トンボの卵は、その年のうちにヤゴに孵化して冬を越すものと、卵のままで冬を越して春先にヤゴになるものがあります。

　６月初旬には、プール開きに向けてプールの清掃およびむ水の入れ替えや消毒が行われるため、プールのヤゴはその時点で死滅してしまいます。そこで、プールの清掃前にプールのヤゴを救出しようという活動が小学校や子供会などを中心に行われるようになりました。

�@飼育容器を作ろう

　２Ｌのペットボトルを半分くらいで横切りにすれば、ちょうどいい大きさの飼育容器ができます。カッターで簡単に切ることができます。これに割り箸とか木の枝とかをセットすれば出来上がりです。木は、ヤゴの止まり木になりますし、羽化の時に登るために絶対必要なものです。また、ヤゴが隠れるための小石や葉っぱを入れてあげましょう。

�Aひとつの容器にヤゴは１匹だけ

　この容器は３匹くらい飼えそうですが、ヤゴは複数を同じ容器に入れると共食いをします。それにヤゴが多いと酸欠になりやすくなります。

�B水草を入れる

　金魚鉢でエアーポンプを使うという贅沢な飼い方をする方法もありますが、小さなヤゴですから、金魚たちほど酸素は使いません。ヤゴを捕ってきたプールに生えていた水草や、その水に含まれる植物プランクトンをいっしょに入れてあげます。

�Cエサをあげる

ユスリカ（赤ムシ）、イトミミズ、カゲロウの幼虫などです。プールにもいるので、一緒に捕ってくればいいのですが、その後は熱帯魚やさんで購入できます。ヤゴは、メダガなどの小魚も好んで食べます。
　イトミミズは、入れるとすぐ石の下などに潜り込んでしまい、ヤゴが食べられなくなります。口元に持っていけばたいてい食べてくれますが、中には嫌がって食べないものもいます。釣り具屋さんで手に入る釣り用のミミズは、かなり大きくて隠れないのですが、大きいとヤゴが驚いて逃げ出してしまいます。でも、一度味をしめるとその後はどんどん食べてくれたりします。

�D涼しいところに置く

　光合成には太陽の光が必用ですが、ヤゴのためには直射日光が当たらない涼しいところに置きます。

�E水の交換

　ヨゴレた水を時々交換してあげますが、水道水をそのまま使ってはいけません。この容器でだいたい１週間に１回で十分でしょう。水道水は、カルキを飛ばしてあげるため、２日間くらい溜め置きしてから使います。