ナノテク研究プロジェクト
ナノ日焼け止め
(ナノサイズの二酸化チタンと酸化亜鉛)

http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2009年12月19日
更新日:2021年 9月22日
(追加:TiO2/ZnO ナノ粒子は皮膚を浸透しないとする研究の紹介)
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/project/nano_sunscreen.html

1. 日焼け止めの仕組み2. ナノサイズの二酸化チタンと酸化亜鉛3. ナノ日焼け止めの安全性の懸念
4. 国際的なに著名な機関、NG0s、専門家、業界団体の見解

1. 日焼け止めの仕組み

 日焼け止めについては一般的に次のように言われています。

  • 日焼けは、太陽光線の中でも波長の短い紫外線が皮膚のメラニンの保護能力を越えて照射されて起きる熱傷である。
  • 過度に紫外線を受けると皮膚がんのリスクが増加すると言われている。
  • したがって紫外線をカットする日焼け止めが使用される。
  • 日焼け止めに含まれる紫外線防護方式には、紫外線を反射する紫外線散乱剤を用いる方式と、紫外線そのものを吸収して化学反応で熱や赤外線に変える紫外線吸収剤を用いる方式がある。
  • 紫外線散乱剤は紫外線を物理的に反射・散乱させて、紫外線の肌への照射を防ぐ。主に二酸化チタンや酸化亜鉛などの白色の無機粉体が使われる。
  • 紫外線吸収剤は、紫外線を吸収すると熱や赤外線などのエネルギーに変化させて放出し、紫外線の皮膚への照射を防ぐ。しかし、皮膚表面での発熱や発熱時の紫外線吸収剤の化学反応によりに皮膚に負担を与えることがある。

2. ナノサイズの二酸化チタンと酸化亜鉛

 日焼け止めには紫外線散乱剤として比較的安全であるとされてきた白色の二酸化チタンや酸化亜鉛が多く使われてきました。しかし近年は、少量の成分で紫外線防止効果を上げ、白色を透明にして仕上がり効果を上げるために、二酸化チタンや酸化亜鉛をナノサイズにした"ナノ日焼け止め"が市場に出ています。すなわち、ナノサイズにすることで単位重量当たりの表面積が各段に大きくなり、物理的特性が変わる(この場合は白から透明)というナノ粒子の特性を利用しているわけです。
 また、サンスクリーン素材として、「超微粒子二酸化チタン」、「超微粒子酸化亜鉛」と銘打った製品もウェブ上で販売されています。

 ナノの使用や粒子径を明確にしているものもありますが、一般的には、ナノ成分の表示義務がないこと及びナノ粒子の使用に対する消費者の不安を恐れて、ナノの使用を明確にしない”ナノ隠し”の傾向が世界的にあります[1]。日本ではほとんどのメーカーがナノ粒子の使用を表示していないようです。したがって消費者は製品がナノ粒子を使用しているのかどうか判断できません。

3.ナノ日焼け止めの安全性の懸念

 日焼け止めに使用される二酸化チタンや酸化亜鉛のナノ粒子については安全性に関して次のような懸念があります。
 (1) 二酸化チタンや酸化亜鉛のナノ粒子の有害性の懸念
 (2) ナノ粒子が皮膚を浸透して使用者の体内に入り込む懸念
 (3) ナノ粒子が使用後洗い流されて排水系から環境中に入り込むことの懸念
 (4) ナノ粒子を扱う研究者や労働者の暴露の懸念

3.1 二酸化チタン及び酸化亜鉛のナノ粒子の有害性が懸念される
 二酸化チタンや酸化亜鉛のナノ粒子のヒトへの有害影響を懸念させる研究報告は次々と発表されています。ここではその一部を紹介します。
  • 二酸化チタンは発がん性物質
     国際がん研究機関(IARC)は、二酸化チタンの発がん性に関して、2006年にグループ3(ヒトに対する発癌性が分類できない)から、グループ2B(ヒトに対して発がん性を示す可能性がある)に変更した[2]。製造現場における二酸化チタンの粉じん吸引が懸念される。

  • 二酸化チタンのナノ粒子はヒトのDNAを傷つける
     日焼け止めからの二酸化チタン/酸化亜鉛のナノ粒子が皮膚細胞中でフリーラディカル(遊離基)を生成し、DNA を損傷することが報告された[3]。

  • 二酸化チタン微粒子はマウスの脳細胞を損傷する
     二酸化チタンの非常に小さな粒子が実験マウスの鼻から脳へ移動し、脳細胞に損傷を与えることが示された[4]。

  • 二酸化チタンのナノ粒子はマウスの実験で神経毒性を示す
     二酸化チタンのナノ粒子がミクログリアを刺激し、急速で持続的に放出する活性酸素種(ROS)が放出時に脳環境の細胞を損傷することがある[5]。

  • 二酸化チタンのナノ粒子はマウスの中枢神経系の発達と機能に関連する遺伝子の発現に影響を与える
     これらの遺伝子と関連する疾病は、小児期に発症する自閉症、てんかん、学習障害や、主に壮年期又は高齢期に生じるアルツハイマー病、統合失調症、パーキンソン病などが含まれる[6]。

  • 酸化亜鉛と二酸化チタンはヒト肺表皮細胞のDNAを損傷
     ヒトの肺の表皮面からとった細胞ナノ物質に暴露させ、DNA損傷と酸化ストレスの指標を測定した結果、酸化亜鉛は細胞生存能力とDNA損傷への影響を示し、二酸化チタン粒子はDNA損傷だけを引き起こした[7]。

