Rock Listner's Guide To Jazz Music


Led Zeppelin


Led Zeppelin

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★★★★★
評価:★★★★★
Released in 1969

[1] Good Times Bad Times
[2] Babe I'm Gona Leave You
[3] You Shook Me
[4] Dazed And Confused
[5] Your Time Is Gona Come
[6] Black Mountain Side
[7] Communication Breakdown
[8] I Can't Quit You
[9] How Many More Times
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)
Vilam Jasani (tabra ds [6])

Produced by Jimmy Page
デビュー・アルバムにして圧倒的な完成度。曲、構成、演奏、ハード・ロックでしか得られないカタルシス、すべてが詰まっている。売れたという意味で「Led Zeppelin II」「Led Zeppelin IV」が取り上げられることが多いとはいえ、ダイナミックにしてドラマチックという意味ではこのファースト・アルバムの方が断然上。ブルースのカヴァーが2曲も入っているなんて、と畏まったことを言う人は、ツェッペリンの曲は、Page/Plantとクレジットされている曲でも多くがブルースの改作だと言うことを思い出してほしい。では、ブルースの改作からと言ってツェッペリンがたいしたことはないと思うのは早計。ペイジのギター・ワーク、プラントの野獣的ハイ・トーン・シャウト、J・P・ジョーンズの柔軟なベースとオルガン、ボンゾの破壊的ドラム、そこにアレンジのセンスが加われば比類のない最強のロック・グループになるのである。そんなオリジナリティが、僅か9日間の録音で既に確立されていることは脅威的。このアルバムを聴いただけでこの4人の出会いが運命的な奇跡であったことが確信できる名盤。(2006年11月28日)

Led Zeppelin U

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★★★★★
評価:★★★★★
Released in 1969

[1] Whole Lotta Love
[2] What Is And What Should
                               Never Be
[3] The Lemon Song
[4] Thank You
[5] Heartbreaker
[6] Livin' Lovin' Maid
[7] Ramble On
[8] Moby Dick
[9] Bring It On Home
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
中学生のとき、周囲に影響されてなんとなくハード・ロックを聴くようになっていた僕は「よし、歴史を遡って聴いてみよう」と考えた。なぜそう思ったかはわからない。考えてみると、後にジャズもそういう姿勢で探求しているわけで、よし、やるぞと決めたら腰を据えて徹底的にやろうという自分の性格のせいかもしれない。それはともかく、歴史を遡って聴こうにもインターネットもなかった時代にはすぐに情報を集めるのは困難だった。そんなある日、FM fanという雑誌(懐かしいと思った人は結構いい年齢だ)に1970年のビルボード年間チャートが載っていて、アルバム部門の2位にこのアルバムの名前を発見した。レッド・ツェッペリンというのはそれほどまでに売れていたんだ、ということを知り、このアルバムをレンタルしたのだった。
それから25年近く経った今聴きなおしてみても音楽が古びていないことに驚きを禁じえない。音楽的にはデビュー・アルバムの延長線上にあるものの、ブルース色をやや抑えてよりタイトで整理されたサウンドになっているところが聴き易さに繋がっていると感じる要因。4人それぞれが演奏者として成長しているし、バンドとしてのまとまりも進化。ちなみに音楽を聴いてドラムを凄いと僕が思ったのはこのアルバムが初めてで、ドラムという楽器は人間の肉体から湧き出るリズムを表現しているものであるということをコレで知った。前作ではまだ普通に聴けたペイジのギター・ソロはちょっと怪しいところも散見されるけれど、リフや音作り、アレンジのアイディアに満ち溢れていて細部まで聴き逃せない。また、ペイジが録音やミキシングにまで気を使って音空間を作り上げているところ、つまり総合的なプロデューサーとしてハイレベルな仕事をしているところをもっと評価されてもいいような気がする。ライヴの迫力ある演奏に感嘆しつつも僕がツェッペリンのスタジオ盤を支持するのはペイジの仕事による完成度の高さがあるから。(2006年11月29日)

