福島・会津(その1) 
 福島・会津(その2) 
 ロンドン・ハロウ近辺 
 バークシャー留学記 
 ドイツ訪問記・前編〜レヒテンバッハ 
 ドイツ訪問記・後編〜フランクフルト・マールブルク 
 シュルーズベリ訪問記・前編 
 シュルーズベリ訪問記・後編 
 英国・アイルランドB&B事情 
 北イタリア訪問記(その1) 
 北イタリア訪問記(その2) 
 北イタリア訪問記(その3) 
 北イタリア訪問記(その4) 
 北イタリア訪問記(その5) 
 北イタリア訪問記(その6) 
 北イタリア訪問記(その7-a) 
 北イタリア訪問記(その7-b) 




福島・会津

年末に訪れて以来8ヶ月ぶりの帰省。この間は雪が降っていたが、今度はうだるような暑さだ。ここは盆地なので日中はかなり気温が上がるが、夕方にもなればすうっと涼しい風が...いつもなら吹くはずなのだが、今年は夜になってもけっこう蒸し暑い。実家の店にやってくる人々もまず第一声は「いやあ暑いなあ」。そう言ったとてどうなるわけでもないのに、気がつくとつい暑い暑いとつぶやいてしまう。おまけにすぐ向いの家が新築中で大工さんたちが朝から晩まで汗だくで働いていて、その光景を見るだけで暑さ倍増。別に彼らが悪いわけではないのは分かっている、分かってはいるのだけれど。

店の奥の上がり口を入るとすぐ茶の間になっているので、だれが店にきているのかすぐにわかる。ひょこっと顔を出して挨拶をすると必ずと言っていいほど「来ったな(来てたんだね)」と声をかけられる。親しい人たちはついでに茶の間に上がって、お茶を飲んでひとしきり話をしていく。うちは店をしているのでそういつもゆっくりお茶を飲んではいられないけれど、ここはもともとお年寄りが多いこともあって、ほかの家などでは毎日のように互いの家を訪ね合ってお茶を飲み、さらにほかの家を回って...という具合に一日を過ごす人も多いらしい。わたしは高校時代から地元を離れて、そのまま東京に来てしまったのでそう地元に詳しくはないが、お茶を飲みながら最近の町の様子やちょっとしたうわさ話を聞くのはけっこう楽しい。こういう狭いコミュニティの中の他愛もないうわさ話が、時として厄介ないざこざをひき起こすこともあることもまた事実ではある。それでも、たまに帰ってきて子どものころから知っている人たちと会うのは何となくほっとする。

実家のすぐ近くの畑。昔は専業農家が多かったが、いまではたいていが別に職を持っていて、畑は少しだけ残して自家用の野菜だけを作っているというのがほとんど。でもかえってそのおかげで野菜自体はよいものになっているらしい。売るための野菜や米には、個人的にはよくないと思っていても農薬を使わなければならないが、自家用に作るのならできるだけ薬を使わずに育てることができる。このあたりでまったく農業をしていないのはうちの実家くらいなので、それを知っている近所の人たちから毎日のように取れたての野菜が集まる。母は夏の間は毎朝散歩に出るが、その帰りによくこのあたりの畑からきゅうりやなすをもいでくる。「欲しいときにはいつでも取っていっていい」という契約ができあがっているらしい。



この左側に、ちゃんと線対称に同じ長靴が同じようにさかさまに立ててあった。かかし代わりだと思う。うーん。



これもすぐ近くに残されている地元の古い農家で、18世紀頃のものらしい。中は当時と同じ状態になっている。自由に入ることができる、はず。このすぐ隣に、新しい町営の食堂が建っている。変わった形で冬に雪が降ったらさぞかし苦労しそうだが、上空から見ると白鳥の姿になっているらしい。一体誰がどうやって上空から見るのかはよく分らないけれど。看板の説明文は読もうとしないほうがあなたの目のためです。







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