  • 酸化亜鉛ナノ粒子はヒト皮膚表皮細胞のDNA損傷
     ヒト表皮細胞を様々な濃度の酸化亜鉛ナノ粒子に暴露させたところ、異なる時間帯(3-48時間)に多くの反応と変化を観察した。暴露6時間後に、二つの高い濃度(0.8μg/ml 及び5μg/ml)著しDNA損傷が見られた。またこのナノ粒子は低濃度(0.008〜 0.8μg/ml)であっても細胞中に酸化ストレスを引き起こした。酸化ストレスは"フリーラディカル"を生成し、皮膚がんと関連している[8]。

  • 酸化亜鉛のナノ粒子はバクテリアに高い毒性を示す
    酸化アルミニウム、二酸化シリコン、酸化亜鉛のナノ粒子はテストされた3種のバクテリアに有毒であったが、酸化亜鉛は最も高い毒性を示した[9]。

  • 酸化亜鉛のナノ粒子は培養ヒト結腸細胞に有毒である
    ナノサイズの酸化亜鉛は通常サイズの酸化亜鉛に比べて2倍、培養ヒト結腸細胞に対する毒性が高い。子どもが日焼け止めを誤って口に入れることの危険性が懸念される[10]。
3.2 皮膚からの浸透が懸念される
 日焼け止めのナノ粒子がヒトの皮膚を浸透して、体内に入り込むかどうかの議論があります。化粧品団体は健康な皮膚からは浸透しないと主張しますが、日焼け、発疹、かぶれ、ニキビなど損傷を受けた健康ではない皮膚からの浸透については言及していません。
 皮膚浸透に関する研究は少ないようですが、アメリカのNGOであるエンバイロンメンタル・ワーキング・グループは発表されている科学的文献の調査の結果、亜鉛及びチタンのナノ粒子の日焼け止め成分は健康な皮膚から吸収することはないことを示していると結論付けています[21]。

 しかし、2010年2月にオーストラリアで開催されたナノテクに関する国際会議ICONN 2010 で、オーストラリアの研究者らが、亜鉛の安定同位体をトレサーとして日焼け止めに調合し、20人のボランティアに塗布する5日間の実験を海岸で行った結果、日焼け止め中の酸化亜鉛粒子からの亜鉛は健康な皮膚に浸透し、血液と尿中に観察されることを確認したと発表しました[11]。但し、亜鉛は粒子として存在するのかイオンとして存在するのか現時点では不明であるとしています。

 一般的には健康ではない皮膚からは浸透する可能性があると言われていますが、。例えば、ナノ情報を提供するウェブサイト Nanowerkは、"生体での実験は、ナノ粒子が健康な上層皮膚バリアを浸透できるかどうかの疑問にはほとんど答えておらず、日焼けで損傷を受けた皮膚を浸透するかどうかの確認もなされていない。マウスモデルを用いたナノ粒子の浸透に関する研究によれば、商業的に入手可能なクオンタムドット・ナノ粒子は、健康な肌に比べて、紫外線でダメージを受けた肌で、より容易に浸透するということを示した"と述べています [12]。

 英国王立協会・王立工学アカデミーが2004年に発表した勧告の中で、"二酸化チタンのナノ粒子は皮膚を通過しないことを示すいくつかの証拠があるが、同じ結論が太陽光で損傷を受けた皮膚や湿疹など普通にある疾病を持つ人々に当てはまるかどうか明確ではない。化粧品に用いられている他のナノ粒子 (酸化亜鉛など) が皮膚を通過するかどうかについて十分な情報がなく、これについてはもっと研究が必要である。これらの成分の安全性に関連する情報の多くは産業側の実施によって得られたもので、科学論文として公開されていない"[13]。

 欧州委員会/消費者製品科学委員会(EC/SCCP)が2007年に発表した意見[14]によれば、"従来のリスク評価においては、皮膚浸透研究は健康な又は損なわれていない皮膚を用いて実施されている。損なわれた皮膚の場合には、摂取が強まる可能性があるので安全域(MoS)でカバーされるよう考慮される。しかし、ナノ物質のリスク評価においては、従来の安全域(MoS)は適切ではないかもしれない。もし活性な組織に対する全身的吸収があるなら、皮膚から全身的循環への急速な展開をもたらすかもしれない。どのような全身的吸収も異常な皮膚状態(例えば日焼け、アトピー、湿疹、乾癬)でより多く起こりそうであるということが予測される"と述べています。

TiO2 ナノ粒子 は皮膚を浸透しないとする研究の紹介 (21/09/22)
ZnO ナノ粒子 は皮膚を浸透しないとする研究の紹介 (21/09/22)
3.3 日焼け止めのナノ粒子が環境中に入り込み、有害影響を及ぼすことが懸念される
 身体から洗い流されたり、廃棄された日焼け止めのナノ粒子の環境運命及び環境へ及ぼす影響についての研究はほとんど行われていません。したがって、今後、環境運命及び環境へ及ぼす影響についての研究が必要です。
 そのような状況の中で酸化亜鉛のナノ粒子はバクテリアに高い毒性を示すことが報告されており[9]、環境中に放出された日焼け止めのナノ粒子が生態系に有害影響を及ぼすことが懸念されます。

