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一人旅の多いわたしにとって、旅行中必要なのは安全で快適な宿。でも贅沢なホテルに泊まるより宿泊費はできるだけ節約して、その分色々なところに行ってたくさんのものを見たい。というわけで英国ではほとんどの場合B&Bと呼ばれる民宿を利用しています。オフ・シーズンに一人でのんびり英国旅行でもしたい、でもずっとホテルじゃ高いし、かといって変な宿に当たっても困るし...などと思っている方にも何かしら参考になるかな?と、今回はB&Bを中心にした英国宿事情を、わたしの少しばかりの経験からご紹介しようと思います。





英国B&B事情


経済的な宿と言えば、やはりもっとも手軽なのはユースホステルだと思うが、これもはっきり言ってピンからキリまであるというのが実際のところのようだ。中世のお城がユースホステルに改造されていた、という幸運に恵まれることもあるが、都市の大規模なところで10人の大部屋などに入れられたりすると落ちつかないし、特に一人旅の場合貴重品の管理に神経を使わなければならない。どうしても宿代を最小限に節約したいとか沢山の同世代のバック・パッカーと友達になりたい、というのでなければ、特に女性にはやはりB&Bをお勧めする。

B&B、というのはBed & Breakfast の略、つまり寝室と朝食を提供する宿ということ。あらかじめ頼んでおけば別料金で夕食を作ってくれるところもあるが、基本的には朝食のみ。その分料金がぐっと手頃になる。日本で言えば民宿といったところだろうか。もともとB&Bというと民家の素朴で家庭的なもてなし、という印象があるけれども、実際のところは見たところ全く普通の家で空いている数部屋を旅行者に解放しているものから、何十もの部屋を備えて完全にフルタイムのビジネスとして経営しているものまで種類も多岐に渡っているし、出している看板もB&B, Guest House, Hotel(分類としてはB&Bでも宿の名前に「○○ Hotel」とつけているところもある)など、経営者側の好みや耳触りのよさで決められているようなのであまり判断の材料にはならない。料金も町の大きさや観光客の多さなどによってかなり変わってくるが、大まかに言って下は一人15ポンド前後(1ポンド180円として約2700円)くらいから、設備が豪華なところや郊外のFarm House (ごく少数の宿泊客に田舎風の家の家庭的なもてなしを提供する。駅や町の中心からは離れていることが多いので車での旅行などに向く)と呼ばれるようなところだと40ポンドを超えるところもある。一般的なB&Bの場合、上限25ポンド位で探せば大体はそれなりに設備のととのった快適な宿が見つかるはず。* 写真はイングランド南部のリゾート地、ブライトンのB&B。いくつかのタイプの部屋が10足らずくらいある、一番一般的なものだと思う。写真左手に朝食を食べるダイニングルームがあって、部屋は階上。
玄関ホール (8k)
ブライトンのB&B、玄関を入ったところ。
* ただしイングランド南部の町バース(Bath)は押し並べて宿泊料金が高いらしく、B&Bでも30ポンド以下はないという話('96.6月の時点)。部屋は他の土地なら20ポンド強出せば泊まれるのと同じ程度。米国人観光客がやたらと多いせいか。



蔦のB&B (15k)
風光明美なコッツウォルズで見かけた
B&B。中が見たい...
旅を始める前からどこの町を訪れるか決めている場合は、空港などの案内所(「交通案内」ではなく旅行案内窓口。ヒースロー空港では空港内ではなく連絡通路でつながった地下鉄の駅にある)で山ほどもらえる無料のパンフレットの中にそれぞれの地域の観光案内と共に宿の詳細と連絡先が載っているので、あらかじめよさそうな宿を選んで予約しておくのもいい。最近はウェブサイトやメイルアドレスを持っているところも多いので、現地に行く前ににネットで予約も可。
まだ泊まるところが決まっていない場合わたしが一番多く取る方法は、まず目的地についたらやはりまっすぐに旅行者案内所(Tourist Information)に向かうこと。小さな町でも大抵のところは駅か町の中心地に「i」の目印を掲げた建物があるはず。その町や周辺地域の情報、さまざまなツアーやアトラクションのパンフレット、地図、土産物なども取り揃えてあるので、何かと便利な場所。ここで宿を探していること、どんな種類の宿を希望するか(ここではホテルかB&Bかはっきり指定する)、宿泊する人数と日数、料金の上限(「一人いくらまでなら大丈夫」というのをはっきり伝える)などを告げると、希望に沿った宿を選びだして空室があるか電話で確認し、そこでいいということになればその場で部屋を押さえてくれる。何日滞在するかまだ決めかねている場合は「とりあえず○泊、もう少し延ばすかも」などという言い方でもここはOK。