Led Zeppelin V

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★★
評価:★★★★
Released in 1970

[1] Immigrant Song
[2] Friends
[3] Celebration Day
[4] Since I've Been Loving You
[5] Out On The Tiles
[6] Gallows Pole
[7] Tangerine
[8] That's The Way
[9] Bron-Y-Aur Stomp
[10] Hats Off To (Roy) Harper
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
2枚のアルバムでハード・ロック・グループのシンボルとして祭り上げられていたツェッペリン。そんなファンの勝手な思い(込み)を無視するかのように、アコースティック・ギターを多用して物議を醸し出したとされるサード・アルバム。しかし、アコースティック・ギターと言っても伝統的な英国フォーク色が濃く、カントリーのようなのんびりムードや甘さやはほとんどない。歪んだエレキ・ギターじゃないから軟弱と決め付けるのは余りにも安易というもの。前2作にしてもアコースティック・ギターは結構使われているし、第一、ペイジはこの手のギターを弾かせると実に上手い。ツェッペリンの音楽をハード・ロックとしか理解していない人にはつまらないアルバムかもしれないけれど、彼等の奥深さを知る人なら十分にその良さが理解できるはず。また、例によってアレンジがしっかりと練られていることも見逃せない。ツェッペリンはカタルシスを得るためだけの薄っぺらなバンドではない。一方で、有名な雄叫びで始まる[1]、これ以上ドラマチックなブルース・ロックはないと思える[4]の素晴らしさは特筆もの。(2006年11月28日)

Led Zeppelin W

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★★★
評価:★★★★☆
Released in 1971

[1] Black Dog
[2] Rock And Roll
[3] The Battle Of Evermore
[4] Stairway To Heaven
[5] Misty Mountain Hop
[6] Four Sticks
[7] Going To California
[8] When The Levee Breaks
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
「Led Zeppelin II」と並んで最高傑作の呼び声高い4作目。サウンドはよりタイトに研ぎ澄まされ、完成度も向上、なるほどクオリティは確かに高い。[2][4]といった今ではロック・クラシックになった超有名曲が入っているのも名盤扱いされている理由でしょう。ヴォーカルと演奏が分離したまま一体感を生むというツェッペリンならではの[1]もハード・ロックの古典。しかし、他の曲は世間ではほとんど評価されていない。そして話題にのぼらないその他の曲にこそ、この時期のツェッペリンの重要な部分がよく表われていると思う。アコースティック・ギターのみの[3][7]のトラッド・フォーク的味わい、引きずるような重いリズムの[8]、そして難解でトラッド・フォークのグルーヴ感を持つ[6]こそがツェッペリンの本質。これらを理解した上での最高傑作という評価なら同意できるものの、世間の評価はやはり[2][4]のみに集中しているように思える。誤解を恐れずに言えば[4]はそんなに良い曲だろうか。いや、確かに美しさ備えた良い曲には違いないしアレンジの完成度が高いことも認めるけれど、一般ウケするタイプの曲ではないのにこの偏重のされかたは何なんだろうと思ってしまう。アルバム全体の流れも過去3作に比べるとやや劣る印象。大人気曲と通好みの曲がハッキリしているゆえに、アルバム全体を理解できるかどうかが試される1枚。(2007年1月31日)

Houses Of The Holly

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★★★☆
評価:★★★★★
Released in 1973

[1] The Song Remains The Same
[2] The Rain Song
[3] Over The Green Hills
[4] The Crunge
[5] Dancing Days
[6] D'yer Mak'er
[7] No Quarter
[8] The Ocean
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
今ではファンクとロックの融合というコンセプトは珍しくもなんともない。しかし、このアルバムは彼ら自身も後に推し進めることがなかった強烈なツェッペリン流ファンク・ロックである。この方向性をもってしてもバンドはペイジのギターとボンゾのドラムによる捩れたリズム感が中心であることに変わりない。また、ここではジョン・ポール・ジョーンズの躍動的かつ柔軟なベースと多彩なキーボードの活躍が目立ち、そのサウンドの中、プラントのヴォーカルが縦横無尽に駆け巡る。疾走とスロー・パートとのコントラストが見事な[1]はペイジのギター・ワークが冴えまくる。一転、叙情的かつ幻想的な[2]、フォーク調から捻った展開を見せる[3]、変態拍子でもヘヴィにグルーヴする[4]、とぼけたメロディの[5]、カリブ調でも不思議なムードのロック[6]、幻想的なキーボードと重いリフが印象に残る[7]、これ見よがしの変拍子でもロックの醍醐味が薄れない[8]まで、バラエティに富んでいながら全体に統一感があるところも素晴らしい。完成度も高く、独自性も他を寄せ付けない。ロックの可能性の大きさを見せつけるツェッペリンらしさ全開の大傑作。ヒップノシスのジャケットもサウンドのイメージにピッタリ。(2007年1月31日)

Physical Graffitti

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★★★☆
評価:★★★★★
Released in 1975

Disc 1
[1] Custard Pie
[2] The Rover
[3] In My Time Of Dying
[4] Houses Of The Holy
[5] Trampled Under Foot
[6] Kashmir

