「議場への国旗掲揚」請願の審査2(2001年11月8日 議会運営委員会会議録より)


世田谷区議会  議会運営委員会会議録  第二十七号
平成十三年十一月八日(木曜日)
 場  所 議会運営委員会室

 出席委員 (十四名)
  委  員  長    宇田川国一
  副 委 員 長    市川 康憲
  理   事      宍戸 教男
  理   事      菅沼つとむ
  理   事      長谷川義樹
  理   事      高橋  忍
  理   事      桜井  稔
  理   事      西崎 光子
  理   事      羽田 圭二
             川上 和彦
             平山 八郎
             増田 信之
             山口  拓
             嘉部 広司
委員外出席者
  議   長      新田 勝己
  副 議 長      諸星 養一
             下条 忠雄
             大庭 正明
             木下 泰之
             小泉たま子
             上島よしもり
事務局職員
  局   長      関  昌之
  次   長      河上 二郎
  庶 務 係 長    尾崎 眞也
  議事担当係長     霜越  収
  議事担当係長     坂本 雄治
  議事担当係長     星  正彦
  議事担当係長     小湊 芳晴
  調 査 係 長    秋元 勝一
出席説明員
 総 務 部
  部    長     小畑  昭
  参    事     渡邊憲四郎

      ◇〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜◇

    本日の会議に付した事件
 区議会だより(bP82)の編集発行について
 請願の審査
  平一三・二四号 国旗掲揚に関する陳情
  平一三・三三号 本会議場での国旗及び区旗の掲 揚を求める陳情
次回委員会の開催について

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    午後一時開議

    [請願審査以外の議事につき略]

  ――――――――――――――――――

○宇田川委員長 請願の審査に入る。
 平一三・二四号「国旗掲揚に関する陳情」及び平一 三・三三号「本会議場での国旗及び区旗の掲揚を求め る陳情」 を議題とする。
 本二件は同種の内容であるため、一括議題として審 査することに異議ないか。
    〔異議なし〕

○宇田川委員長 異議なしと認め、さよう決定する。
 本二件は議会内部の問題であるため理事者、事務局 の説明はない。各会派の意見を求める。

○桜井委員 本二件の陳情は区議会議場に国旗及び区 旗を掲揚するよう求めたものであるが、ことしの夏、 特に歴史教科書問題は大変議論になり、一部の勢力に よる自虐史観でない歴史観ということで、アジアの侵 略戦争を賛美する歴史教料書を中学校で採択するよう 求めたが、惨たんたる結果で、採択されなかった。
 この歴史教科書問題は、アジアで大きな批判の声が 上がっている。日本はアジアヘの侵略戦争を行い、占 領した土地に占領の旗印として日の丸を掲げた。アジ アの侵略戦争のシンボルとして使用された日の丸に対 し、国民の中で賛否が分かれるのは当然である。
 平和都市宣言をしている当区の議場に侵略戦争のシ ンボルであった日の丸を掲げることはどうなのか、各 委員の意見を求めたい。

○宇田川委員長 だれに対する質問か。

○桜井委員 各会派の委員に対する質問であり、理事 者に対してではない。

○羽田委員 昨年、同趣旨の請願が提出され、昨年八 月に継続審査になっている。その取り扱いについて、 「もう一度審査するのか」との質問に対し、委員長は 「もう一度審査したい」と、新たな請願が出された場 合、再審査をするような発言があった。今回、新たな 陳情が出されたので審査をすると解釈してよいか。

○関局長 本二件は新たに提出された陳情であると理 解している。

○羽田委員 了解した。

○宇田川委員長 本二件の取り扱いについて、各会派 の意見を求める。

○高橋委員 新たな提出という事務局の説明であるが、 どちらか一方を審査しても通る内容である。運営のあ り方として明確な規定はないが、一度委員会にかけら れ継続になった場合、慣行的に再議はしない扱いで来 たと思うので、議題として出すことには問題があるの ではないか。議会で採択され、その後同趣旨の請願が 出された場合、みなし採択の制度があることは理解し ているが、本件も同様の仕組みがあるのではないか。

○関局長 従来、委員会で一度議題となり、継続に なった案件については、明文の規定はないが、事情変 更の原則を除き、そのまま継続になる。しかし、新た に提出された案件まで拘束すると取り決めた記憶はな い。

