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Patrinia villosa

男郎花(オトコエシ)

オトコエシの出てくる俳句や漫画などをご紹介しています。

オミナエシ科の多年草

〔別名〕おとこめし・荼の花・敗醤 〔花期〕夏の終わりから秋(8月〜10月)  

〔花言葉〕野性味

オミナエシと同属。漢名である敗醤は、臭いが豆醤に似ているため。

 

<俳句>


淋しさを こらへて白し 男郎花 (正岡子規)

相逢うて 相別るゝも 男郎花 (高浜虚子)

小笹吹く 風のほとりや 男郎花 (北原白秋)

<漫画>


波津彬子 「幽かな花」(『雨柳堂夢咄 6』収録) 朝日ソノラマ

久馬顕充に幽霊画を見せてもらう約束をしていた日鶴は、父を訪ねてきた弓岡を誘って久馬のところへ。
少し席を外して戻ろうとするときに、絵を描くのかと声をかけてきた女性がふいに消えたのでぞっとする日鶴だが、その後出会った人の連れと知り安堵する。
しかし、家に戻ると、先ほど声をかけてきた女性が客として日鶴を待っており、ここにある絵を描き直してほしいと訴えてきて……。

念者の戦死を知った少年が後を追って討ち死にする
二人の塚に名も知れぬ花が咲いて
それが男郎花だという説話だ
 (p.34)

+ + +

絵からこぼれる花のシーンがとても美しいです。