西の浜貝塚

(No.16)宮城県松島町磯崎字西の浜
東方より 西方より海を望む

 松島湾に点在する貝塚群の中では大規模とされる貝塚で、湾の北西奥に位置する。付近には南東の宮戸島に里浜貝塚、南の七ケ浜に大木囲貝塚がある。
松島町から国道45号線を分岐し、海岸線を奥松島方向へ距離にして1キロメートルを少し越えた辺りである。遺跡は海岸に延びる標高10メートル前後の丘陵台地に広く分布し、東西両斜面に馬蹄状に形成された貝塚は海岸へ達する。
1958年(昭和33年)11月東北大学によって試掘調査が行われ、続く1959年1960年と二次に渡り本格的な調査が行われた。
遺跡からは縄文時代から平安時代まで長期にわたる遺構、出土品が検出され、その縄文期の年代は前期初頭(大木式1、2)を含む中期末から晩期に至る。
宅地造成工事にともない1966年(昭和41年)1967年と緊急調査が行われ、東西130メートル、南北200メートルの範囲に貝層が確認された。宅地化と相俟って遺跡の保存が唱えられ、現在部分的にではあるが破壊を免れ国の史跡公園となっている。
■参考文献■
「松島町誌」1960年