ここまで決まればあとは規定の書類に記入(自分の氏名住所、国籍、英国内の連絡先(なければないでいい)、旅行中の移動手段など(車とか鉄道とか))して、それを持って宿に向かうだけ。案内所で予約してもらった場合その場で手付け金(deposit、2ポンドくらい)を支払うことが多いが、これは宿を立ち去る際清算の時に料金から引いてもらえる。ただし最初に記入した用紙をなくすと先に手付け金を払った証明ができなくなるので、宿が確保できたからといってすぐに書類を捨てたりしないように。支払いの時に確認のため提示を求められることも多いので、小さく折ってあっても何でもいいから取っておくこと。それにここには案内所で宿の名前や住所を書き込んでくれる(はず)ので、観光した後に戻る途中で万一迷ってもこれを持っていれば安心。また歩いて宿に向かう場合案内所で位置を書き込んだ地図をくれるが、これは主要な建物や通りだけでなく細い道なども結構細かく載っていて意外と使える。うまくするとわざわざ売られているものを買わなくてもこれだけで充分町を把握できるので、これも町を出るまで持っていると便利。


ただし案内所は大抵午後5時か、大きい町でも6時には閉まってしまうので、できるだけ目的地にはそれ以前に着くようにしたい。またあまり大きくない町では週末は閉まっていることも。万一開いていなかった場合、扉の外などに宿の地図や電話番号が貼ってあるときはそれを頼りに探すか、自分で歩いて探す場合は少なくとも看板などに英国観光局(English Tourist Board)推薦の青い王冠マークや黄色に黒字のAAマーク、またはその地域の観光協会の推薦マーク(色々あるが大抵マークの下に"approved""recommended"等と書いてある)を掲示しているところを選ぶのが無難。★マークが3つとか4つとか並んでいるだけなのは、前記の推薦マークと一緒でない限り宿の主が勝手につけている可能性もなきにしも非ず...なのであまり基準にはしないほうがいいかも。
B&Bにもさまざまなタイプがあるのは前述したが、落ちついたところがいいなら町の中心部から少し離れた住宅街などを歩いてみると結構雰囲気のいいところが見つかるのでは。繁華街に近い方がいい、という場合はパブやレストランでB&Bも一緒にやっているところがよくある。地元のナイトライフも楽しみたい人にはこれも便利かも。階下のパブで多少飲みすぎて足元が危うくなっても、階段を上れば自分のベッドに直行できるのだから。


さて、ここはどうかな?という宿を見つけたら、玄関のドアや窓、看板などに"VACANCIES"(空室あり)という札が出ているのを確認する。が、実際のところNO VACANCIES(空室なし)とあっても、「本当は空いてるけど今日はちょっと休みたい」からそう出していたり、実際満室でも知り合いの宿を紹介してくれたり、ということもあって、経験から言うとこういうやや呑気なところほどいい宿だったりするので、ここがよさそうなんだけどなあ、と思ったらとりあえずベルを押してみるのもいいかも。わたしもスコットランドのとある町に夕方着いて、たまたま週末だったためどこも満室で、雨の中を歩き回った末にダメでもともと、と「満室」の札が出ていた宿のベルを押してみたところ、きっぷのいい奥さんが「今日は一家族だけで打ち止めにするつもりだったけど、いいわよ」と泊めてくれて、とても親切にしてもらったことがある(濡れ鼠でよほど同情を誘ったらしい)。
宿の人が出てきて希望の部屋があること、値段も範囲内ということが分かっても、飛び込みの場合できればすぐに決めずに、まず部屋そのものをを見せてもらったり設備(部屋の設備の他にも共用電話とかラウンジとか)について少し会話したりすることをお勧めする。部屋なり人なりにあまりいい印象を持たなかったら、値段が高いでもこれこれの設備がないからでも何でもいいからそれなりの理由を言って丁寧に(他の宿が見つからず戻ってくる場合も考えてぞんざいな態度は控える)断わって、別のところを探したほうがいいかも知れない。

