(S)(H)ボリュームポットのAカーブ/Bカーブ
ボリュームポットには、AカーブとBカーブがあるのは良く知られていますが、 実は Aカーブには 15A と 10A (D カーブとも呼ばれる)があり注意が必要です。 また Bカーブにも 1B や 3B といった特性があります。
(S)(H)結果の早わかりまとめ
最初に回路シミュレーション結果から分かる結論をまとめておきます。 詳細を確認したい場合はさらに読み進んでください。
  • ボリュームポットには、Aカーブ品(10A/15A特性)を使用する。
  • 15A特性は10A特性よりも、ポットの位置に対する音量変化がスムーズ。
  • 10A 特性はスムーズテーパー 回路との相性が良く、 スムーズテーパー回路を追加すると、ポットの位置に対する音量変化がよりスムーズになる。
(S)(H)ポット各特性の説明
15A 特性
ポット 50% の位置で 15% の抵抗値 をもつ特性 (250k-ohm ポットなら、つまみ 5 の位置で 37.5k-ohm)
国産 ポット の Aカーブには、この 15A 特性が多いと思います。
ポットの位置に対する音量変化がスムーズです。
なのでスムーズテーパー 回路の並列抵抗は通常不要です。

更新 16/Jun/2013
スムーズテーパー回路の並列抵抗は、つまみ位置に対する音量変化をスムーズにする だけでなく、 バランスが取れた周波数特性を作る効果もあります。

10A (D) 特性
ポット 50% の位置で 10% の抵抗値 をもつ特性 (250k-ohm ポットなら、つまみ 5 の位置で 25k-ohm)
外国産 ポット の Aカーブには、この 10A 特性が多いように思います。
ポットの位置に対する音量変化は、つまみ [0 から2] 、[7 から 8] 付近が 大きくなります。
10A 特性はスムーズテーパー 回路との相性が良く、 スムーズテーパー 回路を追加すると、ポットの位置に対する音量変化がよりスムーズになります。

1B 特性
ポット位置と抵抗値が比例してる(直線的)な特性です。
ポットの位置に対する音量変化は、つまみ [0 から3] 付近が 大きくなります。

3B 特性
ポット中心位置付近で、抵抗値が大きく変化する特性です。
ポットの位置に対する音量変化は、つまみ [0 から4] 付近が 大きくなります。

S_Vol_AUD
[図] ポット位置(%)と抵抗値(%)
(S)(H)ポットの位置に対する音量変化
各ポットの位置と音量特性(dB)をグラフで見てみましょう。
15A 特性 はポットの位置に対する音量変化がほぼ直線的になるのが分かります。
また 10A 特性とスムーズテーパー 回路との組み合わせ(STP-out with 10A) も 音量変化がスムーズです。
よって通常ボリュームポットには、Aカーブ品を使用します。

S_Vol_AUD_dB
[図] ポット位置(%)と音量特性(dB)

回路条件(STP-out with 10A)
ボリュームポット 250k-Ohm
スムーズテーパー 回路抵抗 240k-Ohm
アンプ入力インピーダンス 1M-Ohm