(S)コンデンサ容量 0.022uF と 0.047uF
トーン回路に使うコンデンサ、0.022uF と 0.047uF による音の違いを回路シミュレーションで確認してみましょう。
(S)結果の早わかりまとめ
最初に回路シミュレーション結果から分かる結論をまとめておきます。 詳細を確認したい場合はさらに読み進んでください。
  • トーンポットつまみ位置10(最大抵抗値)条件では、コンデンサ 0.022uF と 0.047uF との特性差はほとんど無い。
  • つまみ位置0のときの共振周波数が変わる。
    0.022uF : 共振周波数 600 Hz 付近、 0.047uF : 共振周波数 350 Hz 付近
  • つまみ位置0でのトーンをより甘くしたいとき(幅広い音色を求めるとき)は 0.047uF を選べば良い。
(S)シミュレーション条件
等価回路(S)
ストラトキャスターのシングルコイルピックアップを想定した回路定数を設定しています。
等価回路(S)の説明
GT_circuit
シミュレーション条件(S)
ボリュームポット 250k-Ohm
ケーブルの長さ3m想定、静電容量 300pF
スムーズテーパー 回路抵抗 240k-Ohm
スムーズテーパー 回路ハイパスコンデンサ容量 470pF トーン回路条件: ポット 500k-Ohm, トーン回路コンデンサ: 0.022uF と 0.047uF
(S)シミュレーション結果(周波数特性)
ボリュームポット全開状態
トーンポット:つまみ位置 10 と 0
ボリュームポット全開状態なので、スムーズテーパー 回路は影響しません。

周波数特性グラフを見てみましょう。
トーン回路コンデンサにより、つまみ位置0のときの共振周波数が変わります。
  • トーン回路コンデンサ 0.022uF : 共振周波数 600 Hz 付近
  • トーン回路コンデンサ 0.047uF : 共振周波数 350 Hz 付近
コンデンサ 0.047uF のときは、共振周波数でのピークがなだらかになっています。
またトーンポットつまみ位置10(最大抵抗値)条件では、コンデンサ 0.022uF と 0.047uF との特性差はほとんどありません。

どちらの共振周波数を選ぶかはプレーヤーの好みによりますが、 つまみ位置0でのトーンをより甘くしたいとき(幅広い音色を求めるとき)は 0.047uF を選べば良いでしょう。
S_Tone_500k_022_047
(S)シミュレーション結果(別グラフ表示)
ボリュームポット全開状態: 縦軸 0 dB 付近の特性
ボリュームポット絞った状態: 縦軸 -6 dB 付近の特性
トーンポットつまみ位置0から10への変化

トーン回路コンデンサ0.022uF と 0.047uF の特性を、別々のグラフで表示してみましょう。
スムーズテーパー回路 の ハイパスコンデンサ により、ボリュームポット絞った状態でも 高音域が落ちない自然な特性になっています。

S_Tone_500k_022_dB
[図] トーン回路コンデンサ 0.022uF つまみを回した時の音質特性

S_Tone_500k_047_dB
[図] トーン回路コンデンサ 0.047uF つまみを回した時の音質特性