The Guardian 2017年5月27日
毎週の買い物でプラスチックをやめられる? ある家族がやってみた
桶に入れて売られている果物、盛り皿の鶏肉? そしてプラスチックごみが打ち上げられている遠い太平洋の島?
マクレディ家はプラスチック問題に取り組むのは大変であることが分かった。 情報源:The Guardian, 27 May 2017 Could you cut out plastic from your weekly shop? One family tried With fruit sold in tubs, chicken in trays ? and remote Pacific islands awash in plastic debris ? the McCreadies found the plastic challenge tough ByJuliet Stott https://www.theguardian.com/money/2017/may/27/cut-plastic-weekly-shop-family 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) 掲載日:2017年6月1日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/kaigai_17/ 170527_Guardian_Could_you_cut_out_plastic_from_your_weekly_shoph.html 数百万トンのプラスチック廃棄物が打ち上げられている遠く離れた無人の太平洋の環礁のヘンダーソン島のゴミが散乱する異様な姿は世界中に衝撃を与えた。環境中に流れ込むプラスチックは莫大な量であり、2050年までに海洋中のプラスチックは魚より多くなると言われている。しかし、我々は簡単に日常生活からプラスチックをなくすことができるのであろうか? 6月に、英・海洋保護協会は、1日、1週間、あるいは、まる1か月間、使い捨てのプラスチックを使わないことを我々に求める”プラスチック・チャレンジ”を立ち上げるであろう。ガーディアン紙はヨークシャーのある家族に1週間、彼らのプラスチックの使用を追跡し、次にその後の1週間、可能な限りプラスチックを使用しないことを頼んだ。その結果はどのくらい多くプラスチックの足跡(footprint)を削減できるかを示しているが、しかしまた、たとえ可能な限り環境に優しくありたいと願う人々であっても、その使用を大幅に削減することに対する現実的な限度があることをも示している。 ノースヨークシャーに住む35歳のソーシャルワーカーのシボーン・マックレディは、彼女と夫のアンドリューはともに彼らのプラスチック使用について”意識しており”、彼らが使用したものの多くが埋立地に行き着いていなかったことを確認したと、述べた。”アンドリューは容器のふたを開けて、中身を出して、それらが正しい場所に行き、適切にリサイクルすることができるようにしている”と彼女は述べた。 しかし夫妻はしばしば、彼らがリサイクルできないプラスチックの量の多さについて”非常にイライラ”した。”スコットランドにいる私の義理の親は、リサイクル用プラスチックを入れる容器を5つほど持っており、歯磨き用ブラシやヨーグルト容器のふたをそこに入れることができ、毎週リサイクルのために持って行ってもらう。我々の手では、そのようなものはリサイクルできない”とシボーンは述べた。 二人の小学生の息子がいるマックレディ家は、5月に2週間、プラスチック・チャレンジに参加した。彼らは最初の週に、リサイクルできるものと、できないものに分けて彼らが出したプラスチックの量を観察した。そして彼らは最初の週の終わりまでに彼らが集めた量の多さにぞっとしたと述べた。”私のリサイクルできないプラスチックの山は、リサイクルできるものの山よりはるかに大きく、それは、これらの全てが地中のぼた山に行き着くことになるということを思い知らしめた。それは全く狂気じみており、実に悲しい”と、シボーンは述べた。 二週目に、彼らは、プラスチック包装/容器をやめる又は減らしたいという願いで、いつも使うオンライン・ショッピング配送を地域の八百屋と惣菜屋に変えた。”私は全ての生鮮食品をそこから買ったが、カウンターで私はプラスチック包装/容器には入ったものは欲しくないと説明しなくてはならなかった。しかしあるものについてはそのようにできなかった。