スポッツ金具用の工具を紹介する2回目です。1回目に続き今回も穴あけですが、ディバイダーを改造して、やや大きめのスポッツに対応出来るように作りました。
|
 |
等間隔の印付けなどに便利に使うことのできるディバイダーを、スポッツ用の穴開けに仕立てました。やや大きめの丸玉や、四角やダイヤ型などのスポッツ金具の足の幅に合わせて、刃の間隔を調節して使うことができます。
上の画像の木製の円盤は、ディバイダーの足のぶれをおさえて、刃が平行になるように固定するためのものです。この円盤がないと、刃の安定感が十分には出ません。
|
 |
刃の部分のアップです。ディバイダーの鋼材は、かなり硬いものです。前回の工具箱で紹介したハトメ抜きと比べても、ディバイダーのほうがかなり硬いのです。加工はやはりダイヤモンドヤスリを使います。他に砥石や耐水ペーパーなども使用しました。ハトメ抜きの加工と比べると、加工がやや難しくなります。誰にでもお勧めというわけにはいかないかもしれません。
|
 |
革に穴を開けているところです。しっかりと刃を付けてあるので、手で押し当てるだけで、簡単に穴あけができます。
|
 |
使用しない時には、木製の円盤を刃先に固定しておくと、刃のカバー代わりになりますね。
鋭い刃物が2本も付いているので、取り扱いには注意が必要です。また、自分以外の人がこの道具を見ても、刃物だとは思わないはずですので、特に注意してください。
|
 |
さて、上の画像は普通のディバイダーです。普通のディバイダーにも、固定用の木製円盤を付けています。いざというときの固定に使っています。円盤を取り付けたままでも先が閉じるように、ディバイダーの足の内側を削っています。使用しているボルトの分だけ、えぐっておけば良いということですね。
この画像のディバイダーは、あるとき工房前の道に落としてしまって、車にひかれたことがあります。上部のつまみががたつき、足が少し曲がってしまったのですが、ばらしてひっぱたいて直しました。なかなか丈夫なものです。試練に耐えたこのディバイダーを、できるだけ長く使いたいと思っています。
今回改造に使用したディバイダーも、私がふだん使っているディバイダーも、協進エルで扱っている丈の短いタイプです。
参考に、ディバイダーを購入した時に、動きの悪い場合があります。その場合、いくつかある可動部分に注油すると、滑らかに動くようになります。最初、動きが悪いからといって、不良品だとか悪い工具だとかは思わないでください。多くの道具は手入れ次第です。
また、購入したてのディバイダーは、先端がかなり鋭くとがっています。スポッツ金具の間隔を決める印付けなどには、そのままだと鋭すぎて革にも傷が付きやすく、使いにくいと思われます。耐水ペーパーなどで先端も軽く丸めた方が良いように思います。耐水ペーパーに油あるいは水を少量付けて研磨すると、金属の粉も飛び散りにくく、革の作業環境の中では安心です。でも、手は汚れますので悪しからず。 |