SAFENANO 2010年4月8日
日焼け止め中のナノ粒子は
もし飲み込めば有毒である


情報源:SAFENANO 08/04/2010
Evidence that nanoparticles in sunscreens could be toxic if accidentally eaten
http://www.safenano.org/SingleNews.aspx?NewsId=1016

オリジナル研究:
ZnO Particulate Matter Requires Cell Contact for Toxicity in Human Colon Cancer Cells
Philip J. Moos*, Kevin Chung, David Woessner, Matthew Honeggar, N. Shane Cutler and John M. Veranth
Department of Pharmacology and Toxicology, University of Utah
Chem. Res. Toxicol., Article ASAP DOI: 10.1021/tx900203v, February 15, 2010
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/tx900203v

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2010年4月15日


 科学者らは、日焼け止め中で広く使われている酸化亜鉛の毒性には粒子サイズが影響を与えると報告している。100ナノメートルより小さい粒子は通常サイズの酸化亜鉛より結腸細胞に対して若干、毒性が高い。固体酸化亜鉛は、同等な量の溶解性亜鉛よりも毒性が強く、細胞死を引き起こすためには粒子の細胞への直接的接触が必要である。この研究は米化学会(ACS)の月刊ジャーナル『Chemical Research in Toxicology』に、"ZnO Particulate Matter Requires Cell Contact for Toxicity in Human Colon Cancer Cells"として発表された。

 フィリップ・ムースと同僚らは、様々なナノ粒子の潜在的な毒性について現在時点では懸念があり、そのことはより大きな粒子とは異なる物理的及び化学的特性に由来すると述べた。ヒトの毛髪の太さのわずか50,000分の1というナノ粒子は食品、化粧品、その他の消費者製品中で使用されている。ある日焼け止めは酸化亜鉛を含んでいる。”子どもたちがうっかり日焼け止め製品を口に入れてナノサイズの酸化亜鉛に非意図的に暴露するということは、典型的な公衆の懸念である”と結腸におけるナノ物質影響研究への動機を述べつつ、科学者らは言及している。

 結腸細胞の培養細胞の研究で、ナノ粒子の酸化亜鉛と通常の粉体としての固体酸化亜鉛の影響を比較した。彼らはナノ粒子はより大きな粒子に比べて2倍細胞毒性が強いことを発見した。通常サイズの酸化亜鉛の名目上の粒子サイズは1,000倍大きいが、それは広範な粒子サイズのものを含み、ナノ粒子と考えられる小さな粒子も含んでいる。結腸細胞に有毒なナノ粒子の濃度は2グラムの日焼け止めを食べることと同等である。
 この研究は生物学的影響を調べるために隔離された細胞を使用し、消化管を通過する間に生じる粒子の変化については考慮していない。科学者らは、亜鉛ナノ粒子の細胞毒性が実験動物やヒトに生じるかどうか調べるために、さらなる研究が必要であると述べている。

(Source: American Chemical Society)



化学物質問題市民研究会
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