかる。そして毎日、いろんなところでうまく噛み合っていなかったりミスをしていたりもしている。つまり、ライヴの面白さというのはそういうものなんだという当たり前のことを再認識することになる。フリップはそんなありのままのバンドの姿をマニアに提供したかったんでしょう。(2011年2月5日)

<DGM Live!> The Town Hall. New York, NY

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/6/3

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Improv Two Sticks
[10] Elephant Talk
[11] Matte Kudasai

Disc 2
[11] Sex Sleep Eat Drink Dream
[12] VROOOM VROOOM
[13] People
[14] Indiscipline
[15] Prism
[16] The Talking Drum
[17] Larks' Tongues In Aspic PtU
[18] Coda Marine 475
[19] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
まったく油断も隙もあったもんじゃない。何がってDGM Liveのことだ。少し目を離していると膨大な数の音源がアップロードされている。「ワタシ、クリムゾンしか聴きませんから」という、時間も気持ちも余裕がある重度なマニアには嬉しいんだろうけれど、他の音楽も聴くし時間の制約も人並みにあります、という普通のマニアにはもはや手に余る状態。96年以前の音質がある程度以上のものにしか手を出していない僕でさえそんな状態。そんな文句をいいつつ、そしてまたもやダブル・トリオ時代の音源でありつつ、やはり手を出してしまい、半分苦痛と感じながらも聴かずにはいられないところはある種の修行という感じがしないでもない。それはともかく、この音源はこれまで比較的手薄だった95年の初夏のもので、このラインナップの中でも最も充実した時期だけに聴けば一定以上に楽しめてしまうのは事実。手探り感を脱却して、各人が演奏に色付けできていて、しかもその日の気分で展開されるという実に楽しい時期である。[1] から既にエンジン全開で、ウォーミングアップを済ませていたかのような充実ぶり。6人の絡み方も熟れていてプレイしている方も、オーディエンスも演奏を楽しんでいたに違いない。決して同じようなドラミングをしないブラッフォードの引き出しの多さには、新しい音源が出る度に驚かされる。細かいところまで注意すれば全体として「ん?」と思うようなボタンの掛け違いらしきところはあれど、そんなところも生音源の醍醐味。トピックは [18] の単独演奏、ブラッフォードのドラムセットを中心に後半はフリッパートロニクスが絡む展開の [15] あたりか。ダブル・トリオが成熟に向かう時期を知る記録として楽しむ音源。(2009年11月7日)

<DGM Live!> The Town Hall. New York, NY

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/6/4

Disc 1
[1] Coda Marine 475
[2] Frame By Frame
[3] Dinosaur
[4] Heartbeat
[5] Red
[6] B'Boom
[7] THRAK
[8] Matte Kudasai
[9] Sex Sleep Eat Drink Dream
[10] People
[11] VROOOM VROOOM

Disc 2
[12] Improv Two Sticks
[13] Elephant Talk
[14] Indiscipline
[15] Prism
[16] The Talking Drum
[17] Larks' Tongues In Aspic PtU
[18] One Time
[19] VROOOM
[20] Coda Marine 475
[21] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
前日分と同時に公開されたタウンホールの2日目。従って演奏の傾向に違いはなく、一方で曲順で全体の流れを変えているのはクリムゾンにとっては特に珍しいことではない。あえて頭をカットしているのかどうかはわからないものの、前日は終盤に単独演奏していた [1] でいきなり始まる展開は珍しい。この影響で前半にアップテンポの曲がなくなり落ち着いたムードになっているのがこの日の特徴か。95年前半のツアーでは [7] がかなり解体されてきているという嬉しい変化がある一方、演奏時間が短め(5分台)で、この後やや長くなっていく(7分台)になっていくことを含めて自由度が高い曲が比較的アッサリ気味に演奏されていることを考えると、まだ発展途上なのかという推測ができる。(2009年11月7日)

<Club 31> Live At The Wiltern

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/7/1

Disc 1
[1] Introductory Soundscape
[2] VROOOM VROOOM
[3] Frame by Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream

Disc 2
[11] People
[12] Improv: Two Sticks
[13] Elephant Talk
[14] Indiscipline
[15] Prism
[16] The Talking Drum
[17] Larks' Tongues in Aspic PtU
[18] VROOOM
[19] Coda: Marine 475
[20] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
来日3ヶ月前、LAにおけるライヴ。5月1日からの本格的なワールド・ツアー前半最後のステージにあたる。初期ライヴの「B'BOOM」当時から較べるとだいぶ引き締まった演奏になっていてレパートリーを含め3ヵ月後の日本公演でのパフォーマンスに近くバンドの結束が高まっていることがわかる。一方で日本ツアーでの演奏と較べると曲のテンポがやや遅めになっているものが多く、少し控えめな演奏という違いがあるけれど、どちらが良いと思うかは好みの問題。日本公演以降はブリュー、マステロット、ブラッフォードが中央に据え付けられた太鼓セットを囲んで余興的に演奏された [15] がブラッフォードのドラムを中心に演奏されているようでビルのドラム・ソロのような内容からフリップのサウンドスケープが絡んでくという展開は、このCDで初登場。余談ながら、ワールド・ツアー後半のスタートは10月1日の神奈川県民ホール、つまり日本ツアーからということでツアー前半で培った経験+リフレッシュされた状態であったことがうまく噛み合ったことによってあの最高のパフォーマンスを我々は堪能できたと推測できる。(2006年8月16日)

<DGM Live!> Kanagawa Kenmin Hall, Yokohama, Japan

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/1

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] VROOOM VROOOM
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Neurotica
[11] VROOOM
[12] Coda Marine 475
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream

Disc 2
[14] People
[15] Three Of A Perfect Pair
[16] Improv: Two Sticks
[17] Elephant Talk
[18] Indiscipline
[19] Prism
[20] The Talking Drum
[21] Larks' Tongues In Aspin Pt II
[22] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
最近はDGMサイトをたまにしかチェックしておらず、ある日気づくとダブル・トリオ期の音源が96年後半を除いて(恐らく)全公演が公開されていた。正直なところ、もう追いかける必要はないんじゃないかと思いつつも、毒を喰らわば皿まで、ということで。まずは日本ツアーの全貌から。
ブラッフォード(今ではブルフォードと書くのが正しいらしい)のマリンバ音シンセドラムを中心に軽めの音慣らしから始まる日本ツアー初日。"VROOOM VROOOM" から締まりとキレのある演奏。その後はどちらかと言うとじっくり丁寧に、しかしテンションは高いという良いコンディションのパフォーマンスを楽しめる。記憶が確かならこの音源は比較的後になって、あるいはこのパッケージ販売で公開されたものであるにもかかわらず、内容は良い。と思って聴いていたら "Indiscipline" の終盤が崩壊している。公開が遅れたのはそのせいか?(2018年9月18日)

<DGM Live!> Koseinenkin Kaikan, Tokyo, Japan

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/2

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] VROOOM VROOOM
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Neurotica
[11] VROOOM
[12] Coda Marine 475
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream

Disc 2
[14] People
[15] Three Of A Perfect Pair
[16] Improv: Two Sticks
[17] Elephant Talk
[18] Indiscipline
[19] Prism
[20] The Talking Drum
[21] Larks' Tongues In Aspin Pt II
[22] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
前日と同じセットリスト。デキも同水準。演奏は良くも悪くもラフで、荒れ狂う "Indiscipline" は聴きモノ。(2018年9月18日)

<DGM Live!> Koseinenkin Kaikan, Tokyo, Japan

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/3

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] VROOOM VROOOM
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Neurotica
[11] VROOOM
[12] Coda Marine 475
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream

Disc 2
[14] People
[15] Three Of A Perfect Pair
[16] Improv: Two Sticks
[17] Elephant Talk
[18] Indiscipline
[19] Prism
[20] The Talking Drum
[21] Larks' Tongues In Aspin Pt II
[22] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
この日も同じセットリスト。この日は特別ば出来事がなく、特筆するような演奏もない。しかし、演奏の質じたいは十分に高く、平均的以上の演奏が聴ける。"THRAK" のフリップのソロがいつになく熱い。"Indiscipline" はブリューの歌い方がアッサリした感じ。(2018年9月18日)

<DGM Live!> Nakano Sun Plaza, Tokyo, Japan

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/5

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] VROOOM VROOOM
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Three Of A Perfect Pair
[11] Announcement
[12] VROOOM
[13] Coda Marine 475

Disc 2
[14] Interlude
[15] Sex Sleep Eat Drink Dream
[16] Neurotica
[17] Improv: Two Sticks
[18] Elephant Talk
[19] Indiscipline
[20] Prism
[21] The Talking Drum
[22] Larks' Tongues In Aspin Pt II
[23] People
[24] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ビデオ「Live In Japan」「deja VROOOM」は10/5、10/6中野サンプラザ公演から良いテイクを選んで構成したものであることはマニアなら良く知るところ。正規版として2010年に音源もCDでリリースされていた。しかし、いつの間にかこの95年の日本ツアー全公演がパッケージでDGM Live!からリリースされ、この中野サンプラザ2公演分もそれぞれで単独で聴くことができるようになった。これによりビデオおよび「Live In Japan 1995 - The Official Edition」がどちらの公演から選ばれたのかが判明、僕の耳によると以下の通り。ただし、既出の曲も音のバランスがかなり違っていて、単独公演版は音の仕上げを行う前の元の音源なのかもしれない。この2日間は同じセットリストで、彼らにしては演奏内容も似たようになっている部分が多いことから、ビデオシューティングを想定して編集しやすくしていたようにも見える。服装も2日間とも同じなのも同様な理由でしょう。尚、5日と6日のコンパイル版に "Nerotica" が収録されていないのは恐らく演奏が荒削りなせいではないかと思う。

[1] Circular Improv 10/5
[2] VROOOM VROOOM 10/6
[3] Frame By Frame 10/5
[4] Dinosaur 10/5
[5] One Time 10/6
[6] Red 10/6
[7] B'Boom 10/6
[8] THRAK 10/5
[9] Matte Kudasai 10/6
[10] Three Of A Perfect Pair 10/6
[11] VROOOM 10/6
[12] Coda Marine 475 10/6
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream 10/6

Disc 2
[14] Improv: Two Sticks 10/5
[15] Elephant Talk 10/6
[16] Indiscipline 10/5 (冒頭のドラム・ソロは10/6)
[17] Prism 10/6
[18] The Talking Drum 10/6
[19] Larks' Tongues In Aspin Pt II 10/6
[20] People 10/6
[21] Walking On Air 10/6

(2018年9月18日)

<DGM Live!> Nakano Sun Plaza, Tokyo, Japan

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/6

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] VROOOM VROOOM
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Matte Kudasai
[10] Three Of A Perfect Pair
[11] VROOOM
[12] Coda Marine 475

Disc 2
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Neurotica
[15] Improv: Two Sticks
[16] Elephant Talk
[17] Indiscipline
[18] Prism
[19] The Talking Drum
[20] Larks' Tongues In Aspin Pt II
[21] People
[22] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ビデオシューティング音源で6日のテイクの方が多く採用されている通り、この日の方がデキが良い。(2018年9月18日)

Live In Japan 1995 - The Official Edition

演奏:★★★★★
入門度:★★★★★
評価:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/5, 6

Disc 1
[1] VROOOM VROOOM
[2] Frame By Frame
[3] Dinosaur
[4] One Time
[5] Red
[6] B'Boom
[7] THRAK
[8] Matte Kudasai
[9] Three Of A Perfect Pair
[10] VROOOM
[11] Coda Marine 475
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream

Disc 2
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] The Talking Drum
[18] Larks' Tongues In Aspin Pt II
[19] People
[20] Walking On Air
[21] Tokyo Prelude
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
2009年に突然、そして今更ながら2枚組として中野サンプラザ公演が「In Concert 1995」というタイトルでリリースされた。つまり、ビデオ「Live In Japan」や DVD「Deja VROOOM」と同じソースがCD化されただけのもの。追加曲は一切なく、しかも曲順はビデオ版と同じ、つまりは実際の曲順から [1] と [10] を入れ替えた構成で登場。版権裁判を経て自分たちの曲を自分たちでコントロールすることを決意して設立された DGM からではなく、IMMORTAL という聞き慣れないレーベルからのリリースといういかにも怪しいパイレート盤だった。ブートレグに厳しい態度を取るフリップがそんな状態を放っておくわけがなく、例によって正規版としてリリースすることで逆襲。曲順を実際の演奏順に戻し、未発表だった [16] を蔵出し、開演前に流れていた12分半のフリッパートロニクス・パフォーマンスを最後に収録というのが構成上の違い。音質は、パイレート盤が優秀だっただけに向上は感じられないものの、微妙に音の反響感、音場感が違うのでビデオ音源からマスタリングをしなおしていると思われる。元よりパフォーマンスは申し分ないけれど、フリップが認めたモノとしての価値はあるでしょう。それでも、やっぱり映像で一度は観てほしいというのが本音。どこで誰がどんな音を出しているかがわかれば、このダブルトリオの真髄がより理解できるのだから。(2010年9月18日)

