計量同型写像
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トピック一覧:計量同型]
・定義:計量同型写像、計量同型
※計量実ベクトル空間関連ページ:ノルムとノルム空間/内積・計量実ベクトル空間の定義/内積の性質/正規直交系・正規直交基底の定義/直交系・直交基底と内積/直交系・正規直交系の性質/正規直交基底の存在と構成/直交補空間
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定義:
計量同型写像
isomorphism of metric vector spaces, isomorphism of a metric linear space onto another
[永田『理系のための線形代数の基礎』4.2(p.118);斎藤『線形代数入門』4章§6(p.124);砂田『行列と行列式』§7.1-(d)(p.247):ユニタリ同型写像.]
(舞台設定)
R :実数体R
V :計量実ベクトル空間。なお、計量実ベクトル空間の定義により、実ベクトル空間でもある。
V' :計量実ベクトル空間。なお、計量実ベクトル空間の定義により、実ベクトル空間でもある。
〈x,y〉:計量実ベクトル空間Vにおけるベクトルx,yの内積
‖x‖ :計量実ベクトル空間Vにおけるベクトルxのノルム
f:V→V':計量実ベクトル空間Vから計量実ベクトル空間V'への写像
(
定義1:同型写像の定義を既知として)
写像f:V→V'が計量同型写像であるとは、写像f:V→V'が次の2要件を満たすことをいう。
[要件1] 写像f:V→V'が同型写像であること。
[要件2] 写像f:V→V'が内積を保存すること。
すなわち、計量実ベクトル空間Vに属す任意のベクトルx,yについて、
〈f (x), f (y)〉=〈x,y〉
が満たされること。
論理記号で書けば、( ∀x,y∈V )(〈f (x), f (y)〉=〈x,y〉 )
(
定義2:同型写像の定義に遡って)
写像f:V→V'が計量同型写像であるとは、写像f:V→V'が次の要件を満たすことをいう。
[要件1-1] 写像f:V→V'が、VからV'への一次写像であること。
論理記号で表すと、すなわち、
(1-1-1) (∀x,y∈V) ( f ( x+y )=f ( x )+f ( x ) )
(1-1-2) (∀x∈V) (∀a∈R) ( f (a x )=af ( x ) )
[要件1-2] 写像f:V→V'が全単射であること。[→一次写像が単射・全射となるための必要十分条件]
論理記号で表すと、すなわち、
(1-2-1) f (V)=V' つまり、Imagef=V'
(1-2-2) v,v'∈Vかつf ( v )=f ( v' ) ⇒ v =v'
[要件2] 写像f:V→V'が内積を保存すること。
すなわち、計量実ベクトル空間Vに属す任意のベクトルx,yについて、
〈f (x), f (y)〉=〈x,y〉
が満たされること。
論理記号で書けば、
(2)( ∀x,y∈V )(〈f (x), f (y)〉=〈x,y〉 )
定義:
計量同型isometric,isomorphic as metric verctor spaces,isomorphic as metric linear spaces
[永田『理系のための線形代数の基礎』4.2(p.118);斎藤『線形代数入門』4章§6(p.124)]
(舞台設定)
V :計量実ベクトル空間。なお、計量実ベクトル空間の定義により、実ベクトル空間でもある。
V' :計量実ベクトル空間。なお、計量実ベクトル空間の定義により、実ベクトル空間でもある。
(本題)
計量実ベクトル空間VとV'が計量同型であるとは、
VからV'への計量同型写像が存在することを言う。
(reference)
日本数学会編集『岩波数学辞典(第三版)』 岩波書店、1985年、項目341ヒルベルト空間C.正規直交系(pp.1006-7)
線形代数のテキスト
ホフマン・クンツェ『線形代数学I』培風館、1976年。
永田雅宜『理系のための線形代数の基礎』紀伊国屋書店、1986年、4.1内積(p.114);。
佐武一郎『線形代数学(第44版)』裳華房、1987年、Vベクトル空間§6ベクトル空間の公理化(p.117)。
志賀浩二『数学30講シリーズ:線形代数30講』朝倉書店、1988年。
藤原毅夫『理工系の基礎数学2:線形代数』岩波書店、1996年。
斎藤正彦『線形代数入門』東京大学出版会、1966年、4章§6計量線形空間(p.121)。
砂田利一『現代数学への入門:行列と行列式』2003年、§7.1-(d)ユニタリ空間の同型 (pp.247-9).
解析学のテキスト
杉浦光夫『解析入門I』東京大学出版会、1987年、I章§4(pp.33-38)。
数理経済学のテキスト
神谷和也・浦井憲『経済学のための数学入門』東京大学出版会、1996年、§3.2.3(p.124)。