Disc 2
[7] In The Light
[8] Bron-Yr-Aur
[9] Down By The Seaside
[10] Ten Years Gone
[11] Night Flight
[12] The Wanton Song,
[13] Boogie With Stu
[14] Black Country Woman
[15] Sick Again
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
前作「Houses Of The Holly」で異色ファンク・ロックを追及したツェッペリンが本来のブルース、フォークといったルーツをベースとしながらも、さまざまな音楽性を集大成した2枚組。アナログA面([1]-[3])はストレートなハードロックで固める([2]は「Houses Of The Holly」のアウト・テイク)も、初期よりも贅肉を削ぎ落としたドライな感触で、特にこれでもかという繰り返しリフとボンゾの肉感的ドラムが爆発する[3]が圧巻。B面は(その名の通り「Houses Of The Holly」のアウト・テイクの)[4]のややトボけたファンキーなロックで始まり、オルガンとギターによるキレのあるリフにやはりボンゾのドラムが躍動する[5]、そしてオリエンタル・ムードが漂う催眠術的なリフ「だけ」で名曲となっている[6]で締める。C面も怪しいオルガンの音色がエキゾチックで中間部からは何かを悟ったかのような明るさを見せる[7]で幕を明け、ここからの後半は力の抜けた曲が続く。[8](「Led Zeppelin V」のアウト・テイク)はペイジのアコースティック・ギターのインスト、[9]はツェッペリン風カントリー(「Led Zeppelin W」のアウト・テイク)、印象的なリフとイントロのアコギに枯れたギター・ソロが味わい深い名曲の[10]で終わる。D面はブギー調のリフと適度にリラックスした[10](「Led Zeppelin W」のアウト・テイク)、ツェッペリンならではのギターとドラムの一体感が激しく迫る[11]、イアン・スチュワートをゲストに迎えたコテコテのブギー[12](「Led Zeppelin W」のアウト・テイク)、アコギの枯れたブギーなのにボンゾのドラムがタダでは済ませない[13](「Houses Of The Holly」のアウト・テイク)、単純ハードロックをまたしても迫力のドラムで熱くする[14]で幕を閉じる。これまでのアルバムから漏れた、要は余りモノを多く収録しているにもかかわらず、不足感がないどころか一気に聴かせることでバンドの底力を見せつける。ツェッペリンの多様性を知るのにこれ以上のアルバムはない(故に型通りのハードロックを好む人には向いていない)と思うのと同時に、終始グルーヴの中心にいるボンゾの偉大さを再認識させられる。ロックが型にハマッた産業になってしまう前の煌きがここには確かにある。(2007年2月4日)

Presence

曲:★★★
演奏:★★★★
入門度:★★
評価:★★★☆
Released in 1976

[1] Achiles Last Stand
[2] For Your Life
[3] Royal Orleans
[4] Nobody's Fault But Mine
[5] Candy Store Rock
[6] Hots On For Nowhere
[7] Tea For One
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
ツェッペリンはデビュー・アルバムからJ・P・ジョーンズのオルガンがフィーーチャーされた曲を必ず入れてきた。「Houses Of The Holly」や「Physical Graffitti」でさらにジョーンズはさまざまなキーボードを駆使するようになり、ハード・ロックの範疇では括れない音の幅広さを見せるようになっていた。そこから一転、このアルバムではキーボードが一切使われていないばかりかアコースティック・ギターすら使っていない。そのハードなサウンドのせいもあって初期のサウンドへ回帰したという評価をよく見かける。確かにギター中心のハード・ロックではあるんだけれど僕の感覚では「Led Zeppelin」や「Led Zeppelin U」といった初期のアルバムと比べるとまったく異なる別物。部分的にロカビリーなどのルーツをベースにしながらも、ここで展開されているのはドライなサウンドでワン・アンド・オンリーのハード・ロック。他のバンドでは似せることすらできないし、ツェッペリンの歴代アルバムの中でも唯一無二の存在になっている。ボンゾのドラムが爆発し続ける10分に及ぶ大作[1]、やはりハードな[4]、ブルースの[7]が印象に残るものの、他の曲の印象が薄く曲によってデキの落差が激しいのもこのアルバムの特徴。短期間に制作されたことでロックバンドらしい勢いと作り込みの甘さが同居しているけれど、僕はツェッペリンのスタジオ盤には完成度を求めるのであまり高くは評価できない。(2006年12月5日)

