ユークリッド空間Rn上の対称変換の固有値問題 ― トピック一覧   [数学についてのwebノート]

定理:対称変換の固有値は実数/対称変換の固有ベクトルの直交/対称変換の固有ベクトルと正規直交基底/ 
定理:対称変換は対角化可能/


対称変換について:対称変換の定義/対称行列の定義/対称行列の固有値/対称行列の対角化  
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定理:対称変換の固有値・固有ベクトル

定理

対称変換f: RnRn」の固有値は、すべて実数
対称変換f: RnRn」の 固有ベクトル は、すべてn次元数ベクトル

なぜ?
 以下三点を追えば、わかる。
 ・定理より、  
  対称変換f: RnRn」の固有値固 有ベクトルは、
  対称変換f: RnRnの標準基底に関する表現行列固有値と、それに対応する固有ベクトル
 ・定理より、
  対称変換f: RnRnの標準基底に関する表現行列は、対称行列。     
 ・定理より、
  対称行列固有値・固有ベクトルは、すべて実数n次元数ベクトル
    

[文献]
・斎藤『線形代数入門』5章§3定理3.1(p.149)
・永田『理系のための線形代数の基礎』系5.2.5(pp.138-9)

対称変換について:
  対称変換の定義/対称行列の定義/対称行列の固有値/対称行列の対角化

設定

なお、この定義がなされる舞台は、以下のように設定されている。
R実数体R  
Rnn次元数ベクトル空間 
v1v2n次元数ベクトルv1, v2自然な内積
     これによって、Rn計量実ベクトル空間となる。 
v‖:計量実ベクトル空間Rnにおけるユークリッドノルム
           (自然な内積を用いて定義される) 
d(v1, v2):ユークリッドノルムから定められたユークリッド距離  
Rn,d):n次元ユークリッド空間   





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定理:ユークリッド空間Rn上の対称変換の固有ベクトル・固有空間の直交性

定理

対称変換f: RnRn」の異なる固有値に対応する固有ベクトルは、直交する

対称変換f: RnRn」の異なる固有値に対する固有空間は、直交する

[文献]
斎藤『線形代数入門』5章§3定理3.1(p.149)
・永田『理系のための線形代数の基礎』系5.2.9(pp.141)
対称変換について:対称変換の定義/対称行列の定義/対称行列の固有値/対称行列の対角化/

設定

なお、この定義がなされる舞台は、以下のように設定されている。

R実数体R  
Rnn次元数ベクトル空間 
v1v2n次元数ベクトルv1, v2自然な内積
     これによって、Rn計量実ベクトル空間となる。 
v‖:計量実ベクトル空間Rnにおけるユークリッドノルム
           (自然な内積を用いて定義される) 
d(v1, v2):ユークリッドノルムから定められたユークリッド距離  
Rn,d):n次元ユークリッド空間 
  





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定理:ユークリッド空間Rn上の対称変換の固有ベクトルから、Rnの正規直交基底をつくれる

定理

 Rnは、対称変換f: RnRn」の固有ベクトルからなる正規直交基底をもつ。

[文献]
・永田『理系のための線形代数の基礎』系5.2.8(pp.141)

設定

なお、この定義がなされる舞台は、以下のように設定されている。

R実数体R  
Rnn次元数ベクトル空間 
v1v2n次元数ベクトルv1, v2自然な内積
     これによって、Rn計量実ベクトル空間となる。 
v‖:計量実ベクトル空間Rnにおけるユークリッドノルム
           (自然な内積を用いて定義される) 
d(v1, v2):ユークリッドノルムから定められたユークリッド距離  
Rn,d):n次元ユークリッド空間 
  





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定理:ユークリッド空間Rn上の対称変換の対角化

定理

対称変換f: RnRn」は、無条件に対角化可能

 詳しく言えば、
対称変換f: RnRn」の固有値を、λ1,…,λn(ただし、重複を許すとする)とし、
 対称変換f: RnRn」の互いに 直交しあう 固有ベクトル を、p1, p2, …,pnとすると、
 「fの標準基底に関する表現行列A、  
 「第1列p1, 第2列p2, …, npnとするn次正方行列P
 は、
    diag12,…,λn) = P−1AP
 を満たす。   
対称変換f: RnRn」の固有値を、λ1,…,λn(ただし、重複を許すとする)とし、
 対称変換f: RnRn」の 固有ベクトル 単位ベクトル化を選んで、
 「Rn正規直交基底」{p1,p2,…,pn}をつくることができ()、
 この「Rn正規直交基底」{p1,p2,…,pn}に関するfの表現行列が、
 n対角行列diag12,…,λn)となる。

[文献]
・斎藤『線形代数入門』5章§3系3.2(p.150)証明なし・結論だけ。
・永田『理系のための線形代数の基礎』定理5.2.7-系5.2.8(pp.141)
戸田・山田『計量経済学の基礎:統計的手法の理論とプログラミング』2.8.2(pp.112-3) :1.のみ証明2は大まかな解説のみ;

対称変換について:対称変換の定義/対称行列の定義/対称行列の固有値/対称行列の対角化/
一次変換一般の対角化について:
   ・定義―対角化可能
   ・条件―固有ベクトルの観点/固有値の観点/固有空間の観点 
設定 なお、この定義がなされる舞台は、以下のように設定されている。
R実数体R  
Rnn次元数ベクトル空間 
v1v2n次元数ベクトルv1, v2自然な内積
     これによって、Rn計量実ベクトル空間となる。 
v‖:計量実ベクトル空間Rnにおけるユークリッドノルム
           (自然な内積を用いて定義される) 
d(v1, v2):ユークリッドノルムから定められたユークリッド距離  
Rn,d):n次元ユークリッド空間  








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