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3章)財布/商い

「百円!」

一目で勤め人ではないと判断できる風体のおっさん数人が、地下街のゴミ箱を漁り雑誌類を収集している◆おっさんたちはJRや私鉄から地下鉄と、かなりの広範囲でターミナルのゴミ箱漁りをなさっているのでした。彼らの行動は素早く、ゴミ箱チェックからの体重移動には全く無駄がなくプロフェッショナルを感じる。明らかに業者なのであった◆ゴミ箱の人を尾行したところ、地下鉄の梅田駅、JRの大阪駅、地下鉄の西梅田の3駅を構内までムダなくチェックし、デパートの大袋4ケ分の雑誌を収集すると東梅田方面へ汗くさい風と共に去っていったのでした。そんなに集めてどうする◆梅田で路上にシート敷いて雑誌を100円で売っているのを発見し、ギ問は解消したというわけです。聞いたら、自分で集めて自分で売っているらしい。売り場は現在取り壊し中の「梅田コマ劇場」南側の道です。ナンバの千日前にも仲間がいる、との話でした。当日発売のすべての雑誌がオール100円。キレイなのばっかりなので安心。(95/1「GON!」vol.5に掲載)

 

「ノーパン」 

ノーパン喫茶をたずね、我が国ノーパン発祥の地とされる「阿倍野」へとでかけたのであった◆「あべのスキャンダル」は牛丼喰い放題のノーパン牛丼「ちち乃屋」を数年前に開店し、ノーパンお好み焼き、ノーパンしゃぶしゃぶ、という90年代ノーパンのトレンドを創生した老舗である。また、昨年(94年)にTバックハンバーガー店「オイド(大阪弁でシリ)バーガー」を桜川に開店し話題になっている◆「オイドバーガー」は当初「チチドナルド」と名付けられる予定であったが「マクドナルド」からの強い抗議で店名変更をよぎなくされたらしい◆伝聞で詳しくはわからないのだがTバック水着のピチピチギャルの熱血サービスが売り物らしい。しかし触るのはダメというのが「あべのスキャンダル」らしくていい◆80年の12月に開店し現在も営業を続けているはずの「あべのスキャンダル」は日本ノーパン界の本家(注:元祖は京都のノーパン喫茶らしい)としてひろく知られており、ノーパンがサムイ商売になってからも独自のアイデアで乗り切った伝説上のノーパンである◆ボディペインティング、野球拳、パンティオークション、ボクシング、腕相撲、土手相撲、なめくじ、吹き矢、ピンポン玉、ハトポッポなど、それぞれの新(珍)企画には、触らずに見るだけのエロ、すなわち我が国伝来の「花電車(見るだけで乗れない)」を追及してきた潔さがある◆しかし、久しぶりの阿倍野は再開発の真最中で街の風景は一変していた。「あべのスキャンダル」のあった辺りも金網で囲まれた空き地になっていた。見るだけでもよかったのになあ。(95/1「GON!」vol.5に掲載)

 

「赤まむし」 

関西人が他の土地のひとよりも元気にみえるとすれば、その元気の秘密は「赤まむし」にある◆心斎橋筋の「坂本漢方」はその筋では有名な「赤まむし」の元祖として広く知れわたっている。一時流行ったまむしのドリンク剤ではなく漢方の飲み薬なのである。その効き目は店構えをみればわかる◆全国有数の繁華街、心斎橋に面した店舗の二階には店の創業者であろうか、恐ろし気な極彩色のおっちゃんが行き交う人並みを見下すように座しているのだった。これは効く◆古来より、薬屋の店先には気の弱いひとが卒倒しそうな展示が多い。いまでも水虫患部の拡大カラー写真を避けて通るひとは多いだろう◆数年前、心斎橋を深夜歩いていたら見知らぬおっさんに試供品の赤まむしをもらった。そのままカバンに入れ数カ月後、飲むべき時が訪れたのでスキをみて飲んだことがある。キキメはユンケルの比ではなかった。疲れたときには坂本の赤まむし! これでキマリ。(95/4「GON!」vol.6に掲載)

