尾瀬の花 コース案内038
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 尾瀬沼:沼尻起点 北岸道 


038沼尻オンダシ沢浅湖湿原長英新道分岐三本カラマツ北岸道分岐

このコースの見所・撮影ポイントは、

沼尻休憩所からナデックボ道に10mほど進んだ所にある
沼尻平の池塘群
沼尻休憩所付近から見た
尾瀬沼・燧ヶ岳などの光景
ナデックボ道を100mほど進んだ箇所の
チングルマ大群落
浅湖湿原の
ニッコウキスゲ
大江湿原のニッコウキスゲ
オンダシ沢橋の
オヤマリンドウ
北岸道にある
エゾスズランツルリンドウの群落

公衆トイレは、起点の沼尻にあります。
水場は、水道が起点の沼尻にありますが、途中に飲める水は流れておりません。
ベンチは、途中に倒木を切った丸太・ネズコ(クロベ)の根を利用した座れる場所はありますが、起点:沼尻・終点:北岸道分岐を除けばベンチはありません。

沼尻は尾瀬沼の西端、只見川の源流となる沼尻川が始まっている個所で、尾瀬散策の要所でもあり、

尾瀬ヶ原:見晴(下田代十字路)からの尾瀬ヶ原林道、大江湿原からの尾瀬沼北岸道、三平下からの尾瀬沼南岸道、燧ヶ岳からのナデックボ道が交差する地点にあり、尾瀬沼沿岸では唯一の池塘のある湿原沼尻平、沼尻休憩所(売店併設)、公衆トイレ、水場などがあります。

池塘周遊路からの尾瀬沼・休憩所

上の地図と画像で見る限り、沼尻を通ったハイカーは全員が池塘に気づくような感じがしますが、ナデックボ道から来た人、尾瀬ヶ原から来て休憩所に寄らずに北岸道に向かう僅かな人を除いて、休憩所の方が池塘より低く水面が見えないので、池塘の存在に気づかないのです。

この池塘にはヒツジグサミツガシワが生えていて、周囲にはナガバノモウセンゴケ、ヒメシャクナゲなど尾瀬沼では珍しい高山植物があり、イワカガミ、モウセンゴケ、キンコウカ、ショウジョウバカマ、ワタスゲ、オトギリソウ、チングルマ、ホロムイソウなど魅力的な花も多く、しかも湿原の上に木道を置いただけで花に近く、じっくりとマクロ撮影ができますので、隠れた尾瀬沼の穴場です。

沼尻十字路、右上が休憩所

沼尻休憩所を出発して沼尻十字路を右折して、尾瀬沼北岸道を進みますが、暫くは沼尻平のミズバショウが多い湿原の中を通り、やがて左右にハクサンシャクナゲの大株がある個所から最初の山道に入ります。

5月には残雪も

単線の木道は、疎林といった感のあるクマザサが多い明るい林の中を続き、やがて小さな湿原に出ます。

直ぐに2つ目の山道に入り、前方に特徴のある根っ子の個所に差し掛かりますが

根っ子が登山道(^^♪

根っ子の上を歩いて進むと、尾瀬沼北岸道で唯一の小石・砂利の見えるオンダシ沢は遠くありません。オンダシ沢は出水の多い沢で、オンダシ沢橋はよく流されて、通行止めになったりしますので、情報入手をして下さい。2006年にはやはり雪解け時に流されて通行止めとなって、その後に画像と違って単線の橋に架け替えられていました。

オンダシ沢橋の右岸下流部にはオヤマリンドウが生えていて、お盆過ぎ〜9月初旬頃に真っ青な花を咲かせていあmす。

残雪期のオンダシ沢橋

先に進むと、尾瀬でも最大規模のツルリンドウの群落が左手にありますので、注意して探しながら通って下さい。

ツルリンドウの群落

また前方に特徴のある歩きにくい個所が見えてきて

その先に2つ目の湿原が見えています。

この湿原は尾瀬沼側、上の画像で右側が急激に下がっている傾斜湿原で、リュウキンカ、ミズバショウ、サワギキョウなどが多い所です。また北岸道は3つ目の山道となり、少しずつ標高を上げ、やがてまた特徴のある個所に差し掛かり