 また、アメリカの研究者らは、光合成と窒素固定の両方を行なう藻(シアノバクテリア)を、下水処理排水中に存在するのと同レベルの二酸化チタン・ナノ粒子に曝露させると、光合成と窒素固定が抑制され、水生生態系の窒素と炭素の循環がかく乱されることを示しました[9-1]。バクテリアは二酸化チタン・ナノ粒子に曝露すると環境的ストレスを受けてバクテリアの成長は90%低下し、また窒素を多く含むCGP微粒(たんぱく質)を合成して96時間以内に細胞の断面積の16%以上を占めた。細胞成長が遅くなると光合成はとまり、細胞の二酸化炭素取り込みは低下するとしています。一方、CGP微粒が合成されると固定窒素の生成が抑制されるので、この二つのことは、二酸化チタン・ナノ粒子が水生生態系の炭素と窒素の循環をかく乱することを示唆しているとしています。

3.4 ナノ粒子を扱う研究者や労働者の暴露が懸念される
 ナノテク産業が拡大するとともに、ナノ粒子を開発する研究者だけでなく、労働者も、ナノ粒子を含む製品の製造、包装、処理、輸送、設備の保守・点検の間にナノ粒子に暴露する懸念が高まっています。現在、ナノ粒子への暴露に関して安全レベルというものがあるのかどうかを含めて分かっておらず、また労働者のナノ暴露を検出し暴露から保護する信頼性のあるシステムはありません。ナノ粒子によって及ぼされる新たなリスクは既存の技術や規制では管理できません。特に二酸化チタンや酸化亜鉛のナノ粒子の製造量/使用量は他のナノ粒子に比べて多く、(2006年度国内使用量:二酸化チタン/酸化亜鉛:約1,250トン/約48トン)[15]、今後もその使用量が著しく増大することが予想されるので、研究段階や製造現場での暴露が懸念されます。
 デューク大学の研究者らによれば、現在の世界のバルク形状(従来のサイズ)の二酸化チタンの製造量は年間約400万トンで、そのうちアメリカだけで年間130万トンであるが、今後数年間で市場にあるナノ形状の二酸化チタンの量は増大し続け、2025年までにバルク形状のものの使用に置き換わる可能性があるとしています[16]。

4.国際的なに著名な機関、NG0s、専門家、業界団体の見解

 ナノ化粧品や特にナノ日焼け止めの安全性については、業界団体は当然のことながら安全性を強調しますが、国際的に著名な機関、専門家、NGOsは懸念を示しています。その懸念を集約すると下記のようになります。

  • ナノ化粧品中のナノ粒子がヒトの皮膚を浸透するかどうかの研究はまだ不十分であり、特に損傷を受けた皮膚からの浸透についての懸念がある。
  • ナノ粒子は環境へ負荷を及ぼす可能性があるので製造・使用・廃棄にいたる完全なライフサイクル評価が必要である。
  • ナノ粒子に対する表示義務とテスト実施義務がないために、ほとんどの製造者は製品にナノ粒子を使用しているかどうかを含めてナノ粒子とテストに関する情報を公開せず、製品にも表示していない。
  • 製品へのナノ表示がないので消費者は情報に基づく選択をすることが出来ず、知らぬ間にナノ製品を使わされることになる[17]。

環境及び消費者4団体のうち3団体(地球の友(FoE)オーストラリア、天然資源防衛協議会(NRDC)、コンシューマ・ユニオン)は、ナノ日焼け止めはリスクがあるので反対、又は懸念があるので推奨しないという立場ですが、エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)は、リスクとベネフィットを勘案して、ナノサイズの成分を含むいくつかの日焼け止めを推奨するとしています。EWGは健康ではない皮膚からの浸透によるヒト健康へのリスク、及び環境に排出されるナノ粒子の環境へ及ぼすリスクについての評価を行っていません。

 以下に、英国王立協会・王立工学アカデミー、欧州委員会/消費者製品科学委員会(EC/SCCP)及び環境・消費者団体、専門家及び業界団体の見解を紹介します。

4.1 英国王立協会・王立工学アカデミー
2004年7月29日『ナノ科学、ナノ技術:機会と不確実性−要約と勧告』[13]
結論:皮膚吸収の評価は正常及び異常の両方の皮膚について考慮されるべきである。

 もし、ナノ粒子が皮膚を通過するなら、細胞に損傷を与えることになる活性分子の生成を容易にすることになる。化粧品に用いられている二酸化チタンのナノ粒子は皮膚を通過しないことを示すいくつかの証拠があるが、しかし同じ結論が太陽光で損傷を受けた皮膚や湿疹など普通にある皮膚の疾病を持つ人々に当てはまるかどうか明確ではない。
 化粧品に用いられている他のナノ粒子 (酸化亜鉛など) が皮膚を通過するかどうかについて十分な情報がなく、これについてはもっと研究が必要である。これらの成分の安全性に関連する情報の多くは産業側の実施によって得られたもので、科学論文として公開されていない。
 一般論として、ナノ粒子に対する重要な勧告のひとつは、ナノ粒子はリスクの観点から新規物質として扱われるべきであり、ナノ粒子の大きな表面積は質量単位あたりの有毒性を高めるかもしれず、質量ベースの暴露評価はナノ物質には適切ではないかもしれない。

4.2 欧州委員会/消費者製品科学委員会(EC/SCCP)
2007/12/18『化粧品中のナノ物質の安全性に関する意見 エグゼクティブ・サマリー』[14]
結論:損なわれた皮膚の場合には、摂取が強まる可能性がある。

 焼け止め中のナノ粒子は二つのグループに分けることができる。
 i) 皮膚に塗ると分子成分に分解する溶解性又は生物分解性ナノ粒子(例えば、リポソーム、マイクロエマルジョン、ナノエマルジョン)
 ii) 不溶解性粒子(例えば、二酸化チタン、フラーレン、クオンタムドット)