○高橋委員 新たに提出された案件は審議しなければ いけないと思うが、以前提出された案件を同じ議題と してのせることが必要なのか。従来のルールとしてど のように考えているか。

○関局長 今回、委員長のもとで議題とされた二件は、 新たに提出された陳情である。

○宇田川委員長 新たに提出された二件について、各 会派の意見を求める。

○桜井委員 意見の前に議論はできないのか。

○宇田川委員長 意見のときに、一緒に発言願いたい。

○宍戸委員 自由民主党世田谷区議団は、国旗として 法制化された日の丸と区の象徴である区旗を議場に掲 揚することは至極当然であると考える。したがって、 本二件の陳情を本日趣旨採択としていただくよう、各 会派の賛同をお願いする。

○桜井委員 態度表明をしているが、先ほどより議論 をしたいと発言している。議論はさせないのか。

○宇田川委員長 議論をすることは結構である。

○桜井委員 議論の後、最後に態度表明をするのでは ないか。

○宇田川委員長 会派により意見が違う。

○桜井委員 態度を出すのはよいが、議論をしてから 態度を出すのではないか。

○宇田川委員長 桜井委員は先に議論をして、その後 態度表明をしても結構である。
 次に、公明党の意見を求める。

○増田委員 現在の国民意識の流れからいくと、議場 に国旗を飾ることについてはやぶさかではないが、問 題は掲げ方である。今回、象徴等の記述があり、我が 会派とは考え方が違うが、掲げ方を条件に、陳情の願 意については趣旨採択でいいと思う。

○桜井委員 平和都市宣言をしている当区の議場に侵 略戦争のシンボルであった日の丸を掲げることは、平 和都市宣言の内容と大きくかけ離れ、違うのではない かという意見について、自民党と公明克はどう考える か、態度表明の前に議論をしたい。

○宍戸委員 我が会派は日の丸が侵略戦争のシンボル であるとは思っていない。

○増田委員 我が会派は、あの忌まわしい戦争につい ては全国民大いに反省すべきであるし、侵略として遺 憾の意も各国に表明している。しかし、日章旗は軍部 が利用したことであり、坊主憎けりゃけさまで憎いと いうような議論にすべきではない。昨日のサッカーを 見てもわかるように、現在、日の丸は国民に定着して いると思うので、決して侵略戦争のシンボルであると は考えていない。

○桜井委員 自民党は侵略戦争のシンボルではないと 発言したが、国会で国旗・国歌法が成立したときに、 慣習であるから国民に定着しているとして、日の丸を シンボルとして法制化した。しかし、侵略戦争を進め ていた戦前の日本であれば、国民の慣習として国のシ ンボルということが定着していたかもしれないし、戦 争中であれば、お国のための出兵兵士に日の丸の小旗 を振り、天皇を神とあがめ、天皇や日の丸に敬礼をす る日本人もいた。特に中国等占領したアジアの国々で、 占領の印として国のシンボルの日の丸を掲げたのは至 極当然であると思うので、戦前の日本であれば、シン ボルとするのは当然であると理解できる。しかし、戦 後、侵略戦争が否定され、国民の侵略戦争に対する深 い反省の上で、日の丸に対しては賛否両論がある中で、 自民党は侵略戦争のシンボルである日の丸を占領地に 掲げたことまで否定するのか。

○菅沼委員 国の法律できちんと決まったことを含め、 国旗と区旗を議場に掲げてほしいと提出されている。 侵略戦争の話をしているわけではないので、議論がす れ違っていると思う。

○桜井委員 宍戸委員は侵略戦争のシンボルではない と発言したが、戦前の日本では侵略戦争のシンボル だったのではないかとの質問に答えていない。

○木下委員外議員 請願、陳情の処理方法について疑 問がある。本来、憲法に規定された国民の請願権によ り請願は処理され、通常、請願には署名議員が必要で あり、署名議員が請願者の意思を代弁することになっ ている。従来、当区議会では陳情も含め請願扱いにし てきたが、このような大問題を請願扱いにして、陳情 者の趣旨説明も議論もなく採決をすることには問題が あるので、極めて慎重に取り扱わなければいけないと 思う。

○桜井委員 宍戸委員は、戦前の日本であれば、侵略 戦争のシンボルではなかったのかという私の質問に答 えていない。現在も侵略戦争のシンボルではなかった と言えるのか。

