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Still Love 3
いつの間に眠っていたのだろう。
ロザリアは頭を乗せていた布団が低くなっている事に気付いて、身を起こした。
「アンジェリーク!」
ベッドにアンジェリークの姿はない。意識が戻っていたのだろうか。
慌てて室内を見回す。室内に人影はなく、ドアが半開きの状態だ。
「まさかあの体で外へ…」
ロザリアは青褪めて部屋を飛び出した。
「アンジェリーク!!」
ただならぬ声に、待機していた守護聖が駆け付けてきた。最初からいた三人に加え、残りの六人も結集している。
「どうした!ロザリア」
最初に駆け付けたのは、食堂の入り口付近にいたオスカーだった。
「アンジェリークが居ないんです。あの体で何処に行ったのか…」
守護聖全員に緊張が走る。
「とにかく手分けをして探そう。まだそれほど遠くへ行っていないはずだ。ランディ、ゼフェル、マルセルは寮の中を。後の者は寮の外を探し、玄関前に集合。結果の報告後、次の策を講じる」
ジュリアスはテキパキと指示を出し、身を翻した。
「…私が眠ったりしなければ…」
ロザリアはそっと呟いて、唇を噛んだ。
「そなたに非はない。非はむしろ、私の方にあるのかもしれぬ…」
低く、落ち着いた声…。その声だけで心が安らかになる。
「クラヴィス様…」
顔を上げ、心を引き締める。
アンジェリークが大変な時に弱気になる訳にはいかない。それこそ、女王失格だ。
「私も探して参ります!」
ロザリアは、守護聖に一歩遅れて捜索に赴いた。
…それにしても、一体何処へ行ったのか…
「…森…か」
クラヴィスは、先日の夢に出てきた場所の記憶を辿った。
森の木々、足下に光る水面…。あれは湖?
同じ場所だとすると、夢の中の場所の方が随分と明るい。まだ森というには幼い…。
「…聖地にある森。古の森なら、人の思いも湛えやすいが…」
ここは飛空都市。いくら聖地を模して作られたとはいえ、過去の思いを湛える程長く存在している訳ではない。
オスカーには異常が判らなかった『祈りの滝』。
クラヴィスは単身森の湖へと赴いた。
アンジェリークは、危うい足取りで道を歩いていた。翠の瞳には何も映さず、何かに導かれるように歩く。
裸足のままなのに、気に留めようとしない。まだ意識は回復していないようだ。
少女の足は森の湖へと向かっていた…。
女王候補の寮の表玄関前。捜索を終えた者たちが集結していた。
「…ジュリアス様。寮の中には…見当たりませんでした。アンジェリーク、一体どこに行っちゃたんでしょう」
ランディは寮の中を走り回ったらしく、肩で息をしている。
「寮の周辺にも見当たりませんでした。どの位前に部屋を出たのかは判りませんが、この辺りにはもういないようです。他に行く所となると…」
「…やはり森…ですか」
オスカーの言葉を、ルヴァが引き継いだ。
「クラヴィスは?クラヴィスは何処へ行ったのだ!」
ジュリアスは苛立たしげに辺りを見回す。
「…寮の外に出られたのまではお見掛けしたのですが、私はてっきり皆さんと外の捜索に当たっていらっしゃるとばかり思っておりました」
リュミエールは、反対側へ歩いて行ったクラヴィスをすぐに見失ってしまったようだ。
「…俺の方では見掛けなかったが…まさか!」
全員が一つの結論に達した。
「…こんな時に単独で動くことが危険だと何故判らぬのか…」
ジュリアスは、頭を抱える。
「とにかく俺はこれから森へ向かいます」
言うが早いか、オスカーは木に繋いでいた栗毛の愛馬に飛び乗った。
「後をお願いします!」
手綱を引き、森へと向きを変える。
「…私も行こう。他の者は寮で待機しておくように」
ジュリアスも手綱へと手を掛けた。
「私も連れて行って下さい!」
ロザリアの意を決した声に、ジュリアスは振り向いた。
「危険な場所に連れて行く訳には行かぬ。ましてお前は、即位を控えているのだ。勝手な行動は慎んで欲しい」
「いやです!私には親友が苦しんでいるのを黙って見ていることなんて出来ません。人の苦しみが分からない人間に女王になって欲しいんですか?」
強い主張に返す言葉を失う。
「…さすが次期女王だね。ジュリアス、アンタの負けだよ。彼女の身は、私が責任を持って守る。それならいいんだろ?」
オリヴィエが腕組みをして、微笑する。
「…好きにするがよい」
静かな森の湖…。
昼は眩しい陽光を遮り、程よい木陰も夜はただ闇が満ちていた。
幸いにも今晩は満月。月明りで何とか足下は見えるようだ。
水の流れる音…。これは…滝の音?