 最初のグループについては、質量測定に基づく従来のリスク評価手法が適切かもしれないが、不溶解性粒子については、粒子数のような他の測定、及び表面積や粒子分布もまた必要である。
 摂取に関連する健康への潜在的懸念が生じるかもしれないのは、主にこの不溶解性粒子である。もしそれらが全身的な転移/移動が可能なら、最終的には2次目標組織での蓄積が起こるかも知れない。このことは化粧品を繰り返し使用するときに重要になるであろう。必然的に不溶解性ナノ粒子は環境への負荷を及ぼすので完全なライフサイクル評価が求められる。
 従来のリスク評価においては、皮膚浸透研究は健康で損なわれていない皮膚を用いて実施されている。損なわれた皮膚の場合には、摂取が強まる可能性があるので安全域(MoS)でカバーされるよう考慮される。しかし、ナノ物質の場合には、従来の安全域(MoS)では安全性の適切な表現を与えないかもしれない。
 もし活性な組織に対する全身的吸収があるなら、皮膚から全身的循環への急速な展開をもたらすかもしれない。どのような全身的吸収も異常な皮膚状態(例えば日焼け、アトピー、湿疹、乾癬性)でより多く起こりそうであるということが予測される。
 ナノ物質の体内分布(トキシコキネティクス)は、詳細には研究されていない。
 日焼け止めで現在使用されているナノ物質について、2003年の酸化亜鉛に関する見解(SCCNFP/0649/03)の中で、ナノサイズの酸化亜鉛に関する安全性データ文書の提出が化粧品及び非食品に関する科学委員会(SCCNFP)によって求められた。
 最近の情報に照らしてナノサイズの二酸化チタンの安全性を検証し、病理学的な皮膚異常と皮膚浸透に関する機械的反応の影響の可能性を考慮する必要があると考えている。
 化粧品の安全評価に対して、化粧品指令第7次修正(Amendment of the Cosmetic Directive (76/678/EEC))は動物テストの禁止を課しており、このことは、現在は化粧品の、将来はそれらの成分のインビボ・テストを禁ずるものであることを消費者製品科学委員会(SCCP)は強調する。インビトロ・テストで確認された手法のみ使用してもよいが、現在はナノ物質について上記の手法で確立されたものはまだない。

4.3 地球の友(FoE)オーストラリア

Nanomaterials, sunscreens
and cosmetics
Friends of the Earth Australia
『2006年5月報告書 ナノ物質:日焼け止めと化粧品:小さな成分、大きなリスク』[18]
結論:安全が確保されるまでナノ化粧品を市場へ出すことを中止すべき

 地球の友(FoE)は、適切で公開され、ピアレビューされた安全性研究が完了し、一般大衆やこれらの製品を製造する労働者、そして廃棄物が排出される環境を保護するために、適切な法が制定されるまで、ナノ物質を含む身体手入れ用品を市場に出すことを中止し、現在市場にあるそのような製品を市場から撤去するべきであると信じる。

情報が公開されていない
 危険な紫外線から守るために日焼け止めをたっぷり塗ることで、新たな危険に身を曝しているかもしれない。日焼け止め製造者は二酸化チタンや酸化亜鉛のような日焼け止め成分を肌に塗った時に白色ではなく透明にするためにナノ粒子を加えている。顔クリームやモイチャライザーにはフラーレンも使用されている。
 これらのナノ粒子は適切な表示や信頼ある情報なしに加えられている。"地球の友"は120社以上の日焼け止め製造者にナノテクノロジーに関する会社の方針及び製品にナノ粒子を含んでいるかどうかを問い合わせた。わずか9社だけがナノ粒子を含まない製品を売っていると述べ、24社はナノ粒子を含む日焼け止め製品を持っていることがわかり、95社は会社の方針及び成分が不明であるか又は調査へ回答しなかった。
 このことは表示義務と規制の必要性、及び消費者がどの日焼け止めを使うか注意を払う必要性を強調している。

職業的暴露に関連するリスク
 化粧品製造におけるナノ物質の使用の増大は製造に関わる労働者とそれらが放出される環境の両方に対する新たなリスクを及ぼすということを認識することが重要である。ナノ物質によって及ぼされる新たなリスクは既存の規制システムでは管理されていない。
 ナノ物質を開発する研究者だけでなく、労働者も、ナノ物質を含む製品の製造、包装、処理、輸送の間にナノ粒子に暴露するかもしれない。暴露はまた研究・製造施設の保守及び清掃中にも起きるかもしれない。現在ナノ物質暴露の安全レベルというものは分かっておらず、労働者をナノ暴露から保護する信頼性のあるシステムと装置はない。

環境リスク
 ナノテク産業が拡大するとともに、ナノ汚染もまた、一連の製造廃棄物の排出及び取扱及び輸送中の事故による放出の結果として拡大するであろう。
 家庭ナノ廃棄物の排出も、ナノ物質を含む化粧品、日焼け止め、身体手入れ品が洗顔やシャワーでかつてなく大量に洗い出されて排水系に流れ込み、あるいは水泳や日光浴をする人の体から直接海や湖に入り込む。しかしナノ物質の環境的有害性に関する情報はほとんどない。有害環境影響に関する数少ない情報の中に、カーボン・フラーレンが大口バスの脳を損傷するという報告がある。フラーレンはミジンコを殺すことも知られている。ライス大学の研究者らはナノ粒子がカドミウムや石油化学物質など既に環境中にある汚染物質と結合しやすく、このことが地下水を通じてナノ物質が長期間、広範に移動する潜在的な可能性を示している。