○宍戸委員 先ほどの発言のとおりである。

○桜井委員 戦前も含めて侵略戦争のシンボルではな かったと発言したが、自民党等は国民の慣習として定 着していることのみを理由に国旗・国歌法を法制化し た。戦争中の日本であれば、日の丸は国民の慣習とし て定着していたし、それが日本の国のシンボルであり、 侵略した国が占領地に行って日の丸を掲げるのは当然 ではないか。それでも侵略のシンボルではないと言え るのか。

○菅沼委員 三三号の陳情は我が党の方が提出したの で、我々の意見を述べたということである。

○桜井委員 国旗・国歌法の中身は、日の丸と君が代 を国旗・国歌に制定するという二条のみで、掲揚の義 務も罰則もない。憲法第十九条の思想、良心の自由を 踏みにじることになるので、国民に掲揚の義務を負わ せないというのが政府見解である。掲揚の義務がない のに当区議会で掲揚する必要はないし、掲揚すること は思想、良心の自由を踏みにじるので、義務づけして ほしくないと思う。国旗・国歌法に掲揚の義務や罰則 をつけないで、二条だけで済ませたことについて、自 民党はどのように思っているか。

○菅沼委員 本陳情について、共産党の意見だけでは なく他会派の意見を聴取してはいかがか。

○宇田川委員長 各会派の態度表明を求める。

○高橋委員 本件は賛否が分かれているので、掘り下 げれば議論は対立するし、時間をとると思う。我が会 派は、国旗・国歌法は成立しているが、地域に十分定 着していない状況の中で、議会で強引に採択すること はいかがなものかという意見で統一して臨んでいる。 先般、西村委員は 「区民の全体的な動向等を詳細に調 査し、その後結論を出すべきではないかというのが総 会の総意である」 と発言した。そのときは請願者が外 一名であったことも踏まえ、重要な問題であるので、 この問題は慎重に取り扱わなければいけないのではな いか。

○桜井委員 態度表明の前に、国旗・国歌法には掲揚 の義務がないこと、思想、良心の自由を踏みにじるこ とに対し、自民党の考え方を答えていただきたい。

○宍戸委員 陳情の趣旨とは違うと思うが、趣旨採択 に賛成である。

○宇田川委員長 高橋委員の態度表明を願いたい。

○高橋委員 我が会派は、先ほどの発言を踏まえ、慎 重審議ということで継続に願いたい。

○桜井委員 宍戸委員の答えは、議員の思想、良心の 自由を踏みにじっても構わないと聞こえる。我が党は、 議会は区民のさまざまな意見を代表し、自由に議論を する場であり、政治的拘束を受ける場ではないと考え る。そこに国民の意見が分かれているものを掲揚し、 思想、良心の自由を踏みにじることを押しつけること は全く認められないので、区議会議場に日の丸を掲げ ることに反対し、陳情は不採択に願いたい。

○西崎委員 陳情の内容は、議会の規律のために国旗、 区旗の掲揚を求めていると解釈したが、議場内の規律 と国旗とは別の問顧である。アメリカのテロ事件後、 戦争も起きている状況の中で、国旗については慎重な 議論を望むので、取り扱いは継続に願いたい。

○羽田委員 国会で国旗・国歌法が制定されたことは 尊重せざるを得ないと思うが、国会の場でも、国旗・ 国歌法が制定されたことで、国旗掲揚や国歌斉唱の義 務を強制しないことが確認されている。法律の制定過 程でさまざまな議論があり、法律が通っても、国歌の 斉唱については問題にしないし、国旗の掲揚も強制し ないと再三言われてきたと思う。
 国旗掲揚の問題は、現実に世論が二分されていると 思うので、区議会議場での掲揚を考えた場合、区民の 問に広くそのような機運があるかどうかを判断の材料 にしなければいけないのではないか。前回の議事録を 見ても、そのような議論があったと思う。国旗掲揚の 是非をめぐり議会を二分するような議論を議会運営委 員会で取り上げることは難しい問題であり、議論すべ きではないと思うが、既に提出されているので、二分 する議論に対し、結論を押しつけることは避けるべき であると思う。
 国を愛する気持ちは国歌斉唱や国旗掲揚で形成され るとは思えない。国家において国民の意思が尊重され ていく中で、次第に国を愛する気持ちや、さまざまな 行事、記念日等にみずから国旗を掲げる気持ちが広が るのではないか。
 法律が通った以降、公立の小中学校や高等学校の卒 業式や入学式で日の丸に接して、君が代を斉唱するか 否かという議論をめぐり、レッテル張り等が始まるこ とが一番恐ろしいと思う。実際に都立高等学校の卒業 式や入学式等でPTAも二分されているので、PTA も結論に導くことに大変苦労をしている。私自身も同 様の経験があるので、慎重に取り扱わなければならな いと思う。万が一レッテル張り等が行われれば、憲法 の思想、信条の自由や表現の自由が侵されることにも なりかねないと思う。
 そのような観点から、今回の区議会議場での国旗等 の掲揚の問題については、区民感情も、本日の各会派 の意見も二分され、慎重に取り扱うべきとの意見も出 ているので、社民党としては、継続審査として、今後 慎重に議論を重ねていただきたい。