アンジェリークは、頬に当たる水飛沫と大きな水音で正気に戻った。
目の前にあるのは『祈りの滝』…。
(よく来ましたね。女王候補)
突然背後から聞こえた声に、アンジェリークは驚いて振り返った。
そこには背の高い青年が立っていた。短めの黒髪に眼鏡をした青年。
「貴方は誰ですか?」
青年は答えずに口の端で笑う。
(もうすぐ女王試験も終わりですね。試験を放棄した女王候補さん)
「どういう意味ですか?」
(そのままの意味ですよ。貴女は試験を放棄して、恋愛を選んだ。それがどういうことか判りますか?)
青年は、眼鏡の縁をスッと押し上げる。
「…女王にはなれないってことです」
アンジェリークの言葉に、青年は含み笑いをする。
(主観的な考えですね。やはり貴女を選んで正解でした)
そう言って、ゆっくりと眼鏡を外した。
透明なレンズに隠されていたのは理知的な茶色の瞳…。でもそこには、氷点下をも思わせる感情が見え隠れしていた。
「私をどうするつもりなんですか?」
アンジェリークの問いに冷酷な笑みを返す。
(今、女王の力が最も弱い時期。結界内で聖なる乙女の血を流せば、たやすくその結界は崩れさる。それを知っているから、まだ彼女を抱いていないのではないですか?…闇の守護聖殿)
青年は、背後の木陰にひっそりと立つクラヴィスへと視線を投げた。
「…クラヴィス様」
アンジェリークは驚いて、青年とクラヴィスを交互に見る。
「…何が目的だ」
クラヴィスはゆっくりと二人に近付いた。
(…女王制度の廃止。結界を崩し、負の力を呼び込む。きっと見る間に崩壊するでしょう。私が手を下さずとも…ね)
「そんなことをして何になる?お前はもうこの世に存在していない」
クラヴィスは僅かに目を細めた。
(…復讐ですよ。女王にならざるをえない少女の為の…ね。この少女は女王試験を放棄し、貴方を選んだ。それだけで既に罪なのです)
青年はアンジェリークの背後に回り、腰を引き寄せた。近くの枯れ枝をもぎ取り、鋭い枝先を少女の喉元に当てる。
(貴女が女王試験を放棄した為に、もう一人が女王にならなくてはいけない。彼女の気持ちを考えたことがありますか?失敗は許されないという重責、恋をしてはいけないという抑圧感…。それがどれ程のものか…)
「…そう…よね。私、自分勝手だったわ。いつもロザリアが助けてくれるから、自分のことばかりで…」
アンジェリークは涙声で俯いた。
「そんな言葉に惑わされないで!」
突然聞こえたロザリアの声に、ハッと顔を上げる。
クラヴィスの後ろから、ロザリア、オスカー、ジュリアス、オリヴィエの四人が現れた。
「女王になるのは、私が決めたこと。貴女が試験を放棄したからじゃないわ。この前もそう言ったでしょ?私の言うことが信じられないの?」
すぐにでもアンジェリークの側に歩いて行きそうなロザリアを、オスカーが遮る。
(…美しい友情…か。偽善ですね)
二人のやり取りにも、青年は全く心を動かそうとしない。心さえも、この世には存在しないのかもしれない。
「アンジェリークを離すんだ。そうすれば危害は加えない」
騎士道を重んじるオスカーは、ひとまず話し合いを求めた。
(危害?…私に触れることなど出来ませんよ。私がこうして触れることが出来るのは、そこに意識を集中してるからこそです。こうやって通り抜けることも出来るんですよ)
男は枯れ枝を持ったまま、近くの木に腕を当てた。
枝にぶつかることなくすり抜ける様は異様に見える。
(茶番はこの位にしましょう)
クルリと枯れ枝を逆手に取り、アンジェリークの喉元に強く押し当てる。
「…っ!」
痛みで一瞬声が出ない。