In Through The Out Door

曲:★★★★
演奏:★★★
入門度:★
評価:★★☆
Released in 1979

[1] In The Evening
[2] South Bound Saurez
[3] Fool In The Rain
[4] Hot Dog
[5] Carouselambra
[6] All My Love
[7] I'm Gonna Crawl
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
事実上のラスト・アルバムは、これまでにない柔軟な音作りでツェッペリン流のAORと言っても良い仕上がり。ジョン・ポール・ジョーンズのキーボードがサウンドの主体で、しかもこれまでのようにオルガンやメロトロンではなく80年代の足音が聞こえる電子系キーボードとピアノをフィーチャー。しかし、それが今となっては却って古臭く、その褪色具合は他のどのアルバムよりも際立ってしまっている。必然的にバッキングにまわるペイジのギターはここでは不器用さばかりが目立ち、持ち味が生きているのはブルージィな[8]くらいか。ボンゾのドラムも常識的なスタイルに近く他のどのアルバムと比べてもインパクトがない。結果的に不幸な結末を迎えたツェッペリンに果たしてこの先に明るい未来があったのかどうか不安を感じさせる内容。曲調はバラエティに富んでおり駄作というほどではないけれど、それまで大事にしてきたブルースやフォークといったルーツから抜け出そうとしたのが裏目に出ている。(2007年2月1日)

Coda

曲:★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★★★★
評価:★★★★☆
Released in 1982

[1] We're Gonna Groove
[2] Poor Tom
[3] I Can't Quit You Baby
[4] Walter Walk
[5] Ozone Baby
[6] Darlene
[7] Bonzo's Montreux
[8] Wearling And Tearing

Bonus Tracks
[9] Baby Come On Home
[10] Travelling Riverside Blues
[11] White Summer
      /Black Mountain Side
[12] Hey Hey What Can I Do
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
ボンゾが鬼籍に入った後リリースされたアウト・テイク集。しかし、これが本当にボツになったものかと思うほどのクオリティで、異常にカッコいい[1]からツェッペリンらしさ全開。曲調もバラエティに富み、しかもロックらしさに溢れている。[1]は 「Led Zeppelin U」の直後の録音で、「Led Zeppelin (DVD)」にも収録されているロイヤル・アルバート・ホールの音源にギターをオーバー・ダビングしたもの。[2]はアコースティック・ギターとボンゾのドタバタしたドラムが印象的な「Led Zeppelin V」のアウト・テイク。[3]も[1]と同日の録音で ファースト・アルバム収録のスタジオ・バージョンとはまるでムードが異なるハードな仕上がり。[4]は「Houses Of The Holly」のアウト・テイク。[5][6][8]は 「In Through The Out Door」のアウト・テイクながらロック色が強い。むしろあえて外されたとも考えられ「In Through The Out Door」は意図的にあのようなソフトなサウンドを狙ったのではないかと推測できる。[7]は76年9月12日録音のボンゾのドラム曲。以降は、「Complete Studio Recordings」にのみ収録のボーナス・トラック。[9]は68年10月10日録音で、ゴスペルの匂いも香る6/8拍子のブルース。[10]は69年6月23日録音で初期らしいコンパクトなミドル・テンポのブルース・ロック。[11]は69年6月27日録音のライヴで初期のステージで必ず演っていたペイジのソロ。[12]はシングル "Immigrant Song" のB面曲で初期ツェッペリンらしいシンプルなブルース・ロック。はじめにこのアルバムを手に取る人は少ないでしょうが、もしそうだったとしても後悔しないと言える素晴らしい内容。(2007年2月1日)

The Song Remains The Same

曲:★★★★
演奏:★★★★
入門度:★★
評価:★★★★
Released in 1976

Disc 1
[1] Rock And Roll
[2] Celebration Day
[3] The Song Remains The Same
[4] Rain Song
[5] Dazed And Confused

Disc 2
[6] No Quarter
[7] Stairway To Heaven
[8] Moby Dick
[9] Whole Lotta Love
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
ツェッペリンのライヴには迫力と凄みがある。しかし、誤解を恐れずに言えばツェッペリンはスタジオ・アルバムの方が素晴らしい。スタジオ盤でもそれほど音を多く重ねているようには聴こえないし、手の込んだことをしているわけでもない。あくまでも補足的にオーバー・ダビングで補足しているだけに思える。しかし、補足された音は実に良く計算されていて非常に効果的。尚且つ音のバランスにも細心の注意を払っていて、その一見目立たないプラス・アルファの部分で高めた完成度こそがスタジオ盤のアドバンテージだと思う。もちろん密室でしか得られないライヴ感たっぷりのタイトな演奏が基本にあるのことは言うまでもない。

