Rock Listner's Guide To Jazz Music


Visual


Greatest Video Hits I

曲:★★★★★
映像:★★★
入門度:★★★★
評価:★★★★★
Disc 1
[1] Bohemian Rhapsody
[2] Another One Bites The Dust
[3] Killer Queen
[4] Fat Bottomed Girls
[5] Bicycle Race
[6] You're My Best Friend
[7] Don't Stop Me Now
[8] Save Me
[9] Crazy Little Thing Called Love
[10] Somebody To Love
[11] Spread Your Wings
[12] Play The Game
[13] Flash
[14] Tie Your Mother Down
[15] We Will Rock You
[16] We Are The Champions

Disc 2
[1] Now I'm Here (Live)
[2] Good Old Fashioned Lover Boy
[3] Keep Yourself Alive
[4] Liar
[5] Love Of My Life
[6] We Will Rock You

Disc 2
[1] is also available in
"At The Rainbow"

[3] is also available in Professional Performer
(Bootleg)

[6] is also available in Ultimate Houston (Bootleg)
初期〜中期(81年の「Flash Gordon」まで)にかけての曲を集めたプロモ・ビデオ集。70年代、プロモーション・ビデオといえばバンドが演奏しているかのような口パクシーンを収めただけののものが主流であったことを理解した上で観ないと古さしか感じないというのが正直なところ。その点、"Bohemian RHapsody" は当時としては画期的ではあった。見どころとしては70年代の彼らの姿が拝めることに尽きるでしょう。髭をたくわえたフレディしか知らない人には衝撃的かも。一方、全曲コメンタリー、ワイド・スクリーン、5.1ch DTS収録と、DVD ならではの付加価値は充実していて嬉しい限り。特にコメンタリーは興味深いエピソードがいろいろ語られていてマニアなら楽しめるはず。Top Of The Popsをボロクソに言っていたり、ところどころ不満を言っていたりと自分たちの意思とかけ離れたコンセプトで作られたビデオ作品が多いこともよくわかる。

Disc 2 [1]は、今では完全版で観れるようになったレインボウ・シアターの映像。同[2]はレコードの音を被せたスタジオ・ライヴという珍品でテレビ放送用と思われる。同[3]は、ごく初期のプロモ・ビデオ。この曲にはもうひとつ初めてビデオシューティングした時のバージョンがある。同[4]も[3]と同時期収録のもの。ちなみに、まだカメラの前に立つことになれていなくてぎこちないファースト・シューティングのバージョンは「Professional Performer (Bootleg)」などで見ることができた。同[5]はどこの映像か不明のライヴでさまざまな映像エフェクトがかけられている。[6]は77年のヒューストン公演から。ここまでキレイな映像があるのならコンプリートでオフィシャル・リリースをしてほしいと思ってしまう。

そしてなんと言っても目玉は、ボヘミアン・ラプソディのドキュメンタリー。ブライアンとロジャーのコメント、プロモ・ビデオのメイキング、ミキシング卓を操作しながらの部ラインの解説がメインで、オペラ・セクションのあとのハード・ロック・パートのリフはフレディが作ったものであること、冒頭のコーラスはフレディ1人による多重録音であること、エンディングをどうまとめるか悩んだことなどのエピソードが満載。これだけでこのディスクを入手する価値がある。尚、Disc 2 でプレイヤーを操作し、タイトル番号を「10」に、チャプターを「1」に指定すると
"Bohemian Rhapsody" の炎メラメラ・バージョンが見れるという裏ワザが隠されている。
(2006年10月9日)

Greatest Video Hits U

曲:★★★★★
映像:★★★★
入門度:★★★★
評価:★★★★★
Disc 1
[1] A Kind Of Magic
[2] I Want It All
[3] Radio Ga Ga
[4] I Want To Break Free
[5] Breakthru
[6] Under Pressure
[7] Scandal
[8] Who Wants To Live Forever
[9] The Miracle
[10] It's A Hard Life
[11] The Invisible Man
[12] Las Parabras De Amor
[13] Friends Will Be Friends
[14] Body Language
[15] Hammer To Fall
[16] Princes Of The Universe
[17] One Vision