 さらに、地球の友(FoE)はコンシューマ・ユニオン、国際技術評価センター(ICTA)と共に『2009年8月報告書 工業用ナノ物質と日焼け止め:予防のための主な理由』を発表しました[19]。
 この報告書は、日焼け止めにナノ粒子を加えることは、”たいして得るものもないのに不必要な潜在的なリスクをヒト健康と環境に及ぼすものである”とし、予防的措置をとるべき理由として次の8項目を挙げています。
  1. ナノ物質は通常のサイズの物質とは特性が異なるので、ヒト健康と環境に予測できない影響を及ぼす可能性がある。
  2. ナノ物質は体内で器官や組織に侵入する。
  3. ある条件下ではナノ成分は皮膚を通過することがある。
  4. 上級科学者らはナノ物質が製品中で使用される前の義務的な上市前安全テストの実施を要求している。
  5. ナノ物質が次世代に有害影響を及ぼす可能性を示す研究報告がある。
  6. ナノ製品製造時の労働者の暴露及び、ナノ製品製造・使用・廃棄時の環境放出が懸念される
  7. 日焼け止め及び化粧品中のナノ物質は皮膚にダメージを与える。

    Safe Sunscreen
    Guide 2009-10
    FoE Australia
  8. 消費者はナノを使用しない日焼け止め製品で太陽の有害な紫外線から効果的で透明な保護を得ることができる。
 さらに、地球の友(FoE)オーストラリアは「2009年12月22日 安全な日焼け止めガイド 2009/2010夏」を発表しました[20]。FoEは、日焼け止め 87 ブランド及び化粧品 61 ブランドについて、質問票に対する会社の回答に基づき、ナノ粒子/紫外線吸収剤を使用していない(8%、8%)、ナノ粒子を使用していない(21%、18%)、回答しない(68%、61%)、ナノ粒子を使用している(3%、13%)、についてブランド名をリストにし、ナノを使用しているかいないかについて、消費者が情報に基づき選択できるようにしています。半分以上が回答しないのは明らかに”ナノ隠し”であると考えられます。

ナノ製品を非ナノ製品として表示?
 地球の友は、オーストラリアの二つの会社、 Antaria Limited 社と Ross Cosmetics 社を、ナノ日焼け止め成分を”非ナノ(non-nano)”及び”ナノ粒子不使用(nanoparticle-free)”として市場に出したことは人を誤解させ欺く行為であるとしてACCC(オーストラリア競争・消費者委員会)に訴えました。これらの成分を非ナノとして使用していたオーストラリア最大の日焼け止めブランドのいくつかが影響を受けたが、それらには、 Cancer Council 社の”Classic”、Invisible Zinc 社の”Junior”と”Body” サンスクリーン、 Coles 社の”Sports”、及びWoolworths 社の”Clear Zinc”などが含まれています。Antaria 社への告訴は、公衆健康協会(Public Health Association)、オーストラリア教育組合(Australian Education Union)、オーストラリア労働組合協議会(Australian Council of Trade Unions)を含む広範な団体により支持されています。 Mukti 社はこの発覚に対応して、影響を受けた製品を市場から回収しましたとのことです[20-1]。
 また、Antaria社の日焼け止め成分(酸化亜鉛)はアメリカとヨーロッパにも輸出されており、特にヨーロッパでは多くの日焼け止め製品がこの成分をnon-nanoとして使用しているとのことで、ヨーロッパを中心とする有機製品の認定機関 Ecocert は現在、非ナノとしてリストされている当該製品を独自のテストで見直すとしています[20-2]。

4.4 コンシューマ・ユニオン
コンシューマ・リポート/日焼け止め中のナノ粒子に関するFAQ [21]
結論:データが不十分でありナノ化粧品に懸念を持っているが、選択は消費者自身がすべき。

Q:コンシューマ・ユニオンは亜鉛又は酸化チタンを含む日焼け止めの使用しないことを推奨するのか?
A:我々は酸化亜鉛と二酸化チタンの潜在的な毒性について懸念を持っているが、今日までに入手可能な研究結果は日焼け止め中のこれらのナノ粒子の決定的なリススク評価を提供するには十分ではない。消費者はこれら及び他の製品処方の便益に対する不確実なリスクを自分自身で勘案する必要がある。
これらの成分のFDAの承認はナノサイズ粒子の存在又は安全性を特に考慮していない。FDAは全ての安全評価を実施し、工業的ナノ粒子を含む製品は消費者の情報に基づく選択を可能にするためにラベル表示をさせるべきである。

Q:海水浴場の見張りの鼻に白く塗られているような古いタイプの不透明な酸化亜鉛日焼け止めはどうか?それらはナノ粒子を含んでいるのか?効果はどうか?
A:我々がテストしたとき、我々は皮膚に塗ったときに不透明であるような製品をアメリカの市場で探すことは容易ではなかった。我々はそのような製品が天然由来のナノ粒子を使用しているのか、又はナノ粒子との混合なのか、あるいはそのような製品がUVA 及び UVBへの暴露からよく保護するのかどうかわからない。

4.5 エンバイロンメンタル・ワーキング・グループ(EWG)
ナノテクノロジーと日焼け止め[22]
結論:ナノサイズの成分を含むいくつかの日焼け止めを推奨する。

調査当初はナノサイズの二酸化チタンや酸化亜鉛を含む日焼け止めに反対する結論になると考えていたが、最終的には考えが変わり、ナノサイズの成分を含むいくつかの日焼け止めを推奨する。