warwickhouse (8k)
コッツウォルズのB&B。至れり尽くせりの心配り。



emergency (8k)
普通は「避難経路」などが書いてある
のだが 、ここでは「緊急の場合大声で
助けを呼んでください」。 経営者は
いい感じの老夫婦。叫んだら
駆け上がって助けにきてくれるのだろうか...
わたし自身幸い経験はないが、女性の一人または二人旅で飛び込みで宿を決めたら、最初は素敵なところだと思ったのに宿の主人が豹変してとんでもなく怖い思いをした、などという体験談を雑誌などで目にすることがある。英国はヨーロッパでも治安は悪くないほうだし(とはいえ「日本が一番安全」と思っていたほうがいい)、こういう例はかなり運が悪いケースと思いたいが、行き当たりばったりで決めた場合ある程度のリスク(部屋の質やサービスの面で)は覚悟したほうがいいのは事実。案内所を通す場合正式に許可を受けて登録された、いわば町として恥ずかしくない宿を紹介してくれるので、少なくとも上記体験談のような宿はないはず。

ちなみに最近ヨーロッパでは日本人女性の「人気」が高まってきているらしい。これは「小柄で可愛い」「ファッショナブルな身なりをしている」ということもあるけれども「おとなしい」「誘っても強く拒まない」というあまりありがたくないイメージを持たれているせいもあるようだ。日本人女性ばかりを選んで声をかける男性もいる模様。欧米人は積極的というイメージがあるかも知れないが、基本的に日本人の常識で判断してちょっと変だな、というようなことを言ってくる人はやはりおかしい。もちろん純粋に日本に興味を持っている人も多いし、話しかけてくる人みんなに警戒心を持つ必要は全くない。むしろ色々な人と出会って交流できるのが旅の醍醐味でもあるのだが、特に海外ではつい気持ちが大きくなってしまいがちなのも事実で、こういうときこそ気持ちを引き締めて分別のある判断をすることが肝心なのだなあ、と色々見聞きする度に思う。とは言っても個人的に苦い体験をしたわけではないので念のため。ちなみに男性だからといって安心できるわけでももちろんないのでこれも念のため。

宿を決める際に考えておきたいのは、先にもちょっと述べた設備の問題だが、一泊きりでとにかく寝るところと翌日の朝食さえあればいい!というならともかく、色々観光して疲れて戻ったらシャワーくらい浴びたいし、テレビの天気予報で明日の空模様(雨が少なくて済むかかなり降るか)も知っておきたい。というわけでまずはお風呂。ホテルならともかくB&Bの場合、日本の宿やビジネスホテルなどの感覚で入浴施設があるのは当然、とうっかり何も言わずにいると、部屋にはベッドしかないしシャワーも使えないし、ということになりかねないので、予約の際にしっかり確認しておかなければならない。

