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当院では,アレルギー疾患治療ガイドラインに沿った科学的で有効な治療法を提供しています.
花粉症は,鼻,目の症状だけでなく,胃部不快感,下痢などの胃腸症状,せき,たんなどの呼吸器症状, 倦怠感,悪寒なども伴うこともある全身的な病気です. アレルギーを専門とする内科医が中心となって,
場合によっては耳鼻科医,眼科医の協力も得て,治療に当たるべきです. 花粉症の治療では,反応の出るアレルゲンの特定,その重症度の判定などをした上で,症状の出る少し前から行う初期治療が有効です.
はやめのご相談をお願いいたします. また,花粉症の若年化傾向も明らかに認められます. いつまでも止まらない鼻水,目のかゆみのある子供は,花粉症かもしれません. 入園前のちいさな子供たちにも注意が必要です.

1)抗原の回避2),減感作療法,3)手術療法(レーザ治療をふくむ),4)薬物療法 などの方法があります.
当院では薬物療法を中心としていますが,それぞれの方法について,順番にみていきましょう.

数百 Kmの広範囲に飛散し,実際には,なかなかさけることができません.
しかし,花粉情報に注意し,飛散の多い日には外出を控えたり,どうしても外出を余儀なくされるときは,めがね,マスクなどのいわゆる花粉回避グッズを利用し,くふうをして多少なりとも花粉への暴露をさけることで併用するその他の治療法の有効性を高めることができます. 舗装され土が露出していない都心部ではいちど舞い降りた花粉が,地面に吸収されず,ふたたび舞い上がり,いつまでもただよっています.これに排気ガスが加わると花粉症には最悪です. 都心にでかけるときは,花粉防御をしっかりしてください.
ブタクサ,カモガヤなどの雑草の花粉は飛散距離が比較的限られています.
特に風の強い日でなければ,雑草の繁茂する空き地のそばに近寄らなければ,あるていど花粉を避けることができます. 風の強い日の外出を控え,洗濯物の干し方にも注意してください.

抗原物質のエキスをくりかえし注射することで,アレルギー反応を弱めようという,古くから試みられてきた治療法です. 近年,良い抗原エキスが開発されてきたこともあって,経験のある医師が,うまく行えば,ある程度の効果が得られます. しかし,その方法は経験的要素にたよっており,どのようにして効果がでるのかという生物学的根拠が解明されていません. 長期におよぶ定期的な注射が必要なため,継続的な通院が必要です. また,ごく希ではありますが,重篤な全身的副作用を起こすことが報告されており,
この治療方法の普及をさまたげています.
後に述べるように有効性の高い薬剤が開発されてきていることもあり,減感作療法を行っている施設は限られており,当院でも現在のところ積極的にはすすめておりません. しかし,注射以外に舌下経路による投与の試みもあり,抗原エキスの改良もすすめられているため,将来的には選択すべき方法となると考えられます.
いろいろな工夫によって,ある程度の効果がえられるようです.
しかし鼻アレルギーの症状は基本的には生体防御としての生理的反応が強く起こっていると考えるべきであり,それを全て失わせるような治療法,つまりアレルギーの場を手術によって取り除くような治療法は,現時点では,できるだけ避けるべきではないでしょうか. この点を改良して,レーザを使い一時的に鼻粘膜を熱変性させることで,適当な効果をえる方法もありますが,現在ではもう一息というところです.
今後の耳鼻科医のさらなる工夫に期待します.

点鼻薬/点眼薬による局所療法と抗アレルギー剤の内服による全身療法があります.
近年,眠気などがすくなく,生活の質を損なわないようなすぐれた,抗アレルギー剤が開発されてきています. やっかいな鼻閉にも効果のあるロイコトリエン拮抗薬,トロンボキサンA2拮抗薬も保険適用となり,病状にあわせて適切な薬剤を選択し,
花粉飛散の少し前より内服を開始(季節前投与)することによって,かなり良い効果を期待することができます. 薬物療法はアレルギーを専門とする内科医がもっとも得意とするところです.
また飛散量の多い時期は抗ヒスタミン剤/ステロイド剤の頓用や局所療法剤である点鼻薬を組み合わせて,コントロールします.

漢方薬について
古くから,小青竜湯,小柴胡湯などが用いられ,ある特定の場合には効果があるようです. しかし,副作用,有効性,作用機序などについてよく検討されておらず,科学的根拠のある治療薬とはいえません.
当院では採用していません.
持続型ステロイド剤の筋肉注射について
マスコミにもとりあげられ,一部の医療機関で行われているようです. 確かに一応の効果はありますが,注射局所の脂肪組織や筋肉の萎縮の可能性があり, 強い全身的な副作用の懸念もあり危険です.
注射のステロイドは点鼻のステロイドとは,全く異なる方法であり,花粉症の治療として,わたしには容認できません. 当院では持続型ステロイド剤の筋肉注射はしていません.
一般に妊娠中はうっ血傾向となり,鼻炎も悪化することも多いようです. 慎重に薬剤を選択すれば,いくつかの薬剤は妊娠中においても使用可能ですが,なるべく妊娠初期(4ヶ月まで)は内服治療は避け, 催奇形性の懸念の少ない点鼻薬を組み合わせ,局所療法を中心に治療します. これでもまずまずの効果があり,また安全性にも問題がないと考えられます.
気管支喘息とちがい,花粉症は生命にかかわることはありませんが,生活の質を脅かすと言う点では,困った病気ですし,社会に与える影響も無視できません. 抗原回避とあわせ,きちんしたと薬物療法を行えば,多くの人に効果があります. 自分流にこだわらず,アレルギーに対して経験のある医療機関に一度ご相談されることをおすすめします.
- 予防薬 :クラリチン,エバステル,ジルテック,ザジテン,セルテクト,ニポラジン,アレギサール,
- アレジオン,ア レロック,アレグラ,オノン,バイナス
アレルギーの症状がない時期から飲みはじめ,症状が軽くなっても,きめられた時期まで飲み続けください
くすりの種類によっては,副作用で少し眠気がでることがあります. 高所での作業をされる方,長距離の運転される方,受験生の方などは,ご相談下さい. また,妊娠しているときは注意が必要です,ご相談ください.
鼻閉に有効なもの,鼻汁に効くものなどそれぞれに特徴があり,その使い分けが専門医の腕の見せ所です.
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頓服 :セレスタミン
眠気などの副作用がかなりあります.またステロイドを含んでいるので症状の重い時だけに頓用で飲むことになります. 連用はできません. こどもにも使えません.
予防薬 :フルナーゼ,ベコナーゼ,リノコート,インタール,アルデシンAQネーザル
症状が軽くなっても,きめられた時期まで点鼻し続けください.
頓用 :鼻汁に対して:フルブロン
予防薬でも鼻水がとまらない時に1日3-4回使用します.予防薬もあわせて使用します.
鼻閉に対して:トーク
即効性があり,効果の高い薬ですが,連用すると効き目がなくなり,薬剤性鼻炎を併発する懸念もあります.
鼻閉の強いときにのみ限定的に使います. 子供の鼻炎には使えません.
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