Disc 2
[1] Back Chat
[2] Calling All Girls
[3] Staying Power (Live)
[4] Radio Ga Ga
[5] Tear It Up
[6] It's A Hard Life
[7] I Want To Break Free
[8] One Vision
[9] A Kind Of Magic
[10] Friends Will Be Friends
[11] Hammer To Fall

Disc 2
[3] is also available in
"Queen On Fire"

[4]-[7]
Montreux Pop Festival 84

[8]-[11]
Montreux Pop Festival 86
「Hot Space」〜「The Miracle」までのプロモ・ビデオ集。「Innuendo」の曲が収録されていないということは「V」が出るとことを示唆しているのかと思っていたけれど、続編が出る気配はない。「Greatest Video Hits I」に引き続きコメンタリー付きで、「The Works」以降、MTVブームの波に乗ってビデオの完成度も格段に上がっていることを実感できる。ただし、コメンタリーを聞けばわかる通り、曲によって力の入れ方に落差があったり、自分たちの意思とは別のところで作られている曲もあって、すべてが良いデキとは言えないのも事実。まあ、すべての曲のビデオ製作に全面的に関知できるほど彼等はヒマではなかっただろうからこれは致し方ない。ここでもコメンタリーが興味深い。"Breakthru"のギター・ソロのあと転調するところはあの曲の山場とも言えるところで、しかしロジャーが「転調は大嫌い。ここ以外は良い曲」と今でも根に持っているところが笑える。音声はもちろん 5.1ch DTS、ワイド・スクリーンなのは前作と同様。80年ころからのクイーンのビデオは、時にフレディのエキセントリックな感性が前面に出ているものもあるので、この感性にどこまでついていけるかファンは試されるのことになる。多くの人にとって強烈と思われるのは[4]の間奏部のところで、これはバレエのパロディとわかっていればジョークとして楽しめる。[9]は企画の勝利とも言えるクイーンのビデオの中でも屈指の傑作。

Disc 2は曲以外は、インタビュー(84年、86年、89年)が多い。Disc 1 [2][7][9] のビデオ・メイキング、"One Vision" のレコーディング・ドキュメンタリーあたりが興味深いところ。尚、モントルー・ポップ・フェスティヴァルというのは観客を前に口パクで演奏するという実にくだらないイベントで、彼らもそれを承知の上で、あくまでも宣伝として出演を決めたらしい。強いて見どころを挙げるのなら、曲の合間に「今日は、口パクだからノドを気にしなくてもいいんだよね」的なフレディが、スゴイ声で観客をあおることと、ジョンが珍しく変形ベースを手にしていることくらい。

本作での裏ワザ。Disc 1 [8]再生中にタイトル番号「6」を指定すると「ハイランダー」バージョンが、Disc 2でタイトル「13」 を指定すると英国骨髄バンクPR用に製作された "Who Wants To Live Forever" を見ることができる。後者は(確か)ブライアンの子供たちが歌っているもの。

以上、Greatest Video Hitsの2作は結構マニア向け。(2006年10月8日)

The Making Of A Night At The Opera

曲:★★
映像:★★★
入門度:★
評価:★★★★
[1] Death On Two Legs
[2] Lazing On A Sunday Afternoon
[3] I'm In Love With My Car
[4] You're My Best Friend
[5] '39
[6] Sweet Lady
[7] Seaside Rendezvous
[8] The Prophet's Song
[9] Love Of My Life
[10] Good Company
[11] Bohemian Rhapsody
[12] God Save The Queen