 

「わんだ〜らんど」 

大阪のまんがファンでこの「わ」マークを知らんひとはモグリといわれても反論はできない◆「わんだ〜らんど」は大阪が誇る漫画専門店のホームラン王と呼ばれて19年になる。関西のオタクのメッカ日本橋周辺では当店の未使用マーク付きビニール袋が高値で取引されている情報もある◆またそのまんが書棚は日本で一番高いことでも知られており、店員は20センチ以上のハイヒール着用が義務となっている。「深井店」「MlC店」「ナンバ店」の3店舗あったのだが、この2月、過去に坪当たり売り上げ日本一を記録したこともあるという、たった5坪の小さな大書店「わんだ〜らんど深井店」は閉店することになった。だが「GON!」の発売日3月17日に併せてか「わんだ〜らんど・なかもず店」を新規開店するそうです。ところで「わんだ〜らんど」で「GON!」は買えるのでしょうか?(95/4「GON!」vol.6に掲載)

 

「昼寝屋」

「ストレス解消スペース『昼寝屋』1月30日オープン!」なる呑気なチラシを御堂会館(南御堂)前の歩道で拾った◆そこには、「30分、200円(ソファ)300円(テント)」という謎のデータもあり、また「当分の間、最初の30分無料」というかなりええかげんな商売を匂わすことばもあった◆昼寝屋というから疲れたサラリーマンに昼寝のスペースを提供する新商売であろう、ワシには関係ナイわい、と判断しかけたのだが、マジックフリーハンドのチラシのゾンザイさなど少し惹かれるものがあり、疲れたサラリーマンではないがいってみた◆南船場の農林会館の5階にある薄暗い部屋には1人用のテントが9張と、デッキチェアが5つ。テントのなかにはキャンプ用シートとまくら、それぞれ小さな照明もつく。喜多郎風のマインドミュージックと鳥の声が交ざったBGMが流れている。最初の30分はタダなので黄色いテントを選び横になる。25分ぐらいで出ようとおもっていたのだが、環境が良すぎて本気で寝てしまった◆気が付いたら2時間もたっていた。なかなかこれはイイ商売だとおもう。(95/5「GON!」vol.7に掲載)

 

「閉店セール」

このセールの本来の姿は、何らかの理由で店を手放すことになり、商品をこの際、利益を度外視して現金化してしまおう、という潔さをもつ半面、売れなかったら一家心中、オーナーの「買うて! 助けて!」という叫び声が聞こえる無茶なセールである◆客は概ね善人なので、こうした場合の商品はケタはずれに安い、というイメージを持ち閉店セールに群がる。すると予想外に利益が生まれ、閉店セールをした商店は新たに店を、こんどは開店することになる◆善意の客にウソをつくことになるのだが、しかしこれはサギには当たらない。ただのセールの一種である。大阪の「道具屋筋」には、ちゃんと「閉店セール」用の各種グッズ、ノボリ、旗、看板が販売されていることをみても、このセールにハマる客がアホなのである◆写真の店は西天満交差点西にある靴屋で、閉店セールを開始して今年でかれこれ13年にもなる、いわば「閉店セールの老舗」である。大阪で一番大嘘つきの靴屋ではありますが、ここまでくるかえって親しまれてしまうのだ。(95/5「GON!」vol.7に掲載)

 

「パチモン」

ブランドコピー商品、あるいは偽商品を『パチモン』と呼ぶ◆パチモンは情けない、負け犬的なイメージがあり、便乗商品、類似商品がもつ小ずるい商売、という軽いひびきもある◆どんなことをしても儲かったもん勝ち!というイメージをもたれがちな関西はまた、パチモンの本場でもあるようにとられているが、日本一「見栄」より「実」をとるのが関西人なのである◆むかしのパチモンというのは偽物、コピー商品などという意味ではなく、八分の力でつくられた普及品としての意味が大きいのである。どこをみても、根っからパチモンの我が国ではパチモン商品がちょうどいいのである。だから楽しい、とおもいませんか●「パチモン」転じて「パッチモン」と弾む場合もある。パッチ(ももひき)を穿かすと中味が良くみえることからこう呼ばれるようになったと考えられる。「上げ底」と同意◆島田紳助氏などはテレビで同じ意として「バッタモン」を連発しているが、そちらは、本来正規のルートを通さずに現金で商売する「バッタ屋」の商品を指す。バッタの様に商品が飛び跳ね、消えてゆくことからそう呼ばれる◆写真はクレヨンけんちゃんとRALEXの腕時計。情けない風情がまたよろし。(95/7「GON!」vol.8に掲載)

