ギターアンプ トーン回路の周波数特性(JC-120)
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(A)ギターアンプ トーン回路の周波数特性(JC-120)
定番ギターアンプ JC-120 のトーン調節回路部分の 周波数特性をシミュレーションで確認してみましょう。 ここではアンプ前段のトーン調節回路付近の回路を対象にシミュレーションを行いました。
よってアンプのスピーカから実際に出ている音の周波数特性とは異なりますが、 アンプの特徴を捉えたシミュレーション結果になっているので、 音作りの参考にできると思います。
(S)結果の早わかりまとめ
最初に回路シミュレーション結果から分かる結論をまとめておきます。 詳細を確認したい場合はさらに読み進んでください。
定番ギターアンプ JC-120 のトーン調節方法
[一般的なやり方]TREBEL/MIDDLE/BASS すべてセンター位置 からトーン調節を始める。
[フラットな特性重視]MIDDLE つまみ全開位置、TREBEL/BASS センター位置 からトーン調節を始める。
(A)シミュレーション条件
等価回路(A)
定番ギターアンプ JC-120 のアンプ前段トーン調節回路部分(CH-1)をシミュレーション対象にしています。 アンプ後段部分はシミュレーション対象にしていません。
シミュレーションポイントの TtroutdB と ToutdB は赤枠で示しています。
シミュレーション条件(A)
トーン調節つまみ TREBEL/MIDDLE/BASS それぞれ 0 から 10 に5段階変化
(E)シミュレーション結果(周波数特性)
TtroutdB (青): トーン調節回路より入力側の周波数特性
ToutdB (赤): トーン調節回路より出力側の周波数特性
TREBEL/MIDDLE/BASS すべてセンター位置のとき
最終的な音に近い方である、ToutdB (赤) の結果を見てみましょう。 2本の赤線は それぞれ Bright スイッチ ON / OFF の特性を示しています。
トーンつまみがすべてセンター位置でも、高音域が盛り上がった特性になっています。 「澄んだ高音域が出せる」という JC-120 の特徴がよく現れていると思います。
(ただしアンプのスピーカから実際に出ている音の周波数特性とは異なります)
[図] TREBEL/MIDDLE/BASS すべてセンター位置
TREBEL を変化させたとき MIDDLE/BASS はセンター位置
TREBEL つまみが 2.5 くらいの位置で 高音域がフラットになります。
よって フラットな特性を好むなら TREBEL つまみを絞れば良いのですが、 JC-120 の特徴である 美味しい高音域 が無くなるので注意が必要です。
[図] TREBEL を変化
BASS を変化させたとき TREBEL/MIDDLE はセンター位置
BASS つまみが 5 くらいの位置で 低音域がフラットになります。
低音域の調整可能幅が大きいので、プレーヤーの好みに応じて調整できそうです。
[図] BASS を変化
MIDDLE を変化させたとき TREBEL/BASS はセンター位置
MIDDLE つまみには個性があります。つまみ位置 10 で 中音域がフラットに近づきます。 つまみ位置 5 では中音域がカットされた、低音と高音を強調した特性になります。
プレーヤーの好みもありますが、MIDDLE つまみ全開位置をスタートとして 各トーンつまみを調節していく方法も有効と思います。
[図] MIDDLE を変化
MIDDLE 全開位置にして TREBEL/BASS を変化させる
MIDDLE 全開位置にしてから TREBEL/BASS つまみを調整すると、 よりフラットな状態からスタートできることが分かりました。
そこで、 MIDDLE 全開位置で TREBEL/BASS を変化させたときの 周波数特性も見ておきましょう。 周波数特性がより自然に変化するので、基準の音作りが容易にできそうです。
一方で、TREBEL/MIDDLE/BASS すべてセンター位置で、 開発に参加した某ギタリストの好みの音になるようにJCは設計されている、 という話を聞いたことがあります。
よってJC のトーン調節は次のいずれかで始めれば良いでしょう。
TREBEL/MIDDLE/BASS すべてセンター位置 からトーン調節を始める
(一般的なやり方)
MIDDLE つまみ全開位置、TREBEL/BASS センター位置 からトーン調節を始める
(フラットな特性重視)
[図] MIDDLE 全開位置 TREBEL を変化
[図] MIDDLE 全開位置 BASS を変化
関連項目
周波数特性グラフの見方
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シミュレーションの結果/精度については責任を持てません。最終的な判断は各自で行ってください。