 我々は、消費者が亜鉛やチタンを使用しない日焼け止めを使用すると、使用したものに比べて平均20%多くの紫外線に暴露し、紫外線に起因する皮膚がん、皮膚の老齢化、小じわ、免疫系の損傷が増加することを発見した。
 我々は、亜鉛やチタンを使用しない日焼け止めは、がんや出生障害、生殖、子どもの脳の発達に影響を与えることが知られている又は疑われる成分を平均4倍多く含んでいることを発見した。
 我々は、皮膚吸収に関する16のピアレビューされた研究を検証したが、ほとんどすべての研究が微小な亜鉛とチタンの成分は健康な皮膚からは吸収されないことを示していた。
 亜鉛やチタンとは対照的に、一般的な日焼け止め成分オクチノクセート及びオキシベンゾンは、ある研究によれば、大量に健康な皮膚に浸透する。これらら二つの日焼け止めはアレルギー反応を起こし、ホルモンによる子宮障害、乳がん等を引き起こす可能性がある。
 全てを考慮すると、EWGの研究者らは、入手可能な証拠に基づけば、亜鉛やチタンベースの調合が安全で効果的であると結論付けた。
 EWGは、ナノであろうとなかろうと全ての日焼け止めのためのもっと多くの安全研究を要求している。我々は、これらの成分がいつどのくらい皮膚に浸透するのか理解するためのもっと多くのデータを要求しており、科学に基づく健康リスクの評価を主張している。ナノスケールの成分について我々はまた、消費者が情報に基づく選択ができるよう完全な表示を要求している。
 ナノ物質を取り巻く安全性の懸念から、製造者がナノスケールの亜鉛とチタンを使用していないと主張する場合がある。2009年の調査でEWGはナノ粒子を使用していないと主張する16製造者を特定した。消費者は、これらの主張に懐疑的になる方が良い。

4.6 NRDC ジェニファー・サス氏 2008年3月9日記事
科学者ら化粧品中のナノ物質を警告[23]
結論:潜在的なリスクがある。私はドロッとした白い日焼け止めで十分である。

 欧州連合の科学委員会は、日焼け止めを含んで化粧品中のナノ物質の潜在的なリスクを評価するための現在のアプローチは不適切であると結論付ける報告書を発表した。リスク評価アプローチの徹底的なレビューの後に同委員会は、"日焼け止めに現在使用されている不溶解性ナノ物質の安全性レビューが必要である"とし、化粧品に用いられている全てのナノ物質について個別のリスク評価を勧告した。
 重要なことに、同委員会はまた、ナノ物質が皮膚を浸透し体内に残留し、臓器と体組織に蓄積し、健康障害を引き起こす可能性を評価するために、"新たな方法論を早急に開発する"ことを求めた。現在までのところ、ほとんどのテストは健康な無傷の皮膚で行われていたので、同報告書はナノ物質が傷のある、日焼けした、又は疾病のある皮膚を浸透する可能性を検証するテストを特に求めている。
 多くの日焼け止めは亜鉛またはアルミニウムのナノ物質を含んでいる。通常のサイズでそれらは日焼け止めとして効果があるが、ナノスケールでは日焼け止めにもっと流動性と白ではない透明性を与えて化粧品としての付加価値を高めている。それらの潜在的なリスクはどうか? 私はドロッとした白い日焼け止めで十分である。

4.7 Nanowerk Spotlight マイケル・バーガー氏 2008年8月20日記事
日焼けによる皮膚のダメージはナノ粒子の皮膚浸透のリスクを増大させる[24]
結論:日焼けによる皮膚のダメージはナノ粒子の皮膚浸透のリスクを増大させる。

 クオンタムドット・ナノ粒子は、健康な肌に比べて紫外線でダメージを受けた肌で、より容易に浸透する。浸透した微量のナノ粒子が、状況、ナノ粒子の生体内での溶解性、及び排出ルートに依存して、有害影響を引き起こすことがあるということは想像できる。
 日焼け止めに使用されている二酸化チタン及び酸化亜鉛の有害副作用影響はまだ報告されていない。実験にクオンタムドットを使用した理由は、皮膚中で直接的な蛍光画像を可能としたからである。クオンタムドットの効率的な紫外線吸収と蛍光特性は、様々なバイオテクノロジー、軍事、セキュリティーの分野での用途が急速に拡大し、化粧品や紫外線遮断応用分野での用途が検討されている。
 これらの物質は、潜在的な長期的有害健康リスクを避けるために、皮膚浸透を防ぐよう設計されることが必須である。
 ロチェスター大学の科学者らの研究目標は、浸透のメカニズムと程度に与えるナノ物質表面化学とサイズの影響を完全に特性化することである。

4.8 米・化粧品・トイレタリ・香料工業会(CTFA)
化粧品業界がナノ粒子の安全性を食品医薬品局(FDA)に訴える[25]
結論:酸化亜鉛と二酸化チタンのナノ粒子は安全・非毒性で、化粧品と日焼け止め剤に使用されても問題ない。

 米Medical News Today 2006年9月20日の記事は、米・化粧品・トイレタリ・香料工業会(CTFA)が身体手入れ用品中の科学と規制に関して米食品医薬品局(FDA)に包括的なコメントを提出した報道しました。この記事については nanonet ナノテク最新事情 #601 : 2006年9月21日が「化粧品業界がナノ粒子の安全性を食品医薬品局(FDA)に訴える」として日本語で紹介しています。尚、CTFA は現在 The Personal Care Products Council と名称を変更しています。
 このコメントは身体手入れ用品、特に日焼け止め製品中でのナノテクノロジーの使用について焦点を当てており、業界として当然のことながら、”安全である”と次のように主張しています。