<DGM Live!> Shimin Kaikan, Nagoya, Japan

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/8

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] VROOOM VROOOM
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] VROOOM
[7] Coda Marine 475
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Matte Kudasai
[11] Three Of A Perfect Pair
[12] Red

Disc 2
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] The Talking Drum
[18] Larks' Tongues In Aspin Pt II
[19] People
[20] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
この日もテンションの高さは上々で、演奏の傷も少ない。"THRAK" は普段より進みを緩やかにしてゆったり、ねっとりと演奏されているところがやや新鮮。後半はほんの少し演奏が淡白で、"Prism" でもあまりノリが良くない。それでも水準以上の演奏で聴いて損はない。"Neurotica" はこの日は演奏していない。(2018年9月18日)

<DGM Live!> Festival Hall, Osaka, Japan

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/9

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame by Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM
[8] Coda: Marine 475
[9] B'Boom
[10] THRAK
[11] Matte Kudasai
[12] Three Of A Perfect Pair
[13] Neurotica

Disc 2
[14] Improv: Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] The Talking Drum
[19] Larks' Tongues in Aspic Pt II
[20] Sex Sleep Eat Drink Dream
[21] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
高値安定の演奏。この日から "Thela Hun Ginjeet" を2曲目(実質1曲目)に。"Dinosaur" でブリューのキーボード音に続くブラッフォードの「タンタン」の切れ込みがなくインテンポへ突入。これまで前半ヴォーカルなしで演奏されてきた "Neurotica" は、この日以降は最初からブリューが歌い始める。"Sex Sleep Eat Drink Dream" をラスト前に持ってきて気分転換か。(2018年9月18日)

<DGM Live!> Hitomi Kinen Kodo, Tokyo, Japan

演奏:★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/10

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame by Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM
[8] Coda: Marine 475
[9] B'Boom
[10] THRAK
[11] Matte Kudasai

Disc 2
[12] Neurotica
[13] Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream
[14] Improv: Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] The Talking Drum
[19] Larks' Tongues in Aspic Pt II
[20] People
[21] Walking On Air
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
どういうわけかドラムの音が引っ込んでコモリ気味の録音バランス。ここまでの日本ツアーの演奏と比較するとやや緊張感、締りに書けたパフォーマンスで、あれれ?というところが結構ある。6公演目、こういう日もあったということか。音のバランスが悪いせいで、たとえば "Neurotica" でやたらレヴィンのフレーズがよく聴こえるという副作用もある。(2018年9月19日)

<DGM Live!> Omiya Sonic Hall, Omiya, Japan

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/12

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame by Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Walking On Air

Disc 2
[11] Neurotica
[12] Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda Narine 475
[18] People
[19] Prism
[20] The Talking Drum
[21] Larks' Tongues In Aspic PtU
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
10日がヨレヨレだったが立て直しに成功、良好なパフォーマンスを楽しめる。とはいえ、1ステージ通してだとどこかでミスというものはあるもので "VROOOM VROOOM" の後半は結構怪しい展開に。この日は "Walking On Air" を中盤に持ってきて気分転換しているが、ビデオを見慣れ、他の日の演奏を聴き慣れた耳にはやや違和感アリ。中野サンプラザから1週間後、演奏の内容は異なっており、ビデオを見慣れた(聴き慣れた)耳にも新鮮に聴けるところはさずが。中野を持っていてあと1日どれにしたら良いか、と訊かれたらこの日をお勧めする。(2018年9月19日)

<DGM Live!> Sun Plaza Hall, Sendai, Japan

演奏:★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/13

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame by Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Walking On Air

Disc 2
[11] Neurotica
[12] Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda Narine 475
[18] People
[19] Larks' Tongues In Aspic PtU
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
演奏は大宮ソニックシティや人見記念講堂のときと同じようにやや緩い。いや、かなり緩いと言っても良いかもしれない。ところどころ噛み合っていないところがあるし演奏にキレがなく "Indiscipline"  などはかなりヨレヨレ、出るべきところで音が消えるなどのミスも散見されるが一方でワイルドでもある。その "Indiscipline" のあと、マステロットが "People" のイントロを2度もたたき始めたかと思うと "VROOOM" が始まり、"Prism" も "The Talking Drum" も抜きで最後に "Larks' Tongues In Aspic PtU" が始まるという展開はその場のノリで行われたことなのか、予定されていたことなのか。いずれにしても「こんな日もありました」的な雰囲気がある。この日の音源は、日本ツアがパッケージ販売される前に単独で販売されていたもので、その売り上げは日本赤十字を通して東日本大震災に寄付されることがアナウンスされていた。(2018年9月19日)

<DGM Live!> Koseinenkin Kaikan, Tokyo, Japan

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/14

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame by Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Walking On Air

Disc 2
[11] Neurotica
[12] Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda Narine 475
[18] People
[19] Larks' Tongues In Aspic PtU
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
パフォーマンスはこの日も上々。"Dinosaur" の中間部からインテンポに戻ったあとにドラムが合わずにズレたまましばらく進んでいるが、こういうものなんだと言われたら一応納得できそうな妙な感覚。""B'BOOM" でもブルフォードのドラムの入りが合わずにやり直している。"THRAK" はテーマが終わってからブルフォードが一定のリズムでリム打ちを続けて進むという他ではあまりない展開が珍しい。"Pepople" の後半部のブルフォードのドラムの展開がやや性急でこれまた異色。この日のフルフォードはノッているのか羽目を外しすぎなのか。"Elephant Talk" のフリップのギター・ソロがスタジオ盤に似たエフェクトで始まり珍しいと思っていると音が切れ切れ、復帰したときにはいつもと同じピヨーンという音に戻っているというアクシデント。この日は演奏、機材で細かいミスが多い印象"Indiscipline" のあとにブリューが、「今日は日本ツアー最終日」と切り出して、プロモーターや関係者、ファンに感謝のコメントを述べている。

こうして日本ツアー全公演をそれぞれ単独で聴いてみると、やはり日によってデキにバラツキがあり、1公演を通して全曲がうまく噛み合っているわけではないことがわかる。素晴らしいパフォーマンスのビデオ「Live In Japan」「deja VROOOM」から中野サンプラザのデキは凄かったと思ってきたけれど、単独で聴くとそれぞれ「あれ?」と思うところがあり、2日収録のベストテイク組み合わせの為せる業だったこともわかる(たった2日からだけであれだけのレベルの演奏を集められるのは十分に凄い)。それでもトータルとしてはダブル・トリオが一番ノッていた時期であるということも十分すぎるほどわかる。(2018年9月19日)

<DGM Live!> Zellerbach Auditorium, Berkeley,
                                                      United States

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/20

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Three Of A Perfect Pair
[11] Neurotica

Disc 2
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Walking On Air
[17] VROOOM
[18] Coda: Marine 475
[19] Prism
[20] The Talking Drum
[21] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ギターの厚みがあり、全体のバランスも良い録音。秋の全米ツアー開始初日だが、たどたどしいところはなく最初から快調。"Thela Hun Ginjeet" でパットがハイハットを入れてメリハリを付けたり、他の曲でもこれまでに聴いたことのがない展開が目白押し。日本ツアーのテンションを切らさず、しかもフレッシュな状態で新しい演奏を目指しているのがこの日の特徴か。もちろん部分的な粗はあるものの、全体のパフォーマンスは良い。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Marin Civic Auditorium, San Rafael,
                                                      United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/21

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Three Of A Perfect Pair
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica
[11] Matte Kudasai

Disc 2
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda: Marine 475
[18] Walking On Air
[19] The Talking Drum
[20] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
この日もパフォーマンス良好。レヴィンのバックコーラスが良く聴こえるものの、各楽器の録音バランスは良い。演奏の質としては割とオーソドックスで特別この日ならではの特徴と言えるものは少ない。アクシデントや傷も少なく良い意味で演奏の仕上がりが良い。安心して聴ける反面、これだけ数多くの音源が出ていると、何かしらミスがあってくれた方が面白いかも、という気がしなくもない。"Frame By Frame" "People" "Prism" といった定番曲はこの日は外れている。(2018年10月6日)

<DGM Live!> House Of Blues, Los Angeles,
                                                      United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/22

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] People
[8] VROOOM VROOOM
[9] B'Boom
[10] THRAK
[11] Neurotica

Disc 2
[12] Three Of A Perfect Pair
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Improv: Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] VROOOM
[19] Coda: Marine 475
[20] Walking On Air
[21] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
LAというクリムゾンのイメージに合わない街でも、観客の反応が良いことが伝わってくる。パフォーマンスはこの日も良好、充実期に入ってきていることがわかる。"VROOOM VROOOM" の中間部でフリップの刻むギター音がないのはハプニングなのか演出なのか。"Elephant Talk" が終わった後、もう一度エンディングを(しかもギターに妙なエフェクトをかけて)演るのは後の11/11, 16, 20, 21でもやっているけれど、ここで初登場。"Indiscipline" でブリューが歌詞も歌い方も変えて、良好な客の反応を楽しんでいるのは珍しい。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Symphony Hall, Phoenix, United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/23

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] People
[8] VROOOM VROOOM
[9] B'Boom
[10] THRAK
[11] Neurotica

Disc 2
[12] Three Of A Perfect Pair
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda: Marine 475
[18] Prism
[19] The Talking Drum
[20] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
"Thela Hun Ginjeet" からノリが良く中間部で2人のドラムのポリリズムを楽しめる。"Red" 以降もいつになくドラムの手数が多く、ノリが良い。"Frame By Frame" のリフのリズムの切り方がいつもと違っているのも普段と違うところ。"THRAK" はインプロパートの後、テーマに戻らずにそのまま "Neurotica" になだれ込む珍しい展開(この後、何度か見かけるようになる)。その "Neurotica" は前半でブリューが2人バラバラで歌っているのは、実はこの曲のヴォーカルはテープで流していたということなのか。ここから "Three Of A Perfect Pair" という流れも珍しい。"VROOOM" "Coda Marine 475" ではブルフォードが乱れ打ちが凄まじい。全体的にいつも違ったムードが横溢していて聴き応えがある。定番曲では "Sex Sleep Eat Drink Dream" "Walking On Air" を演奏していない。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Abraham Chavez Theatre, El Paso,
                                                      United States

演奏:★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/25

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica

Disc 2
[11] Three Of A Perfect Pair
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda: Marine 475
[18] Walking On Air
[19] Prism
[20] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
標準的な良好パフォーマンス、ただしこの日はややテンションが低いかも。"THRAK" は落ち着いた単調なリズムが続くだけの展開で珍しく退屈でエンディングを演奏せずに "Neurotica" に繋げる展開がそんな印象を助長している。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Paramount Theatre, Denver,
                                                      United States

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/27

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica

Disc 2
[11] Three Of A Perfect Pair
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda: Marine 475
[18] Prism
[19] The Talking Drum
[20] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
この日は "Thela Hun Ginjeet" から飛ばしてアグレッシヴ、好調。ブリューの好調バロメーターである "Elephant Talk" "Indiscipline" の歌いっぷりでもそれが出ている。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Paramount Theatre, Denver,
                                                      United States

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/29

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica

Disc 2
[11] Matte Kudasai
[12] People
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Improv: Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] VROOOM
[19] Coda: Marine 475
[20] Walking On Air
[21] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
テンション高く良好なパフォーマンスで安心して聴ける。"THRAK" は最初のギターのコードパターンが微妙に変えている(といっても他の部分の流れではある)。この時期の "THRAK" はインプロパートに入るとすぐにドラムが抜けるが、この日はしばらくドラムが残ってから休み、その後のギターもスリリングで聴き応えあり。"Indiscipline" でフリップの音が抜けるアクシデントはあるが、この日のデキはそんなことは些細なことと思わせる勢いがある。単なるパーカッション・パフォーマンスにすぎない "Prism" は、しかしそれでも毎日いろいろ違っていて、この日は中間部をゆっくり進めるなど工夫を凝らしている。"VROOOM" のブルフォードのスネアの入れ方も他では聴けないパターン。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Paramount Theatre, Denver,
                                                      United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/10/31

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] People
[4] Red
[5] Frame By Frame
[6] Dinosaur
[7] One Time
[8] VROOOM VROOOM
[9] B'Boom
[10] THRAK
[11] Neurotica

Disc 2
[12] Three Of A Perfect Pair
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Improv: Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] VROOOM
[18] Coda: Marine 475
[19] Walking On Air
[20] Prism
[21] The Talking Drum
[22] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
それほど変化がないと思っていた "Thela Hun Ginjeet" がこうも毎日違うとは、とここまで聴いて思い始めてきた。ときどき前半に持ってくる前半に持ってくる "People" でも3曲目(実質2曲目に持ってくるのは珍しい並び。"Red" のイントロでフリップのギターの音が抜けてしまっている。"THRAK" のエンディングでもフリップがミス。"ところどころ演奏に傷があるものの、グループの勢いはあり、パフォーマンスは良い。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Music Hall, Austin, Texas, United States

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/1

Disc 1
[1] Improv I
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica
[11] Three Of A Perfect Pair
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream

Disc 2
[13] Matte Kudasai
[14] Improv: Two Sticks
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] VROOOM
[18] Coda: Marine 475
[19] Walking On Air
[20] Prism
[21] The Talking Drum
[22] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
まだ出てくるダブル・トリオ時代の音源。詳しくは確認していないけれど2008年5〜6月くらいに公開されたもの。正直なところもうお腹いっぱいなんだけど聴けば聴いたで楽しめてしまう自分はもう病人の域に達している感じもする。日本公演から約一ヶ月後なので演奏の質は極めて近いし、演奏の充実度も大宮ソニックシティや人見記念堂より上でワールド・ツアー後半のスタートだった日本公演から一か月分のこなれ方を感じることができる。クリムゾンは過去の歴史を振り返っても新メンバー発足当初の演奏にたどたどしく、徐々に完成度を増し、終盤は煮詰まり感が出てきてそれを打破するために発足当初とはまた違う荒さが出てくるという流れをたどるケースが多いけれど、このダブル・トリオ時期にも同様なことが言える。そして個人的にはこの音源の時期あたりが一番演奏に脂が乗っていると思う。DVD「Deja VROOOM」などの作品の曲順に馴染みがあったんだけれど、こうやって音源が揃ってくると "Thela Hun Ginjeet" はオープニングとしてかなり重用されていたことがわかる。(2008年8月22日)

<DGM Live!> Music Hall, Houston, Texas, United States

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/2

Disc 1
[1] Improv I
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica
[11] People

Disc 2
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda: Marine 475
[18] Walking On Air
[20] Prism
[21] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
そしてこちらは同時に公開された上記音源の翌日。1日違いなので当然演奏の質が大きく違うということはないしセットリストも似たようなもの。こうなったら両日を徹底的に聴きこんで違いを見つけるという病的な楽しみ方こそが正しいマニアの姿でしょう。つまりはこの日のパフォーマンスも同じくらい素晴らしいということでもある。これだけの個性派集団でも目に見えないグループの結束力で精神が同じ方向を向いてうまく行っているタイミングがあるんだなと感慨深い。まったく個人的かつ感覚的な意見ではあるけれど前日よりこちらの演奏の方がわずかに濃密に思える分こちらを上と見る。といってもほとんど変わりませんが。(2006年8月22日)

<DGM Live!> House Of Blues, New Orleans,
                                                      United States

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/5

Disc 1
[1] Circular Improv
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Neurotica
[4] Red
[5] Frame By Frame
[6] Dinosaur
[7] One Time
[8] VROOOM VROOOM
[9] B'Boom
[10] THRAK
[11] People

Disc 2
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda: Marine 475
[18] Walking On Air
[19] Prism
[20] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
"Neurotica" を3曲目に持ってきてこの日は気分転換。この日は目立つ出来事はないが好調、テンションは高い。"THRAK" のスリルは上位レベル。日々あまり変わり映えしない "Elephant Talk" が歌い方、ギターのコード、ベースラインなど、いつもよりも遊んでいる感じがちょっと珍しい。"Indisipline" のイントロ・ドラムでこんなにブルフォードが叩きまくっている日はない。後半に行くにつれて演奏がヒートアップ。(2018年10月6日)

<DGM Live!> House Of Blues, New Orleans,
                                                      United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/7

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Neurotica
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[11] People

Disc 2
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda: Marine 475
[18] Walking On Air
[19] Prism
[20] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
この日は、あまり特筆すべきできごとはない。他の日でも目立つイベントを書いているだけだが、毎日違うパフォーマンスなのは彼らにとって当たり前のこと。特筆すべきできごとがないからと言ってデキが悪いなんてことはない。後半に行くほど上り調子、"VROOOM" のテンションは屈指のレベル。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Mahaffey Theatre, St Petersburg,
                                                      United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/8

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Neurotica
[4] Red
[5] Three Of A Perfect Pair
[6] Dinosaur
[7] VROOOM VROOOM
[8] Frame By Frame
[9] Sex Sleep Eat Drink Dream

Disc 2
[10] B'Boom
[11] THRAK
[12] People
[13] Improv: Two Sticks
[14] Indiscipline
[15] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[16] Elephant Talk
[17] Walking On Air
[18] Prism
[19] VROOOM
[20] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
他の日と比べて特別なことは起きていないものの、安定した高パフォーマンス。それでも "THRAK" の始まりでおやおや、なんてところもある。"Improv Two Sticks" から "Indisipline" への流れは珍しい。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Tupperware Centre, Orlando,
                                                    United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/9

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica

Disc 2
[11] Three Of A Perfect Pair
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] VROOOM
[17] Coda: Marine 475
[18] Walking On Air
[19] Prism
[20] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
今日も "Neurotica" は早めに。この全米ツアーも中盤から後半に差し掛かり、演奏は良い意味で安定期に入っている。この日も特別目立つことは起きていないが演奏は充実している。もちろん、この日でしか聴けない演奏ばかり。余談ながら、毎日違う演奏とはいえ、顕著に違う曲、ほとんど代わり映えしない曲というのは決まっていて、曲名が出てこないのは当然後者にあたる。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Roxy Theatre, Atlanta, Georgia

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/11

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Neurotica
[4] Red
[5] Three Of A Perfect Pair
[6] Dinosaur
[7] VROOOM VROOOM
[8] Frame By Frame
[9] Sex Sleep Eat Drink Dream
[10] One Time
[11] B'Boom
[12] THRAK

Disc 2
[13] People
[14] Improv Two Sticks
[15] Indiscipline
[16] Elephant Talk
[17] Walking On Air
[18] Prism
[19] VROOOM
[20] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
95年ワールド・ツアー後半の音源にまた新たなライブラリーが追加された。一体、あとどのくらいの音源が眠っているんだろう。この日はパーカッション・パフォーマンスに次いで、マステロットのドッタンバッタンしたリズムを加味したディシプリン・クリムゾンのレパートリー [2] でスタート、次に早くも [3] を持ってきて、前半に [5] や [7] まで演ってしまい、その関係で [8] が中盤にやってくるという展開、そして [14] から  [15] への流れていつものイントロ代わりのスティック・パフォーマンス抜きで始まる [16] という流れは初登場、しかも "The Talking Drum〜Larks' Tongues In Aspic Pt U"を大胆にもオミットするというと曲順とセットリストに新鮮味たっぷり。しかもその [16]、いつになくブリューがノリノリで一度終わったかと思ったら、エンディングをもう一度繰り返すというレアな展開がサプライズ。ダブル・トリオ円熟期だけに6人の演奏もうまく絡み合い、自由度が高くて、やはりこの時期が一番面白いと再認識。この日はブラッフォードがいつもほどには凄味を感じさせないなあと思っていたら [18] の切れ味が凄い。これも気分によるということか。最後を締める [19] [20] の充実ぶりも満足できる。(2009年12月18日)

<DGM Live!> Roxy Theatre, Atlanta, Georgia

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/12

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Three Of A Perfect Pair
[4] VROOOM VROOOM
[5] Frame By Frame
[6] Dinosaur
[7] Red
[8] Neurotica
[9] People
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream
[11] VROOOM
[12] Coda Marine 475

Disc 2
[13] One Time
[14] B'Boom
[15] THRAK
[16] Improv Two Sticks
[17] Indiscipline
[18] Prism
[19] Elephant Talk
[20] Walking On Air
[21] The Talking Drum
[22] Larks' Tongues In Aspic PtU
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ロキシー・シアター2日目は前日と同じオープニングながら、その後の曲順は大幅に変えている。というより、この日がこの時期標準に近いセットリストで、強いて言えば [14] [15] が後半に来ているのと、この日も [16](いつもより迫力志向) [17] を続けていることが珍しいところか。とはいえ前日のような新鮮味はなく、言いかえると安定感、安心感優先。6人でまとまりのある演奏をするということはある程度の決めごとが用意されているに違いなく、型にハメる必要がある中、やはり前日と違うパフォーマンスが聴けるのはさすが。この日は比較的前半からブラッフォードのノリが良く、最初から充実した演奏で [11] でいろんなパターンで叩き倒しているところが嬉しい限り。前日オミットした [22] も少し崩した演奏になっているのがこの日の気分。それ以外の曲も含めて、「おっ、そう来たか」「その手があったか」的な楽しみを存分に味わえるのはクリムゾンのライヴの醍醐味。程よい自由度を備えつつ非常に高いレベルで安定した演奏の音源が増えたということで、マニアの皆さん、またひとつ楽しみが増えたと喜ぼうではありませんか。(2009年12月18日)

<DGM Live!> Kirby Performing Arts Ctr, Wilkes-Barre,
                                                    United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/15

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Neurotica
[4] Red
[5] Three Of A Perfect Pair
[6] Dinosaur
[7] One Time
[8] VROOOM VROOOM
[9] Frame By Frame
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream

Disc 2
[11] B'Boom
[12] THRAK
[13] People
[14] Improv: Two Sticks
[15] Indiscipline
[16] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[17] Elephant Talk
[18] Walking On Air
[19] Prism
[20] VROOOM
[21] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
珍しく中3日の休み明け。この時期としては標準的なセットリストと曲順。この日も高いレベルで安定した演奏。"Indiscipline" の砕けた演奏はこの日ならでは。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Rochester Auditorium Ctr, Rochester,
                                                    United States

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/16

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Frame By Frame
[4] Red
[5] Improv: Two Sticks
[6] Neurotica
[7] Walking On Air
[8] People
[9] The Talking Drum
[10] Elephant Talk

Disc 2
[11] B'Boom
[12] THRAK
[13] Matte Kudasai
[14] Dinosaur
[15] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[16] VROOOM VROOOM
[17] Indiscipline
[18] Prism
[19] Sex Sleep Eat Drink Dream
[20] VROOOM
[21] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
"Improv: Two Sticks" を序盤に持ってきて "Neurotica" につなげ、そのまま序盤に "Walking On Air" を演る展開はレア。その後も "The Talking Drum" を中盤に単独で演奏して "Elephant Talk" につなげている。 "Elephant Talk" はいつもよりアグレッシヴな上に、エンディングをもう一度リピート。"B'BOOM" もいつもと違うムードで始まり、次の "THRAK" と合わせてハイテンション。序盤にいつもと違う曲を持ってきたために "Dinosaur" が後半に移るなど曲順シャッフル状態。とにかくこの日は気合いの入り方が違う。単独でも聴いてみる価値あり。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Paramount Theatre, Springfield,
                                                    United States

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/17

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Frame By Frame
[4] Red
[5] Dinosaur
[6] Improv: Two Sticks
[7] Neurotica
[8] Sex Sleep Eat Drink Dream
[9] Three Of A Perfect Pair
[10] People

Disc 2
[11] VROOOM VROOOM
[12] B'Boom
[13] THRAK
[14] Matte Kudasai
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] VROOOM
[19] Coda: Marine 475
[20] The Talking Drum
[21] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
冒頭からエンジン全開。ステージをこなしてバンドとして完全にゾーンに入った印象。曲全体のテンポも上がってきており、安定かつハイレベルな演奏。この日も"Improv: Two Sticks" を序盤に持ってきて "Neurotica" へつなげる流れ。以降、この流れはしばしば見られるようになる。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Palace Theatre, New Haven,
                                                    United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/18

Disc 1
[1] B'Boom
[2] THRAK
[3] Red
[4] Three Of A Perfect Pair
[5] Dinosaur
[6] Improv: Two Sticks
[7] Neurotica
[8] Sex Sleep Eat Drink Dream
[9] Frame By Frame
[10] Indiscipline

Disc 2
[11] VROOOM VROOOM
[12] Free As A Bird
[13] Elephant Talk
[14] Thela Hun Ginjeet
[15] People
[16] The Talking Drum
[17] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[18] Prism
[19] VROOOM
[20] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
この日はいきなり "B'Boom"〜"THRAK" から始まり "Red" "Three Of A Perfect Pair" と後半に演奏されるケースが多い曲は冒頭に持ってくる特殊なセットリストで、膨大にリリースされているダブル・トリオの音源の中でも異色の存在。冒頭からのせいか"B'Boom"〜"THRAK"は全力で飛ばしている感じはしないものの緊張感はある。"Three Of A Perfect Pair" は途中でギターが不揃いになったり "Indiscipline" のブリューの喋りヴォーカルが手抜きっぽかったり(抜いているわけじゃないんだろうけど)など、全体の完成度は高くなく、気分転換的な1日だったのかも。ブリューの独演 "Free As A Bird" が初登場。(2018年10月6日)

<Club 5&6> On Broadway

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/20-22,24,25

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Red
[3] Dinosaur
[4] VROOOM VROOOM
[5] Walkin' On Air
[6] B'Boom
[7] THRAK
[8] Neurotica
[9] Sex, Sleep, Eat, Drink, Dream

