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風邪にしては病状の重い様子があり,38.5℃以上の熱がでて,しつこい咳(細菌性肺炎に比べると,細気管支での炎症がつよいため, 咳が著しいのが特徴)が伴うときには,マイコプラズマ感染症を疑う必要があります.風邪のような症状でおこる病気のうち見逃してはいけないものの1つです. マイコプラズマ感染症はMycoplasma pneumoniae(M. pneumoniae)という病原体によって起こります.一般の細菌は,一番外側に細胞壁という膜があり,この膜によって細菌の形が保たれ生きています. これがないとその細菌は溶けてしまいます. マイコプラズマ肺炎は,肺炎球菌などによる細菌性肺炎よりも軽症との固定観念がありますが,重症化して, 呼吸不全をおこし集中治療室での管理を必要としたという例もあります.(わたしも日本呼吸器学会で症例報告をしています) 内科・小児科領域でまずはじめに処方される抗生物質がセフェム系ということが多いので,マイコプラズマ感染症を念頭において治療しないと, 治るものも治らないということになります. |
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