世田谷区議会議員 無党派市民 木下泰之

<時代は変われどスジは変わらず>

世田谷区議会「無党派市民」は所属議員が木下泰之のみの一人会派です。

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強引に採択された石井代議士刺殺容疑者の「国旗掲揚」請願
・・・伊藤白水容疑者の請願の審議過程を検証する(2002年11月2日)

■区議会本会議場への「国旗掲揚」請願をした右翼団体「守皇塾」の伊藤白水代表が石井代議士刺殺犯として自首・逮捕されたことは、区議会を二分した「国旗掲揚」の請願の対応について、改めて問われることにもなり、大きな波紋を投げかけています。

■請願・陳情の提出の経過は逮捕された伊藤白水容疑者と自民党との連携プレーであり、これに国政で政権与党となった公明党が後押しをし、行革110番と新風、自由党が加担して2001年11月8日の議会運営委員会、続く同年12月6日の本会議で強引に趣旨採択されてしまいました。

■普段は小会派をのぞいてオール与党的な談合議会が、この問題をめぐっては分裂。無党派市民、反政党改革派のみならず、民主、共産、生活ネット、社会民主党が請願採択に反対の立場をとり、2001年12月6日の本会議では生活ネットを除く反対会派が討論に立つという異例の事態になりました。

■ここでの民主党の反対の態度に注目してみてください。「日の丸」に対しては賛成・反対の2つの潮流が同居する民主党が明確に反対の意思を表明したのは、石井代議士の意向が反映されているとみてよいでしょう。この件をきっかけに石井代議士が伊藤白水容疑者と関係を絶つ方向に向かったとしても不思議ではないでしょう。このことは今回の刺殺テロ事件の鍵のひとつではないでしょうか。区議会のあり方としても、暴力を背景に存在を主張する右翼と自民党が結託した請願の処理問題として、この国旗掲揚請願問題への各会派の対応は、詳しく検証されなければならないでしょう。そのための資料を提供します。

[2002年10月29日付け朝日新聞東京版]

▲区議らを頻繁に訪問
石井代議士刺殺の容疑者 国旗掲揚を請願も

この朝日の東京版の記事は区議会と石井代議士刺殺の容疑者との関係を初めて扱った新聞記事として重要であるはずなのに、なぜか、インターネット版の朝日新聞のアサヒコムに掲載されていません。仕方なく、OCRで読んで乗せました。

「継続審議だったが、同容疑者は01年9月に別の請願者名で同様の陳情書を区議会に出した。」との情報は、自民党と同容疑者の連係プレーを物語る上で特に重要です。

[自民党区議7名が紹介議員となっている!]

▲2000年5月の伊藤白水他1名の国旗掲揚に関する請願文書

請願者は石井代議士刺殺の伊藤白水容疑者が代表者となり、他1名と記されている。請願に責任を持つ立場の請願署名議員は石塚一信、木村幸雄、菅沼つとむ、山口裕久、新川勝二、川上和彦、畠山晋一の7名でいずれも自民党。

[この段階ではいったん継続審査扱いとなりました]

▲「国旗掲揚」請願についての審査1(2000年8月25日 議運委会議録)

ここでは請願賛成派も無理に通そうとはしていませんが、継続審査とした上で、今後の再審査を伏線として仕掛けようとしています。継続審査にした際の、自民党大場議員と行革110番大庭議員および荒木委員長(自民)の掛け合いは「見事」です。「無党派市民」木下の最後のほうの発言はこの流れへの防戦を意識しています。

[二つの陳情書を審議、趣旨採択、請願はみなし趣旨採択]

▲「国旗掲揚」請願についての審査2(2001年11月8日 議運委会議録)

ニューヨークテロの翌日提出された陳情とその後提出された土田自民党世田谷総支部長の陳情を使い、強引に採択へ・・・

自民党、公明党、行革110番、新風、自由党、それぞれの賛成意見はここで読めます。もちろん、反対派も意見を表明しています。

[この報告書が本会議討論の対象となります]

▲2001年12月6日 請願審査報告

本会議での採決は、石井代議士刺殺容疑者提出の請願の「みなし採択」をも含めて1本の請願と2本の陳情(世田谷区議会では議員紹介のない「陳情」を請願として扱っている。)の「請願処理」の報告に対してなされています。

[2001年12月6日 本会議議事録 請願の処理に対する反対討論]

▲無党派市民 木下泰之
▲反政党改革派 下条忠雄
▲社会民主党 羽田圭二
▲日本共産党 桜井 稔
▲民主党 高橋 忍

発言者順です。採決では生活ネットは反対を表明しましたが、反対討論はおこないませんでした。また、賛成派の賛成討論は一切行われませんでした。

[請願の処理報告に対する採決の態度]

▲平成13年第4回定例議会の請願・陳情の審議結果

■現在の世田谷区議会は現有議席54名(定数55名、1名欠員)で自民18名、公明11名ですから自公が結託すれば、数の力で押し通すことができます。本件請願は議会運営委員会にかかりましたが、構成は定数14名のうち自民5名、公明3名、民主2名、共産2名、生活ネット1名、社民1名です。ここでも、自公が結託すれば、数の力で押し通すことができます。一人会派の無党派市民、反政党改革派、行革110番、新風、自由党は委員外議員として出席・発言できますが、採決には加われません。

■議会構成、委員会構成からいって、自公が合意したものについては採決に持ち込まれれば、通ってしまいますから、この場合、反対派は継続審査にして「たなざらし・廃案」を狙います。議会運営委員会では一人会派無党派市民の木下の反対意見も含めて委員外議員の発言は活発ですが、この中で残念ながら、同じく一人会派の行革110番が請願に賛成の立場で自公の後押し役の発言を繰り返していることが目立ちます。

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