特徴のある悪路

急坂が崩れないように木道にする木材を横向きに並べた階段状の個所を下り、その先の平坦な木道を進んだ先に木の根っ子をそのまま階段とした歩きにくい個所で急激に降りて、3つ目の湿原に入りますが、この湿原の右側にはオタカラコウサワギキョウが多く、逆側の左側にはミズバショウが多く、しかも木々の枝の下にあるミズバショウも多いので、霜焼けが少ない美しいミズバショウに出会う可能性が大です。

3つ目の湿原

3つ目の湿原を通り抜けて、今度は深い針葉樹の森の中を通る4つ目の山道となりますが、ここは長い上り坂となっていて、

階段状の木道が続きます

木道脇にはゴゼンタチバナが多く、整備された木道は右手の方向にある尾瀬沼より相当に標高が高い所を通りますが、尾瀬では比較的珍しいエゾスズランの花が木道脇で8月には咲いています。

エゾスズラン

やがて前方に北岸道で一番悪路の個所が見えてきて、最初に木の根っ子の上を歩き、その先で今度は急激な下りの壊れた階段で右に曲がり、その先で木の根っ子を階段として使って降りる個所、雨が降った時には転倒しやすい個所を通らねばなりません。

北岸道で一番悪路の個所

上の画像の左上が下り切った個所ですが、そこにはミネザクラが何本かあり、5月末〜6月始めには可愛らしいピンクの花を咲かせています。

苦労して悪路を下り切った先には4つ目となる広い湿原が広がっており、そこが浅湖湿原(あさじしつげん)で、ニッコウキスゲの頃(7月中旬前後)には、素晴らしい光景を眺めることができます。

浅湖湿原

浅湖湿原の中には小川が流れていて、そこにあるの下は2m以上はある深みとなっていて、いつもはオヒルムシロが生えた静かな水面となっていますが、下の画像のように纏まった雨が降ると渡るのが怖いくらいの水量と流れの強さとなりますので、ご注意下さい。

豪雨で木橋すれすれ

浅湖湿原から5つ目となる山道に入りますが、直ぐに左手に長英新道分岐が見えてきて

長英新道分岐

直ぐ右手にはクロベ(ネズコ)の根を利用したベンチめいた物が設置されていて、私は時々ここで休憩します。コースが右にカーブしながら標高を少し上げ、右手を振り返ると浅湖湿原から曲がりながら進んできていることが良く判ります。

針葉樹の深い森の中の単線の木道を進んでいくと、大木の根元にヒメタケシマランの株があるのが、注意しながら進むとわかります。

単線の木道

どうして小高い森の中にミズバショウがあるのか判らないのですが、ミズバショウが木道脇にある深い森は間もなく終わり、一気に眺望が得られるようになると前方に、三本カラマツのある大江湿原が見えてきて、下の画像のように7月中旬〜下旬にはニッコウキスゲで黄色になった個所も見えます。

ニッコウキスゲの大群落も

大江湿原には急な階段状の坂を下りて行きますが、左側にはヤマハハコが、右側にはヤナギランが生えていて、そこを下り切ると、ニッコウキスゲ、ワタスゲ、ヒオウギアヤメ、コバギボウシなどが目に入り、間もなく三本カラマツの前に出ますが、そこには寒さと風の影響でしょうか背丈の低いウワミズザクラが群生し、サラシナショウマも生えていて、暫く進むと大江川一ノ橋に出会います。

大江川を覗き込むと、大きなニジマスも見え、左岸上流部にはノアザミが数多く並んで生えていています。

大江川一ノ橋から上流部はニッコウキスゲの大群落が広がり、7月中旬には黄色く染まります。やがて北岸道分岐に到着しますが、そこには「尾瀬」と大きな文字が記載されたベンチ&テラスがありますから、記念撮影をする人が多い場所です。

ここを右に行けば直ぐに尾瀬沼東岸、左に行けば沼山峠に至ります。


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