例えば、総菜屋でチーズを買ったが、それはクリングフィルム(食品包装用のポリエチレンの膜)で包んだ状態で出てきた。そして、ブルベリー、イチゴ、ラズベリーもプラスチック製かごに入っていた”。 マックレディ家は、プラスチックの消費を減らすために炭酸水のような毎週の基本飲食品をやめた。ほかの時に彼らは最初から作った。”最近まで、私は安売りに出されていた数個の即席スープを買っていたが、プラスチック容器を家に置きたくないので、今では私は自分で作っている”と、シボーンは言う。”また、買い物中に私の子どもたちは包みに入ったスコッチ・パンケーキを見て、買ってとねだったが、その容器のために私はダメと言わざるをえなかった。そこで私は家に戻り、それらを作った”。 第二週目の間にマックレディ家がプラスチック使用を削減した方法がほかにもあった。彼らはプラスチックトレーに置かれクリングフィルムで包まれた丸ごとのチキンを買うのは避けた。余った食品はクリングフィルムを利用する代わりに冷蔵庫の中で上に皿をかぶせた。プラスチック容器に入れて売られているカットした果物ではなくはなく、丸ごとの果物を買った。プラスチックポットに入った苗を買わないで、種からハーブを育てた。シボーンは、プラスチック容器に入っているので、メイク落としの使用さえも控えた。 しかし彼女はいくつかの重要な品をやめることは非常に難しいと述べた。”私は、ポンプ付きハンドウォッシュの代わりに固形石けんを使用ことができなかった。固形石けんは長持ちするし、安いし、環境にやさしい。それでも過去に息子達がそれを落として、床中を滑らせたことがあるし、流しに残る残渣が好きになれない。私はそれが馬鹿げたことであるということを知っているし、そのことを言うのはつらいが、そういうことなのだ”とシボーンは言う。 プラスチック・チャレンジは、環境を意識している家族にとっても難しかったと彼女は告白する。””私は文字通り、いつでもそれについて考えている。私が買ったり食べたりするどのようなものについても、容器のどの部分がリサイクルできるか、又はできないのかを調べるためにチェックしなくてはならなかった。私はプラスチックで包装された品物を買うのを避けるために別の場所に車で行かなくてはならなかった。それは全く時間を費やす仕事であった”。 しかし、全ての努力は価値のあることであった。彼らのリサイクルできる、及びできないプラスチックの山は約 4 分の 1 にまで減った。それでもまだ、量は大幅に減ったけれども、ジッパー付きの再密閉できるプラスチック・バッグの代わりのチーズのクリングフィルム、又はプラスチックかごの代わりのジッパー付きブドウ用バッグのような、以前と同じようなプラスチック包装容器がある。 シボーンは、町や都市に住む人々にとっては、より良い施設施設があるのでプラスチックを代替することはそれほど難しくないと思うかもしれない。”ヨークには、フィッシャーゲート・ショッピング・センターにあるような店があり、そこには、コメ、シリアル(穀物加工食品)ナッツ類の樽が非常にたくさんあり、人々は商品をすくって自分の容器に直接流し込むことができるが、私の近くのスーパーマーケットではそのような売り方はしていない。したがって私がその種のプラスチックをやめるためには、私はヨークまで車で行かなくてはならないので、その環境に良いアイディアは消えてなくなってしまう”。 シボーンは、もっと意識を持ち続け、可能なら、プラスチックで包装された、又はプラスチック容器に入った品物を買うのを避けるつもりであると言う。しかし、使い捨てプラスチック用品を完全に避けることは、片手間ではできないので、”徹底的なヒッピー(既成文化を否定する人)になり、全ての時間をこのことに費やさない限り”不可能であろうと彼女は言う。 プラスチック・チャレンジに参加しよう 海洋保護協会のプラスチック・チャレンジは完全にプラスチックなして生活するということではないとパトリック・コリンソンは書いている。 ”今日、それはほとんど不可能に近い”と同協会は明かす。しかし、我々は、プッラスチック・ボトルやバッグのような使い捨ての製品、又はプラスチック包装された即席食品をやめるためにもっと多くのことができると同協会は言う。同協会はそのプラスチック・チャレンジのウェブサイト Mcsuk.org で問題の解説及び解決の提案をしており、その ”Plastic Challenge Pack ”は下記のヒントを含む。
訳注:プラスチック汚染と廃棄物に関する記事
|