Disc 2
[10] People
[11] One Time
[12] Indiscipline
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Prism
[16] The Talkin' Drum
[17] Larks' Tongues In Aspic PtU
[18] Three Of A Perfect Pair
[19] VROOOM
[20] Coda: Marine 475
[21] Fearless And
                   Highly THRaKked
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
国内盤コレクターズ・クラブ Vol.2 の発売は2000年の2月で、この時点でダブル・トリオ構成のライヴ盤としては、「B'BOOM」がリリースされていたのみ。しかし「B'BOOM」の、新鮮さとぎこちなさが同居した、ダブル・トリオ始動当初ならではの演奏と比較すると、95年10月の日本公演に行った人、あるいは WOWOW で放送されたものを観た人は、鋭さを増したその演奏の進化ぶりに圧倒されたはず。この2枚組 CD は日本公演から1ヵ月半後の録音で来日公演に引けを取らない脂の乗った演奏+いい意味でちょっとリラックスしたムードも感じられる演奏が聴けて個人的にはかなり気に入っている。曲目は日本公演時とさほど変わらないものの同じ曲でも演奏が違っているのはクリムゾンにとっては当たり前のこと。個人的にはリリース当時は初音源化だった [15] の収録がうれしかった。日本公演では、一旦ステージを降りて会場のムードが最高潮になってきたあと、アンコールの冒頭で披露されマステロット、ブリュー、ブラッフォードが太鼓セットを囲んで余興的にワザを見せつけたことから、更に盛り上がっていたことを思い出す。 尚、このディスクの音源はそのまま「VROOOM VROOOM」の Disc 2 として通常の CD でも発売されていて、本作(も本当の演奏曲順通りではないと思うけれど)から曲順を変え 、10曲をカットして3曲を別途追加するという相変わらずマニア泣かせの手法でリリースされている。また「VROOOM VROOOM」に追加収録された3曲のうち"Free As A Bird"を除く2曲は、DGM盤の本作には収録されている。(2006年7月15日)

<DGM Live!> Longacre Theatre, New York,
                                                    United States

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/20

Disc 1
[1] Free As A Bird
[2] Conundrum
[3] Thela Hun Ginjeet
[4] Red
[5] Three Of A Perfect Pair
[6] Dinosaur
[7] One Time
[8] Improv: Two Sticks
[9] Neurotica
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream
[11] Frame By Frame

Disc 2

[12] VROOOM VROOOM
[13] Indiscipline
[14] Walking On Air
[15] Prism
[16] People
[17] Elephant Talk
[18] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[19] B'Boom
[20] THRAK
[21] VROOOM
[22] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
この11/20〜25にかけて、ニューヨークのLongacre Theatreという会場で5日間のものライヴを敢行、この5日間の音源はこれまでも、いくつかの形でリリースされている。最初はコレクターズ・クラブCD「On Broadway」、次にライヴ・アルバム「VROOOM VROOOM」、そしてTHRAKボックスの中の「New YorKc THRAK」。それぞれ収録曲が異なり、曲順もバラバラで5日間の音源からセレクトしたという意味では同じであるものの、中身はすべて違うというモノだった。それも単独公演としてDGM Live!でリリース。これまで収録していた音源がどこからセレクトされているかもわかるようになった(もういちいち付き合いきれないので、どれが何日の音源から確認していませんが)。

初日はブリューの弾き語り "Free As A Bird" で始まる意表を突く展開。というか始まる前の余興的扱いで、その後は "Conundrum" から通常と同様なセットリストで進む。全体的に程よいテンションと安定した演奏で、ここまでのツアーの延長というパフォーマンス。"Indiscipline" でブリューの歌い方(語り方?)がいつもと違うのは地元だからか?この日も Elephant Talk" のエンディングをリピート。"B'BOOM" のテンションは最上級。"VROOOM" は勢い余って結構危なっかしい。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Longacre Theatre, New York,
                                                    United States

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/21

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Dinosaur
[5] VROOOM VROOOM
[6] Frame By Frame
[7] Walking On Air
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica

Disc 2
[11] Sex Sleep Eat Drink Dream
[12] People
[13] One Time
[14] Indiscipline
[15] Improv: Two Sticks
[16] Elephant Talk
[17] Prism
[18] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[19] VROOOM
[20] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
同じ会場で5日間ということを考慮してから、曲順の入れ替えが多い。 久しぶりに ”Walking On Air" を序盤に持ってきているけれど、個人的にはどうにも違和感がある。この日も "THRAK" はインプロ・パートからエンディングを省略して "Neurotica" へ。この日も "Elephant Talk" のエンディングをリピート、"Indisipline" ではいつもと違うお遊び音を入れるなど、この日もノリが良く、演奏のデキがイイ。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Longacre Theatre, New York,
                                                    United States

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/22

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] VROOOM VROOOM
[7] Neurotica
[8] Sex Sleep Eat Drink Dream
[9] Three Of A Perfect Pair
[10] Walking On Air

Disc 2
[11] Indiscipline
[12] B'Boom
[13] THRAK
[14] Matte Kudasai
[15] Improv: Two Sticks
[16] Elephant Talk
[17] People
[18] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[19] Prism
[20] VROOOM
[21] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
部分的に乱れているところが散見されるものの、充実期真っ只中の脂が乗ったパフォーマンスにあって、そんな些細なことはどうでも良いと思わせるものがある。"B'BOOM" がいつになく荘厳なムードで始まり、ハイ・テンションに雪崩れ込む展開で、そのコントラストが充実期であることを証明。勢いは "Prism" にまで及んでいる。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Longacre Theatre, New York,
                                                    United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/24

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Neurotica
[4] Red
[5] Three Of A Perfect Pair
[6] Dinosaur
[7] One Time
[8] VROOOM VROOOM
[9] Frame By Frame
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream

Disc 2
[11] B'Boom
[12] THRAK
[13] People
[14] Improv: Two Sticks
[15] Indiscipline
[16] Elephant Talk
[17] Walking On Air
[18] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[19] Prism
[20] VROOOM
[21] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ギターのリズムの切り方、ベースラインの動かし方がいつもと微妙に違う "Thela Hun Ginjeet"。いや、この曲だけでなく、レヴィンのベースラインがいつもより全体的にウネっているように感じるのは気のせいだろうか。一見、自由度が高そうで実はそれほど代わり映えしない "Sex Sleep Eat Drink Dream" が良い意味で荒れた感じになっているのが珍しい。"B'BOOM" はここ最近はブルフォードがシンセドラムでいろいろな音を加えるようになってきている。"THRAK" のインプロパートは、最後にどうやって終わらせようかと探りながらやって冗談半分でやっているところが面白いし、最後のテーマが終わったあとギターシンセ音で静まって行くところでもまだブルフォードがドラムを入れている。"People" のポコポコ音もいつもより手数が多いし、終わる直前のブリューのギターとブルフォードのドラムの入れ方もいつとだいぶ違っている。"Improv Two Sticks" からつながる "Indisipline" の導入部ドラム・ソロもいつもとムードが違っていて、かなりハイテンションで勢いがつきすぎた感じすらある。同じ会場での4日目ということで、これまでと違うことをやろうとしているのかもしれないけれど、完成度が高いわけではなく、理性が効かなくなっている面白さを楽しむ音源。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Longacre Theatre, New York,
                                                    United States

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/25

Disc 1
[1] VROOOM
[2] Coda: Marine 475
[3] Frame By Frame
[4] Red
[5] Three Of A Perfect Pair
[6] Dinosaur
[7] One Time
[8] VROOOM VROOOM
[9] Sex Sleep Eat Drink Dream
[10] B'Boom
[11] THRAK
[12] Neurotica

Disc 2
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Free As A Bird
[17] Thela Hun Ginjeet
[18] Walking On Air
[19] Prism
[20] The Talking Drum
[21] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
連続公演なだけに前日から曲順を大幅に入れ替え。インプロ or ドラム・パフォーマンスなしでいきなり "VROOOM" が1曲めに来るのは珍しい。今日もシンセドラムで金物系の音が入る "B'BOOM" あたりからテンションが高まってくる。今日も "Elephant Talk" のエンディングをリピートするなど、演奏は乗りに乗っている。(2018年10月6日)

<DGM Live!> Palace Theatre, Columbus,
                                                    United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/27

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Frame By Frame
[4] Red
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica

Disc 2
[11] Three Of A Perfect Pair
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Walking On Air
[17] VROOOM
[18] Coda: Marine 475
[19] Prism
[20] Larks' Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
95年秋の全米ツアーの中では標準的なセットリストと曲順、パフォーマンスは良くも悪くも安定している。もちろん演奏が悪いわけではないけれど、ツアー全部の音源がある中で、特にこの日でなければ聴けないという特筆すべき演奏内容は少ない。もちろん "THRAK" などは違っていて、いつもより不協和音的な持続音が多めだったり、"Elephant Talk" のブリューがいつと較べると粘らない歌い方だったりという彼らとしては当然の自由度はある。また、この日は噛み合っていなかったり不調だったりということもない。それでも、やはり特殊な出来事が少ないと、あえて単独で聴く意味合いは薄いかも、と思ってしまうのはこちらも聴き疲れしてきているせい(さすがにこっちも通して聴いていると飽きてきますね・・・)。(2018年10月6日)

<DGM Live!> State Theatre, Detroit, United States

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/28

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Free As A Bird
[11] Inprov
[12] Neurotica

Disc 2
[13] Three Of A Perfect Pair
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Improv: Two Sticks
[16] Elephant Talk
[17] Indiscipline
[18] Walking On Air
[19] The Talking Drum
[20] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[21] Prism
[22] VROOOM
[23] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
"Thela Hun Ginjeet" のギターリフが始まり、レヴィンのベースが入るところの音量が小さくてよく聴こえない。ブリューのモニターにも聴こえていなかったようで、そのままズレたまま進み、歌の入りを大きく間違えるという珍事が発生。"Red" のあとで「ハロー、デトロイト。99回目のギグへようこそ。次がこのツアー最後のショウだよ」とMCが入り、ツアー終了を意識していることがわかる。細かいミスは結構あるものの、演奏はもちろんこれまで通り好調。ツアー終了間際で少々雑になるのでは?という勝手な予想に反して、どちらかというとどっしりしたパフォーマンスになっている。"THRAK" のインプロパートからピアノ音が規則的に刻まれたかと思うとそのまま "Free As A Bird" に入り、終わるとまた "THRAK" のインプロパートに戻って、エンディング抜きで Neurotica" という展開はかなり珍しい。この日も "Elephant Talk" 以降からの熱の入りようが素晴らしい。(2018年10月6日)

<Club 43> Live in Chicago, IL
<DGM Live!>Rosemont Theatre, Chicago, United States



演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1995/11/29

Disc 1
[1] Improv I
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica
[11] Three Of A Perfect Pair
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream

Disc 2
[13] Improv: Two Sticks
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Waking On Air
[17] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[18] Prism
[19] Free As A Bird
[20] VROOOM
[21] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
95年秋の米ツアー、最終日。3曲目後のMCで、ダブル・トリオ100回目のコンサートであることが伝えられている。ぶっ通しで聴いて耳が慣れた95年春のヨーロッパ・ツアーとの変質ぶり、具体的には曲のテンポが全体的にやや速くなり、自由度が高まった演奏に目(耳)が行く。そして他の項目でも書いている通り、この時期こそ円熟度と自由度のバランスが高い次元で取れていた充実期。更にこの音源は録音状態と各楽器のバランスが大変良く、それぞれのメンバーがやっている小技まで聞き取りやすくなっている。100回記念のせいかテンションの高いブリューと思うがままに叩きまくるブラッフォードが、わかっていても印象的。とにかくこの時期の演奏にハズレなし。セットリスト、曲順も楽しめる。(2011年2月5日)
もともと単独で公開されていたこの音源も、ツアー全体の流れで聴き直してみた。ツアー最終日でも先走った前のめり感や浮ついた感じのない、安定した腰の座った前半という、このツアー後半と同様なムードで始まる。演奏は安定していて、気の抜けた感も皆無。後半に向けてテンションが上がってくるところもこのツアー後半の傾向と同じ。最終日だからということで特別なことは起きていないが、この日もパフォーマンスのレベルは良い意味で非常に安定している(2018年10月6日)

<DGM Live!>Le Krakatoa, Bordeaux, France

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/5/28

Disc 1
[1] Conundrum(incomplete)
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Waiting Man
[8] VROOOM VROOOM
[9] B'Boom
[10] THRAK

Disc 2
[11] Neurotica
[12] Three Of A Perfect Pair
[13] Matte Kudasai
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] 21st Century Schizoid Man
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
[20] Larks Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
95年ヨーロッパ・ツアーに端を発したコレクターズ・クラブの一気蔵出しの勢いは留まるところを知らず、72年アイランズ・クリムゾンのツアー、81年ジャパンツアーや、81年フリップ単独のニューヨークでのライヴ音源などにまで広がりを見せている。
そんなときにまた、しかもかつてない量の音源を大量放出してきたのはダブル・トリオ期96年のヨーロッパ・ツアー26公演。ダブル・トリオ期は、演奏が素晴らしく、音質も良いだけでなく、やはり原体験をして衝撃を受けたという事実からも思い入れがあるために、無条件に手を伸ばしてしまう。なんてったって26公演でMP3ならたったの86ドルである。マニアという自制心のない人種が手を出さないわけがない。
今回のアーカイヴスの聴きどころは、1年前のヨーロッパ・ツアーからの変化でしょう。その間、ワールド・ツアーを敢行し、膨大な本数のライヴをこなしてきた6人がどう変化しているのか。演奏の自由度はどのくらい高まっているのか。ここが一番気になるポイント。自由度と言えば、1年前のツアーではセットリストや曲順をあまり変えていなかったのに比べるて、96年のツアーではまさに日替わり。どんな流れでも対応できる基礎体力ができている自信の深まりを感じさせる。

