実ベクトル空間のあいだの同型写像と線形独立・基底

・定理:同型写像と一次独立/同型写像と基底/ベクトル空間と数ベクトル空間の同型の条件 

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定理:同型写像と線形独立(一次独立)


設定


この定理は、以下の舞台設定上で成り立つ。
R実数体(実数をすべて集めた集合)  
V実ベクトル空間 (実数体R上の線形空間・ベクトル空間」)  
V' 実ベクトル空間 (実数体R上の線形空間・ベクトル空間」) 
fVV'実ベクトル空間Vから実ベクトル空間V'への同型写像 

[文献]
・永田『
理系のための線形代数の基礎』系1.3.5(p.21);
・志賀『線形代数3016(p.102);
・砂田『行列と行列式』§5.3c補題5.49(p.176)
・斎藤『
線形代数入門』4章§3[3.6](p.102) 

定理

任意v1, v2, v3,, vlVについて、次の2つの命題は同値
 命題
Pf (v1), f (v2), f (v3),, f (vl)一次独立
 命題
Q: v1, v2, v3,, vl一次独立。 

定理:同型写像と基底


設定


この定理は、以下の舞台設定上で成り立つ。
R実数体(実数をすべて集めた集合)  
V実ベクトル空間 (実数体R上の線形空間・ベクトル空間」)  
V' 実ベクトル空間 (実数体R上の線形空間・ベクトル空間」) 
fVV'実ベクトル空間Vから実ベクトル空間V'への同型写像 

[文献]
・永田『
理系のための線形代数の基礎』系1.3.5(p.21);
・志賀『線形代数3016(p.102);
・砂田『行列と行列式』§5.3c定理5.52(p.178)

定理

任意v1, v2, v3,, vlVについて、次の2つの命題は同値
 命題
Pf (v1), f (v2), f (v3),, f (vl)V'基底である。  
 命題
Q: v1, v2, v3,, vlV基底である。 

[トピック一覧:同型写像と基底]
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定理:実ベクトル空間と実n次元数ベクトル空間の同型の条件 


設定


この定理は、以下の舞台設定上で成り立つ。
R実数体(実数をすべて集めた集合)  
Rnn次元数ベクトル空間 
V 実ベクトル空間

[文献]
・永田『
理系のための線形代数の基礎』定理1.3.6(p.21);
・砂田『行列と行列式』§5.3c定理5.51(p.177);
・『岩波数学辞典』項目210線形空間C(p.571)
・斎藤『
線形代数入門』4章§3[3.7](p.102)

定理

命題P実ベクトル空間V属すn個のベクトル{ u1, u2, , un }が、実ベクトル空間V基底である」 
ならば
命題
Q実ベクトル空間Vは、n次元数ベクトル空間Rn同型」。 
つまり、が
有限次元実ベクトル空間は、実数体上の数ベクトル空間同型

証明

Vの基底》で決まる同型写像による。

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(reference)
日本数学会編集『
岩波数学辞典(第三版)』 岩波書店、1985年、項目210線形空間(pp.570-576)
線形代数のテキスト

志賀浩二『数学
30講シリーズ:線形代数30』朝倉書店、1988年、16講線形写像(pp.100-105)
ホフマン・クンツェ『
線形代数学I』培風館、1976年、2.3基底と次元(pp.41-50)
永田雅宜『
理系のための線形代数の基礎』紀伊国屋書店、1986年、1.3ベクトル空間(pp.20-21)
砂田利一『現代数学への入門:
行列と行列式2003年、§5.3c(p.176-8).
藤原毅夫『理工系の基礎数学2線形代数』岩波書店、1996年、4.1線形空間と写像(p.91)
斎藤正彦『
線形代数入門』東京大学出版会、1966年、第4章§3基底および次元(p.102)
数理経済学のテキスト
神谷和也・浦井憲『
経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、§3.1ベクトル空間とは何か(p.105)

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