神淵神社大祭(神渕神社大祭、天王様祭り)
◇本来は4月14日
その昔は4月14日に行われていましたが(慶長8年4月14日に端を発しているそうです)、いつのころからか本来の祭の日に近い日曜(4月の第2日曜)に行われるようになりました。また、祭も簡略化されました。祭は9時くらいから3時くらいまでですが、午前中は本殿を行ったり来たりするような神事ばかりですから、午前中はあまり見所はありません。 境内は、神社を見て左側が一段高くなっていてそこから山側が祭を見物する観客席になってます。観客席は、神渕の地区ごとに札が立てられていて、そこにゴザ(シートなど)を広げ、お弁当やお酒を楽しんでいます。まあ、観客席にあたるところならどこで見学していても、文句を言われることはありません。
◇祭当日は一方通行に
麓の林道口(本来の参道は別で、林道として後から作られた道です)から山上の神社までは1本道です。現在はしっかりと舗装されているので、たいていの車は大丈夫です。神社にはけっこう大きな駐車場がありますが、お祭りの時はさすがに満車に近い状態になるようです。 祭の見所は午後1時からですが、車で上る場合は午前中にしておかないといけません。途中、難なくすれ違いができるところが数カ所の細い道のため、お祭りの時は午前中は上り、午後は下りという通行の規制が行われます。消防団が入り口と上でチェックしています。
◇午前中の神事→巫女の供物献上
多くの儀式は元来、拝殿から急な石の階段を上がった本殿で行われていました。しかし、高齢化の影響で危険とのことから、数年前から下の拝殿で行われるものが多くなりました。拝殿では、まず本殿に行って扉を開き、次々と神事がとり行われていきます。供物献上をして、神主らによる祝詞、祝辞があったり、代表者によるたま串(榊)の奉納などが続きます。 見所は巫女らによるお供物献上です。供物として海のもの、山のもの、川のもの、畑のものが用意されます。御神酒やら鯉、昆布、野菜などが順繰り手渡しで送られ祭壇に運ばれます。神事の終わりには、お供えと同様な巫女によるお供えを下げる神事が行われ、扉を閉める儀式で幕を閉じます。巫女は、当番の地区から選ばれた女学生らです。
◇黒獅子はヤマタノオロチ
神社に祀られているのは、スサノオノミコト(須佐之男命)とクシイナダヒメノミコト(櫛稲田姫命)です(神渕神社を参照)。スサノオノミコトといえばヤマタノオロチというわけで、黒獅子はヤマタノオロチが役どころです。境内をところ狭しと暴れ回ります。 黒獅子を舞うのは、昔から葉ハズ地区が担当しています。祭は地区単位の当番制ですが、ハズはその順番には入らないかわりに毎年獅子を舞います。昔は40人近い男達が獅子の胴にあたる幕(白地に赤のシマ模様)を引っ張り合う力強いものでしたが、今は若い男手が足りないので十数人というところですが、それでもけっこうな迫力です。お酒も入って荒っぽくなっているので、あまり近づきすぎると獅子にはたかれたりするので注意が必要です。
左:天狗(猿田彦命)
右:おかめ(天鈿女命)
(当番の地区から選ばれたものが担当します)