一次写像の階数の性質 : トピック一覧

定義域の基底とKerf・Imagefの基底/階数と退化次数、定義域の次元の関係
※一次写像関連ページ:一次写像−定義/ベクトル演算の一次写像/一次写像と線形独立/一次写像―全射・単射 
           同型写像/同型写像と線形独立   
実ベクトル空間から実ベクトル空間への一次写像の階数の性質 
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定理:一次写像の定義域の基底と、Ker f基底Image f基底    
  
[永田『理系のための線形代数の基礎』定理1.6.4(p.37);斎藤正彦『線形代数入門』4章§4[4.5]§5[5.1](p.116)]   
(舞台設定)
K (例:有理数をすべてあつめた集合Q実数をすべて集めた集合R、複素数をすべてあつめた集合C)  
V K上の有限次元ベクトル空間 
V' K上の有限次元ベクトル空間 
f VV'」:一次写像   
(本題)
Ker f基底」に、「Image f基底fによる逆像」を付け加えたものは、V基底の定義を満たす。 
どういうこと?→定理の置かれた文脈 
なぜ?→証明 
活用例→一次写像の行列表示の標準形の存在の証明 


定理:一次写像の階数と退化次数、定義域の次元の関係   
 
[永田『理系のための線形代数の基礎』定理1.6.2(p.36)証明付;斎藤正彦『線形代数入門』4章§5(p.116);藤原『線形代数4.2性質5(p.100-101);砂田『行列と行列式』§5.3-d定理5.65(p.180)).] 
(舞台設定)
K (例:有理数をすべてあつめた集合Q実数をすべて集めた集合R、複素数をすべてあつめた集合C)  
V K上の有限次元ベクトル空間 
V' K上の有限次元ベクトル空間 
f VV'」:一次写像   
(本題)
一次写像f VV'」の階数退化次数の和は、V次元に等しい。
  すなわち、   
dimVrank f dim(Ker f)   
このことはもちろん、次のように言換えられる。
一次写像f VV'」の階数は、V次元と「一次写像f VV'」の退化次数の差である。  、
  すなわち、   
rank f dimVdim(Ker f)  
なぜ?→証明 
活用例→一次写像の行列表示の標準形の存在の証明   

 

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(reference)
確認済み
永田雅宜『理系のための線形代数の基礎』紀伊国屋書店、1986年、1.6ベクトル空間(pp.36-7)
斎藤正彦『
線形代数入門』東京大学出版会、1966年、第4章§5線形写像とくに線形変換(pp.113-9)
藤原毅夫『理工系の基礎数学
2線形代数』岩波書店、1996年、4.2線形空間と写像(p.100-101)
砂田利一『現代数学への入門:
行列と行列式2003年、§5.3-d(p.179);§5.5-d(p.194).
佐武一郎『線形代数学(44)』裳華房、1987年、Vベクトル空間§4一次写像の階数(ただし数ベクトル空間において)§7底の変換、直交変換。

未確認
日本数学会編集『岩波数学辞典(第三版)』 岩波書店、1985年、項目210線形空間(pp.570-576)
線形代数のテキスト

志賀浩二『数学
30講シリーズ:線形代数30』朝倉書店、1988年、16講線形写像(pp.100-105)
ホフマン・クンツェ『
線形代数学I』培風館、1976年、2.3基底と次元(pp.41-50)

代数学のテキスト
本部均『新しい数学へのアプローチ
5新しい代数』共立出版、1969年、5.2-Aベクトル空間(p.132)
酒井文雄『共立講座
21世紀の数学8環と体の理論』共立出版、1997年、1.6ベクトル空間(p.22):数ページしか触れていないが、逆に、一般の線形空間の理論の骨組みだけを浮かびあがってくるので、何が重要事項なのかを見極める上で便利。

数理経済学のテキスト
神谷和也・浦井憲『
経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、§3.1ベクトル空間とは何か(p.105)

 

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