レザークラフトの工具の手入れや調整法などについての説明を中心に紹介するページです。
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11.スポッツ用穴開け

 これから3回にわたって、スポッツ金具用の工具を紹介します。面倒な位置決めや穴あけが簡単にできるようになります。どこか面倒に思えるスポッツ装飾が、楽しくなります。



 スポッツ金具の多くは、2本の足で金具を革に固定するようになっています。1つ1つ穴を開けても良いのですが、どうせなら2本同時に穴あけをしてしまいたいものです。そのために作ったのが、ハトメ抜きを改造した上の画像の穴開け工具です。下は刃先のアップの画像です。
 ご覧のように、刃が2本残るようにハトメ抜きを削りました。どこか鬼の角のようなので、我が家では「なまはげ」と言われています。

 この工具を作るのは簡単です。ダイヤモンドヤスリで削り、耐水ペーパーで仕上げるだけです。

 必要な寸法よりも、一回り小さなサイズのハトメ抜きを素材とします。ハトメ抜きが刃先に向かってテーパーがついた形状をしているからですね。一回り小さい口径のハトメ抜きを、ちょうどいい寸法のところまで削れば良いのです。

 それから、これが重要ですが、刃先は内側から角度を付けてやらなければなりません。ハトメ抜きの改造なので、刃に内向きのテーパーがついています。このままですと、刃が内側に入っていき、貫通した革の裏側では刃の間隔が狭くなってしまいます。適当な角度を内側から付けると、刃が内側に入っていこうとするクセを、おさえることができます。実際に穴あけをして、革の表と裏の刃の幅が同じかどうかを確認する必要があります。わずかなズレであれば気にすることはないと思います。

 もちろん、刃の幅を金具にあわせ、2本の刃が平行になるようにするのは当然のことですね。

 私が使用したハトメ抜きは、協進エルで扱っているものです。テーパーがあまりきつくなく仕上がっていますし、削ってみるとあまり硬くない素材で簡単に加工ができました。1本あたりの加工時間もあまり掛かりませんでした。

 この、ハトメ抜きを改造する方法は、2本足のスポッツでなく、もっと足の数の多い金具であっても、その足が円周上に配置されていれば、対応出来る可能性があります。

 上記の画像は、ダイヤモンドヤスリです。以前は高級品でしたが、いまは100円ショップで立派なものが販売されています。どうしてこんなに安くできるようになったのか、不思議ですね。このヤスリで削ると簡単にハトメ抜きの加工ができます。

 
 

 穴あけをしている画像です。作業はなかなか快適です。今回私が作ったのは、比較的数を多く使うことが多いと思われる、小さな丸玉用の穴あけですが、数を打つのもあまりわずらわしくありません。

 上記画像で、穴と一緒に丸い線が写っていますが、これは穴開け工具でついたものではありません。詳細はこのスポッツ用工具シリーズの3回目で紹介します。




 さてさて、上記の画像はハトメ抜きの改造版を作る前に作ってみた、平目打ちの改造版です。刃を90度ひねると、平行な2本目の穴開けになります。実際に使うことができますが、工具としての美観や使用感がハトメ抜きタイプの方が優れていたので、工具箱の奥にしまわれてしまいました。

 自分でもやってみるという人は、ひねる時に刃が折れないように気を付けてください。折れないようにするポイントもいくつかありますが、まずは適当に工夫してやってみてください。

 最後に紹介するのは、一本刃タイプの穴あけです。左が菱目打ちを加工したもの。中央が平目打ち。右が突っ切りを加工したものです。彫刻刀の平刀を加工しても使うことができますね。

 私のおすすめは、菱目打ちの改造版です。鋼材なので鋭く研いで手で押し当てて切ることもできますし、ハンマーで叩いて穴あけする時にも使いやすい形状です。ダイヤモンドヤスリで削り、耐水ペーパーで仕上げます。バフをかければ完璧ですね。

 一本刃タイプも、使いやすい工具を用意しておけば、少量の穴あけには快適に使うことができます。


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