見た目からして食欲をそそらないキノコで、これ食べられるの？　と思いたくなります。オニイグチモドキとオニイグチは、見た目がまったく同じと言えるくらい似ていて、区別がつきません。専門家でも、顕微鏡で菌を見ないと区別できないとか・・・北軽井沢近辺で見かけるのはたぶんオニイグチモドキの方だと思います。これは傘がかなり黒いもので、もっと灰色の地が出ているものもあります。
　夏から秋口にかけて北軽井沢のナラ類の雑木林の地上で見られます。これが出るとキノコのシーズン到来という、８月終わりに多く見られます。群生はしないようで、ポツンポツンと出ます。でも、黒いキノコはカッコイイと思うのですが、山林の中では目立たないですね。

　傘の上面はほぼ黒色で、黒くて固いいトゲ状のささくれを多数持っているのが特徴です。表面はカサカサしていて、軸はしっかりしています。傘は３〜10cmくらいになるそうで、成長するとともに半球形からやがて平らなまんじゅう形になっていきます。
　 小さい時は膜に覆われている管孔の口の部分は幕を破ると白いですが、やがて淡い灰色から黒っぽくなります。管孔部分に傷をつけると赤からやがて黒に変わっていきます。柄は、５〜10cmとスラッとしたキノコで、色は灰色〜黒色で脈状のはっきりした隆起模様があります。

◇切ると赤から黒に

　柄も傘もなんとなくカサカサした感じがします。切って見ると、管孔はとても長くまだらの黒でした。肉は赤みのある白から赤に変色し、ひと晩おけば真っ黒になっていました。

　オニイグチもオニイグチモドキも食菌です。軸はしっかりしていますが、傘は舌触りがホコリッぽく、バターソテーやキノコ汁、みそ汁の具、すき焼きなどには合わないと思います。濃い味に煮付ける以外、いい食べ方はないのでしょうか？