※関連ページ:基本行列、行列の基本変形、掃き出す
※上位概念:「体上の行列」一般における標準形と階数
定義:実行列の標準形、実行列の階数rank |
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※実行列は実ベクトル空間から実ベクトル空間への線形写像を表す。(→一次写像の行列表示)
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本題1. |
[標準形への変形可能] |
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(m,n)型実行列Aは、どのようなものでも、基本変形のみを用いて、 |
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[標準形の具体例] |
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r=0とした際の標準形D(m,n,0)は零行列であり、 |
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[階数] |
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上記の行列D(m,n,r)上にある1の個数rを、Aの階数rankと呼び、 |
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本題4. |
[階数の一意性] |
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Aの階数rank A=rは、Aのみによって決まり、基本変形の順序・やりかたなどには依存しない。 |
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(本題1の、基本行列の積を用いた表現)
任意の「(m,n)型実行列」Aにたいして、
ある有限個のm次基本行列をかけあわせた行列積Pmと、
ある有限個のn次基本行列をかけあわせた行列積Pnと、
ある「0を含めた自然数」rが存在し、
Pm A Pn =D(m,n,r)
を満たす。 [砂田『行列と行列式』§4.2定理4.8(p.140);定理4.11(p.144);定理4.13(pp.145-6);]
※本当?→証明
(本題1の、正則行列を用いた表現)
任意の「(m,n)型実行列」Aにたいして、
あるm次正則行列Pmと、あるn次正則行列Pnと、
ある「0を含めた自然数」rが存在し、
Pm A Pn =D(m,n,r)
を満たす。 [砂田『行列と行列式』§4.2定理4.8(p.140);定理4.11(p.144);定理4.13(pp.145-6);]
※なぜ?
・ある有限個の基本行列を掛け合わせた行列積はすべて、正則行列である(∵)。
・逆に、正則行列はすべて、ある有限個の基本行列を掛け合わせた行列積として表せる(∵)。
・上記2点より、「基本行列の行列積」と「正則行列」は、言換え可能であるから、
(本題1の基本行列の積を用いた表現)のなかにあらわれる「基本行列の行列積」を、
「正則行列」を言いかえてよい。
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(reference)
日本数学会編集『岩波数学辞典(第三版)』 岩波書店、1985年、項目83行列D行列の階数(p.220)
線形代数のテキスト
・斎藤正彦『線形代数入門』東京大学出版会、1966年、第2章§4行列の基本変形・階数(pp.50-51);第4章§5線形写像とくに線形変換(pp.115-7)。
・永田雅宜『理系のための線形代数の基礎』紀伊国屋書店、1986年、1.7行列の階数と基本変形:定理1.7.4-1.7.6(pp.41-42)。
・砂田利一『現代数学への入門:行列と行列式』2003年、§4.2行列の階数と標準形(pp.140-7).
・藤原毅夫『理工系の基礎数学2:線形代数』岩波書店、1996年、2.3行列の基本変形と階数(p.42);4.3線形写像の階数と行列の階数(pp.102-7).
・志賀浩二『数学30講シリーズ:線形代数30講』朝倉書店、1988年、21講線形写像の核と行列の階数(pp.132-7)。
数理経済学のテキスト
神谷和也・浦井憲『経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、§5.2.6行列の階数(p.186)。