バンドが存在していた時代に唯一オフィシャル・リリースされていたライヴがこの2枚組。スタジオ盤よりラフでルーズ、そして決めるところはガッチリ決めている演奏が最大の聴きどころ。個人的にはジョン・ポール・ジョーンズがオルガンにまわったときにベース・レスになってしまうところが物足りなく感じてしまうけれど、改めて聴いてみるとやはりこのバンドがいかに凄かったかを思い知らされる。このライヴならではの魅力は[1][2]の畳み掛けるような展開、スタジオ盤よりヘヴィな[4][6]、よりダイナミックでまさにヘヴィ・ブルース的ルーズな展開を見せる27分にも及ぶ[5]、ロックンロール・メドレーを挟む[9] 。あえて言うとこの時期のジミー・ペイジは上手い。もちろん正確さとかフレーズの構築力とかそういう意味の上手さではないけれど、このギターは誰にも真似できない勢いがあり何よりも肉体が発散しているエネルギーを感じさせるところが凄い。とかくヘタなギタリストとして笑いネタになることが多いペイジだけれど、正確さだけしか取り得がない個性のない現代のギタリストよりもロック・ギタリストとしては遥かに上だと僕は思う。

尚、このアルバムはライヴ演奏を映画にした「永遠の詩(Song Remains The Same)」のサントラという扱い。ビデオもなかったこの時代にライヴ映像を見せることができる唯一の手段は映画しかなかったからこその映画化。そして映画にしなければならなかったために、冒頭から無理矢理ストーリーを持たせたり、イメージ画や妙なエフェクトをところどころ挿入したりしているところが鬱陶しい映像など、純粋にライヴとして観るには不満を覚える作品になってしまっている。それでも全盛期の動くツェッペリンが観れること、廉価版DVDで格安で購入できることからファンなら観て損はない。映像といえば今では「Led Zeppelin (DVD)」があるものの、いきなりあのボリュームは値段的にも時間的にも辛いと思われるので初心者にはこの映画をお勧めしたいところ。尚、映画には "Black Dog" "Since I've Been Loving You" "Hearbreaker"の演奏もあるので、やはりファンは必見。一方で、アルバムの[2]は映画には収録されてない。(2007年2月5日)

The Song Remains The Same (New Version)

曲:★★★★★
演奏:★★★★
入門度:★★
評価:★★★★☆
Released in 2007

Disc 1
[1] Rock And Roll
[2] Celebration Day
[3] Black Dog
[4] Over The Hills And Far Away
[5] Misty Mountain Hop
[6] Since I've Been Loving You
[7] No Quarter
[8] The Songs Remains The Same
[9] The Rain Song
[10] The Ocean

Disc 2
[11] Dazed And Confused
[12] Srairway To Heaven
[13] Moby Dick
[14] Heartbreaker
[15] Whole Lotta Love
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
オリジナルのリリースから30年のときを経て、マジソン・スクエア・ガーデンでのライヴ盤がリニューアルされた。[3][4][6][10][14]の5曲を追加、[4][10]は映画にも収録されていなかった純粋な未発表曲で曲順も実際のライヴ通りに並び替えられている(ただし、[10]は本来はアンコール)。リミックス、リマスターを施し、厚みが増した現代的な音作りになっているのも変更点。しかし、アルバム・タイトルはこれまでと変わらず、ジャケットを見ただけでは区別ができない。それは、アナログの収録時間に縛られた曲数、曲順だった従来のアルバムは妥協の産物であり、これこそが本当の「The Song Remains The Same」だという主張が込められているのかもしれない。厳しい目で見れば、初期の暴力的なまでの勢いが失われつつある時期に差し掛かっているのは事実ではあるものの、依然として肉感的躍動感は他に得がたいものがあり、やはり圧倒されてしまう。ブートレグを漁っているマニアには物足りないでしょうが、普通のファンを満足させるには十分すぎるリニューアル盤。尚、解説は映画「あの頃、ペニー・レインと」でツェッペリンの曲を多用したキャメロン・クロウが書いている。(2007年11月24日)
このライヴは73年7月27〜29日の音源を複雑に組み合わせて仕上げていることはマニアの間では周知の事実。どの曲のどの部分が何日の音源から使われているかをレコード・コレクターズ誌の2007年12月号で病的なまで詳細に分析しているので興味がある人はどうぞ。かなり手が加えられたライヴだろうなあということは大昔から感じていたもののここまで細切れで編集されているとは思いませんでした。(2007年12月8日)

BBC Sessions

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★★★
評価:★★★★
Released in 1997

