【記号∃の説明】 ・論理記号∃の呼称 ・論理記号∃の使用法 ∃x P(x) / ∃x∈S P(x) ∃x P(x,y) / ∃x∈S P(x,y) ∃x P(x1,…,xn) / ∃x∈S P(x1,…,xn) 多重量化 ・論理記号∃の読み下し方 ・論理記号∃の推論規則 論理記号∃の導入則 論理記号∃の除去則 | 【用語別】 ・存在量化記号 ・存在記号 ・特称記号 ・existential quantifier ・存在量化子 ・特称量化子 ・存在作用素 ・特称作用素 | ・対象領域 ・議論領域 ・変項の定義域 |
・存在量化 ・存在量化子による量化 ・普遍量化 ・束縛する ・束縛変数(束縛変項) ・自由変数(自由変項) |
・「∃変項∈集合 一項述語」の意味と読み下し方 ・「∃変項∈『内包的に定義された集合』 一項述語」の解釈 ・「∃変項∈有限集合 一項述語」の解釈 ・「∃変項∈集合 一項述語」の省略形「∃+条件式+一項述語」 ・「∃変項∈集合 一項述語」の読み下し例一覧 ・「∃変項∈集合 一項述語」の具体的な使用例 ・「∃変項∈集合 一項述語」のなかで用いられる用語 |
「∃変項∈範囲 一項述語」の意味
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【類例】 ∀x∈S P(x) / ∃x P(x) /∃x∈S P(x,y)
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「 ∃ x ( x∈S かつ P(x) ) 」 「集合Sに属し、かつ 性質・条件Pを満たす」xが存在する の省略表現。 [松井p.42,p.153;入谷久我p.7;斎藤] ・だから、「 ∃x∈S P(x) 」 と 「 ∃ x ( x∈S かつ P(x) ) 」 とは、互いに言い換えてよい。 【例】 ・pretty (x)が、1項述語(1変数命題関数)「xは、かわいい♥」を表すとする。 ・存在命題「 ∃x∈Perfume pretty(x) 」 読み下すと、「ある『Perfume は、 存在命題「 ∃ x ( x∈Perfume の省略表現。 ※「 ∃ x∈S P(x) 」と書くとき、Sを「述語・命題関数P(x)の議論領域」Ωにしても構わない。つまり、「 ∃ x∈Ω P(x) 」という表現もOK。 この「 ∃ x∈Ω P(x) 」という表現によって、議論領域Ωを読者に明示的に伝達することが可能[新井p.90;松井p.36]。 ※1項述語(1変数命題関数)P(x)そのものは確定した命題ではないが、これに「∃ x∈S」つけて(「存在量化」して)出来たものは、確定した命題。古典論理においては、これは真偽を定められる。 [岡田章p.253] ※「 ∃ x∈S P(x) 」の後ろに、記号が続いていく場合、「∃ x∈S」が支配している範囲(スコープ)を明示するために、「∃ x∈S」の適用範囲に入っている述語を()で括る。 →集合Sが『内包的に定義された集合』のときの解釈 /集合Xが有限集合であるときの解釈 →主要テキストの読み下し例一覧 →具体的な使用例 |
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「∃変項∈『内包的に定義された集合』 一項述語」の解釈・議論領域Ωにおいて、存在命題「 ∃x∈S P(x) 」 は、 集合Sの内包がQであるとき、 つまり、 S={ x'∈Ω | Q(x') } であるとき、 「 ∃x ( Q(x) かつ P(x) ) 」に言い換えてよい。 ・すなわち、 「∃x∈ { x'∈Ω | Q(x') } P(x) 」 は 、 「 ∃x ( Q(x)∧P(x) ) 」 へ 言い換えてよい。 |
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・この場合の、こなれた読み下しかたとして、「PであるQが存在する[野矢p.217]」「或るQはPである[前原p.7]」。 →この場合に使われる略記法 ※なぜ? ・定義より、 「∃x∈ { x'∈Ω | Q(x') } P(x) 」は、 「 ∃x ( x∈{ x'∈Ω | Q(x') } ∧ P(x) ) 」 の省略表現。 ・ x∈ { 'x∈Ω | Q('x) } はQ(x)に言い換えてよい(∵)から、 「 ∃x ( x∈{ x'∈Ω | Q(x') } ∧ P(x) ) 」 は、 「 ∃x ( Q(x)∧P(x) ) 」 へ言い換えてよい。 |
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省略形「∃ 条件式 一項述語」
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・さらにいうと、 議論領域Ωにおいて、「 ∃ 『xを先頭にした条件式Q(x)』 P(x)」というかたち たとえば、 「 ∃x>0 P(x) 」 (ある正数はPである、 Pな正数が存在する) は、 「 ∃x ( Q(x)∧P(x) ) 」 上記の例では、 ∃x ( x>0 ∧ P(x) ) に言い換えてよい。 なぜなら、 ・先述のとおり、 議論領域Ωにおいて 「 ∃ 『xを先頭にした条件式Q(x)』 P(x)」とは、 「∃x∈ { 'x∈Ω | Q('x) } P(x) 」 の省略表現。 ・「∃x∈ { 'x∈Ω | Q('x) } P(x) 」 は 「 ∃x ( Q(x)∧P(x) ) 」 に言い換えてよい(∵)。 |
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「∃+変項∈『有限集合』+一項述語」の解釈
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【例】 ・以下、pretty (x)は、「xは、かわいい♥」という1項述語(1変数命題関数) を表すとする。 ・存在命題「 ∃x∈Perfume pretty(x) 」 読み下すと、「ある『Perfume 「ある『Perfume 「かわいい♥『Perfume は、 Perfumeの定義 「 pretty( 大本さん ) または pretty( 西脇さん ) または pretty( 樫野さん ) 」 (「大本さんは、かわいい♥ 」 または 「西脇さんは、かわいい♥」または「 樫野さん は、かわいい♥」) に言い換えてよい。 |
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「 ∃x∈S P(x) 」 の読み下し例:一覧・議論領域Ωにおける「∃x∈S P(x)」 読み下し例 ・あるx∈Sについて、P(x)である [中内p.94] ・あるxがS中に存在してP(x)(が成り立つ)[松井p.37] ・P(x)が成り立つようなxがSの中に少なくとも1つはある[松井p.37] ・"there is at least one element x of A such that P(x)is true"[De LaFuente,p.8] ・ある「Sの元」xが存在して、P(x)。[松井p.38] ・ある「Sの元」xが存在して、P(x)とあらわすことができる[新井p.57;]。 ・ある「Sの元」は、Pである。[前原p.7;戸田山p.118:] ・Some 「Sの元」s are P . [戸田山p.118:] ・Pな「Sの元」が存在する[新井p.91;]。 ・「∃x∈S P(x)」において、Sの内包がQであるケースの読み下し例 つまり、「∃x∈ { x'∈Ω | Q(x') } P(x) 」の読み下し例 PであるQが存在する[野矢p.217]。 或るQはPである[前原p.7] |
※関連事項:∃x P(x)の読み/ ∃x P(x,y)の読み / ∃x∈X P(x,y)の読み ∀x P(x)の読み / ∀x∈X P(x)の読み |
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「∃変項∈範囲 一項述語 」 の具体例
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