★星空を見上げてみよう★ 天文現象カレンダー |
このページはめずらしい天文現象、見頃の天体など 夜空を見上げるきっかけとなる情報をお知らせします。 この欄以下の画像(表形式)は回線等の状態により、 |
天文現象カレンダーバックナンバー |
2002年4月〜6月天文現象カレンダー | ||||||||||
今年は春が一足早く到来したのか、あっという間に桜が満開となり、この原稿を書いている4月にはすっかり桜も終わってしまいました。春の星座たちも心なしかやわらかく輝いているようです。 夜空を見上げてみると天頂付近の北斗七星をはじめ、しし座、おとめ座、うしかい座などが輝いていて、星たちの世界もすっかり春の様相です。そのなかでひときわ明るく輝くうしかい座のα星アルクトゥールス、おとめ座のα星スピカ、しし座のβ星デネボラの3つの恒星で作る三角を探してみましょう。これは春の大三角と呼ばれています。次に北斗七星の柄のカーブから、うしかい座のα星アルクトゥールス、おとめ座のα星スピカを結ぶ大きな曲線を探してみましょう。これが春の大曲線です。春の星座には明るい恒星が少ないないので、紹介した星の配列は簡単に見つけられると思います。春の星空をお楽しみください。 今年の春は大きな天文現象が目白押しです。まず4月7日の小惑星パンドラによるポルックスの掩蔽が北海道の一部地域で見られます。小惑星の明るさが13.2等級とごく暗いため、通過中は、1.2等級のポルックスが最大4.8秒間消えたかのように見られます。1等星が小惑星に隠されるというのは、稀にしか起こらないほんとうに珍しい現象です。ぜひ観測してみてください。 次に注目したいのは肉眼で見える5惑星の接近です。4月中旬ころから夕方の西空に肉眼で見える金星、火星、木星、土星の4惑星が集まって輝いています。さらに4月20日以降にはこれに水星が加わり、肉眼で見える惑星がすべて一度に見られることになります。惑星がもっとも接近するのは5月13日になり、そのときの広がりは約30度です。5月14日〜15日にはさらに三ヶ月が加わり、とても印象深い美しい光景となるでしょう。連続して観察を続けてみると惑星達の運動がよくわかります。 今年のゴールデンウィーク期間中は月明かりもなく星空観望には最適です。この機会に海や山などに遠征すると素晴らしい星空が楽しめると思います。連休を利用してぜひみなさんも美しい星空を楽しんでみてください。5月6日の明け方に極大を迎える、みずがめ座η流星群もお奨めです。 ゴールデンウィーク明けの6月11日には全国で部分日食が見られます。稚内では30%ほど、東京で45%、那覇で49%と大きく欠けた太陽が見られます。また太平洋上では金環日食となります。サイパン島付近で日出後すぐに金環食となる珍しい光景が見られます。
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2002年 |
2002-4-5![]() |
2002-4-7 小惑星パンドラによるポルックスの掩蔽 ![]() ![]() ![]() この日の夕方、55番小惑星パンドラがふたご座の1等星ポルックス上を見かけ上通過する食が北海道の一部地域で見られます。小惑星の明るさが13.2等級とごく暗いため、通過中は、1.2等級のポルックスが最大4.8秒間消えたかのように見えます。1等星が小惑星に隠されるというのは、稀にしか起こらないほんとうに珍しい現象です。地図上の黒い帯の地域で見られますが、小惑星の形状や軌道が正確にわかっていないため、多少のずれがある場合がありますので、他の地域の方も諦めずに観測してみてください。現象がおこる時刻は18時41分から42分の間です。
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2002-4-13![]() |
2002-4-20![]() |
2002-4-20〜 5惑星が西の夕空に集合 ![]() ![]() 夕方の西空に肉眼で見える金星、火星、木星、土星の4惑星が集まって輝いています。さらに4月20日以降にはこれに水星が加わり、肉眼で見える惑星がすべて一度に見られることになります。惑星がもっとも接近するのは5月13日になり、そのときの広がりは約30度です。数日にわたり観察を続けてみると惑星達の運動がよくわかります。下図は4月27日の日没1時間後の空をシミュレートしたものです。
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2002-4-27![]() |
2002年 |
2002-5-4![]() |
2002-5-4 水星が東方最大離角 水星や金星などの内惑星は太陽の近くを周回しているため、明け方が夕方の空にしか見られません。この日、水星は、太陽の東側、21.0°ともっとも離れ見やすくなり、夕方の西空に+0.4等級で半月状に欠けて見えます。 水星は、見かけ上、太陽から最大離角でも18゜〜28゜程度しか離れないため、肉眼では日の出前あるいは日没後のわずかな時間しか見ることができませんので、この時が水星を見るチャンスとなります。 |
2002-5-6 みずがめ座η流星群が極大 ![]() ![]() 輻射点が低く、夜明け前数時間程度しか出現が見られないため数多くの流星を見ることはできませんが、南東の空が開けた暗い空の下で観測すると、地平線近くから流れるいくつかの流星が見られるでしょう。今年は 月はあるものの月齢が25と月明かりの影響をあまり受けないため好条件で観測できるでしょう。 この流星群の母彗星は有名なハレー彗星で、速度が速く、痕を残すものが多いのが特徴です。 ゴールデンウィークを利用して南半球へ旅行される方はぜひこの流星群を見てください。輻射点も高くなり、1時間あたり100個程度の流星が見られます。
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2002-5-6 5惑星が西の夕空に再接近中 ![]() ![]() ![]() 夕方の西空に肉眼で見える水星、金星、火星、木星、土星の5惑星がすべて集まって輝き、とても美しい光景となっています。惑星がもっとも接近するのは5月13日になり、そのときの広がりは約30度です。数日にわたり観察を続けてみると惑星達の運動がよくわかります。下図は5月6日の日没1時間後の空をシミュレートしたものです。国立天文台によると次に25度以内に集まる惑星集合は2040年9月8日で、5惑星が9度16分の範囲に集まるということです。
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2002-5-12![]() |
2002-5-14〜15 5惑星と月が西の夕空に再接近中 ![]() ![]() ![]() この日、夕方の西空に集まった肉眼で見える水星、金星、火星、木星、土星の5惑星に三ヶ月が加わり、とても印象深い美しい光景となるでしょう。ただし水星は高度がとても低く見つけるのに苦労するかもしれません。 |
2002-5-20![]() |
2002-5-26![]() |
2002-5-26 半影月食 ![]() 満月のときに太陽−地球−月がほぼ一直線に並ぶと、地球の影の中を月が通過して月食となります。このとき影のなかに月が完全に隠れると皆既月食となります。また月が影をかすめて通るときには月の一部が欠ける部分月食となります。このような月食をおこす地球の影を本影とよんでいますが、本影の外側には半影と呼ばれる影があります。これは太陽からの光の一部が当たっている部分で、本影よりはずっと明るいものです。この半影を月が通過する場合は半影月食がおこります。この日、夕方から夜半前にかけて半影月食がおこります。半影月食は肉眼で確認することが難しい現象ですが、ぜひ観察してみてください。なお月食は月が見える場所なら地球上どこでもほぼ同じように食を観察することができます。
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