Disc 1
[1] You Shook Me
[2] I Can't Quit You Baby
[3] Communication Breakdown
[4] Dazed And Confused
[5] The Girl I Love She Got
           Long Black Wavy Hair
[6] What Is And What Should
                              Never be
[7] Communication Breakdown
[8] Travelling Riversode Blues
[9] Whole Lotta Love
[10] Somethin' Else
[11] Communicaton Breakdown
[12] I Can't Quit You Baby
[13] You Shook Me
[14] How Many More Times

Disc 2
[1] Immigrant Song
[2] Heartbreaker
[3] Since I've Been Loving You
[4] Black Dog
[5] Dazed And Confused
[6] Stairway To Heaven
[7] Going To California
[8] That's The Way
[9] Whole Lotta Love (Medley)
 'Boogie Chillun'
 'Fixin' To Die'
 'That's Alright Mama'
 'A Mess Of Blues'
[10] Thank You
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Compilation and Mastering
 by Jimmy Page
BBCに残されていた音源をジミー・ペイジ自らが編集、リマスタリングしたもの。Disc 1は69年のスタジオ・ライヴ音源をまとめてあり、Disc 2は71年4月1日、ロンドンのパリ・シアターでのライヴを収録した音源という構成。いまさら言うまでもないことではあるけれど初期ツェッペリンのパワーは凄まじいことを嫌というほど思い知らされる。ペイジのギターとボンゾのドラムが作り出すグルーヴの破壊力、そこにジョン・ポール・ジョーンズのベースのウネリとプラントのシャウトが絡むことで成立する奇跡のサウンド。曲そのもはカッチリできあがっており、ペイジも予め決められたフレーズ(インタビューで思いつきでソロは弾かないと言っていた)を繰り出すだけにもかかわらず、そのとき、その瞬間の4人の空気によって生まれる音はまるで印象が異なるために曲が重複していることなど何のマイナスにもならない。特に Disc 1の勢いは凄まじい。数曲単位の単発の録音だったことが集中力を増したからだろうか。Disc 2は音が良いにもかかわらず音がやや反響、音像がぼやけ気味、ギターの音が引っ込み気味なせいか燃え方が少しだけ足りないように感じる。その代わりピックで弾いているかのような硬質な音のベースがブンブン唸っているところがロック的。曲はアコースティックなものをとりまぜたこの時期らしいセットリスト。発売当時、「Coda」のあとの発掘音源としては、たった数曲のスタジオ録音音源しかなかっただけに、これだけの音源がオフィシャルでリリースされたのは衝撃だったことを思い出す。(2007年2月3日)

How The West Was Won

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★★★
評価:★★★★★
Released in 2003 & 2018
[Recording Date]
1972/6/25 (LA Forum)
1972/6/27 (Long Beach Arena)

Disc 1
[1] L.A.Drone  
[2] Immigrant Song
[3] Heartbreaker
[4] Black Dog
[5] Over The Hills And Far Away
[6] Since I've Been Loving You
[7] Stairway To Heaven
[8] Going To California
[9] That's The Way
[10] Bron-Y-Aur Stomp

Disc 2
[11] Dazed And Confused
[12] What Is And What Should
                                Never Be
[13] Dancing Days
[14] Moby Dick

Disc 3
[15] Whole Lotta Love
[16] Rock And Roll
[17] The Ocean
[18] Bring It On Home
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
2003年にリリースされたライヴ盤。LAフォーラムとロング・ビーチ・アリーナでの公演からセレクトした故にこのタイトルになったらしい。僕のレッド・ツェッペリンのライヴ観は「The Song Remains The Same」に書いた通りだけれども、この150分というボリュームで聴かされると、やはり圧倒されてしまう。「BBC Sessions」が比較的狭い会場での演奏を収めたものだったのに対して、ここではアリーナ級ロック・グループとしての凄みを見せつける。人気曲だけではなくアコースティック曲も Disc 1後半にまとめて収録し、彼らの音楽的にも集大成されたライヴ盤となっている。録音状態は申し分なく非常にクリアで、ただ、個人的にはボンゾのドラム・サウンドが軽いところが不満で、もう少し強調したバランスで生音っぽくなっていれば良かったのにと思ってしまう。尚、DVD-Audio盤はサラウンド効果は主に歓声の広がりに割かれているのため演奏の印象はほとんど変わらないけれど、音質はもちろんCDを凌駕している。(2007年3月18日)
リマスターでボンゾのドラム・サウンドが自然な音に改善され、俄然聴きやすくなった。ところが、"Whole Lotta Love"のロックン・ロール・メドレーで"Hello Mary Lou"がカットされてしまっている。なぜこんな余計なことをしたんだろう。(2018年4月1日)

Led Zeppelin (DVD)

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★★★★★
評価:★★★★★
Released in 2003