<5/28>
95年11月29日以来の久々のライヴということもあってか、意外や周囲の顔色を見ながら演奏している感じ。特に前半はあまりハジけた感じがなくて大人しい。とはいえ、噛み合っていないというわけではないところが1年間のツアーで積み上げてきた分の成果か。淡々と進んできた演奏から有機的になってくるのはやはり "THRAK" から。ややおざなりに演奏されてきた"Neuroica"が丁寧に扱われているように曲によっては枠をはみ出ないように抑え気味であるのはいかにもツアー初日らしい感じ。「ごめん、フランス語が上手じゃないから英語で言うけど、ここ22年間で一度も演奏したなかった曲だよ」と紹介されるのはもちろん"21st Century Schizoid Man"(次の日も同じことを言っている)。この後、毎回演奏される名曲の初演はまだかなり慎重な感じで面白い。そして"VROOOM"の前でなんとブルフォードの流暢なフランス語MCが聴けるのがレア。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Palacio de Congresos, Madrid, Spain

演奏:★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/5/30

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Waiting Man
[8] VROOOM VROOOM
[9] B'Boom
[10] THRAK

Disc 2
[11] Neurotica
[12] Three Of A Perfect Pair
[13] Matte Kudasai
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] 21st Century Schizoid Man
[18] Walking On Air
[19] Larks Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
おっと、いきなり"Thela Hun Ginjeet"でズッコケ気味、ブリューのヴォーカルが笑いをかみ殺しているようも聞こえる。次の"Frame By Frame"も出だしのギター2台が合わなくて、アレレ? 初日は慎重にやったけれど、1ステージで慣れを取り戻したつもりが意外とそうでもなかったという、ある意味人間らしいところが見える。機材の不調なのか"VROOOM VROOOM"ではフリップのギターの音がところどころ切れている。中盤以降は安定し、本来のパフォーマンスが楽しめる。それでもところどころ意図的ではないかと思える荒さがある。それにしてもブルフォードのシンセドラムによるパーカッションの味付けは多彩。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Palacio de Congresos, Madrid, Spain

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/5/31

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Waiting Man
[10] Indiscipline

Disc 2
[11] The Sheltering Sky
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] People
[14] Elephant Talk
[15] 21st Century Schizoid Man
[16] Matte Kudasai
[17] Thela Hun Ginjeet
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
演奏はぐっと安定、ダブルトリオ円熟期の演奏を堪能できる。今日の"THRAK"はいつになくブルフォードのドラムがジャズっぽいフィーリング。"Sex Sleep Eat Drink Dream"の乱れっぷりも気持ちい。"21st Century Schizoid Man"は早くも熟れてきている。この日から "The Sheltering Sky" が新しくレパートリーに加わる。(2018年9月22日)

<DGM Live!>Auditorio Y Congresos, Murcia, Spain

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/1

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] Red
[6] B'Boom
[7] THRAK
[8] Waiting Man
[9] Indiscipline

Disc 2
[10] The Sheltering Sky
[11] People
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Elephant Talk
[14] 21st Century Schizoid Man
[15] Matte Kudasai
[16] VROOOM
[17] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
この日も安定傾向。もちろん、おや?というところが皆無というわけではないけれど、しかしライヴとはそういうものである。"THRAK"は解体しすぎて変な音で埋められた実験的音響空間に。95年後半ころの演奏は、曲をスピードアップさせて進化していたと思っていたんだけれど、ここまで聴く限りでは全体にじっくり演奏されていて少々意外な印象を受ける。アンコール前の終了曲"21st Century Schizoid Man"が終わったあとにブリューが全員の名前をコールしてメンバー紹介をしているのは珍しい。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Auditorium Maurice Ravel, Lyon, France

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/3

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Waiting Man
[8] VROOOM VROOOM
[9] B'Boom
[10] THRAK

Disc 2
[11] Neurotica
[12] Three Of A Perfect Pair
[13] Matte Kudasai
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] 21st Century Schizoid Man
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
フランスのボルドーから始まってスペインで3日公演、またフランス戻ってのツアー5日目。高値安定の充実パフォーマンス。"Elephant Talk"のブリューのソロのテンション、"Indiscipline"のフリップの暴れっぷりが凄い。でも"THRAK"の中間部はほとんどリズムがない環境音楽のようにまで解体されていてやりすぎの感も。"Neurotica"は日本ツアー前半のように前半のヴォーカルが入っていない。アンコールに入って"21st Century Schizoid Man"も合わせ損なっているし、"Coda Marine 475"も乱れている。聴き始めのうちは、この日の演奏は普通にCDショップに並べて良い品質だと思っていたけれど、こういうこともあるわけで、なるほど、一般的なライヴ・アルバムがいろいろな日の寄せ集めで作られている理由が良くわかる。これだけのレベルで通しで完璧に演奏をするというのはかなり難しいという考えてみれば当たり前のことに気づく。(2018年9月22日)

<DGM Live!>Rosengarten-Musansaal, Mannheim,
                                                             Germany

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/4

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] Walking On Air
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] 21st Century Schizoid Man

Disc 2
[10] The Sheltering Sky
[11] Waiting Man
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Neurotica
[14] Indiscipline
[15] Thela Hun Ginjeet
[16] Elephant Talk
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
"Sex Sleep Eat Drink Dream"がわざとと思えるくらいかなりふざけた感じ。これは飽き防止か。演奏は確実に熟れてきたがその分ハメを外しすぎているように聴こえ る。"Neurotica"はかなりブルフォードの暴れ具合がいいし、全体的にも半年前より勢い任せでいい。この日くらいからダブルトリオは、よりラフな演奏スタイルでになっていった最終型に向かい始めたように思う。B'Boomそして、雑とワイルドの境界線を渡り歩く。 音のバランスが変に聴こえるのはフリップのミックスが大きめだから。"Indiscipline" の後半はフリップがブリューのメロディを弾き始めてそのまま暴れる。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Tempodrom, Berlin, Germany

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/5

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Neurotica
[4] Red
[5] Dinosaur
[6] Waiting Man
[7] Three Of A Perfect Pair
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] 21st Century Schizoid Man

Disc 2
[11] The Sheltering Sky
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Elephant Talk
[14] Indiscipline
[15] Matte Kudasai
[16] Larks Tongues In Aspic Pt II
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
"The Talking Drum"から"Thela Hun Ginjeet"に繋げ、更に"Neuroticaに、 と言う始まりで「いつもと違う」感が濃厚。"Three Of A Perfect Pair"を前半に持ってきて、"B' BOOM"がまたいつもとちょっと違う。"THRAK"のインプロパートはブルフォードがスピーディなブラッシュワー クから始まり例によって即興が展開されるが今日の緊張感はなかなか凄い。 そしてそこから"21st Century Schizoid Man"につなげる展開が新鮮。 "Sex Sleep Eat Drink Dream"と"Indiscipline" はもはや恒例のフリップの暴れ。でも毎回暴れ方が違っていて楽しい。"Matte Kudasai"のイントロでブリューが手を止めている。今日も後半に行くにしたがって演奏がラフに。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Congress Hall, Warsaw, Poland

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/7

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] 21st Century Schizoid Man

Disc 2
[10] Waiting Man
[11] Neurotica
[12] The Sheltering Sky
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] Thela Hun Ginjeet
[18] Matte Kudasai
[19] VROOOM
[20] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
2曲目のあと、キング・クリムゾンにとって初めてのポーランドでのコンサートであることが告げられる。この日は非常に安定感のある演奏。 "21st Century Schizoid Man"の例の間奏ブレイクのところで観客ので合いの手が入るほど客の反応も上々。"Neurotica" のツインドラム乱れ打ちは気持ちいい。全体にブルフォードのノリ具合が良好。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Tanzbrunnen, Cologne, Germany

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/9

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] VROOOM VROOOM
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] 21st Century Schizoid Man
[10] The Sheltering Sky

Disc 2
[10] Sex Sleep Eat Drink Dream
[11] People
[12] Elephant Talk
[13] Indiscipline
[14] Red
[15] Waiting Man
[16] VROOOM
[17] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
冒頭"Thela Hun Ginjeet"からノリがいい。勢いがあってしかも安定感がある。 "B' BOOM"でブラッフォードがまた聴いたことのないパターンで攻める。"Elephant Talk"のブリューのソロが実にワイルドでヴォーカルもいつになくテンションが高く、その勢いは"Indiscipline"にも引き継がれている。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Alte Opera, Frankfurt, Germany

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/10

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] 21st Century Schizoid Man

Disc 2
[10] Waiting Man
[11] Neurotica
[12] The Sheltering Sky
[13] Elephant Talk
[14] Indiscipline
[15] Prism
[16] Thela Hun Ginjeet
[17] Matte Kudasai
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
高いレベルでの安定感あり。各メンバー、手を替え品を替え、いろいろ試していてツアー初期とはキメのフレーズが随分変わってきた。それでも全体の雰囲気は良くも悪くも変わっていない。 "THRAK"は一定のリズムを持たない解体ショー。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Meistersingerhalle, Nurnberg, Germany

演奏:★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/11

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Dinosaur
[4] Matte Kudasai
[5] VROOOM VROOOM
[6] B'Boom
[7] THRAK
[8] Waiting Man
[9] Neurotica
[10] 21st Century Schizoid Man

Disc 2
[11] The Sheltering Sky
[12] People
[13] Elephant Talk
[14] Indiscipline
[15] Prism
[16] Red
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
前半から脂の乗った充実パフォーマンス。と思っていたら"VROOOM VROOOM"の最初のリフの次のところでフリップが入りを思い切 り間違える。録音上の問題なのか、途中でベースの音量が極端に低いところもある。"THRAK"は解体傾向はこれまで通りでもメリハリがそこそこある。"People"は全体にヨタっている。後半はどこか微妙にズレているところが散見される。"Elephant Talk"のイントロでレヴィンが珍しくちょっと遊んでいたり"Indisipline"のイントロのドラムが聴き慣れないパターンだったりとその引き出しの多さに感心してしまう。"Coda Marine 475"に切り替わる前のパートでフリップがもつれて弾くのを止めてしまうハプニングも。この日は不調だったようだ。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Westfalen Park, Dortmund, Germany

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/13

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] VROOOM VROOOM
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] 21st Century Schizoid Man

Disc 2
[10] The Sheltering Sky
[11] Waiting Man
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Elephant Talk
[14] Indiscipline
[15] Prism
[16] Red
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
今日もドイツ。演奏は熟れてきている。でもこの日はキメで微妙なズレが多い。"21st Century Schizoid Man"での合いの手の歓声が大きい。"Elephant Talk"のレヴィンがかなり遊んでいて、ブリューのソロも風変わり。いや、この日は全体的にいつもと違う演奏を意図的にやっているような感じすらある。つまり多少荒くてもノリがいいということ。 "Prism"では3人のうちの誰かの唸り声まで聞こえてくる。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Stadtpark, Hamburg, Germany

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/14

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Dinosaur
[4] Red
[5] Matte Kudasai
[6] VROOOM VROOOM
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] 21st Century Schizoid Man
[10] Waiting Man

Disc 2
[11] Neurotica
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Elephant Talk
[14] Larks Tongues In Aspic Pt II
[15] Prism
[16] VROOOM
[17] Coda Marine 475
[18] Indiscipline
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
今日もドイツ。ドイツはこのツヨーロッパ・アーの中心になっている。実質2曲目に"Dinosaur"を持ってくるのは珍しい展開。その後の流れも聴き慣れないパターンで個人的には違和感がある。演奏はだいぶ遊べる領域が増えてきている印象。"THRAK" はブルォードがマリンバ音シンセドラムを多用しているなあ、と思っていると後半を省略して"21st Century Schizoid Man"に続くという珍しい展開。"Elephant Talk"から"Larks' Tongues In Aspic Pt II"へという展開も珍しく、新鮮。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Stadthalle, Chemnitz, Germany

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/15

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] VROOOM VROOOM
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] The Sheltering Sky
[10] 21st Century Schizoid Man
Disc 2

[11] Red
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Elephant Talk
[14] Indiscipline
[15] Waiting Man
[16] Prism
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
今日の好調さは、解体されつつも緊張感に満ちた"THRAK"に現れている。最後までその好調さが持続。もちろん、演奏は焼き直し的繰り返しということはなく新しいパターンにチャレンジし続けている。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Palace Of Culture, Prague,
                                                  Czech Republic

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/17

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Indiscipline
[8] Waiting Man
[9] B'Boom
[10] THRAK