○宇田川委員長 委員外議員の意見を求める。

○木下委員外議員 日本は戦前と戦後で一つの断絶が あったからこそ今の日本がある。戦前を象徴していた 日の丸はそのときに変えるべきであったし、戦前と戦 後のけじめをつけて、初めてアジアの国に対しても、 世界に対しても一つの発信ができたと思うが、その機 会を逸してしまった。しかし、アジアに対する侵略戦 争があり、その旗のもとに死んでいった人々もいたの で、その後も半世紀にわたり日の丸は掲げられなかっ た。そのような歴史性を持った旗について世論が分裂 している中で、これを議場に掲げることは好ましくな いと思うので、本陳情には反対する。

○下条委員外議員 いつの問にか議会運営委員会で本 件を議論することになっているが、我々が採決にかか われないことはおかしいと思う。会派の対立の図式で 強行採決をするような問題ではないし、採決にかかわ れない我々の意見を求めることはおかしいと思う。自 民党にもいろいろな意見の人がいると思うし、利権等 のメリットによりたまたま会派を組んでいるだけであ るから、個人の自由な意見を闘わせる揚があってしか るべきである。委員長の議事進行も、会派に態度表明 をさせて、以前の議会の質問時間の制限のように一瀉 千里に走って採決するのは余りにも乱暴である。もう 一度仕切り直して、我々も入った企画総務委員会等で 議論することとし、今回は継続にしてはいかがか。

○大庭委員外議員 前回から賛成ということで臨んで いる。取り扱いに関しては下条議員の発言と同様であ るが、この問題で二分することから卒業したい。日本 は戦前、東南アジアを初めとして非常にひどいことを やってきた。そのときに、シンボルかどうかは別とし て、日本の国旗として日の丸が使われたことは事実で あると思う。しかし、羽田委員のレッテル張りという 意見については同じ気持ちであるし、この問題は考え なくてはならない。
 共産党は、戦争行為において日の丸が使われたこと を指して、日の丸がシンボルであると言っているのか もしれないが、それが現在も続いているから平和を侵 すという議論はいかがかと思う。国旗の形を変えれば、 日本が戦前に行ったことはなくなるのか。それは形を 変えているだけで、日本の行ってきたことと国旗の問 題はイコールではないので、不可分の部分もあるが、 分けて考えることもできる。
 日の丸に不快感を持つ国民を専重しないわけではな いが、世界の文化の中で国旗は一つの文化であるから、 国旗があることは当然である。戦後五十年を過ぎた現 在、戦前の重い記憶等から脱却して、その辺を深刻に 考える時代は二十世紀を区切りとして、日本の国は自 然な形で国旗を掲揚すべきではないか。木下委員の発 言のように、国が変化したのであれば、日本も終戦直 後に国旗のデザインは日の丸以外のものを使用すれば よかったのかもしれない。戦前の歴史について別の角 度で反省を忘れなければ賛成できる。
 日本が戦争をした経緯は、大変な問題であるから各 位が大賛成するまで待とうと、決断しないで問題を先 送りし、棚上げした。このようなことは戦前の政治に も戦後の政治にもある。国旗の掲揚は議会で決めるこ とであるから、下条議員の発言のとおり、我々が採決 に参加できないことは非常に不満である。民主主義は、 最初から最善を求めるものではなく紆余曲折があるの で、継続は避けるべきである。各会派は判断を明確に することが政治の責任ではないかと思う。