 

「外車」

バブル崩壊で遊休地が発生し、以前に比べ大阪の都心にも駐車場が増えたのは喜ばしいことだ。しかし、いまだに「外車お断り!」のところが存在し、古くからある私設の駐車場などはほとんど外車禁止といっても過言ではない◆外車ということで、逆輸入車も左ハンドルなら止めてくれない。ミニのような英国製の右ハンドルの小型車でも、外車であるかぎりダメ。か、あるいは、不当な外車料金を徴収されたりする◆でも、パーキングのおっさんが知らない右ハンドルの妙な外車。たとえばイタリアのランチア・アッピア56年型、英国仕様で右ハンドル、なんていう車ならOKの時もある◆まあ我が国には過去、国産車に乗っているひとより外車に乗っているひとの方が、いくぶん人物的にヤヤコシイ系統の人種が多かった歴史、というのもあるから仕方がないところもあるが、それくらいのヤヤコシサがこなせなくて何の国際化じゃ◆何のかんのいっても、それでも大阪の駐車場係のおっさんたちはヤヤコシイことが死ぬほど嫌いなのであった。(96/2「GON!」vol.15に掲載)

 

「KAZUHIKO」

大阪の中央環状道路を走行するドライバーで「 KAZUHIKO」を知らぬ者はまずいない◆吹田から南茨木に設置された数枚の大看板のなか、同一人物であろうKAZUHIKO氏の人相が店に近づくほど微妙に、しかも不気味に変化していく。渋滞中にこれは効く ◆大阪の看板屋は、リアル物が不得意(映画スターも誰かわからん場合が多い)なのでこうなる。大阪仕事の代表的サンプルである◆謎の「KAZUHIKO」を尋ね、取材班は、その問題の店「Mランド」に突入した。ここまできて、いったいどんな顔なのかこの目で確認しなければ意味がない。だが、軽い気持ちで店内に足をふみいれた我々は茨木をすこし甘くみていたようである。「Mランド」の店内は驚愕が渦巻いていた◆CD、AVテープ、ボウリング、レンタルビデオ、ジグソウパズル、絵はがき、10円コピー、文房具、おもちゃ、写真館、中古車屋、ゲームセンター、まんが・雑誌・文庫・新刊中心の書店、ローソン、たこやき屋台、ビリヤード場、喫茶店、讃岐うどん、ファミコンソフト、テレカ、などが無秩序に一斉に商いされている巨大なメガショップなのであった。広大な敷地内を小一時間かかってチェックしたのであるが、それぞれのショップのレベルはかなり高く立派な専門店群なのである。しかも、営業時間が朝10時〜深夜3時(金土は5時)まで、という完全コンビニ体制にも脱帽した◆残念ながら、目的の「K A Z U H I K O」氏はDJで超多忙らしく、拝見することはできなかった▲この中に二十数店の店舗が存在する●「Mランド」は大阪府茨木市美沢町、阪急「南茨木」から約1キロ、中央環状道路沿い。(96/4「GON!」vol.17に掲載)

 