Disc 1
LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL
1970
[1] We're Gonna Groove  
[2] I Can't Quit You Baby  
[3] Dazed and Confused  
[4] White Summer  
[5] What Is And What Should
                               Never Be
[6] How Many More Times  
[7] Moby Dick  
[8] Whole Lotta Love  
[9] Communication Breakdown  
[10] C'mon Everybody  
[11] Somethin' Else  
[12] Bring It on Home

Extras:
[13] Comunication Breakdown -
     Promo Video 1969
DANMARKS RADIO - 1969
[14] Communication Breakdown
[15] Dazed And Confised
[16] Babe I'm Gonna Leave You
[17] How Many More Times
SUPER SHOW - 1969
[18] Dazed And Confused
TOUS EN SCENE - 1969
[19] Communication Breakdown
[20] Dazed And Confused

Disc 2
[1] Immigrant Song -1972
MADISON SQURE GARDEN 1973
[3] Black Dog  
[3] Misty Mountain Hop  
[4] Since I've Been Loving You  
[5] The Ocean  
EARLS COURT 1975
[6] Going to California  
[7] That's The Way  
[8] Bron-Y-Aur Stomp  
[9] In My Time Of Dying  
[10] Trampled Under Foot  
[11] Stairway To Heaven  
KNEBWORTH 1979
[12] Rock And Roll  
[13] Nobody's Fault But Mine  
[14] Sick Again  
[15] Achilles Last Stand  
[16] In The Evening  
[17] Kashmir  
[18] Whole Lotta Love

Extras:
NYC PRESS CONFERENCE - 1970
DOWN UNDER - 1972
[19] Rock And Roll
[20] Interview With The Band
THE OLD GREY WHITSLE TEST 1975
PROMO-1990
Over The Hills And Far Away
PROMO-1990
ravelling Riverside Blues
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
John Bonham (ds)

Produced by Jimmy Page
この DVD が発売されたとき、インターネットには反響の書き込みが相次いだ。しかし、そのコメントはごく短いものでしかなかった。「凄い」。ただそれだけ。もうそれしか書けない。誰もが言葉を失うとはこのこと。ここにはロックが持つ衝動のすべてがあると評しても過言ではない。

大雑把に言えば Disc 1 が初期、Disc 2 は中期〜後期にかけたものという構成。

Disc 1。
まずは70年1月9日のロイヤル・アルバート・ホール。セカンド・アルバム発表後のまさに上り調子真っ只中、若さとエネルギーが炸裂していた時期。とことどころ静止画や加工された映像が挿入される(ここはデジタル技術をもっても補正できなかった?)とはいえ、時代を考えれ褪色も少なく画質は最上級。カメラ台数が少ないものの、4人が固まって演奏していることが幸いして各メンバーの様子がうまく捉えられていて飾り気のない生身のロックのエネルギーを満喫できる。[13]はぜんぜんまじめに音に合わせようとしていない4人がある意味いかにもこの時代的なプロモーション・ビデオ。[14]-[17]は、デビューして間もない69年3月にデンマークのテレビ番組に出演した際の映像で、モノクロながら映像はクリア。狭いスタジオの中央にいるバンドを少数の若者が床に座って取り囲んで聴いているという、こんな時代でなければあり得ない光景。演奏はコンパクトだけどそれもまた魅力。こんなにすごい演奏を文字通り目の前で見た彼等はどう感じていたんだろうか。終始テレ・キャスターを手にしているのペイジの指が滑らかによく動くいているのにも注目。[18]は69年3月イギリスのテレビ出演時のものでカラー映像。サウンドはより荒削りでバンドの勢いが良く出ている。それにしてもこんな凄い演奏をテレビで見れたとはいい時代だったものだと思わずにはいられない。[19][20] は69年6月、フランスのテレビ番組でのもの。保守的な番組だったようでそんな観客にまったくウケていない様子もしっかり収録。音のバランスがイマイチでしかも安定していないのは番組のエンジニアが大音量ハード・ロックを扱う術を知らなかったから、ということらしく以降ツェッペリンはテレビ出演をやめることにしたとか。