少女の白い喉元に、赤い筋がうっすらと走った。
ペオース
(
)
男が呪文のような言葉を唱えた途端、アンジェリークはその場にくず折れた。
「アンジェリーク!」
全員の声が重なる。
男は冷酷に笑い、血の付いた枝を地面に突き立てた。
ソーン
(
)
突然突風が吹き、落ち葉が舞い上がる。
負の力が僅かに増した。
「ジュリアス」
振り向いたクラヴィスに、ジュリアスは頷いた。手の平に光のサクリアを集め、崩れ掛けた結界を補強する。
「…何故そうまでして復讐をしようとする。彼女はそれを望まないのではないか?」
クラヴィスは吹き付ける風を気に留めず、男へと近付いていく。
(もう、私には復讐なんてどうでもいいことなんですよ。ただ、この世界が崩壊するのを見たいだけ)
男は額に掛かる前髪をサッと掻き上げた。首にしている銀色のペンダントが襟元から滑り出る。
「!」
クラヴィスはチラリとペンダントに目を遣り、一度目を閉じた。
…そういうことか…。
エオロー
「
」
クラヴィスは低い声で言った。
バチバチッ。
男の体が、電撃で弾かれたように少女から離れた。
(!?)
男と同じ種の言葉を発するクラヴィスに、皆驚愕する。
「大丈夫か?アンジェリーク」
優しい声に、少女はうっすらと目を開けた。
男の呪文を見事撥ね除けたのだった。
「…はい…」
かすれた声だが、意識はあるようだ。
クラヴィスはホッとしたような笑みを見せ、少女の近くに転がっていた小石を手にした。
ティール
《防御》
べオーク ニイド
《弱っている人間を回復させ力を与える》
三種の文字を地面に描く。
「クラヴィス様、貴方は一体…」
問い掛けるオスカーに、クラヴィスは短く言った。
「…手を貸せ、オスカー」
「はっ、はい!」
珍しく威圧的な言葉に反射的に応じ、ハッと後ろを振り返る。
「ロザリアは私に任せなって」
いつもはいい加減な素振りをみせる夢の守護聖だが、こんな時は頼りになる。
「ああ」
信頼を込めた笑みを残し、オスカーはクラヴィスの元へ走った。
「クラヴィス様。私は何をすれば…」
クラヴィスは男から目を離さずに答える。
「剣を抜け」
実体のない相手に剣で戦えというのか…。
オスカーは不審に思いながらも腰の鞘から剣を抜く。
(何をするおつもりですか?私を攻撃することなど出来ないというのに)
弾き飛ばされた後遺症は残っていないようだ。
クラヴィスは無言でオスカーの剣を受け取った。
オス シゲル イス ティール
「
」
剣を正眼に構え、刀身の鍔に近い位置から左手を翳して一文字ずつ発音する。
「!」
字など彫られていないはずの刀身に、記号のようなものが浮き出した。文字を具現化するのは並大抵の精神力では出来ない。
「オスカー。…この剣で奴のペンダントを狙え」
「ペンダント?」
思わず聞き返すオスカーに、クラヴィスは重ねて言う。
「時間がない。早くしろ!」
「はい!」
素早く剣を受け取り、その足で男の元へと踏み込む。戦い慣れたオスカーだからこそ出来る芸当だ。
カキーン。
小気味良い金属音と共に、何かが地面へ落ちた。銀色に光る三センチ四方のプレート。
クラヴィスは落ちたプレートを拾い上げた。そのプレートに書かれていたのは…。
ソーン
「
。この魔術文字を使用する権利があるかを見極める為の試金石…。お前にはその権利がなかったようだ。この文字の負の力に囚われ、良心、判断力、理性を失ったお前には…」
(貴方に何が判るというんです?愛する人が女王になり、心労の末、二十歳の若さでこの世を去った。私は、女王になった彼女に一度も会わせて貰えなかった。女王は人としての幸せを奪われるものなんですか?)