Special Feature
[1] How The Album
              Got It Name
[2] '39 - Brian May
[3] Half Sonic Volcano
[4] Sweet Lady
          - Hyde Park 1976
[5] The Prophet's Song
[6] Love Of My Life
         - Brian and Freddie
[7] Bohemian Rhapsody
[8] God Save The Queen
Classic Albumsシリーズは英国ロック・グループの歴史的名盤を取り上げ、当事者のインタビューを交えてその製作過程に迫るドキュメンタリー番組らしい。この種のものが番組になるということじたいが彼らの国と日本の文化の違いを感じる次第。さて、このDVDは番組に収録されなかった分も加えた完全版と思われるもの。ミキシング卓を操作しながらブライアンが曲にコメントを加えるところが興味深い。クイーンというグループはごく普通のポップ・ソングを作ってきたために、ともすれば軽く見られがち。でも、このDVDを観ると若いころからいかにしっかりと考えながら音楽を作っていたかが良くわかる。フレディのコメントが制作当時のものしか取れないのは残念だけれども、こればかりは仕方がない。何度も繰り返して観るDVDではなく、製作過程などに興味がない人には「へえ」以上のものはないけれど、クイーンがどのようなことを考え、何を思いながら音楽を作っていたのかを知りたいという人には一度は観て貰いたいドキュメンタリー。(2006年10月8日)

We Will Rock You

曲:★★★★★
演奏:★★★★
音質:★★★★★
画質:★★★★★
評価:★★★★
[1] We Will Rock You
[2] Let Me Entertain You
[3] Play The Game
[4] Somebody To Love
[5] Killer Queen
[6] I'm In Love With My Car
[7] Get Down Make Love
[8] Save Me
[9] Now I'm Here
[10] Dragon Attack
[11] Love Of My Life
[12] Under Pressure
[13] Keep Yourself Alive
[14] Drum Solo
[15] Guitar Solo
[16] Crazy Little Thing Called Love
[17] Jailhouse Rock
[18] Bohemian Rhapsody
[19] Tie Your Mother Down
[20] Another One Bites The Dust
[21] Sheer Heart Attack
[22] We Will Rock You
[23] We Are The Champions
[24] God Save The Queen

[Recording Date]
1981/11/24, 25

Motreal Forum, Canada
81年モントリオール公演のライヴは、映画館などでの公開を前提にフィルムで撮影され、それがビデオとして発売された。その後にDVDとして発売され、音声はDolby Digital 5.1ch、同2ch、DTS 5.1ch で収録して音質向上し、画質も向上。ギターが妙に強調されていたり、ドラムサウンドが不自然だったりしたところも改善された。また、ビデオにはなかった[15]が追加されるという小変更もあった。更に国内盤DVDが発売され、少しだけ画質アップ、DTS 6.1ch、リニアPCM 2ch音声にアップグレード、裏音声でブライアンとロジャーのオーディオ・コメンタリーが選択できるようになった(ただし字幕なし)。81年といえば、グループとしての円熟度も極まり特に北米を中心に商業面でもピークにあった時期。この日はフレディのノドの調子も良く、演奏はロック・バンドらしい荒々しさが良く出ていて、スタジアム・ロック・グループとして存在感十分のパフォーマンスを堪能できるところが最大の魅力。[12]は完成して間もないこともあってまだこなれていなかったり、[13]のイントロでは"Back Chat"の原型が出てきて「Hot Space」が突然変異で生まれたわけではないことが確認できるのも81年ならでは。「Live Killers」では音だけしかわからなかった[7]や、ロジャーのティンパニのパフォーマンスを映像で楽しめるのも嬉しい。尚、映画「Bohemian Rhapsody」のクライマックスに置かれたライヴ・エイドの本物の映像が、ボーナス・ディスクに完全収録されており、おまけとしてライヴ・エイドのリハーサルも含まれている。インタビューも交えていることからテレビ取材向けのものと思われる。もうひとつは、簡易インタビュー付きのテレビ番組で貴重といえば貴重かもしれないが内容はたいしたものではない。余談ながら、フレディだけをフィーチャーしたこのジャケットは史上最低だと思う。フレディ亡き後にリリースしたものはフレディを強調したイメージ戦略を採っているけれど、断じてクイーンはフレディのバンドではないし(本人自らがそう言っていた通り)リーダーでもない。(2008年9月4日)

