バイパス回路(エフェクトOFF時)
バイパス回路には C15 C16 C17 C18 のカップリングコンデンサがあり、これらの合成容量によって周波数特性が決まります。
コンデンサはトランジスタを介して直列に接続されるので、合成容量は一番小さいコンデンサ容量よりもさらに小さい値になります。
例として2つの直列接続 Ca Cb の合成コンデンサ容量 C を表にまとめました。
合成容量が、小さい方のコンデンサ容量よりもさらに小さくなることを確認できます。
Ca [uF] |
Cb [uF] |
C = Ca * Cb / (Ca + Cb) [uF] |
10 |
0.01 |
0.00999 |
10 |
0.1 |
0.0990 |
10 |
1 |
0.909 |
10 |
10 |
5.00 |
10 |
100 |
9.09 |
10 |
1000 |
9.90 |
低音域の周波数特性は、合成容量が小さいほど制限されます。
よって低音域の減衰を少なくするためには、小さい容量のコンデンサを交換するのが効果的です。
今回は容量の小さい C15 C16 の容量を変更して、シミュレーションを行っています。
一番下の特性が変更前、一番上の特性が変更後です。
変更後の低音域減衰は改善され周波数特性がよりフラットになります。
C15 0.033uF (変更前) / 0.1uF (変更後)
C16 0.1uF (変更前) / 1uF (変更後)
[図] バイパス回路(エフェクトOFF時)の周波数特性
トーン回路(1kHz から 2KHz 付近の強調を少し抑える改造)
トーン回路 R11 の抵抗値を下げると、トーンつまみ High 全開付近での、1kHz から 2KHz 付近の強調を
抑えることができます。
この改造の場合、トーンつまみ全開位置付近がちょうど良い感じの周波数特性になります。
R11 1.2K Ohm (変更前) / 1k Ohm (変更後)
変更後抵抗値 1k Ohm の代わりに、1.1k Ohm を使って変化を控え目にするのも良いでしょう。
下図はトーンつまみ High側 100% / 75% での、R11 変更前後の周波数特性です。
[図] トーン回路(1kHz から 2KHz 付近の強調を少し抑える改造)の周波数特性
トーン回路(1kHz から 2KHz 付近をさらに強調する改造)
トーン回路 R11 の抵抗値を上げると、トーンつまみ High 全開付近での、1kHz から 2KHz 付近を
さらに強調することができます。
トーンつまみ全開位置付近ではより耳障りな音になると思いますが、
トーンつまみを75% 付近まで絞った時に、ちょうど良い感じの周波数特性になると思います。
音質調整の幅も広がるので、各プレーヤの好みでこの改造を選択すると良いでしょう。
特に「音抜け」を良くしたいプレーヤにはお勧めです。
R11 1.2K Ohm (変更前) / 2k Ohm (変更後)
変更後抵抗値 2k Ohm の代わりに、1.5k Ohm / 1.8k Ohm を使って変化を控え目にできます。
下図はトーンつまみ High側 100% / 75% での、R11 変更前後の周波数特性です。
[図] トーン回路(1kHz から 2KHz 付近をさらに強調する改造)の周波数特性
なお Uncle-EG 自身は「1kHz から 2KHz 付近の強調を少し抑える改造」を選択して、
ストラトとの組み合わせで MTE-1 を使っています。