青年は座り込んだまま、両手で土を掴んだ。
「…それは違う」
そう言ったのは、結界補強を終えたジュリアスだった。
「確かに、過去の女王はそうだったかも知れぬ。だが今は聖地の時間の流れを変える事によって、サクリアを長期間送り続けることが出来る。つまり、若い内の退位が可能ということだ。幸せを掴むのは、女王の座を降りてからでも遅くない」
(…でも、死んでしまった彼女にはもう…)
頑なな態度を取る男に、クラヴィスはプレートを差し出した。
「?」
何をするつもりかと一同は息を呑む。
「…お前が心を閉ざしているから、彼女が見えないのだ」
一瞬、斜め上空を見上げてプレートに触れる。
ダエグ
「
」
暗黒を取り払う善の力…。
そして、永遠の愛のシンボル。
クラヴィスが見ていた位置がほんのり明るくなった。
『エリック…。私が見える?』
腰までの長い髪の少女が、ふわふわと浮かんでいた。実体ではないと判っているのに不思議と恐怖感はない。明るい茶色の髪と、優しい笑顔のせいか…。
(…アンジェラ)
エリックと呼ばれた青年は目を丸くして少女を見た。
『…やっと気付いてくれた。もう、何十年待たせれば気が済むの?お婆さんになっちゃうじゃない』
屈託なく笑う少女に、心労の陰りはない。
『あんまり遅いから、迎えに来ちゃった』
(貴女は確か、心労で亡くなったはず…)
エリックは立ち上がって呆然と見上げる。
『…ちょっとね、頑張り過ぎちゃったみたい。無理は禁物よね。それより、闇の守護聖様、ごめんなさい。辛い思いをさせてしまって』
「私の夢に過去の記憶を送ったのはお前か…」
『だって、エリックったら全く気が付かないんですもの。このままじゃ、取り返しの付かない事になっちゃう』
少女の場違いな程の明るさにクラヴィスは微笑した。
「天へ還るのなら力を貸すが…」
『有り難うございます。ほら、エリックったら何してんの』
どうやら彼女の方が主導権を握っているようだ。恋人時代からそうなのだろうか?
