集合関数の例1 リーマン積分

設定

 R : 実数の全体の集合
 E : 互いに素な有限個の左半開区間の直和として表される集合(区間塊)の一つ。
     ※有限個の左半開区間の直和(区間塊)は、R部分集合となっている。
  集合E(区間塊)として考えられ得るもの全てを集めてきた集合系(族)
     ※有限個の左半開区間の直和は、R部分集合だから、R部分集合系(族)となっている。 
     ※以上のように、E,を定義するとき、 ER かつ E  は満たされている。  
 f (x): R上の実数値関数(つまり、f: RR)、R上連続定理より、連続だから任意の閉区間で可積分)で、
     R上すなわち(−∞,+∞)f (x)広義積分が絶対収束する(絶対可積である)もの。
      なお、(−∞,+∞)で絶対収束(絶対可積)とは、


|f(x)|dx +∞
|f(x)|dx
lim
a'
|f(x)|dx lim a |f(x)|dx






R -∞ a'→+∞
a
a'→-∞ a'











      が、有限な極限値に収束する(∞に発散しない)ことをいう。 
     ※このとき、(−∞,+∞)でf (x)の広義積分は収束し()、
       (−∞,+∞)に含まれる任意の区間でも広義積分は収束する()。

本題


Φ(E)=
 f(x) dx  (E )



E





Φ(φ)= 0
   は、実数値 -集合関数となる。

[文献]

 ・伊藤『ルベーグ積分』I予備概念§3点関数と集合関数:例1(p.13)

一般化:集合関数 
ほかの集合関数の具体例:区間の長さ矩形の面積直方体の体積Rn区間のn次元体積、
               R上区間塊の長さR2上区間塊の面積R3上区間塊の体積、Rn上区間塊のn次元体積 


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reference

日本数学会編集『岩波数学事典(第三版)』 岩波書店、1985年。項目162A(pp428-429), 163 (p.432)
伊藤清三『ルベーグ積分』I予備概念§3点関数と集合関数(p.11-3)
高橋一『経済学とファイナンスのための数学』新世社、1999年。 pp.1-4.
Cramer, Harald,1946 Mathematical Methods of Statistics, Princeton UP.
=クラメール『統計学の数学的方法:第1巻』東京図書、1973年、6.2集合関数と点関数(pp.47-48)。