○宇田川委員長 お諮りする。意見が分かれているの で、本二件を継続審査とすることに異議ないか。

○宍戸委員 我が党は、本日この問題に結論を出した いと思うので、継続審査には反対する。

○木下委員外議員 本来、請願の憲法上の規定では、 議員は請願の紹介者になり、きちんと提案理由説明を して議論することになっている。当区は慣例で陳情も 同様に扱ってきたが、大事な問題について短時間の審 査で採決することには反対である。このようなことを すると、当区議会の信用は全く落ちる。

○宇田川委員長 異議があるので、採決は挙手により 行う。
 お諮りする。本二件を継続審査とすることに賛成の 方の挙手を願う。

○高橋委員 二十何年間議会活動をし、運営にも関心 を持って対応しているが、議会運営のあり方として、 例外もあるし、正式ではなく慣行かもしれないが、議 会の採決は、基本的には満場一致制をとるという申し 合わせがあると思う。かつて幹事長のときに、各会派 の意見を鮮明にするために採決をしてもいいのではな いかと提起したが、亡くなった自民党の先輩から、長 年の円満な議会運営のルールとして積み上げてきた満 場一致制を基本にすべきであるので、採決制は避ける べきであると言われ、その後、その運営を継続してき た経過があるので、この件のみを採決するやり方が本 当にいいのかどうか。
 もしやり方を変えるのであれば、議員定数の問題等 同様の仕切りとして他の請願も含めて議会のあり方に ついて論議を深め、きちんと整理をしてから変えなけ ればいけないのではないか。互助会や委員会のポスト 等についても円満なやり方でやっているが、長年の人 間関係の積み上げでできたルールであるから、そのこ とに配慮した運営をしていただきたい。ここで採決を することは問題があるので反対する。

○下条委員外議員 高橋委員の発言はおかしいと思う。 前期、三十分あった我々の質問時間を十分に削り、 我々の控室を強引に取ったので抗議をしたこともある が、それは全部、自公と一緒にやったことではないか。 従来、我々を排除しようと、我々の発言権をできるだ けカットし、仲よしクラブでやっていたのに、そのよ うな発言をするのはご都合主義である。
 今回の陳情者は二名であるし、これは時間をかけて 議論する必要があるので、委員長が冒頭にペンディン グしようと発言したことは正しいと思う。従来、仲良 しクラブでやっていた各委員が割れるのは高見の見物 をするが、企画総務委員会等で時間をかけて、再度議 論することは必要であると思う。

○宇田川委員長 反対があれば継続にするというルー ルについて、事務局の説明を求める。

○関局長 交渉団休会派のあうんの呼吸の中ではその ような取り扱いもあった。しかし、先例集や幹事長会 の申し合せ事項、議会運営委員会の申し合わせ事項に は明文化されていない。

○羽田委員 結論は高橋委員と同じである。大変重要 な課題であるし、今後議論をすることはむだな時間で はないと思う。本日採決をするのではなく、今後継続 して議論をし、その上で一定の判断はできないか。

○桜井委員 意見が賛成から不採択まで分かれている。 高橋委員や事務局の発言のとおり、意見が分かれてい るときは継続にすることが慣例であったと思うので、 それを貰いてほしい。

○長谷川委員 不幸な歴史があったことは事実である し、それは日本人として了義しなければいけないが、 日の丸に責任があるわけではないので、それを反省の 材料として見てもいいという観点を持っている。国旗 を議場の真ん中に張ることには反対であるが、ある程 度の掲揚をしても問題はないのではないか。一年前に 審議したときに継続になり、今回継続にすると、一年 後に審議しても同じ結果になり、永遠に決まらないと 思う。陳情が出ている以上、当議会としてはどこかで 結論を出さなければいけないし、その時期ではないか というのが我々の見解である。
 日本が侵略した問題は、間違いも含めて、日本の持 つすべての重みを日本人として背負わなければならな いが、それは別の議論である。本件は議場に国旗を置 く問題のみであるから、それほど目くじらを立てるこ とではない。ヨーロッパ諸国も帝国主義支配ですさま じい侵略戦争をやったが、国旗はそのまま国旗ではな いか。

○桜井委員 ドイツやイタリアは国旗を変更し、ドイ ツはかぎ十字を全部なくした。しかし、日の丸は戦前 と戦後につながっているので、侵略戦争のシンボル だったと発言した。国民の賛否が分かれている状況で は決着がつかないので、議論が継続するのは当然であ るし、慎重に議論するのも当然である。
 公明党は一年前に、国民に定着していくと思うので、 継続して検討すればいいと発言したが、今回、国民に 定着したからオーケーにするという具体的な理由があ るのか。