Disc 2
[11] 21st Century Schizoid Man
[12] Matte Kudasai
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Elephant Talk
[15] Prism
[16] The Talking Drum
[17] Larks Tongues In Aspic Pt II
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
この日も充実したパフォーマンス。"B' BOOM"からは「この日ならではの気分」が出てくる。"Elephant Talk"で歌に入る直前まで叩きまくっているブルフォードの勢いが今日もいい。"THRAK" のデキもいい。最後の"Coda Marine 475"で合わせ損なっているのはご愛嬌。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Amphitheatre, Presov, Slovakia

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/18

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] Matte Kudasai
[6] VROOOM VROOOM
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] The Sheltering Sky
[10] 21st Century Schizoid Man

Disc 2
[11] Waiting Man
[12] Sex Sleep Eat Drink Dream
[13] Elephant Talk
[14] Indiscipline
[15] Prism
[16] Red
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
好調時期の充実パフォーマンス。演奏の傷は少ない。"B'BOOM"でのブルフォードの乱れ打ちが気持ちイイ。続く "THRAK"は、改めてこうして聴いてみると、前年ツアーとはずいぶん変わったなあと思う。”"Indiscipline"のフリップの暴れ具合も良好。"VROOOM" はこのテンポを落としてドッシリした演奏を志向している。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Petofi Csamok, Budapest, Hungary

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/19

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] Matte Kudasai
[6] Red
[7] B'Boom
[8] THRAK

Disc 2
[9] Three Of A Perfect Pair
[10] Waiting Man
[11] VROOOM VROOOM
[12] 21st Century Schizoid Man
[13] Elephant Talk
[14] Thela Hun Ginjeet
[15] Prism
[16] Indiscipline
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
細かい粗相はあるものの、この日も全体のデキが良い。演奏ははどんどん自由度高まり、尖鋭度を増している"21st Century Schizoid Man" ブルフォードがポコポコ音を連打して気分転換。この96年前半ツアーではあまり演奏していない "Thela Hun Ginjeet" を終盤に持ってきているのは珍しい。"VROOOM" "Coda Marine 475" はオミット。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Fiera Di Milano, Milano, Italy

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/21

Disc 1
[1] Conundrum(incomplete)
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] Three Of A Perfect Pair
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Waiting Man

Disc 2
[11] The Sheltering Sky
[12] 21st Century Schizoid Man
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] Larks Tongues In Aspic Pt II
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
珍しく3日のオフを挟んでのイタリア初日。相変わらずハイレベルなパフォーマンスながら全体に手堅くまと めている。"21st Century Schizoid Man"はこのツアー初期よりもテンポがやや早まり、熟れてきていることがわかる。 "Indiscipline"イントロのルフォードの暴れっぷり が気持ちいい。"VROOOM"と"Coda Marine 475"はハメを外していて、とっ散らかっている一歩手前という面白さ。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Arena Alpe Adria, Lignano, Italy

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/22

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Dinosaur
[4] Matte Kudasai
[5] VROOOM VROOOM
[6] B'Boom
[7] THRAK
[8] Waiting Man

Disc 2
[9] Neurotica
[10] 21st Century Schizoid Man
[11] The Sheltering Sky
[12] People
[13] Elephant Talk
[14] Indiscipline
[15] Prism
[16] Red
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
全体的に曲のテンポが上がってきている。それと関係しているのかわからないけれど、演奏も流れもどこか淡白。"THRAK"はこの辺りからProjeKct One のような感じになってくる。この日は作品として残さないことを前提にしているかのように、良くも悪くも枠を外したパフォーマンスなので変わり種として楽し める。セットリストには"VROOOM"と"Coda Marine 475"すらない。他の日との違い重視であればお勧め。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Tenda Partenope, Naples, Italy

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/24

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Indiscipline
[5] One Time
[6] VROOOM VROOOM
[7] Neurotica
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] The Sheltering Sky

Disc 2
[11] 21st Century Schizoid Man
[12] Waiting Man
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Dinosaur
[15] Elephant Talk
[16] Prism
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
[19] Red
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
軽快でテンポが速く、96年モノ音源らしい演奏になってきた。従来は後半の山場に置かれ、 個人的にも盛り上がる"Indiscipline"が4曲目に来るの はかなり違和感がある。今日の"THRAK"はこれまでとかなり違ってドラムがしっかり入り ややハードでカッコいい。"Elephant Talk"ではレヴィンが高音を多用したリフを刻む。また全体を通してレヴィンのバッキング・ ヴォーカルが力強く目立つバランスになっている。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Centralino Foro Italico, Rome, Italy

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/25

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] The Sheltering Sky
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK

Disc 2
[10] One Time
[11] 21st Century Schizoid Man
[12] Elephant Talk
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Indiscipline
[15] Prism
[16] VROOOM
[17] Coda Marine 475
[18] Larks Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
96年ツアーパッケージ販売前に既にリリース済みだった音源。ツアーも後半に差し掛かり、演奏は十分に安定、ただし 同じことを繰り返していても飽きるので、遊べるところは遊んでみましょうという感じも定着。「今日はそう来たか」 を楽しめないとここまで聴き続けていられない。"THRAK"は前日に引き続きアグレッシヴ。ライヴ後半行くに連れて自由度を増すのは毎度のことながら楽しい。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Town Centre Square, Pisa, Italy

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/26

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] VROOOM VROOOM
[7] Neurotica
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Waiting Man

Disc 2
[11] 21st Century Schizoid Man
[12] The Sheltering Sky
[13] Elephant Talk
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] Red
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
イタリアのピサ。日替りセットリストのこのツアー、流石にパターンは出尽くしたか、おっ と驚くような曲のつながりはない。演奏も驚くような展開はないけれど、エンジンがかかり始めるのはやはり"B' BOOM"から。 24日以降、"THRAK"がスリリングで尺も長くなってきている。いつも趣向が違う"Indiscipline"のイントロ、そして"Prism"のブラッフォードの乗り具合が今日は水準以上。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Palais des Beaux-Arts, Brussels, Belgium

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/28

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] Neurotica
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Three Of A Perfect Pair
[10] 21st Century Schizoid Man

Disc 2
[11] The Sheltering Sky
[12] Waiting Man
[13] Elephant Talk
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
[19] Larks Tongues In Aspic Pt II
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
やたらとフリップが目立つ音量バランスの"Thela Hun Ginjeet"から脂の乗ったパフォーマンス。 と思ったら珍しく"Dinosaur"で「おっとっと」。 "Elephat Talk"のフリップのソロの背後でブラッフォードが刻むリズムは まるでタンゴのよう。更にエンディングを繰り返すサプライズ演出を久々に披露。後半はかなり遊んでいるところが多く、このツアーをここまで追いかけてきた人でも十分に楽しめる。 最後の"Red"のタメ加減もいい。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Congresgebow, Den Hague, Netherlands

演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/29

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Thela Hun Ginjeet
[4] Dinosaur
[5] Walking On Air
[6] Neurotica
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Waiting Man
[10] 21st Century Schizoid Man

Disc 2
[11] The Sheltering Sky
[12] VROOOM VROOOM
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] Red
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
"Larks' Tongues In Aspic Pt II"に"Thela Hun Ginjeet"をつなげるパターン、"Walking In Air"を復活させ前半に、そして"Neurotica"も前半に持ってくるなど、新鮮味を感じさせるセットリスト。毎度のことながら演奏も変化に富む。そしてパフォーマンスもかなり良い。"Red"ではレヴィンがやけに伸び上がっている。 好調と思っていたら"Coda Marine 475"への切り替わりで、ズッコケる場面も。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Shepherds Bush Empire, London, England

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/6/30

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
10] The Sheltering Sky

Disc 2
[11] Waiting Man
[12] 21st Century Schizoid Man
[13] Elephant Talk
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] Larks Tongues In Aspic Pt II
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
一応の地元に戻り、最初のMCで「This is gonna special evening」とブリューが一言。 機材的な粗相や部分的な演奏の乱れはあるもののパフォーマンスの質的にはもう完成した感もある。クリムゾンとしては無難に流れて行くと思っていたら最後の" VROOOM""Coda Marine 465"は気分一発、即興のスリルあり。(2018年9月22日)

<DGM Live!> Shepherds Bush Empire, London, England

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/7/1

Disc 1
[1] Introductory Soundscape
[2] Conundrum
[3] Thela Hun Ginjeet
[4] Neurotica
[5] Red
[6] Waiting Man
[7] Dinosaur
[8] Three Of A Perfect Pair
[9] Improv I
[10] VROOOM VROOOM
[11] Sex Sleep Eat Drink Dream
[12] VROOOM
[13] Coda Marine 475

Disc 2
[14] Lark's Tongues In Aspic Pt II
[15] Frame By Frame
[16] Matte Kudasai
[17] B'Boom
[18] THRAK
[19] 21st Century Schizoid Man
[20] Indiscipline
[21] Prism
[22] Elephant Talk
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ツアー最終日のこの日もパッケージ販売前に公開されていた音源。単独で聴いていた時には変わったセットリストだと思ったものだけれど、こうしてツアーを通して聴いてみるとそうでもない。それでも日替りメニューのツアーだけにトピックはある。まず"Coda Marine 475"のあとに休憩を挟んだ2部構成であることがブリューのアナウンスによって告げられている。実際、オープニングに持ってくる曲、中盤に持ってくる曲 クライマックスに持ってくる曲を1部と2部にバランス良く振り分けたかのようなセットリスト。"Improv I"( フリップのギターが中心の抽象的なもので70年代のインプロのような凄みのあるものではない)があったり、"THRAK" のエンディングを省略し"21st Century Schizoid Man"につなげたりという聴きどころはある。 それにこの日は演奏のデキがイイ。観客の声が近く、そして結構うるさい。英国人はこういうところで叫ぶんだと変に感じ入ってしまう。さらにこの日の音源には、 冒頭に開演前のときに流していたと思われる24分にもおよぶフリ ップのサウンドスケープ演奏が収録されているのも大きな特徴。ツアー最終日はそれなりにスペシャルだったようだ。

ツアー全体で見ると、やはりその日ごとの演奏がだいぶ違うという当たり前のことがわかる。通して聴いているとその日ごとの調子の違い、その浮き沈みまでわかるので、それはそれで面白い。

そして、自由度の高い曲、具体的には"THRAK"に似たような演奏がまったくないことに改めて驚く。(2018年9月22日)

<DGM Live!> The Joint, Las Vegas, United States

演奏:★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/7/24

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica

Disc 2
[11] Waiting Man
[12] 21st Century Schizoid Man
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] Larks Tongues In Aspic Pt II
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
そのうち出すだろうと思っていた96年後半の北米&メキシコ・ツアー、そしてダブル・トリオ期最後のツアーが2022年4月に公開された。しかし、全24公演のうち最初の9公演と最後の3公演(最終公演は既に公開済み)という中抜けの不思議な公開。ここまで来たらダブル・トリオ期のライヴは全公開されると思っていたのに、この期に及んで小出しにするつもりなんだろうか。あと大して重要な話ではないけれど、今頃になってジャケ写がカラーになった理由もよくわからない。

まずは初日、6月までの欧州ツアーを終え、約1ヶ月の休みを経てから全米ツアーを開始。セットリストは基本的に変えていない。実質1曲目 "Thela Hun Ginjeet" のフリップの音量バランスが小さくなったり大きくなったりと不安定なのは奏者のエフェクター操作かミキサーがまだ肩慣らしが終わっていないからか"VROOOM VROOOM"エンディングでもフリップのギターが消えている。一方で演奏はまだ慎重さを残しつつ初日からまずまず安定しており、しかも自由にやっているところはある程度自由にやっている。とはいえ、全体的には安全運転の印象。(2022年4月11日)

<DGM Live!> Greek Theatre, San Francisco,
                                                      United States

演奏:★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/7/24

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Neurotica

Disc 2
[11] Waiting Man
[12] 21st Century Schizoid Man
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] Larks Tongues In Aspic Pt II
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
1日空けての北米&メキシコ・ツアー2日目。[2]からブルーフォードの手数が多く、2日目にしてバンドは全開の状態。[3]のイントロで立ち上がりの音が微妙にズレ、ブリューのギターのイフェクトが歪まず妙なムードで始まるプチ・アクシデント。こうした事故を楽しむことがマニアのあるべき姿かはさておき、毎日ライヴをやっているとこのくらいのことはあります、ということ(CD化されているのは良いものをセレクトしているという当たり前のこと)を実感する。"Dinosaur" 以降は危うさがなくなりすっかり安定。もうわかっていることとはいえ、"THRAK"は今回も前日とはまったく異なり、締めのテーマが終わるとダラダラと妙な音が流れ続けるインプロが挟まってそのまま"Neurotica"に突入する流れ。全体的にこの日は平均的なパフォーマンス。(2022年4月11日)

<DGM Live!> Greek Theatre, Los Angeles,
                                                      United States

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/7/27

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Neurotica
[5] One Time
[6] Frame By Frame
[7] 21st Century Schizoid Man
[8] Waiting Man
[9] VROOOM VROOOOM

