・収束数列の性質:極限値の唯一性/収束列の部分列も収束/収束列は有界 ・収束数列間の演算と極限:定数との和/反数/定数倍/和/積/逆数/商 ・発散数列との演算と極限: ・数列間の大小と極限:収束列の大小と極限/発散列との大小と極限/はさみうちの原理 ・数列の収束の十分条件:有界単調数列の収束定理/ボルツァノ・ワイエルストラスの定理 ・数列の収束の必要十分条件:コーシー列/コーシーの判定法 →関連ページ: ・数列の定義/数列の極限の定義 ・数列の上限sup下限infの性質 →総目次 |
1. 極限の一意性・収束列の極限値は、存在するならば唯一つ。 すなわち、 an→α (n→∞) かつ an→β (n→∞) ならば、α=β |
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2. 収束数列の部分列の収束 |
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3. 収束数列は有界 |
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0.収束列に定数を加えた数列の極限・数列{an}が収束列ならば、 それに定数を加えた数列{an+c}も収束列。 ・数列{an}が実数αに収束するならば、 それに定数を加えた数列{an+c}は、実数α+cに収束する。 記号を用いて表現すると、 an→α (n→∞) ⇒ an+c→α+c (n→∞)
[赤『実数論講義』§5.3問2(p.126)] 【関連項目】・数列{an}が収束しないケース |
※以下で、数列{an}、数列{bn}が収束しない場合→詳細 cf.数列の上限下限と、数列の演算との順序交換 |
1.収束列の符号を反転した数列の極限・数列{an}が収束列ならば、 その符号を逆転した数列{−an}も収束列。 ・数列{an}が実数αに収束するならば、 数列{−an}は、実数−αに収束する。 記号を用いて表現すると、 an→α (n→∞) ⇒ −an→−α (n→∞)
※なぜ?→証明 ・以上の教訓: 収束列については、符号反転と極限操作の順序は入れ替え可能。 【関連項目】・数列{an}が収束しないケース | |
2.収束列の定数倍の極限・数列{an}が収束列ならば、 それを定数c倍した数列{can}も収束列。 ・数列{an}が実数αに収束するならば、 それを定数c倍した数列{can}は、実数cαに収束する。 記号を用いて表現すると、 ∀c∈Rにたいして、「an→α (n→∞) ⇒ can→cα (n→∞)」
※なぜ?→証明 【関連項目】・数列{an}が収束しないケース | |
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3.収束列の和の極限・「数列{an}が収束列」かつ「数列{bn}が収束列」ならば、 それらの和の数列{an+bn}も収束列。 ・「数列{an}が実数αに収束」かつ「数列{bn}が実数βに収束」ならば、 数列{an+bn}は、実数α+βに収束する。 記号を用いて表現すると、 「an→α (n→∞) かつ bn→β (n→∞) 」⇒「an+bn→α+β (n→∞)」
※なぜ?→証明 【関連項目】・数列 {an} {bn} が収束しないケース | |
4.収束列の積の極限・「数列{an}が収束列」かつ「数列{bn}が収束列」ならば、 それらの積の数列{anbn}も収束列。 ・「数列{an}が実数αに収束」かつ「数列{bn}が実数βに収束」ならば、 それらの積の数列{anbn}は、実数αβに収束する。 記号を用いて表現すると、 「an→α (n→∞) かつ bn→β (n→∞) 」⇒「anbn→αβ (n→∞)」
※なぜ?→証明 【関連項目】・数列 {an} {bn} が収束しないケース | |
5.収束列の逆数の極限・どの項も0にならない数列{an}が実数α≠0に収束するならば、 その逆数をとった数列{1/an}は、実数1/αに収束する。 記号を用いて表現すると、 | | |||||||||||||||||||||||||||
「『任意のn∈Nにたいしてan≠0』 かつ an→α (n→∞) かつα≠0」 ⇒「1/an→1/α (n→∞)」 ないし
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※なぜ?→証明 |
6.収束列の商の極限・「どの項も0にならない数列{an}が実数α≠0に収束」 かつ 「数列{bn}が収束列」 ならば、 それらの商の数列{bn/an}も収束列。 ・どの項も0にならない「数列{an}が実数α≠0に収束」 かつ 「数列{bn}が実数βに収束」ならば、 それらの商の数列{ bn/an}は、実数β/αに収束する。 記号を用いて表現すると、 | | ||||||||||||||||||||||||||||||
「『(∀n∈N) (an≠0)』 かつ『an→α (n→∞)』かつ『α≠0』かつ『bn→β (n→∞)』」 ⇒ 「bn/an→β/α (n→∞)」 ないし
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※なぜ?→証明 |
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