神淵の年越し、お正月
お正月は、毎年神淵で過ごしています。このあたりでは、お正月に訪問したり訪問を受けたりすることがあまりないので、きわめて静かなお正月です。
例年お正月に雪があることはあまりなかったのですが、今年は雪がいっぱいです。子供のころはお正月にかまくらとかを作った記憶があるのでそうとう降っていたと思うのですが、ここ20年くらいはお正月に雪はなかったと思います。
正月と言えば、たこあげにはねつきですが、そういう光景を目にすることもなくなってしまいました。
12月31日の昼
こぶじる 昆布汁
31日のお昼は、昆布汁です。細切りの昆布と野菜(ニンジン、ゴボウ、里芋)を煮付けたものです。ダシは煮干しで、醤油で味付けされています。 まずは午前中にお風呂に入ります。これは1年のあかをきれいに落として年越しに臨むという意味があります。 昆布汁に加え、鰯が食卓を飾ります。ここからあらかじめ神棚に供えられていたお神酒をいただきます。付け合わせとして、酢蛸とカズノコ、タツクリがたいてい出ます。
12月31日の夜
年越しソバ
◇シンプルな年越しソバ
31日といったらやっぱり年越しソバですね。それは神淵でも変わりません。大きな特徴はなくきわめてシンプルなソバです。味付けは鶏肉と醤油ベースです。おめでたく、紅い蒲鉾が欠かせません。 食べなくともご版は炊いておきます。元旦はご飯をたいたりしません。
元旦 夜中
はがため
元旦の1時近くになると、家長である父がお茶の用意をします。お茶の用意は昔から家長の仕事と決まっていて、他の者が手伝ったりしてはいけません。 床の間、仏壇の神様仏様に新年の挨拶をした後、家族で「あけましておめでとうございます」の挨拶を交わし、お茶をいただきます。お茶は昨年取れた新茶が使われます。 お茶と同時にいただくのが「はがため」です。神淵では赤ちゃんの行事以外にもこう言います。
はがためは、お盆にマメ、クリ、カキが小麦粉でまぶしてあるというもので、「まめでクリクリかきとる」という意味があります。まめとは元気でという意味で、つまりは無病息災商売繁盛を祈るということです。 はがための後、近くのお宮さんへ初詣に出かけます。神様に挨拶をするまでは、人に会っても挨拶をしないのが習わしです。お宮さんへ向かう人はだんまりで、お参りから帰る人はしゃべっているという光景になります。 ☆マメは黒豆、クリは甘栗、カキは干し柿です。
◇八幡神社へ 深夜の初詣
八幡神社では、篝火を焚いて詣でる人を出迎えています。除夜の鐘がなるころから3時すぎくらいまで番をします。今は車で来るひとが多いですね。我が家も車で行ってしまいまいます。 神様に 参拝を済ませると御神酒とスルメが振る舞われます。スルメは篝火で軽く焼いていただきます。篝火で暖まっておくと風邪をひきにくくなると言われています。
元旦の朝
お雑煮
元旦の朝食はお雑煮です。夜中まで起きているため、ほとんどお昼と兼用になってしまい、お昼を抜いてしまうこともしばしまあります。 お雑煮はお国柄が出るところですが、神淵は特別変わったところはありません。白醤油に蒲鉾、鶏肉です。お正月は、丸モチを使います。
元旦の夜
作り置きのおせち
1月2日の昼
2日年越し
神淵では”2日年越し”と言って、2日の昼にお正月料理でお祝いをします。お膳やお椀など、すべてお正月用のものを使います。 料理はお魚が中心です。これは昔、山での豪華な料理と言えば、海の幸だったからでしょう。今となってはその意味は薄らいでしまいましたが、慣習としてそうやっています。 必ず用意されるのは、有頭エビ、ブリの煮付け、タイのお刺身、ハマグリ、イワシです。それにタツクリ、酢蛸、カズノコは欠かせません。
1月7日の朝
七草の節句
1月14日
どんど焼き
正月の松飾りやしめなわ、また書き初めなどを、火にくべて送ります(全国で見られる火祭り行事のようです)。昔はみんなが田んぼに持ち寄ってやてっていたようですが、いつからか各家でやるようになっていました。たしか、八幡神社でやったような・・・かきぞめをくべて高く舞い上がると成績が上がるとか言われたことがあります。神淵でもこれを「どんど」と呼んでいます。この火で餅を焼いて食べます。すると風邪をひきにくくなると言われています。
1月15日の朝
あずき粥