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私達が想像する以上に縄文時代の交易は広範囲に行われ、物の伝播が山間を分け隔て奥地にまで達していたことが近年の調査報告で明らかになってきた。
交易品である翡翠、アスファルト、黒曜石などかなり具体的な産出地が特定され、まだまだ散発的な出土ではあるが縄文ルートの解明に向けて着実に新しいデータが描き加えられている。一方遺跡の分布は主要河川に沿って見られ、近年の丸木舟の相次ぐ発見と合わせると、いかに河川と密接した生活形態が確立されていたかが窺える。これは河川を軸とした生業や人の移動による地域的集団性が発展したものと考えられ、研究では発掘調査から得たデータの蓄積と化学的検証が求められ、様式等の比較分析が待たれるところである。
遺跡の分類に当たっては川と海の交易ルートを意識し主要河川、海岸線に分け表示したものである。
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