(…謝って許されるものではありませんが…。ご迷惑をお懸けしました)
エリックは、アンジェラに引き摺られるようにして天へと昇って行った。
「…何か、あっけないというか…あんな大騒ぎだった割に惚けた終わり方だねー。もっとこう…なんていうか、私の大活躍ーみたいな場面があっても良かったのにさ」
オリヴィエはまだ納得がいかない様子だ。
「お前こそ、寝ぼけた事言ってる場合じゃないだろう。アンジェリークの手当てが先だ!」
オスカーは、薄着のまま倒れているアンジェリークに駆け寄って、マントで包んだ。
先程クラヴィスが行っていた護符のお蔭か、血は止まり大事には至っていない。
「ジュリアス様。私はアンジェリークを連れて先に戻りますので、ジュリアス様はロザリアをお願いします」
「分かった。よろしく頼む」
「はい」
眠っているアンジェリークを器用に抱き抱えて馬に乗る。
「ちょっと、私はどうやって帰るのさ」
「お前は歩いて帰るんだな」
嫌みっぽく言って、オスカーは馬を走らせた。
「何さ、こら待てー」
オスカーの馬を追い掛けていったオリヴィエは、結構早くに寮に着くかもしれない…。
「ロザリア」
ジュリアスは隣で笑う少女に微笑した。
「はい。ジュリアス様」
「…そなたの先程の発言は立派なものであった。それでこそ女王だ」
「ありがとうございます」
「アンジェリークが回復次第、即位の儀の準備に取り掛かる。忙しくなるぞ」
「はい」
アンジェリークは、手当てが終わった後も眠り続けていた。
もう丸二日も目を覚まさない。
本来、人に向けるべきでない魔術文字を体に受けた為の後遺症ではないかということだ。
「アンジェリーク…」
もしこのまま目を覚まさなければ私は…。
少女の手を握り、祈るように額に当てた。
「クラヴィス様…?」
まだはっきり目が覚めていないのか、声が掠れている。
「…目が…覚めたか?」
優しい微笑みと手の温もりで、ようやく現実に戻って来たようだ。
「ご無事で良かった」
安心した顔に胸が痛くなる。
「このままお前が目覚めなければ、私はお前と同じ眠りの淵に沈むつもりだった」
切なそうな眼でクラヴィスはとんでもない事を言う。
「…守護聖様がそんな事したら、新女王になっても宇宙が崩壊します」
「…私にはお前のいない世界など必要ない」
真剣なまなざしに、少女の胸は大きく脈打った。
「…ロザリアに聞かれたら、怒られますよ」
「そうだな。では…」
クラヴィスの端正な顔がスッと近付き、唇を塞いだ。
「口止めをしておかぬとな」
意地悪な笑いをする彼に、ムッとして布団を被る。
「クラヴィス様の意地悪っ」
クラヴィスは拗ねてしまった少女の頭に軽く手を乗せた。
「明日は、新女王即位の儀だ。遅れぬようにな」
「…で、何故その青年が古代魔術文字を知っていたのかなんですが、王立研究院の資料に依りますと、彼は古代遺跡を専門とする研究員だったそうです」
ルヴァは、クラヴィスの執務室でエリックの事を話していた。
「…そうか」
クラヴィスは短く答えただけでそれ以上深く聞こうとしない。ルヴァは居心地が悪そうにそわそわする。
「どうした?まだ私に用があるのか?」
「…いやー、あのですね。その古代魔術文字なんですが、かなりの専門知識が無いと使いこなせないと文献にはあるんですよ。それをクラヴィス、貴方は使いこなしていたと聞きましたので。どこで勉強したのかと思いまして…その…参考に」
クラヴィスはフッと笑みを零した。
「その文献には、占いに使うとは書いてなかったか?」
「あー、なるほど。それで分かりました。さすがクラヴィスですねー」
ルヴァはなんとか納得して帰ったようだ。
占いに使うだけ…ではないのだが…敢えて言わない方がいいだろう。
長かった女王試験も終わり、新しき女王の誕生…。
そして始まり…。
未来を信じなかった自分の隣には守るべき人がいる。共に歩む者が…。
クラヴィスは執務室の重たいカーテンを開けた。
何か月ぶりかの陽光に目を細める。
「…たまには外に出るのもいいだろう」
FIN
(2000.5.4発行) Still Loveより
この作品に関しては、参考文献と参考にさせていただいたサイト様があります。
サイト様の方は閉鎖されてましたので、ご紹介を割愛させて頂きました。
文献に興味を持たれた方はご覧になってみてください。
参考文献
魔力伝説 ルーン・ストーン占い (二見書房)
*これはルーン文字を刻まれた石が付いている占いの本です。一文字一文字の意味を
解説してある本が、書いた当初これしか見付けられなかったの。文字の意味はこの本に
由来しています。…が、作品中での使い方は間違ってるかもしれないのであんまり信用し
ないでね(^^ゞ