「駄菓子屋」

かって駄菓子屋は、塾に通う必要のなかった今より自由な子供たちが放課後集まるサロンであった◆オカンのガマグチからチョロまかした小銭を手に、自分で欲しいものを選ぶ、それが楽しみであった◆昨今の、女子大で食品衛生など専攻した若い母親など、卒倒し泡を吹きそうな毒々しい着色料に彩られた訳のわからない軟体の菓子群。原材料表示などないアジア丸出しの駄菓子を目当てに子供たちは集まっていた。子供なりの射幸心をも満足させるクジ引きもあった◆時代は変わり、近年はそうした駄菓子屋の姿を大阪都心で見ることは少ない●地価の上がった都市から撤退した駄菓子屋のほとんどは現在都市近郊、郊外のニュータウン内の場所を移している。子供好きの老人たちの老後の小遣い稼ぎになっているのだが、これも時間の問題であろう◆写真はとあるニュータウンの駄菓子屋。奥のばあちゃんの健康にこの店の存続がかかっている。(96/6「GON!」vol.19に掲載)

 

特報! 大阪ミナミ・アメ村にオカルトショップ出現

大阪にオカルトショップがある。場所はミナミのアメ(リカ)村である。◆アメ村は大阪でも選り抜きのdヤングeが集結する若者向けd商店街eである。死語を連発してもうしわけないが、何がいまdナウイeのかアメ村へ行けばすぐにわかるdタウンeでもある。そのアメ村でオカルトとは解せぬ、ということで我々取材班はアメ村中心のランドマーク、三角公園から南へ二百メートルのテナントビルへと向かったのであった。◆読者情報では、とにかく怪し〜い雰囲気百%の店で、店内は真っ暗。ミイラや頭蓋骨があり、しかもイラストでは、奥には口が耳まで裂け、ツノとキバのある黒いマント姿の男がいるので呪われそうで怖い、という「学校の怪談」な証言でした。◆目的のビルの入り口には赤い看板に小さな張り紙。「本格的オカルトショップdTerritrye悪魔崇拝サタニック系オカルトショップですが一般の方もぜひのぞいて下さい」となかなか控えめな発言。オカルト者によくある暑苦しい主張がないところが好感がもてるが、逆にまた怪しい。「テリトリー=領域」という店名もコワイ◆世紀末という呼び名が史上はじめて発生した百年前、産業技術の進歩とは逆に、その対極にある、神秘主義が流行したという。妖精、幽霊、ポルスターガイストなど霊的存在への傾斜。易、星占い、カード占いなどのブーム。U F O、宇宙人、超能力。オカルト・ブームは社会の激変期には必ずといっていいほどおとずれた。ナチスがオカルトに手を染めていたことは良く知られているし、ベトナム戦争とオカルト精神世界の影響を受けた60年代後半のヒッピーなど。社会の不安がオカルト呼び覚ます、と考える社会学者は多い◆はたして、店の外観は学園祭のお化け屋敷であった。だが、3坪ほどの狭い店内は真っ暗に近い。燭台のロウソクをたよりに店内を観察するがビタミンA 欠乏症なので、急には何があるのか判別できない。噂どおり猫の死体(ミイラ)がある。加えて、生きたコウモリ、大蛇、サソリなど。ケースには上下逆(サタニック)クルス。小さなビン入りの粉や小物類。使用法不明なオドログッズで満タン。しかし、セックスをしらぬ少女が「電動こけし」をおもしろがるようにオカルトグッズの使用法はしらずとも興味は湧く。初心者用のTシャツや定番、髑髏系アクセサリーなどもかなりある◆幼いころからヒーローより悪役、悪魔的なキャラクターが自分には魅力的だったと語るオーナーのY氏(年齢不詳全身黒づくめ )にはツノもキバもなかった。ちなみに、ツノキバ付きの頭蓋骨が店にある◆一応、店の形態をとってはいるが、じつのところこの店はオーナーの部屋なのだそうです。趣味が高じてお店をするひとは多いが、オカルト趣味でオカルトショップするひとも珍しい。若いひとも気軽に来て、ここの雰囲気が気に入れば、商品知識がなくても気楽に買っていってほしい、とオーナーはいうが、並の商品ではないので、なめてかかると一生が台無しになる結果を生むかも知れない。そんな緊張感のある商品を売る店でありました◆店名の「テリトリー」はd領域e。興味のあるひとには気に入ってもらえると思うので、このd領域eに入ってみることを勧めます●オカルトショップ T e r r i t r y/テリトリー 大阪市中央区西心斎橋2-17-9ダウンタウンビル3階・水曜休さる理由でエはつけていないそうです!(96/9「GON!」vol.22に掲載)