Disc 2
[10] B'Boom
[11] THRAK
[12] The Shelterig Sky
[13] Three Of A Perfect Pair
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] Dinosaur
[19] VROOOM
[20] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
単に整っている演奏というわけではなく、より自発的なフレージングを各メンバーが繰り出していて、少し乱れているところも却ってワイルドな魅力に転換している(ただし"VROOOM VROOOM"のエンディングでギターの音が抜けてしまうといったミスもある)。北米&メキシコ・ツアー3日目にしてすでにバンドは状態は高いレベルに上昇。ブルーフォードの(シンセドラムによる)パーカッションの音も多彩でノっているし、叩きすぎず、しかしアグレッシヴという好プレイの連続、パットとのダブルドラムがうまく噛み合ってスリリングな時間が多い。ブリューのギターも唸り、ベース陣のウネリも腰が座っていて総じてパフォーマンスのレベルは高い。"THRAK"の中間部もあまり聴いたことがない力感優位の演奏。(2022年4月11日)

<DGM Live!> Ventura Theatre, Santa Barbara,
                                                      United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/7/29

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Dinosaur
[5] Matte Kudasai
[6] VROOOM VROOOM
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] 21st Century Schizoid Man
[10] Waiting Man

Disc 2
[11] Three Of A Perfect Pair
[12] Neurotica
[13] The Shelterig Sky
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] Larks Tongues In Aspic Pt II
[19] VROOOM
[20] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ツアー当初の手探り感はなくなり、ハイレベルで安定感がある。基本の枠組みは変えていないものの、ところどころにあるスペースに自由に思いつきのフレーズを入れ込んできている。"Red"はレヴィンがいつもと違ってあえてウネリ方を外しているなど、自由度が増している。脂の乗った演奏である反面、妙にテンポが速くて軽く演奏されていたり、細かいミスがところどころに見られるなどCDとしての商品化の際には採用されないであろうやや荒っぽい演奏が多いところが聴きどころか。"Prism"ではソロパートでチャカポコ音ではなく太鼓で演奏されていていつもと違っている。(2022年4月11日)

<DGM Live!> Summer Pops Bowl Park, San Diego,
                                                      United States

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/7/30

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] VROOOOM VROOOM
[7] Waiting Man
[8] Three Of A Perfect Pair
[9] 21st Century Schizoid Man
[10] The Shelterig Sky

Disc 2
[11] B'Boom
[12] THRAK
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Indiscipline
[15] Larks Tongues In Aspic Pt II
[16] Prism
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
[19] Elephant Talk
[20] Neurotica
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
Hola!とスペイン語の挨拶で始まるサンディエゴ公演。妙に(恐らくパットの)バス・ドラムが強調されたバランスで、ちょっと変わったシンコペーションで進む"Red"でそれがより目立つ。この日も演奏に勢いがあり、やや荒っぽいく、この時期はこのくらいがアヴェレージのクオリティだったんだなあと実感する。"VROOOM VROOOM" の途中でベースの音が抜けるアクシデントあり。"21st Century Schizoid Man"中間部のギターのせめぎ合いがスリリング。それにしても96年のツアーからセットリストに入れるようになった "Sheltering Sky" って6人で演る意味あるんだろうか、と思わずにはいられない。"Elephant Talk" "Neurotica" で締める珍しい曲順。(2022年4月11日)

<DGM Live!> Metropolitan Theatre, Mexico City,
                                                              Mexico

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/8/2

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Frame By Frame
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] B'Boom
[9] THRAK
[10] Waiting Man

Disc 2
[11] Three Of A Perfect Pair
[12] 21st Century Schizoid Man
[13] The Shetering Sly
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Elephant Talk
[16] Indiscipline
[17] Prism
[18] Larks Tongues In Aspic Pt II
[19] VROOOM
[19] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
同じ場所で演奏する機会が少ないツアーにあって、このメトロポリタン・シアターは3日連続公演。ライヴ・アルバム「VROOOM VROOM」のDisc 1はこの3日からのセレクトになっている。本音源はその1日目。パットのバスドラムの踏み方がドラムンベース的な "Red" のあとにメキシコ・シティでの初めてでのコンサートであることがブリューからアナウンスされる。以前から不思議だったんだけれど、ダブル・トリオのツアーではアルゼンチンやメキシコを訪れているし、このメキシコ・シティは3日も公演している。中南米とクリムゾンとの親和性が高いように思えないのは単なる僕の先入観なんだろうか。それはさておき、演奏は直前のライヴと同傾向で、適度な荒さと適度な自由度があって充実している。ブルーフォードがシンセドラムによる多彩なパーカッションを随所にねじ込み、ノッている様子が伝わってくる。(2022年4月12日)

<DGM Live!> Metropolitan Theatre, Mexico City,
                                                              Mexico

演奏:★★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/8/3

Disc 1
[1] The Talking Drum
[2] Larks Tongues In Aspic Pt II
[3] Frame By Frame
[4] Dinosaur
[5] VROOOM VROOOM
[6] Matte Kudasai
[7] B'Boom
[8] THRAK
[9] Waiting Man
[10] Neurotica

Disc 2
[11] The Shetering Sly
[12] Three Of A Perfect Pair
[13] 21st Century Schizoid Man
[14] Elephant Talk
[15] Indiscipline
[16] Prism
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
[19] Red
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
連続公演に配慮してか本人たちの飽き防止のためか、96年後半のツアーでは演奏していなかった "The Talking Drum"〜"Larks Tongues In Aspic Pt II"をオープニングにして最後に"Red"という曲順変更。とはいえ、パフォーマンス内容じたいは大きな変動はない。演奏の乱れが少なく、それでいて自発的にあれこれフレーズを入れたり変えたり(特に "B'Boom" "THRAK" は日々まったく違っていて面白い)、高レベル安定期に入っている。このデキなら、なるほどCD化(「VROOOM VROOOM」)しようとしたのも納得できる。"21st Century Schizoid Man"の中間部ブレイクで合いの手の歓声が入るのはお国柄というところか。(2022年4月12日)

<DGM Live!> Metropolitan Theatre, Mexico City,
                                                              Mexico

演奏:★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/8/4

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Interlude
[4] Red
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] Waiting Man
[9] Three Of A Perfect Pair
[10] 21st Century Schizoid Man
[11] Improve
[12] Matte Kudasai

Disc 2
[13] B'Boom
[14] THRAK
[15] Sex Sleep Eat Drink Dream
[16] Larks Tongues In Aspic Pt II
[17] Indiscipline
[18] Prism
[19] VROOOM
[20] Coda Marine 475
[21] Elephant Talk
[22] Neurotica
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
"Thela Hun Ginjeet"は冒頭からフリップのギターの音が抜け、ブリューのギターは遠くて妙なディレイがかかっているという一瞬耳を疑う始まり。中間部ではフリップがサウンドスケープで音を埋め続けるという前代未聞の展開。途中でもギターの音の出方は乱れ、事故と呼んでもいいレベル。ただのサウンドスケープ効果音[3]を挟んで安定感あるリズムのはずの"Red"もどこか浮足立っている。決して手抜き感があるとかそういうわけではないし、むしろテンションは高いと言って際し使えない。その後幾分立て直すものの、音の処理、ミキシングのバランス、演奏共にワイルドと言うよりは粗く、演奏がうまく噛み合っていた前日と一歩間違えるとこんなに崩れてしまうということがわかって興味深い。ダブル・トリオ一連のライヴ公開について「こんな同じような演奏を大量に出しても意味ないだろ」と考える人は多いに違いない。でも、こう思ったことはないですか?クリムゾンにかぎらず連日ステージをこなしているアーティストって、同じ曲を演奏してもその日の気分や体調でデキの違いってあるんだろうか、と。また、クリムゾンのような演奏技術の高いメンバーなら安定した演奏ができるんだからデキの違いはそうないんじゃないか、6人での演奏となると約束事が決まっていて自由度も低いからそうは変わらないんじゃないか、とも考えることはないだろうか。でもこうして通して日々のコンサートを聴いていくと、やはり彼らも人間だし、6人の人間がやる以上うまく噛み合わないときもあるということがよくわかる。(2022年4月12日)

<DGM Live!> Auditorio Coca Cola, Monterey, Mexico

演奏:★★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/8/6

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] VROOOM VROOOM
[7] Waiting Man
[8] Three Of A Perfect Pair
[9] 21st Century Schizoid Man
[10] The Shltering Sky

Disc 2
[11] B'Boom
[12] THRAK
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Indiscipline
[15] Larks Tongues In Aspic Pt II
[16] Prism
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
[19] Elephant Talk
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
荒れ気味だった2日前から会場を変えてのメキシコ・シティ最終公演。冒頭から良好な滑り出しで安定感を取り戻し(もちろん多少のズレなどはある)、良い演奏が聴ける、日々変わりつつも平常運転の中の1日といった感じか。特別な出来事は発生することなく、最後まで適度に自由度がありつつも安定の1日。(2022年4月1日)

<DGM Live!> Paramount Theatre, Asbury Park,
                                                        New Jersey

演奏:★★★
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/8/24

Disc 1
[1] Introductory Soundscape
[2] Conundrum
[3] Thela Hun Ginjeet
[4] Red
[5] Dinosaur
[6] One Time
[7] VROOOM VROOOM
[8] Waiting Man
[9] Three Of A Perfect Pair
[10] 21st Century Schizoid Man
[11] The Shltering Sky

Disc 2
[12] B'Boom
[13] THRAK
[14] Sex Sleep Eat Drink Dream
[15] Indiscipline
[16] Larks Tongues In Aspic Pt II
[17] Prism
[18] VROOOM
[19] Coda Marine 475
[20] Elephant Talk
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
公開された音源としては8/6から飛んで次がこの8/24。奇遇にもセットリストと曲順はその8/6とまったく同じ、しかし誰が聴いても演奏はかなり違っていることがわかる。8/6とそれ以前の数公演では、テンポが速くて良くも悪くも荒っぽかったのに対して、この日は地に足がついたどっしりとした演奏に終始。場数をこなしたことによってより自由度が高まってアグレッシヴになっていくのではないかという想像に反して、むしろ落ち着いた演奏になっている。落ち着いたというと聞こえがいいけれど、テンションが低く、ツアー終盤を迎えて疲れが出始めているように聴こえる。羽目を外したところがあまりなく安定思考でスリリングな場面は少ない。ダブル・トリオでできることはもうやり尽くした感が出始めている。(2022年4月13日)

<DGM Live!> Merriweather Post Pavillion, Columbia,  
                                                      United States

演奏:★★★☆
音質:★★★★★
[Recording Date]
1996/8/25

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] VROOOM VROOOM
[7] Waiting Man
[8] Three Of A Perfect Pair
[9] Elephant Talk
[10] The Shltering Sky

Disc 2
[11] B'Boom
[12] THRAK
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Indiscipline
[15] Larks Tongues In Aspic Pt II
[16] Prism
[17] 21st Century Schizoid Man
[17] VROOOM
[18] Coda Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
傾向は前日と変わらず、やや行き詰まり感のある発展性の乏しい演奏。合わせるところ、決めるところが決まらず、締まらない。"Indisipline" のイントロをフリップが妙なコードで弾くこと以外にはサプライズも起きない。(2022年4月13日)


<Club 38> Live In Philadelphia, PA

演奏:★★★☆
音質:★★★★☆
[Recording Date]
1996/8/26

Disc 1
[1] Conundrum
[2] Thela Hun Ginjeet
[3] Red
[4] Dinosaur
[5] One Time
[6] VROOOM VROOOM
[7] Waiting Man
[8] Neurotica
[9] Elephant Talk
[10] Sheltering Sky

Disc 2
[11] B'Boom
[12] THRAK
[13] Sex Sleep Eat Drink Dream
[14] Indiscipline
[15] Larks' Tongues In Aspic Pt II
[16] Prism
[17] 21st Century Schozoid Man
[18] VROOOM
[19] Coda: Marine 475
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ディシプリン・クリムゾンの最終公演を収録したアルバム「Absent Lovers」のデキは素晴らしかった。惰性で3枚のアルバムを作ったと言われているユニットとは思えないほどのテンションとパワーがあり、余力さえ感じさせるほどのパフォーマンスと評しても過言ではなく、優れたミュージシャンの集まりなら解散間際でもこのレベルの演奏ができるものかと思わせるものがあった。では、ダブル・トリオ期最終公演を納めたこのアルバムはどうか。もともとこれだけのメンツで6人で演奏するということじたい異例のこと。6人ならではの表現ができた反面、6人だからこその制約もあった。また、長期かつ精力的にライヴをこなした結果、演っている方だって飽きがきていたとしてもおかしくない。飽きないためにいろいろと試したいけれど、やはり6人ならではの制約のせいで型破りな逸脱の面白さを打ち出せない。この音源を聴くとそんな思いにさせられる。各人があの手この手でいろいろやっているんだけれど、どれもがスリルまでに昇華させることができていない。結果的に雑で軽薄な演奏にすら聴こえてしまう。今だからこそ言えることなのかもしれないけれど、このメンバー、この編成の限界がここに来て見えてしまっているような気がする。ダブル・トリオによる活動が終わったときに僕は大いに落胆したのだけれど、ここでの演奏を聴いているその後の展開(4人編成)に進んだのは正解だったと思えるようになった。ただし、人によってはこのまとまりのなさ、地に足がついていない感じを好む人もいるかもしれない。音質は例によって良いがギターのバランスを筆頭に各楽器のバランスが妙で近くに聴こえるものと遠くに聴こえるものがあるし、音場も狭く独特。(2008年11月14日)
2022年4月にまとめて放出された96年北米&メキシコツアーにも含まれていたので再聴。単独でリリースされていた当時に聴いた印象はあまり良くなかったんだけれど改めて聴いてみるとそんなに悪くない。もちろんメキシコシティの頃よりデキが良いとは思わないけれど、少なくともこの前2公演よりは良い。ツアー最終日ということもあって気持ちの入り方が違っていたのかもしれない。(2022年4月14日)

