(S)ギブソン1950年代方式配線の周波数特性
「ギブソン1950年代方式配線」の周波数特性を回路シミュレーションで確認してみましょう。 「1950年代方式配線」とはボリュームポットとジャック出力との間にトーン回路を接続する配線方法で、 1950年代のギブソンの一部に使われていたようです。

更新 13/Apr/2013
瓜井目々太 さんのブログ ギブソン 1950年代方式 配線 にとても分かりやすい説明があります。
(S)結果の早わかりまとめ
最初に回路シミュレーション結果から分かる結論をまとめておきます。 詳細を確認したい場合はさらに読み進んでください。
  • 「ギブソン1950年代方式配線」とはボリュームポットとジャック出力との間にトーン回路を接続する配線方法で、 1950年代のギブソンの一部に使われていた。
  • トーンつまみ位置 10 でボリュームを絞ったとき、通常のトーン回路配線と比べて高音域の落ち方が少ない。
  • ボリュームポット絞った時に個性が出る。トーンつまみを絞ると低音域はそのままで、中音域と高音域が水平的に減っていく。
(S)シミュレーション条件
等価回路(S)
ストラトキャスターのシングルコイルピックアップを想定した回路定数を設定しています。 赤枠で示したトーン回路位置が通常とは異なっています。
GT_circuit_Tone_50s
シミュレーション条件(S)
ボリュームポット 250k-Ohm
スムーズテーパー回路 無し
ケーブルの長さ3m想定、静電容量 300pF
トーン回路: コンデンサ 0.022uF
トーン回路ポット 500k-Ohm
(S)シミュレーション結果(周波数特性)
通常のトーン回路配線と1950年代方式配線との比較

通常のトーン回路配線(トーン つまみ位置 10)
トーン つまみ位置 10 でボリュームを絞ったときの特性を見てみましょう。 ボリュームを絞ると高音域が落ちることが分かります。 S_Tone_500k_022_Norm

1950年代方式配線(トーン つまみ位置 10)
トーン つまみ位置 10 でボリュームを絞ったときの特性を見てみましょう。 ボリュームを絞っても通常のトーン回路配線と比べて高音域の落ち方が少なくなります。 またボリュームつまみを絞るほど高音域が増えてきます。 S_Tone_500k_022_50s

通常のトーン回路配線(トーン つまみ位置 変化)
ボリュームポット全開状態(縦軸 0 dB 付近)と、 ボリュームポット絞った状態(縦軸 -15 dB 付近)でトーンつまみを変化させた場合を見てみましょう。 トーンを絞ると高音域が徐々に減っていくのが分かります。 S_Tone_500k_022_NormSwp

1950年代方式配線(トーン つまみ位置 変化)
ボリュームポット全開状態(縦軸 0 dB 付近)と、 ボリュームポット絞った状態(縦軸 -15 dB 付近)でトーンつまみを変化させた場合を見てみましょう。
1950年代方式配線では、ボリュームポット絞ると個性が出ます。 トーンつまみを絞ると低音域はそのままで、中音域と高音域が水平的に減っていきます。 結果として高音域を絞るというよりも、低音域が強調されるように感じるかも知れません。 S_Tone_500k_022_50sSwp