世田谷区議会議員 無党派市民 木下泰之

<時代は変われどスジは変わらず>

世田谷区議会「無党派市民」は所属議員が木下泰之のみの一人会派です。

木下泰之の主張
下北沢再開発問題
京王線連立事業と地下化推進
小田急線高架訴訟と地下化推進
年度予算要望・意見書
4期目の議会質問特集
議事録集(第3期)
議事録集(第2期)
議事録集(第1期)
2007年区議選公約と3期目の活動事項
2003年区議選公約と2期目の活動事項
1996年会派「無党派市民」の旗揚げの軌跡
無党派市民通信
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20世紀の遺物、連続立体交差事業
道路・土建利権で世田谷を壊すな

現在小田急線下北沢地区で進んでいる工事と、*3月16日から都市計画案の説明会が開催される京王線(笹塚駅〜つつじヶ丘駅間)で計画されている事業は、いずれも纏まった区間で踏み切りを一挙に解消するという名目で行われるもの。これは東京都による都市計画事業で、連続立体交差事業(=連立事業)と呼ばれています。

連立事業は単に踏み切りを解消するのではなく、都市基盤の変更を迫る大規模な事業です。事業規模は小田急線(代々木上原駅〜喜多見駅間)で約3700億円、京王線で2200億円ですが、交差道路事業や再開発事業を加えると、2兆円をゆうに超える区内最大の公共事業となります。

敗戦直後の1946年に策定された東京戦災復興計画は、現行のほとんどの都市計画道路を配置しましたが、同時にロンドンにも劣らない規模の緑地計画を持ち、道路に環境緩衝帯としての緑地帯を配するなど、緑と調和した首都を目指すものでした。ところが1968年に新都市計画法が成立すると、緑地や緑地帯は廃止され、都市計画道路のみが残りました。

そして翌1969年、連立事業を制度化する「建運協定」が、生まれています。連立事業と都市計画法にまつわるこうしたからくりは、補助54号線をめぐる下北沢地区の訴訟を契機に明らかになりました。 広大な緑地廃止にもかかわらず、計画道路の実現ばかりを目指した現在の都市計画は、無機的な「未来都市」幻想と不動産開発に依存した戦後土建国家の遺物であり、同時に東京の環境を劣化させてきた元凶でもあります。

今こそ連立事業を機に、外郭環状線も含め、道路の要不要をチェックして、高層化を抑制し緑を再生させる都市計画へと転換すべきです。鉄道を地下化し、跡地を緑道化することは、東京をリフレッシュさせるグリーン・ニューディールです。単なる土建需要に代わるエコ事業による有効需要こそ、世田谷のみならず、真に日本を元気にする施策として必要なのです。

*東京都は3月16日から予定していた説明会の延期を発表(3月15日追記)

京王線地下化で、地上に緑を!
地震に脆い高架事業は止めよう

京王線連立事業の都市計画案と環境影響評価準備書の説明会が*3月16日から始まり、区議選の最中の4月20日が意見書の提出期限を予定しています。世田谷区民はこぞって高架反対・地下化推進の声を上げて行きましょう。

特急線をシールド地下方式で整備できるのに、在来線をあえて高架化するのは、時代遅れです。都の都市計画案採用した高架・地下併用案は2200億。このうち、地下化の特急線整備には、モグラのように掘り進むシールド工法を使い700億円しかかかりません。東京都は既に高架で整備した八幡山駅を使う変則地下案を3000億円とし、全線4線地下化案を比較検討から排除し事業費も計算していません。しかし、老朽化した八幡山駅を地下駅に更新し、在来線もシールド工法を活用すれば、駅舎建設を含めても全線4線地下化案は併用案より安上がりになるはずです。

その上、高架騒音や地震時の高架橋崩壊の危険を回避でき、上部を緑の回廊に転用できます。帰宅困難時の避難路としても使えるなどの便益を考えれば、全線4線地下化案が圧倒的にすぐれています。なにより、昨年8月の小田急線騒音訴訟判決は住宅密集地での高架計画を時代遅れにしています。

*東京都は3月16日から予定していた説明会の延期を発表(3月15日追記)