<Club 13> Nashville Reharsals

曲:★★
演奏:★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1997/May

[1] Presidents
[2] Scapeplay
[3] Snugel
[4] Off Sets
[5] Big Funk
[6] Jimmy Bond
[7] Have U Got?
[8] Mulundrum
[9] Too Many eee's
[10] Pat's Meckanical Fives
[11] Seizure
[12] Circuration
[13] KCF
[14] Ragin' Drone
[15] JB In 7
[16] Split Hands
[17] Sad Woman Jam
[18] Tony's Jam
Adrian Brew (vo, g)
Robert Fripp
           (g, soundscape)
Trey Gunn (stick)
Tonny Levin (stick, b)
Pat Mastelotto (ds)
Bill Bruford (ds)
ダブル・トリオによるクリムゾンは大規模なワールド・ツアーを敢行して約2年の活動をしてきた。その後、97年に再集結したときのリハーサルを収録したものが本ディスク。つまり、この後脱退したブラッフォードもこの時点ではクリムゾンを続ける意思があったことを意味している。内容は、通常のスタジオ盤のような完成度の高さや緊張感と比べるのは酷であるけれど、実験的でありながら部分的にはスリリングなところもあって改めてこのメンバーのレベルの高さを認識させてくれる。ブラッフォードとレヴィンはここでも存在感があり、このままダブル・トリオが続いていたらどんな音楽ができていただろうという思いを馳せたくなるような次の可能性を垣間見ることができる。とはいえ、リハーサルには違いないのでよほどのマニア以外は手を出す必要はない。(2006年7月16日)

<Club 22> Jazz Cafe Suite

曲:★
演奏:★★★★
音質:★★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
1997/12/1-4

[1] Suite One
[2] Suite Two
[3] Suite Three
Robert Fripp (g)
Trey Gunn (warr guitar)
Tonny Levin
           (stick, b, synth)
Bill Bruford (ds)
ProjeKct One の正規アルバム「Live At Jazz Cafe」は4日間のライヴからの抜粋で、DGM Live! から配信されている12月1〜4日分の、編集されていないと思われる音源を聴く限り、演奏された曲は長くて10分程度、しかし、ここに収録されている曲はそれぞれ29分、15分、6分という長尺モノ。思うに、この音源は即興性の高い部分に重心を置いて巧みに編集したものではないでだろうか。もともと即興演奏であるからして曲という形態もなく、編集してこのように仕上げることは難しいことではなかったのではないかと思われる。良く言えば即興的な部分を多く楽しめる音源、悪く言えば締まりがなく音の垂れ流し。フリップがベースの音を出したり各人でいろいろ実験しているようなので、どの音を誰が出しているのかに想像をめぐらせるのもマニアックな楽しみかもしれない。(2007年5月5日)

<DGM Live!> Jazz Cafe, London, England







曲:★
演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
評価:★★★★☆
[Recording Date]
1997/12/1
Disc 1
[1] 1_i_1
[2] 1_i_2
[3] 1_i_3
[4] 1_i_4
[5] 1_i_5
[6] 1_i_6
Disc2
[1] 1_ii_1
[2] 1_ii_2
[3] 1_ii_3
[4] 1_ii_4
[5] 1_ii_5
[6] 1_ii_6
[7] 1_ii_7

[Recording Date]
1997/12/2
Disc 1
[1] 2_i_1
[2] 2_i_2
[3] 2_i_3
[4] 2_i_4
[5] 2_i_5
[6] 2_i_6
[7] 2_i_7
Disc2
[1] 2_ii_1
[2] 2_ii_2
[3] 2_ii_3
[4] 2_ii_4
[5] 2_ii_5

[Recording Date]
1997/12/3
Disc 1
[1] 3_i_1
[2] 3_i_2
[3] 3_i_3
[4] 3_i_4
[5] 3_i_5
Disc2
[1] 3_ii_1
[2] 3_ii_2
[3] 3_ii_3
[4] 3_ii_4
[5] 3_ii_5
[6] 3_ii_6
[7] 3_ii_7

[Recording Date]
1997/12/4
Disc 1
[1] 4_i_1
[2] 4_i_2
[3] 4_i_3
[4] 4_i_4
[5] 4_i_5
[6] 4_i_6
Disc2
[1] Interrupted Anouncement
[2] 4_ii_1
[3] 4_ii_2
[4] 4_ii_3
[5] 4_ii_4
[6] 4_ii_5
[7] 4_ii_6
Robert Fripp (g)
Trey Gunn (warr guitar)
Tonny Levin
           (stick, b, synth)
Bill Bruford (ds)
ProkeKct One は97年12月1〜4日、4日間にわたり毎晩2ステージの全編即興演奏を繰り広げ、それを集約したものを「Live At Jazz Cafe」としてまずはリリース。その後、DGM Live! で12月4日の1部、2部を公開。そしてついに残りの3日間も公開され、これで ProjeKct One の全貌が明らかになった。これによって、このプロジェクト唯一の正式盤だった「Live At Jazz Cafe」に収録されている曲は、やはり編集されていたことが判明。一方で、その「Live At Jazz Cafe」に記載されていた曲名に間違いがあったことも判明(1_ii_2→1_ii_4、3_ii_2→3_ii_4、4_i_3→4_i_4 が正しい)。まあ、このプロジェクトは曲名なんてどうでも良いことではあるけれど念のために書いておくと、前の数字から順番に、[何日目]_[何ステージ目]_[何曲目]というネーミングになっている。
こうして大公開された4日間の音源も編集の手が加えられている可能性はあるとは思いつつ、当時の4日間の雰囲気を味わえることには違いない。「Live At Jazz Cafe」 はエッセンスを抜き出したものだっただけに思ったよりはカッチリした演奏という印象を持っていて、聴いた当時は「完全即興って本当?」と思ったものだけれど、こうして4日間の記録集を聴けば確かに即興性が高いパフォーマンスであったことを納得できる。即興である以上、ダレるところが出てくるのは当然のことで、それでも各プレイヤーの自由奔放な演奏が楽しめることこそが魅力。特にこういう演奏をやらせたら右に出るものがいないブラッフォードのドラムはさすがと言えるし、部分的に Bruford Levin Upper Extremities のような音も聴こえてくるのも含めてレヴィンとブラッフォードの存在の大きさを感じる。ProjeKct Four とドラマーが違うだけで、結果がここまで違ってくるところが面白いところ。尚、日ごとの演奏がどう違うかと訊かれれば、当然すべて違うんだけれどある意味すべて同じとも言える、つまりそういう類のものだということ。どの日を選んでも受ける印象はほとんど変わらない。そういう意味ではマイルス・デイヴィスの「The Complete Live At The Plugged Nickel 」に近いものがある。この音源に関心を示す人はマニアの中のマニアだろうから、どうせなら全部聴いてしまった方が精神衛生上よろしいかと。(2006年5月6日)

<Club 19> Live In Nashville

曲:★★★★
演奏:★★★★☆
音質:★★★★★
評価:★★★★
[Recording Date]
2001/11/9,10

[1] Dangerous Curves
[2] Level Five
[3] The ConstruKction Of Light
[4] ProzaKc Blues
[5] eleKctriK
[6] Thela Hum Ginjeet
[7] Virtuous Circle
[8] Elephant Talk
[9] Larks' Tongues In Aspic Pt W
[10] The Deception Of The Thrush
Adrian Brew (g, vo)
Robert Fripp (g, soudscape)
Trey Gunn (warr guitar)
Pat Mastelotto (ds)
2002年7月リリース。「Level Five」とほぼ同じ時期の音源をコレクターズ・クラブとしてあえてリリースしたのは恐らくそれだけフリップが満足できるデキだったからではないかと勝手に推測。[1] はよりパーカッション系の音が細かく入り、そこからなだらかに続くヘヴィな [2] でもあちこちでマステロットのVドラムが活躍。正直なところこちらの方が「Level Five」の演奏よりカッコいい。音のバランス的にトレイ・ガンのベースもクッキリと入っていて僕にとってのネガティヴ要因であるこの2人が予想外に好演しているせいか演奏全体が良く感じる。意外なことに [6] がヘヴィな仕上がり、これが新鮮味があってなかなかいい。既存の曲もそれなりに新味を出していてこれまたいい。特に [9] のブリューのギターは悶絶したくなるほどカッコいい。どういうわけかこのラインナップのライヴ音源として僕が最も良いと感じるのがこの1枚。なるほどフリップがリリースした気持ちもよくわかる。(2007年2月11日)

<DGM Live!> Ulster Performing Arts Centre,
                                              Kingston, New York

曲:★★★☆
演奏:★★★☆
音質:★★★★☆
評価:★★★☆
[Recording Date]
2003/11/14

Disc 1
[1] The Power To Believe T
[2] Level Five
[3] The ConstruKction Of Light
[4] Facts Of Life
[5] EleKtriK
[6] The Power To Believe U
[7] Dinosaur
[8] One Time

Disc 2
[9] Happy With What You Have
                          To Be Happy With
[10] Dangerous Curves
[11] Larks' Tongues In Aspic Pt W
[12] The Power To Believe III
[13] Red
Adrian Brew (g, vo)
Robert Fripp (g, soudscape)
Trey Gunn (warr guitar)
Pat Mastelotto (ds)
第6期クリムゾンのライヴでオフィシャルにリリースされているのは「Heavy ConstruKction」のみで、あちらは2000年のツアーということで、ヌーヴォ・メタル期ツアー終盤の演奏を聴きたくて入手。結果、大きな変化は感じなかった。ダブル・トリオ時代のレパートリーは音が薄くなるのは当然のことではあるとはいえレヴィンとブラッフォードならきっと別の形の表現を見せるだろうと思うだけれど、このラインナップでは欠落間しか感じないところにメンバーの限界を感じてしまう。全体的に録音状態もやや音が薄くそれが演奏の印象を悪くしている感もなきにしもあらず。(2006年7月23日)  

<DGM Live!> Park West, Chicago, Illinois

曲:★★★★☆
演奏:★★★☆
音質:★★★★★
評価:★★★
[Recording Date]
2008/8/7

Disc 1
[1] Introductory Soundscape
[2] Drum Duet
[3] The ConstruKction Of Light
[4] Red
[5] Frame By Frame
[6] Neurotica
[7] Three Perfect Pair
[8] The Talking Drum
[9] Lark's Tongues In Aspic PtU
[10] One Time
[11] B'Boom
[12] Dinosaur
[13] Level Five

Disc 2
[14] Sleepless
[15] VROOOM
[16] Coda Marine 475
[17] Drum Duet
[18] Thela Hun Ginjeet
[19] Elephant Talk
[20] Indiscipline
Adrian Brew (g, vo)
Robert Fripp (g, soudscape)
Tony Levin (b, stick,)
Pat Mastelotto (ds)
Gavin Harrison (ds)
ドラムにギャヴィン・ハリソンを追加、ベースをトレイ・ガンからトニー・レヴィンに変更してクリムゾンが活動を再開。早速、ライヴ音源を DGM Live! に公開した。新曲はなくすべて既存のレパートリーからでダブル・トリオ時代の曲がいくつか復活、その後の第6期の曲が減っているところにこのラインナップの方向性が出ているかもしれない。その新加入のハリソンは大雑把に言えばマステロットと似たスタイルでサポート的な役割に留まったプレイ。重くドタバタしたドラムがツインになったところは個性かもしれないけれど、ただキレがなくなっただけだと思う。第4期(ディシプリン・クリムゾン時代)、第5期(ダブル・トリオ時代)でブラッフォードがリードしていた曲におけるキレのなさはかなりのもの。もっともブラッフォードのスタイルを踏襲する必要はなく、この2人だけの面白みを聴かせてくれれば文句はないんだけれど特にそういうものも感じない。結果、第4期と第5期の曲にはスピードとキレに欠け、第6期の曲はドタバタ感が増長されているだけで、どちらの曲もこのメンツの方がパフォーマンスが良くないというのは致命的だ。救いはレヴィンのスティックさばきで、さすがトレイ・ガンとはレベルが違うと思わせてくれること。フリップとブリューのギターもマンネリ気味で新しさがない。新曲とニューアルバムで新しい面が出てくることを祈りたい。(2008年8月23日)