○菅沼委員 採決の途中であるから、それをきちんと 片づけていただきたい。

○増田委員 共産党の質問に対して答えるが、日本の 総理が海外に行くと、その国に在住の日本人は日の丸 を振って迎えるし、日の丸は当区役所にもへんぽんと 翻っている。姉妹都市や他国から来庁したときは、そ の国の旗と日の丸を掲揚している。それを甘んじて受 け入れているが、なぜそのときに反対しないのか。
 現在、日本の国旗は日の丸であると国民の約八割が 答えるはど定着していると我々は思う。忌まわしい戦 争を思い浮かべる人もいるが、平和のシンボルとすべ きであると思うので、昔のように象徴的にして、最敬 礼するような旗の掲げ方でなく、掲げ方の問題が整理 できれば掲揚してもいいのではないか。

○宇田川委員長 議論は続くと思うが、異議があるの で、採決は挙手によって行う。
 お諮りする。本二件を継続審査とすることに賛成の 方の挙手を求める。
   〔賛成者挙手〕

○宇田川委員長 挙手少数と認める。よって平一三・ 二四号及び三三号を継続審査とすることは否決された。
 継続審査とすることが否決されたので、本日、結論 を出すこととする。
 陳情の内容を可とすることで諮ることになるが、先 はどの取り扱いの意見では趣旨採択とのことなので、 趣旨採択とすることについて諮る。
 採決は挙手によって行う。
 本二件を趣旨採択とすることに賛成の方の挙手を求 める。
   〔賛成者挙手〕

○宇田川委員長 挙手多数と認め、平一三・二四号及 び三三号は趣旨採択と決定する。
 なお、同種の内容で継続審査となっている平一二・ 九号については、ただいまの決定によりみなし趣旨採 択とすることに異議ないか。
    〔異議なし〕

○宇田川委員長 異議なしと認め、さよう決定する。
 請願の処理について本会議で議決された後、国旗、 区旗の具体的な掲揚方法について理事会で検討、協議 し、その結論をもって、後日、議会運営委員会にお諮 りするので、よろしくお願いする。
 請願の審査を終わる。

  ○宇田川委員長 発言を許可する。

○高橋委員 採択されたので、それはそうなると思う が、委員長は、今後委員会をどのように運営していく のか。二十何年間、慣行の中で円満な運営をしてきた。 多数決でやるべきではないかと発言したが、亡くなら れた自民党の長老から、そのようなやり方は好ましく ないので、今のままで行こうと言われてやってきた経 過がある。そういう慣行は議会の円満な運営のために 必要であると思い、認めてきたが、今画それを変更し たのであるから、今後はこのように運営するのか。こ れは議会全体の問題として受けとめてよいか。

○宇田川委員長 従来、各位の意見がまとまることが 多かったが、今後は各位が自由に発言して、民主主義 にのっとり多数決でいく場合も出てくるのではないか。

○大庭委員外議員 議会運営委員会のあり方には一つ のルールがあり、きょうのやり方とは違うとの高橋委 員の話であるが、きょうのやり方は当然である。最終 的に絶対に採決をしないというやり方はどこにも記載 されていないし、議会は議決をする揚であるから、賛 否を明らかにするのは議員の役割であると思う。高橋 委員は、常に多数決の多の方にいて、従来から不利益 をこうむらずにいたのに、従来と違うからおかしい、 委員会のあり方をもう一度恨本的に見直すのか等の発 言を聞くと、従来の運営は何だったのかと感じる。人 間関係や慣行を尊重しないわけではないが、当然議会 のルールは多数決である。我々は一人会派であるがゆ えに不利な処遇を与えられている部分もあるが、今後 も多数決の論理でやるべきである。

○高橋委員 従来、採決権を持つ運営メンバーの中で このような採決をしたことはない。それは採決権のな い議員とははっきり分かれている。委員外議員には採 決権はなく、オブザーバーとしてしか認められていな い。
 今後は、当委員会の運営のみではなく、各常任委員 会も含めてこのようなルールにするのか。そういう姿 勢で臨むのであれば、覚悟しなければならない。

○宇田川委員長 ご意見として承っておく。

○宇田川委員長 次回委員会は、十一月二十日(火) 午前十時より開催する。

○宇田川委員長 議会運営委員会を散会する。
    午後二時五分散会