外環は凍結、環状地下鉄を促進し
環境と財政に優しい交通整備を

1兆2800億円もの予算を費やして、今から高速道路を整備する。今の日本には、そんな必要も余裕もないはずです。

大深度だといわれている外郭環状も世田谷では3分の2が上部に出て、東名ジャンクションにとぐろを巻いて接続します。喜多見は緑も残り、古墳群や氷川神社、慶元寺等、歴史的文化遺産も多い地域です。外環は再凍結し、喜多見は歴史の里として世田谷区の観光資源とすべきです。

南北交通や混雑解消のために交通機関の充実が必要なのであれば、エイトライナーも含め、環状地下鉄を促進した方が、環境・安全・費用の面からも優位であるのは明らかです。

脱原発時代を切り拓く
エコロジカル・ニューディールを!

今回の東日本大震災を境に、日本は脱原発と自然共生の時代に変わらざるを得ないでしょう。木下がすでに10年も前から提言してきたエコロジカル・ニューディールこそ、それにふさわしいものです。 住宅地世田谷は土地利用や交通政策においてなによりも、エコロジカルでなければなりません。その意味では「区内高速鉄道は地下化で整備を」とした1970年と1973年の全会派一致の区議会決議を遵守し、地上は緑道とするべきです。

ゴミ問題については、鉄鋼不況からガス溶融炉を焼却施設に転用するという業界からの事情から、以前は不燃物だったゴミまで燃やすようになりましたが、生産者責任をさらに徹底し、廃棄物リサイクルを組み込んだ生産・流通革命を起こすべきです。

小中学校の体育館屋根等公共施設や個人宅にもっと戦略的に太陽光発電装置を設置することや、スマートグリッド(地域での電力の自立的調整を行うシステム)の導入など、日本最大の住宅都市世田谷は、CO2削減のみならず、脱原発に向けて率先して実践しなければなりません。これに伴う技術革新と雇用創出こそ、日本に希望を与えます。

バブルの遺産のスーパー堤防にそびえる
二子玉超高層再開発は即刻見直しを

二子玉の超高層再開発は、「事業仕分け」で見直しが要求されたスーパー堤防とセットにして進められてきたバブル時代の事業の名残。バブル崩壊後に撤退すべきだったにもかかわらず、未だに進めるのは、区の財政にとっても大問題です。

そもそも風致地区の真ん中に200m級の超高層ビル群を配置して開発する発想自体、弾劾されなければなりません。 超高層居住が人に与える健康影響や長周期波動の地震への弱さも指摘されている昨今では、超高層再開発は、撤退とそのケアを考えるべきです。

高層再開発ということでは、三軒茶屋、経堂、下北沢も見直すべきであり、京王電鉄沿線での千歳烏山を始めとした高層再開発には決して手を染めるべきではありません。また、旧緑地に成立した緑ゆたかな桜上水団地等の低中層団地群を、規制緩和によって高層化することから行政は手を引くべきです。現在の世田谷区の高度地区の規制は45mと30mとなっていますが、これは事実上の高層誘導。高度地区は15m位に制限し例外的に高い建物を建てる場合には条件を付けるべきです。

不要な道路、補助54号線から
路地文化の街シモキタを守ろう

路地の街シモキタに計画された26m幅の幹線道路(補助54号線)は、連立事業に伴う不要な道路の典型です。長年の地下化推進運動や裁判の成果もあって、下北沢では鉄道の地下化が実現しました。しかしそのシモキタの連立事業の前提条件として、補助54号線が作られようとしています。

歩いて楽しめる街である現在のシモキタは、これからの都市づくりのモデル・ケースとして尊重すべきです。それを新規道路によって壊すのは、まさに愚挙であり暴挙。街のあり方から考えるのではなく、制度的枠組みから310億円もの巨費を投じて道路を整備するのは、税金の無駄使いであると同時に、都市計画としても邪道です。 私自身も原告として参加している下北沢の裁判では、補助54号線をめぐる計画道路整備の違法性を、旧法にさかのぼって論証しつつあります。この法廷での成果は、小田急線や京王線の他の交差都市計画道路(補助26、154、128、133、215、216、217、52号、放射23号等)のみならず、外郭環状線を含め世田谷や東京の都市計画道路の見直しに、大きな力を与えることとなるでしょう。

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