平成13年第4回定例会(自1128日 至126日)

世田谷区議会会議録

2001年12月6日「国旗掲揚」請願への反対討論(日本共産党 桜井稔)


○新田勝己 議長 次に四十番桜井稔議員。
   〔四十番桜井稔議員登壇〕(拍手)


◆四十番(桜井稔 議員) 平一二・九号「国旗掲揚に関する請願」、平一三・二四号「国旗掲揚に関する陳情」並びに平一三・三三号「本会議場での国旗及び区旗の掲揚を求める陳情」について反対の意見を述べます。

 世田谷区議会議場に日の丸を掲揚せよとするこれらの請願は、自民党と公明党の賛成多数で採択されました。これについては、日本共産党は反対です。

 日の丸は戦前、侵略戦争のシンボルとして使われてきました。日本の侵略戦争は、アジアで二千万人の犠牲者を出すなど、甚大な被害を及ぼしました。日本軍は、占領した土地にその印として日の丸を次々に掲げてきたように、日本の侵略戦争の推進と日の丸の掲揚は一体です。日本共産党は、戦前、この侵略戦争に命がけで反対してきた党です。ですから、侵略戦争のシンボルだった日の丸を当区議会議場に掲げることは断固反対します。

 戦後、日本の国民は、侵略戦争の深い反省の上に、二度と戦争をしないとして今の憲法を持っております。憲法には、国権の発動たる戦争と武力による威嚇と武力の行使は永久に放棄すると明記されております。国民の中で、侵略戦争のシンボルだった日の丸に対して反対の意見があるのは当然です。区議会は、区民から選ばれた代表である議員が、何ら政治的拘束を受けることなく議論する場であります。その議場に日の丸掲揚を一方的に押しつけることなど許されません。

 議会でも区民の中でも意見が二分している日の丸を押しつけるということは、民主主義を踏みにじることではないでしょうか。また、民主主義を踏みにじる問題は日の丸の押しつけだけにとどまりません。今回の請願審査に当たって、自民党と公明党は議論をする時間を十分とらず、採決を行いました。侵略戦争のシンボルに対する問題、国民の中で意見が分かれている問題、個人の良心を踏みにじる問題など、まともに答えようともせずに採択をしました。そして、今回の審査は、議論がまとまらず、継続審査にせよという意見も多くある中での採択でした。議場への日の丸の掲揚は議会運営上の問題でもあります。議会運営のことは、議会での合意をもって進めるのが民主主義のルールではないでしょうか。ゆえに、この事案については、慎重に進めるべきことであったのです。

 これら二重、三重に民主主義を踏みにじる暴挙に対し、強く抗議し、日本共産党の反対意見とします。(拍手)


○新田勝己 議長 以上で桜井稔議員の意見は終わりました。

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