(S)250k-Ohm と 500k-Ohm: シミュレーション条件
トーンポット抵抗値(250k-Ohm と 500k-Ohm)より音に違いが出るかどうかを、回路シミュレーションで確認してみましょう。
(S)結果の早わかりまとめ
最初に回路シミュレーション結果から分かる結論をまとめておきます。 詳細を確認したい場合はさらに読み進んでください。
  • トーンポットが 250k-Ohm よりも 500k-Ohm の方が少し中高音域(共振周波数)が出る。
  • 250k-Ohm の方が、500k-Ohm に比べて 細かい音質調整が少しだけ容易になる。
(S)シミュレーション条件
等価回路(S)
ストラトキャスターのシングルコイルピックアップを想定した回路定数を設定しています。
等価回路(S)の説明
GT_circuit
シミュレーション条件(S)
ボリュームポット 250k-Ohm
スムーズテーパー回路付き: 240k-Ohm, 470pF
ケーブルの長さ3m想定、静電容量 300pF
トーン回路: コンデンサ 0.022uF
トーン回路ポット 2種類 250k-Ohm / 500k-Ohm
トーンポットはつまみ10の位置(最大抵抗値)に固定
(S)シミュレーション結果(周波数特性)
ボリュームポット全開状態: 縦軸 0 dB 付近の特性
ボリュームポット絞った状態: 縦軸 -6 dB 付近の特性

周波数特性グラフを見てみましょう。
トーンポットが 250k-Ohm よりも 500k-Ohm の方が少し高音域が出ます。
高音域が出る周波数領域は、グラフ上でピークになっている部分(共振周波数)です。

トーンポットを 500k-Ohm にすれば、250k-Ohm よりも幅広い調整ができるので、 500k-Ohm を選択する考え方はあります。 ただ問題になるのは、つまみを回したときの音質変化のフィーリング(操作性)です。

(S)(H)ボリュームポットのAカーブ/Bカーブ で示したように、Aカーブの ポット 50% の位置での抵抗値が 250k-Ohm と 500k-Ohm では異なります。 250k-Ohm の方が、500k-Ohm に比べて 細かい音質調整が少しだけ容易です。 (Aカーブ をトーンポットに使用する場合)

よって高音域を重視するか、音質調整の操作性を重視するかにより、 500k-Ohm あるいは 250k-Ohm を選択することになります。

なおトーンポットはつまみ10の位置(最大抵抗値)条件では、 トーンコンデンサ 0.022uF と 0.047uF との特性の差は、ほとんどありません。

S_Tone_250K_500K_dB