 ”日焼け止め中の二酸化チタンと酸化亜鉛のナノ粒子は、効果のあるサンスクリーン・フィルターとして数十年間、市場での実績を確立している。1996年、FDAは二酸化チタンのマイクロ化された小さな粒子は新規物質ではなく、これらのマイクロ化された粒子が安全ではないとする証拠はないと結論付けた。ナノサイズの二酸化チタンと酸化亜鉛は、より大きな粒子サイズの成分とは異なり、白色の厚いコーティングではなく透明であり、そのことが日焼け止め製品として消費者に受け入れられ、皮膚がんやその他の太陽による損傷から皮膚をよりよく守っている。美容成分における同様な改善もまた化粧品中のこれらの物質の使用に応用されている”。


参照

[1] EurActiv, 15 June 2009 Nanotech claims 'dropped' for fear of consumer recoil
http://www.euractiv.com/en/science/nanotech-claims-dropped-fear-consumer-recoil/article-183183
EurActiv 2009年6月15日 ナノ製品であることの主張 ”後退” 消費者の懸念を恐れ
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/EurActiv/euractiv_090615_nanotech_claims_dropped.html

[2] IARC /TITANIUM DIOXIDE (Group 2B)
http://monographs.iarc.fr/ENG/Meetings/93-titaniumdioxide.pdf

[3] Dunford, Salinaro et al. "Chemical oxidation and DNA damage catalysed by inorganic sunscreen ingredients," FEBS Letters, volume 418, no. 1-2, 24 November 1997, pp. 87-90.
ETCグループ(カナダ)報告 2004年4月1日 ナノが引き起こした水汚染
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/etc/ETC_Nano_Troubled_Waters.html

[4] Jiangxue Wang et al. 2008.
Time-dependent translocation and potential impairment of central nervous system by intranasally instilled TiO2 nanoparticles. Toxicology doi: 0.1016/j.tox.2008.09.014.
EHN 2008年11月17日 論文解説 二酸化チタン ナノ粒子が脳細胞を傷つける
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/ehn/ehn_081117_TiO2.html

[5] Titanium Dioxide (P25) Produces Reactive Oxygen Species in Immortalized Brain Microglia (BV2): Implications for Nanoparticle Neurotoxicity Environ. Sci. Technol., 2006, 40 (14), pp 4346-4352 DOI: 10.1021/es060589n
http://www.innovationsgesellschaft.ch/images/fremde_publikationen/TO2%20ROS%20in%20Brain.pdf
米化学会 ES&T 2006年6月7日 TiO2 ナノ粒子 脳細胞にダメージを与える可能性 米EPA研究者らの報告
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/est/060607_est_nano_TiO2.html

[6] SAFENANO 30/07/2009 Nanoparticles Affect Brain Development In Mice
http://www.safenano.org/SingleNews.aspx?NewsID=783
SAFENANO 2009年7月30日 TiO2 ナノ粒子 マウスの脳の発達に影響を与える
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/safenano/090730_TiO2_Brain_Development_Mice.html

[7] Karlsson, HL, P Cronholm, J Gustafsson and L Moller. 2008. Copper oxide nanoparticles are highly toxic: a comparison between metal oxide nanoparticles and carbon nanotubes. Chemical Research in Toxicology online August 19.
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/tx800064j
米化学会 Chemical Research in Toxicology online 2008年8月19日 酸化銅ナノ粒子は非常に有毒 金属酸化物ナノ粒子とカーボンナノチューブの比較 (アブストラクト)/Environmental Health News による論文紹介 2008年10月7日 消費者製品中に見出されるナノ物質は細胞DNAを損傷する
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/acs/crt_080819_CuO_nano.html

[8] Sharma, V., Shukla, R.K., Saxena, N. et al. (2009). DNA damaging potential of zinc oxide nanoparticles in human epidermal cells. Toxicology Letters. Doi: 10.1016/j.toxlet.2009.01.008.
http://fbae.org/2009/FBAE/website/news_09_04_science_for_environment_policy_nanomaterials.html
米化学会 Chemical Research in Toxicology online 2008年8月19日 酸化銅ナノ粒子は非常に有毒 金属酸化物ナノ粒子とカーボンナノチューブの比較(アブストラクト)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/acs/crt_080819_CuO_nano.html

[9] Bacterial toxicity comparison between nano- and micro-scaled oxide particles, Wei Jianga, Hamid Mashayekhia and Baoshan Xing, Environmental Pollution doi:10.1016/j.envpol.2008.12.025
Nanowerk 2009年4月16日 サイズが問題である 微生物への毒性をナノ粒子で比較
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/090416_size_matters.html

[9-1] Chemical & Engineering News, September 30, 2010 TiO2 Nanoparticles in the Environment by Steve Miller
Chemical & Engineering News, September 30, 2010 TiO2 Nanoparticles in the Environment by Steve Miller
C&EN 2010年9月30日 環境中の二酸化チタン・ナノ粒子
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/C&EN/100930_C&EN_TiO2_in_environment.html

[10] SAFENANO 08/04/2010 Evidence that nanoparticles in sunscreens could be toxic if accidentally eaten
http://www.safenano.org/SingleNews.aspx?NewsId=1016
酸化亜鉛のナノ粒子は培養ヒト結腸細胞に有毒である
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/safenano/100408_zinc_oxide_sunscreen.html