ここで注意したいのは日本で「バスルーム」と言えば小さくてもバスタブとシャワーがあるのが当然だけれども、あちらのB&Bでこれを期待したら困ったことになるかも知れないということ。つまりうっかり「お風呂(bath)の使える部屋がいいです」と言って予約してもらって宿に入り、さてお風呂だ、とバスルームに行ってみると、広い部屋の真ん中にお湯と水に分かれた蛇口のついた大きなバスタブがでん、と鎮座ましましていたりする。この場合シャワーがないのでむろんカーテンもない。言うまでもなく日本式にバスタブの外で体を洗ったりしたら大変なことになる。バスタブだけのときはお湯と水を調節して水を張って中に入り、そのお湯で静かに体を洗うわけだが、やっぱりざばざば体を洗ってさっぱりしたい、という場合には予約の際に「シャワーの使えるところ」と言うのが必須。バスルーム付きではない部屋でも、ほとんどが洗面台(wash basin)はついている。石鹸やシャンプー、ウォッシュタオルなども大抵はない(バスタオルとフェイスタオルはある)ので、あらかじめ用意しておきたい。
庭でひなたぼっこ (10k)
「庭を自由に使ってください」というところも結構ある。
丹精込めた庭を見てもらいたいという誇りもあるのかも。
入浴設備について希望を出すと、大抵「en suite (続き部屋)がご希望ですか?」と聞かれる。これはシャワーもしくはお風呂が部屋についているか、そうでなくても自分専用のシャワー室・バスルームがあるということ。この場合基本の部屋料金にいくらか加算されることもある。ユースホステルなどと違って、B&Bは満室になったとしても宿泊客自体何十人というわけではないし、入浴施設が共用といっても大抵2,3室の間で使う程度なので、自分専用のお風呂にこだわらなければen suite でなくてもいい。また欧米では朝入浴する人が多いため、日本式に夜バスルームを使えばまず誰かとぶつかることはない。ちなみにこれは「エン・スイート」ではなく「ン・スイート」もしくはフランス風にちょっと鼻にかけて「ン・スイート」に近く発音される。



お姫様気分。(9k)
豪華天蓋付き寝台、しかもダブルベッド。運がいいとこんなことも。
各々の設備については、案内所で予約する際に見せてくれる町のガイドブックなどにシャワーやテレビのマークで明示してあるはずなのでそれを見て確認できるが、部屋の種類によっても色々変わってくるので欲しい設備については確認したほうがいい。テレビはついていることが多いが、そうでないところは普通いつでも好きに出入りできる宿泊客用の居間があって、そこで自由に見られるようになっている。B&Bはホステルなどよりもゆったりしてくつろいだ宿泊設備の提供を旨としているため部屋もツインや家族向けのものが多く、シングルで探すとちょっと時間がかかることも多いが、良心的な宿ならツインの部屋をシングル料金で提供してくれたりすることも結構あるので、うまくするとダブルベッドや家族用の広い部屋でのんびり、ということも。

経営の仕方もさまざまなので決して一概には言えないが、個人的経験から言うとこういうタイプのB&Bは大抵経営者が気さくで親切、宿泊客とのより近しい交流を目指しているところが多い。プライヴァシーは大切にしてくれるので、こちらが何も言わなければあえて何やかや話しかけてはこないが、町のことや周辺の見所などについて尋ねると待ってました、とばかりに色々教えてくれる。大抵のところではアトラクションの案内やパンフレットを置いてあるが、面白そうに見えてもここは高いだけだからやめたほうがいいとか、この博物館は小さいけれど見る価値はあるとか、地元の人ならではの情報が得られるので、ある程度見るものを決めていても聞いてみるのが得策。またこういう会話から打ち解けて仲良くなると、もちろん滞在がより楽しく快適になる。


B&Bで一番気に入っているのは、やはりホテルなどにはない気さくで打ち解けた雰囲気と心遣い、各々の宿の個性が楽しめるところ。庭を解放して気にいった植物があれば種を分けてくれたり、手作りのジャムが朝食のテーブルに20種類以上もずらっと並んでいたりすることもあるし、ご主人が趣味の絵画コースを開いていて客室にもその作品がさりげなく飾られていたりもする。猫や犬が一緒に住んで「営業」しているところも結構ある。ほとんどのところでは部屋に小さい電気ポットとコーヒー/紅茶の用意がしてあって、自分で好きにお茶を入れてくつろげるようになっているが、宿によってはちょっとしたお菓子を添えてあったり、希望すれば新鮮なミルクを分けてくれたりするところもある。客室にセルフサービス設備がない場合は、到着したときや夜などに宿主が自分の居間でお茶とお菓子を出してくれたりもする。宿まで結構歩いたり、到着が夜だったりしたときに「一息ついたら居間でお茶はどうですか?」と言われると何だかとてもほっとして有難い。また何と言っても(個人的に)楽しみなのがイングリッシュ/アイリッシュ風の朝食だが、コーヒーとトーストなどのいわゆる「大陸風朝食(Continental Breakrfast)」に比べて種類も量もたっぷり。