 

散歩でポンC 【ハリボテ】

大阪という都市のイメージを強く印象づけているもののひとつに派手な広告看板がある◆道頓堀の「かに(かに道楽)」新世界の「ふぐ(づぼらや)」などは、初めて見る者の中枢神経を直撃し、その後の強烈な大阪のイメージの核となる◆しかし、これら飲食業以外でも、商(あきな)うモノ(商品)をそのまま大型なハリボテ看板にすることはワールドワイドに営まれてきた看板世界の常識であり、大阪だけのことではない◆大阪の看板の特殊性は、ただでも暑苦しい町中に巨大なハリボテオブジェを持ち込んだことにある。本来のスケール(規模)を逸脱し、あらぬ方向「とにかく目立てば儲かる」と信仰ともいえる概念にに向かったことにある◆ところがここにきてバブル崩壊があり、都市内の飲食業界の景気にかげりがさしはじめ、都市近郊のパチンコ屋や大規模商店にそのコンセプトを奪われるかたちに現在はなっている◆エッフェル塔(パチンコ/淀川区三国本町)、自由の女神(パチンコ/淀川区東三国)、弁慶(パチンコ/松原市丹南)、ティラノザウルス(衣料品/吹田市豊津町)、ブタ(カットハウス/生野区北巽)など、見る者に感動を呼ぶレベルの高い作品が多い◆扱う商品(ウリモノ)とハリボテには全く関連がない場合も多く、オーナーあるいは看板屋が作りたいから作ったというやむにやまれぬ何かが感じられる。これらはやはりd芸術eなのです。(96/7「GON!」vol.20に掲載)

 

「FM」

◆田舎出身の評論家などに限ってマスコミの東京一極集中、などわけしりな発言してからにカマビスしい限りであるが、それは出版界に限ったことで、こと放送界にはあてはまらない◆つまり、在阪の放送局は各局競って大阪という際だった独特の地方色を活かしたローカル番組を制作しているからである◆低予算で内容はうすいが、そのかわり出演タレントは濃い、という地元制作の放送群に飽きれば、全国ネットのたっぷり金の掛かった洗練した番組で目や耳を消毒する、ということが簡単にできる幸せな状況に視聴者はおかれている◆ところでFMはどうなんだろう。数年前のFM大阪(現在はEAZY851)とFM802の聴視者獲得戦争が現在はウソのように静かである。FMなどだれも聞いてないのかもしれない●写真はFM802のステッカー。以前は車のうしろにステッカーを貼っておくと抽選で毎日10万円の現金が当たるというキャンペーンの効果か、市内中心部に集まるほとんどの車両にこのd802eがあった。が、新しいものに飛びつくのも早いが、すぐ飽きる大阪なので、このごろは免許とりたて風の軽四輪にときたま貼られている程度になっている。やっとダサイのに気づいたようだ。(96/3「GON!」vol.16に掲載)

 

「スモカ」

ここ数年、西欧先進国でのタバコアレルギーはすざまじい勢いで、紙巻きタバコは今世紀中には製造も販売も中止されようという◆中途半端な外国カブレが多く存在する我が国もまた、喫煙者の全体数は減少傾向にある◆しかし、非合法とはいえドラッグやりたい放題のアチャラさんと異なり、アルコールと喫煙(ニコチン吸引)ぐらいしかお手軽な合法ドラッグのない、つまらない国なのであるからして、タバコぐらいは好きに喫わして欲しい。しかも、問題になっているのはニコチンではなく発ガン物質のタール(ヤニ)でしょ。我が国にはdスモカeがあるのを知らないナ◆片岡敏郎(戦前に活躍した広告文案家)の宣伝で有名なスモカは、80年前に大阪で生まれた愛煙家用のヤニ取り専門粉歯磨き。とっくに消滅したと思ってるひとも多いが、現在も大阪市西淀川区で生産中です◆レトロモダンです。(96/8「GON!」vol.21に掲載)

 


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