Disc 2。
[1]は72年ロングビーチ・アリーナの演奏に、72年のオーストラリア公演の映像をイメージとして付けたもの。[2]-[5] は73年7月のマジソン・スクエア・ガーデンのもので全米ツアーのフィナーレだったときのもの。Disc 1の70年の演奏から3年でバンドの音楽性が広がりつつも、サウンドがタイトになっていることがよくわかる。初期の勢いはやや後退しているとはいえ十分にロックしていて貫禄すら漂っている。よりセクシャルなイメージを強調したプラント、衣装もアクションも見せるようになったペイジ、恰幅が良くなったボンゾ、派手になったステージなどビジュアル面でも変化あり。[6]-[11]は75年5月、地元アールズ・コートでのもので[6]-[8]はアコースティック曲を並べて落ち着いたムード。これもツェッペリンの大事な部分とはいえ、なるほど大会場ではビジュアル的には映えないのもわかる気がする。[9][10]は「Physical Graffitti」の曲ということもあって中期ツェッペリンの円熟した演奏が聴ける。正直に言えば初期の勢いはなく、それはボンゾのお行儀が良くなったことが主因ではあるんだけれど、あくまでも70年の演奏と比べての話であってそのボンゾを核とするフィジカルなエネルギーと独特な間の取り方を生かしたサウンドはまったく色褪せていない。[12]-[18]は晩年にあたる79年8月のもの。「In Through The Out Door」はソフトなサウンドで迷いも感じさせるアルバムだったけれど、このライヴを見ればロック・グループとしての魅力にいささかの衰えがないことがよくわかる。[15]の凄いことといったらない。ボンゾの持つグルーヴはなぜにこんなにパワフルかつ独創的なのか。そしてなんとペイジのギターと合うことか。やはりそこに行き着いてしまう。

レッド・ツェッペリンは、4人の個性が化学反応を起こした奇跡のグループであり、70年代の映像がその時代の水準を上回る品質で残っていたという奇跡、それに時代の空気まで味わえるのがこのDVD。しかも、デジタル処理で映像を修復、主要コンテンツはDTS収録という(この時代の)最新テクノロジーでそれを満喫できる。ツェッペリンとはどういうグループかを知るには、アルバムを何枚も聴くよりもこのDVDを1度観た方が早いかもしれない。5時間20分もありますが。(2006年12月9日)

Celebration Day

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
入門度:★
評価:★★★★★
Released in 2012
[Recording Date]
2007/12/10

[1] Good Times Bad Times
[2] Ramble On
[3] Black Dog
[4] In My Time Of Dying
[5] For Your Life
[6] Trampled Under Foot
[7] Nobody's Fault But Mine
[8] No Quarter
[9] Since I've Been Loving You
[10] Dazed And Confused
[11] Stairway To Heaven
[12] The Song Remains The Same
[13] Misty Mountain Hop
[14] Kashimir
[15] Whole Lotta Love
[16] Rock And Roll
Robert Plant (vo)
Jimmy Page (g)
John Paul Jones (b, key)
Jason Bonham (ds, vo)

Produced by
 Dick Carruthers
 and Jim Parsons
一夜限りで再結成されたときのライヴがパッケージ化された。購入したのは 2CD+Blu-ray(本編)+DVD(リハーサル)の4枚組。それぞれいろいろな形でバラ売りされているので欲しいものを選んでください、というのは良心的と言えば良心的なデリバリー方法。肝心の内容について。こう言ってはナンだけれどそもそも期待値は低かった。歳を重ねたのだから衰えて当たり前、できる範囲でがんばってくれていればいいんじゃないか、そんな期待値だった。実際に観ると、確かに歳相応になった部分はある。特に見た目は。でも、それを差し引いても有り余るほどそのパフォーマンスが凄い。ひとつにはジェイソン・ボーナムが父譲りのノリをある程度再現できているというのがまずは大きい。そこにペイジのギターとジョンジーの重なると独特のグルーヴ感が生まれ、プラントがシャウトすると、紛う方無きあのツェッペリン・サウンドになる。しかも懐メロではなく、以前と変わらぬあのサウンドに。もともとツェッペリンは、メンバー4人の組み合わせでできるケミストリーで音楽が成立しているバンドで、体内にあるモノをぶつけ合っているからこそ他のグループが近寄ることすらできない高みに到達している。このライヴを観ると今でもそれがまったく変わっていないことがまざまざと見せつけられるのである。生き生きとした表情で熱い演奏を繰り広げるペイジ、予想以上に声が出ているプラント、安定感抜群のジョンジーのパフォーマンスは期待以上。入念にリハーサルをしていたことが窺える。そのパフォーマンスは、場面によっては全盛期にもなかったカッコよさすら感じるほど。こんなの生で観ていたら僕は泣いていたに違いない。あまりこういう言い方をするのは好きじゃないんだけれど、ツェッペリンは「本物」だと思う。当日のステージセットと照明が素晴らしく、カメラワーク、撮影、映像の仕掛けも申し分なし。リハーサルDVDはカメラ固定のステージ全体像を撮影した、恐らくはチェック用のものでマニア向け。(2012年11月23日)