breakfast (7k)
よく分らないかと思いますが、朝食はこんな感じ。
フル・イングリッシュならこの後卵やベーコンの皿が出てくる。

これも宿によってバリエーションは微妙に違うが、一般的にまず席についたら目覚ましの新鮮なジュース、次にコーヒーか紅茶、好みのシリアル、そして「フル・イングリッシュ」の場合はベーコンと卵、ソーセージ、フライド・トマト、マッシュルーム、フィッシュ・ケーキ(魚のすり身をフライにしたもの)、ベイクト・ビーンズ(baked beans, 白いんげん豆をトマトソースで煮込んでから焼いたもの)が載った皿、それにトーストなどが出される。アイルランドの場合はこれに真っ黒いブラック・プディング(black pudding、 豚の血を固めてソーセージ状にしたもの)と、ソーダ・ブレッド(重曹で発酵させたパン)がつくことも。このソーダ・ブレッドは個人的に大のお気に入り。現代の英国やアイルランドの一般家庭では「ヘルシーで油の少ない食生活」を目指す人が多いので、実際今でも毎朝これを食べている家庭はあまりないと思うが、彼らにとってもこれは今でも「昔懐かしい伝統の朝ごはん」なのだ。いくら何でも重すぎる、という場合はあらかじめ言っておけば量を減らしてくれたり「大陸風」にしてくれたりするが、今日も一日色々観て歩こう、というときはフル・イングリッシュの朝食をしっかりお腹に入れておくとその日一日の元気が養われる感じがする。 もともと朝食をしっかり食べる習慣の日本人には割と向いているのかも知れない。

わたしが旅行にB&Bを利用し始めたのは英国に留学していた頃からだったが、何といってもB&B!と思い始めたのは初めてアイルランドを訪れた際にお世話になったダブリンの宿のご夫婦のおかげかも知れない。既にとっぷり日が暮れた秋のフェリー・ターミナルを、さて今夜の宿はどうしよう、と考えながら出ようとしたところを「宿をお探し?私の家でB&Bをしているのだけど」と呼び止められたのがきっかけでお世話になることになったエニス夫妻のB&Bは、気さくで親切でこれこそB&Bの鑑!と言いたくなるような素敵な場所。今回('01年6月)ダブリンを再訪した際も変わらない暖かさで迎えてくれて、一晩はすでに満室だったにもかかわらず、本当は客室ではない部屋に予備のベッドを入れてくれた。二人の人柄のせいか、ここを一度訪れた人はまた二度三度と戻ってくることが多いようだ。

ここでお世話になって以来、「素敵なB&B探し」に拍車がかかってしまった感がある。ホテルのように何でも揃っていてサービス満点とはいかないけれども、飾らない歓迎ぶりと手作りの暖かさは宿と言うより親戚の家にでも滞在しているかのようで、すっかりくつろいで甘えてしまいたくなる。旅先だからこそ嬉しい素朴な心遣いは、訪れた場所の印象をより思い出深いものにしてくれるもの。格式のあるホテルもいいけれど、英国やアイルランドに出かけたらちょっと目先を変えて、地元の人と打ち解けた交流のできるお気に入りのB&Bを探してみるのもいいかも知れない。
ダイニング (9k)
夫妻のB&B、居間の奥にあるダイニング。裏庭と天窓から
朝の光が一杯に降りそそぐ。





26.7.2001





個人的な経験の中から思いつくことをつらつらと書いてみましたが、まだ現地を訪ねたことのない方、行ったことはあるけれどB&Bには泊まったことがなかった方、泊まってみたかったけどどうすればいいのかよく分らなかった方、そしてB&Bを既に利用されたことのある方にも、何か参考になることがあればいいのですが。こんな情報についてもっと知りたい、というお問い合わせもお待ちしています。

★今回('01年6月)の旅行でも、素敵なB&Bにお世話になりました。その中でも特に印象に残った宿をいくつかご紹介してみます。こちらからどうぞ。



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