Deutsche Welle (DW) 2018年5月28日
欧州委員会は
プラスチック廃棄物の禁止を計画している

レベッカ・シュタウデンマイアー
 プラスチック製カトラリー(ナイフ/フォーク/スプーン)、ストロー、コーヒースターラー、そして綿棒は間もなく、ヨーロッパでは入手が難しくなるかもしれない。欧州委員会はプラスチック廃棄物対策として使い捨て製品をを禁止する指令案を提示した。

情報源:Deutsche Welle (DW), May 28, 2018
EU Commission plans ban on plastic waste
By Rebecca Staudenmaier

Plastic utensils, straws, coffee stirrers and cotton swabs may soon be a lot harder to come by in Europe. The EU Commission presented a draft directive to ban the single-use products in the fight against plastic waste.
http://www.dw.com/en/eu-commission-plans-ban-on-plastic-waste/a-43949554

訳:安間 武/化学物質問題市民研究会
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2018年6月1日
更新日:2018年6月7日
このページへのリンク:
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/eu/news/
180528_DW_EU_Commission_plans_ban_on_plastic_waste.html

 欧州委員会は月曜日(5月28日)、いくつかのプラスチック製品を禁止することにより、都市と海のプラスチック汚染を低減することを目的として、EU全土を対象にする新たな規則を提案した。

 EU当局者は、使い捨て(single-use)プラスチック製品と漁具が海のゴミの70%を占めており、”革新的な代替”への移行は 30,000程度の雇用を生み出すであろうと述べた。

EU当局が提案していること
 EUの指令案の中で、欧州委員会は、ヨーロッパの海岸に打ち上げられる、又は海洋で発見される使い捨てプラスチック上位10製品に狙いを定めて次のように提案した。
  • ストロー、プラスチック製皿、プラスチック製カトラリー、プラスチック製コーヒースターラー、プラスチック製軸の綿棒及びプラスチック製風船ホルダーのような使い捨てプラスチック製品の個人的な使用の禁止
  • 持ち帰り用などのプラスチック製食品容器や飲料用プラスチック製カップの使用の抑制
  • ある製品の製造者は、清掃及び廃棄物処理のコスト負担を支援することが求められる。それらは、タバコのフィルター(タバコの吸い殻)、プラスチック袋、キャンディの包み紙、ポテトチップ容器、及びウエットティッシュを含む。
  • 生理用ナプキン、ウェットティシュ及び風船はどのように廃棄すべきかを示すラベルを付けることが求められる。
  • 海岸のゴミの27%を占める漁具の製造者らは港での廃棄物収集のコストを負担することが求められる。
  • 各加盟国は、2025年までに各国で使用されるプラスチック製ボトルの90%を収集するために、デポジット制度又はその他の措置を採用すべきである。
  • プラスチック容器の脅威についての消費者情報をふやす。
”ヨーロッパ人は一緒に行動する必要がある”
 欧州委員会の第1副委員長フランス・ティメルマンスはその指令案を歓迎」して次のように述べた。”プラスチック廃棄物は紛れもなく大きな問題であり、それらは我々の大気、我々の土壌、我々の海、そして我々の食物中に到達するので、ヨーロッパ人はこの問題と戦うために一緒に行動する必要がある”。

 彼は、禁止された又は抑制された品目を環境に良い代替で置き換えることが特に強調されると付け加えた。

 ドイツ政府は、欧州委員会の計画の承認を日曜日(6月27日)にドイツラジオ(ARD)を通じて示唆した。環境大臣スベンニャ・シュルツェ(ドイツ社会民主党)は放送局に対して、使い捨てプラスチック製品はヨーロッパ・レベルで規制され、徐々に循環から取り除かれるべきであると述べた。

可能性ある反発
 EUは、禁止されることになるかもしれないプラスチック製品に対する環境的に良好な代替について公衆を教育することにより、可能性ある変化に対する消費者の怒りを回避することを希望している。

プラスチック廃棄物の脅威
 プラスチック廃棄物は、海洋生物、鳥類、そして食物連鎖上位の動物生命を脅かす脅威をもたらす。多くの動物は廃棄物を摂取し、又は廃棄物に巻き込まれ、最終的には病気になり、その結果、恐らく死んでしまう。その上、マイクロプラスチックは分解するのに数千年かかり、そのことは、街路に舞い、湖、河川及び海に落ちるプラスチックごみは、そこに存在し続けることを意味する。

次は何が起きるか?
 提案された指令は、承認を得るために欧州議会と欧州理事会に回される。もしその指令が承認されれば、EU加盟国は、その変更に対応するための期限を与えられるであろう。欧州委員会当局者らは12か月後に実施されるEU選挙の前に具体的な結果を出すよう議会と理事会を促した。


訳注:最近のプラスチック汚染関連情報

訳注:当研究会が紹介したプラスチック・リサイクル、プラスチック廃棄物、プラスチック汚染、及びマイクロプラスチック等に関連する情報

■プラスチック・リサイクル
■プラスチック関連規制
■プラスチック汚染
■プラスチック生活
■プラスチック問題への NGO の取り組み


化学物質問題市民研究会
トップページに戻る