2013年 コンテンツのまとめ
2013年までのコンテンツを分かりやすく簡素にまとめてみました。 シミュレーションや実測結果から「Uncle-EG の検討結果」を表にしています。 良かったらエレキギター部品選択の参考リストとしてご利用ください。 2013年のコンテンツは薄緑で色分けしています。

項目 Uncle-EG の検討結果 関連リンク
ギターアンプ
トーン調整
#定番ギターアンプ JC-120 のトーン調節方法
[一般的なやり方]TREBEL/MIDDLE/BASS すべてセンター位置 からトーン調節を始める。
[フラットな特性重視]MIDDLE つまみ全開位置、TREBEL/BASS センター位置 からトーン調節を始める。
(A)ギターアンプ トーン回路の周波数特性(JC-120)
ケーブルの静電容量 #ケーブルの静電容量(pF)が音に影響するので、ケーブル選択の目安にする。
#ケーブルの静電容量(pF) が大きいほど、ピークの周波数(共振周波数)が 低くなり、ピーク値が大きくなる。
#ケーブルの長さが2倍になると、静電容量も2倍になる。
(S)ケーブルによって音は変わる
ケーブルの特性 #[標準的な特性]CANARE/BELDEN 9778
#[少し高音域寄り]CLASSIC PRO/Belden 8410
#[少し中音域寄り]BELDEN 8412 / 9395
(H)シミュレーション:ケーブルの周波数特性
ケーブルの選択
静電容量に着目
#BELDEN 8412 は比較的高価なので特性が近くてより安価なBELDEN 9395 を代わりに使ってみる。 あるいは、1.2倍程度長めの CANARE を使用するとちょうど 8412 の特性に近くなる。
#中音域寄りのピーク周波数が欲しい場合には、高価なケーブルを選ぶよりも、 比較的安価で長いケーブルを使って費用を節約できそう。
#高音域寄りのピーク周波数が欲しい場合には、CLASSIC PRO / Belden 8410 のような 静電容量が小さいケーブルを選ぶ。また可能であればケーブルを短くする。
#ただしプラグの形状、接触性、ケーブルの太さ・柔らかさ、耐久性、ノイズ耐性など 実際には静電容量以外にも考慮すべき点がある。
(H)シミュレーション:ケーブルの周波数特性
エフェクター前後のケーブル #エフェクター前ケーブルはケーブル静電容量の影響を受けるので、音重視で慎重に選ぶ。
#エフェクター後ケーブルは長さによる静電容量の影響をほぼ無くせるので、 扱いやすく安価なケーブルが使える。
#エフェクター間を接続するパッチケーブルは短いので、ケーブルによる特性差が小さい。 安価で接触性が良いケーブルを選べば十分と思える。
(S)エフェクター前後のケーブルが音に与える影響
(H)シミュレーション:ケーブルの周波数特性
ボリュームポット #250k-Ohm よりも 500k-Ohm の方が共振周波数付近の中高音域が強調される 。
#ボリュームを絞ると共振周波数付近の中高音域が落ちる。
#ボリュームポットには、Aカーブ品(10A/15A特性)を使用する。
#15A特性は10A特性よりも、ポットの位置に対する音量変化がスムーズ。
(S)250k-Ohm と 500k-Ohm
(S)ボリューム全開 と 絞ったとき
(S)(H)ボリュームポットのAカーブ/Bカーブ
スムーズテーパー回路(ハイパスコンデンサ付き) #ハイパスコンデンサ により、ボリュームポット絞った状態でも高音域が落ちない自然な特性が得られる。
#ハイパスコンデンサ容量が増えるほど、高音域のピークが大きくなり共振周波数も低い方へ移動する。
#トーンポットを回した場合でも自然なトーン変化特性が得られる。
更新 4/Jan/2016
#ハムバッカーの場合、ハイパスコンデンサ容量がシングルコイルピックアップの場合に比べて約半分になると考えて良い。
更新 26/Apr/2013