[11] ICONN 2010 February, 2010, Dermal absorption of ZnO particles from sunscreens applied to humans at the beachs
http://realizebeauty.files.wordpress.com/2010/02/iconn2010-abstract-gulson1.pdf
ICONN 2010 / 2010年2月22-26日 海岸でヒトに塗布した日焼け止めからの酸化亜鉛の皮膚吸収
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/100222-26_Dermal_absorption_ZnO.html

[12] Sunburn increases risk of nanoparticle skin penetration
http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=6838.php
Nanowerk Spotlight 2008年8月20日記事の概要紹介 日焼けによる皮膚のダメージはナノ粒子の皮膚浸透のリスクを増大させる
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/080820_sunburn_summary.html

[13] Nanoscience and nanotechnologies:opportunities and uncertainties. The Royal Society & The Royal Academy of Engineering, 29 July 2004
http://www.nanotec.org.uk/report/summary.pdf
英国王立協会・王立工学アカデミー報告 2004年7月29日 ナノ科学、ナノ技術:機会と不確実性−要約と勧告
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/royal_society/RS_summary.html

[14] Scientific Committee on Consumer Products (SCCP) OPINION ON SAFETY OF NANOMATERIALS IN COSMETIC PRODUCTS Adopted by the SCCP after the public consultation on t 18 December 2007
http://ec.europa.eu/health/ph_risk/committees/04_sccp/docs/sccp_o_123.pdf
2007年12月18日 欧州委員会/消費者製品科学委員会(EC/SCCP) 化粧品中のナノ物質の安全性に関する意見 エグゼクティブサマリー
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/eu/SCCP_071218_nano_cosmetic.html

[15] 工業用ナノ材料に関する環境影響防止ガイドライン 平成21年3月 ナノ材料環境影響基礎調査検討会 表A ナノ材料の種類、使用状況、用途等/環境省
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=13177&hou_id=10899

[16] ES&T Science News, July 28, 2009 Hunting for engineered nanomaterials in the environment, Naomi Lubick
http://pubs.acs.org/doi/full/10.1021/es902174z
米化学会ES&T 2009年7月28日 環境中の工業的ナノ物質を探す
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/est/090728_est_nanomaterials_in_environment.html

[17] Nanowerk News, November 17, 2009 Dude, nobody told me I was a nanotechnology consumer! By Michael Berger
http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=13566.php
Nanowerk 2009年11月17日 私がナノテク消費者であったことを誰も告げてくれなかった!
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/091117_nanotech_consumers.html

[18] Friends of the Earth (FoE) Australia
Nanomaterials, sunscreens and cosmetics: Small ingredients, big risks May 2006
http://nano.foe.org.au/sites/default/files/FoEA%20nano%20cosmetics%20report%202MB.pdf

[19] Manufactured Nanomaterials and Sunscreens: Top Reasons for Precaution, August 19, 2009 by Friends of the Earth, the Consumers Union, and the International Center for Technology Assessment (ICTA)
http://www.foe.org/sites/default/files/SunscreensReport.pdf

[20] Friends of the Earth Australia, 22 December 2009 Safe Sunscreen Guide 2009-10
http://nano.foe.org.au/sites/default/files/2009-2010%20safe%20sunscreen%20guide.pdf
FoE オーストラリア 2009年12月22日 安全な日焼け止めガイド 2009/2010夏
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/FoE_au/FoE_au_Safe_Noscreen_Guide_2009-10.html

[20-1] Friends of the Earth Australia MEDIA RELEASE, July 25, 2012
More major sunscreen brands misled by non-nano claims, showing regulatory failure
http://www.foe.org.au/articles/2012-07-24/more-major-sunscreen-brands-misled-non-nano-claims-showing-regulatory-failure
FoE オーストラリア メディア・リリース 2012年7月25日 大手日焼け止めブランド ナノを使用していないと誤解させる 規制の失敗を示す
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/FoE_au/FoE_au_120725_sunscreen.html

[20-2]ABC August 1, 2012, Concerns about Nano-materials in sunscreen spread to Europe
http://www.abc.net.au/am/content/2012/s3557888.htm

[21] Consumer Reports. Nanotechnology has consumers talking: join the conversation FAQ on nanoparticles in sunscreens
http://blogs.consumerreports.org/safety/2007/10/nanotechnology-.html

[22] Environmental Working Group Nanotechnology & Sunscreens
http://www.ewg.org/cosmetics/report/sunscreen09/investigation/Nanotechnology-Sunscreens

[23] NRDC Jennifer Sass's Blog, March 9, 2008 Scientists warn against nanomaterials in cosmetics
http://switchboard.nrdc.org/blogs/jsass/scientists_warn_against_nanoma.html

[24] Sunburn increases risk of nanoparticle skin penetration By Michael Berger, August 20, 2008
http://www.nanowerk.com/spotlight/spotid=6838.php
Nanowerk Spotlight 2008年8月20日記事の概要紹介 日焼けによる皮膚のダメージはナノ粒子の皮膚浸透のリスクを増大させる
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/nano/news/080820_sunburn_summary.html

[25] Medical News Today, 20 Sep 2006
Cosmetic Industry Files FDA Comments On Use Of Nanoparticles In Personal Care Products
http://www.medicalnewstoday.com/articles/52309.php
ナノテク最新事情 #601 : 2006年9月21日
化粧品業界がナノ粒子の安全性を食品医薬品局(FDA)に訴える http://utsusemi.nims.go.jp/japanese/column/2006/601.html



化学物質問題市民研究会
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