「オーバードライブ OFF 状態」の歪率
エフェクトを OFF しているときの歪み特性が知りたいので、「オーバードライブ OFF 状態」で
測定を行っています。
調査したのは「全高調波歪率(THD)」といわれる信号の歪みの程度を表す値です。単に歪率とも呼ばれます。
「WaveSpectra」グラフの左側に「THD, S/N」としてこの歪率[%]が表示されます。
実測結果グラフを見ると、歪率が 0.1 % 程度に収まっていることが分かります。
また周波数が高くなると3次高調波も出現しています(1760Hzではピークが3箇所あります)
歪率が 1% 未満の場合人間の耳では検知することが難しいようなので、歪みについては影響が無い
レベルだと思います。
以前からエフェクターを通すと、音が 「きらきらする」 ような感じがしていて、
ひょっとして高音域の歪みが関係しているのでは(?)、と思い実測をしてみました。
実測した結果、歪率は音に影響する程ではありませんでした。
よって周波数特性の方が
「エフェクト OFF 状態」で音に与える影響が大きいと言えるでしょう。
[図] オーバードライブ OFF 状態の歪率 110Hz
[図] オーバードライブ OFF 状態の歪率 440Hz
[図] オーバードライブ OFF 状態の歪率 1760Hz
おまけですが、気になるのは参考のために実測した「P社 デジタルディレイ」の歪率と周波数特性です。
こちらは歪率が 1/10 の 0.01% 程度に収まっていて、低音域の周波数特性も比較的優れています
(「TURBO Over Drive」と同条件で測定しています)
なお測定器側(パソコンのサウンドカード、ケーブル、音源)の歪率は実測で 0.008% 程度です。
歪率と周波数特性の観点では、「P社 デジタルディレイ」は「TURBO Over Drive」
よりもバイパス特性が優れているという結果が得られました
(良い音、という観点ではありませんが好感が持てます)
[図] ディレイ OFF 状態の歪率 440Hz
[図] ディレイ OFF 状態の周波数特性