#15A 特性 のボリュームポット を使用する場合には、 ハイパスコンデンサ のみを接続して、並列抵抗は不要。
#スムーズテーパー回路の並列抵抗は、つまみ位置に対する音量変化をスムーズにする だけでなく、 バランスが取れた周波数特性を作る効果もある。
#10A 特性のボリュームポット を使用する場合には、 並列抵抗も追加すると、ポットの位置に対する音量変化がスムーズになる。
(S)コンデンサ容量 470pF / 1000pF / 2200pF
(H)コンデンサ容量 100pF / 220pF / 470pF / 1000pF
(H)スムーズテーパー回路の長所と短所
スムーズテーパー回路のハイパスコンデンサ #歪み系中心の場合、比較的小さめのコンデンサ容量を選択するのが良い。
#クリーン系中心の場合、比較的大きめのコンデンサ容量を選択する。
(H)スムーズテーパー回路の長所と短所
トーン回路に使うポット #全体的に偏りが無い音質変化を求めるなら Aカーブ品を使用する。
#250k-Ohm の方が、500k-Ohm に比べて 細かい音質調整が少しだけ容易。
(S)トーンポットのAカーブ/Bカーブ
(S)250k-Ohm と 500k-Ohm
トーン回路に使うコンデンサ容量 #ストラトで、つまみ位置0でのトーンをより甘くしたいとき(幅広い音色を求めるとき)は0.022uFよりも0.047uF を選ぶ。
#トーンポットつまみ位置10では、コンデンサ 0.022uF と 0.047uF との特性差はほとんど無い。
#スムーズテーパー回路 の ハイパスコンデンサ により、トーンポットつまみの音質変化もスムーズになる。
(S)0.022uF と 0.047uF
ギブソン1950年代方式配線 #ボリュームポットとジャック出力との間にトーン回路を接続する配線方法で、 1950年代のギブソンの一部に使われていた。
#トーンつまみ位置 10 でボリュームを絞ったとき、通常のトーン回路配線と比べて高音域の落ち方が少ない。
#ボリュームポット絞った時に個性が出る。トーンつまみを絞ると低音域はそのままで、中音域と高音域が水平的に減っていく。
(S)ギブソン1950年代方式配線の周波数特性
エフェクター
エフェクトを OFF しているときの周波数特性
#入力カップリングコンデンサ容量が0.047uF よりも小さいと低音域がカットされるのが聴覚上分かる。
#この低音域カットを気にするなら、入力カップリングコンデンサ容量が0.047uF以上の製品を選ぶか、 コンデンサ容量を自分で変更する。
(E)トランジスタ入力回路タイプの周波数特性
エフェクター
エフェクトを OFF しているときの歪率
#実測サンプルでは、歪率が 0.1 % 程度に収まっていて人間の耳では気にならないレベル。
#歪率が 0.01 % 程度で価格も抑えている製品もあり、その設計姿勢には好感が持てる。
(E)(R)トランジスタ入力回路タイプの歪率(TURBO Over Drive)
エフェクター
歪みの深さと中音域周波数特性
#エフェクター ON でオーバードライブ状態にしているときは、中音域が重要になる。
#エフェクター回路上ではローパスフィルターにより高音域をカットしている。
(E)歪みの深さと中音域周波数特性
エフェクター
バイパス回路の改造
#低音域の周波数特性は、カップリングコンデンサの合成容量が小さいほど制限される。
#低音域の減衰を少なくするためには、小さい容量のコンデンサを交換するのが効果的。
(E)ARION MTE-1 TUBULATOR の改造
エフェクター
ワウペダルの周波数特性
#ワウ ON 状態では中音域が持ち上がった独特な周波数特性カーブになっている。
#ワウ オリジナル回路では、ワウ OFF 状態のときにボリュームポットを絞ると、低音域が少しだけ持ち上がった特性になる。
#コンデンサはコイルに比べて安価なので、コンデンサを変えることで共振周波数を調節すると良い。
(E)ワウペダルの周波数特性と簡単な改造