Rock Montreal & Live Aid

曲:★★★★★
演奏:★★★★
音質:★★★★★
画質:★★★★★
評価:★★★★★
[1] Intro
[2] We Will Rock You
[3] Let Me Entertain You
[4] Play The Game
[5] Somebody To Love
[6] Killer Queen
[7] I'm In Love With My Car
[8] Get Down Make Love
[9] Save Me
[10] Now I'm Here
[11] Dragon Attack
[12] Now I'm Here (reprise)
[13] Love Of My Life
[14] Under Pressure
[15] Keep Yourself Alive
[16] Drum and Tympani Solo
[17] Guitar Solo
[18] Crazy Little Thing Called Love
[19] Jailhouse Rock
[20] Bohemian Rhapsody
[21] Tie Your Mother Down
[22] Another One Bites The Dust
[23] Sheer Heart Attack
[24] We Will Rock You
[25] We Are The Champions
[26] God Save The Queen
[Recording Date]
1981/11/24, 25

Motreal Forum, Canada


現時点でモントリオール公演の映像最終版がBlu-rayで、リニアPCMとDTS-HDで収録(コメンタリーはオミットされた)し、画質は37インチのテレビでもわかるほどクリアになった。画質向上を求めるならBlu-ray盤に買い換える価値はある。リージョンコードを気にしなくて良くなったため、安い輸入盤を買うという選択肢もある。音はリミックスされていて少し感じが違う。「We Will Rock You」ではギターやシンバルの音が部分的に強調されるという恣意的な効果を狙った妙なバランスだったところを整理。また、ドラム・サウンドもクセがあったところが割と普通な感じになっているし、わざとらしく部分的に強調されていた歓声も含め、総じて自然な感じになったことは改善点と言える。あと、ベースの音が少々硬くなっているのも以前との違い。

もうひとつ、このタイトルの目玉はライヴ・エイドのステージが、クリアな画質、そしてDTSで完全収録されていること。クイーン最高のステージ・パフォーマンスとして名高いライヴ・エイドの映像はさまざまなブートレグに収録されていたけれど、とにかく画質がヒドイものばかりだった。ライヴ・エイド全体の正規DVDが出ているとはいえ、クイーンだけを目当てに買うにはボリュームがありすぎるので、こうして映像が入手できるようになったことは喜ばしい。当時の関係者によれば、このイベント、建前では「有意義なチャリティに賛同して云々・・・」と言ってはいたものの実は乗り気でなく「みんな出るから仕方なく」出演しリハーサルもほとんどやらなかったとのこと。それでこのデキ、このテンション。ステージに上がってしまえば全力を出し切ろうとする彼らのプロフェッシナリズムがよく表れている。どん底状態だったバンドがこれでやる気を取り戻したのだから世の中わからないものだ。

その他のおまけはライヴ・エイドのリハーサル。ここではインタビューも交えていることからテレビ取材向けのものと思われる。もうひとつは、簡易インタビュー付きのテレビ番組で貴重といえば貴重かもしれないが内容はたいしたものではない。余談ながら、フレディだけをフィーチャーしたこのジャケットは史上最低だと思う。フレディ亡き後にリリースしたものはフレディを強調したイメージ戦略を採っているけれど断じてクイーンはフレディのバンドではないし本人自らがそう言っていた通り、フレディはリーダーでもない。(2008年9月4日)


Queen On Fire

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
音質:★★★★★
画質:★★★★
評価:★★★★★
Disc 1
[1] Flash
[2] The Hero  
[3] We Will Rock You (Fast)  
[4] Action This Day  
[5] Play The Game  
[6] Staying Power  
[7] Somebody To Love  
[8] Now I’M Here  
[9] Dragon Attack  
[10] Now I’M Here (Reprise)  
[11] Love Of My Life  
[12] Save Me  
[13] Back Chat  
[14] Get Down Make Love  
[15] Guitar Solo  
[16] Under Pressure  
[17] Fat Bottomed Girls  
[18] Crazy Little Thing Called Love
[19] Bohemian Rhapsody  
[20] Tie Your Mother Down  
[21] Another One Bites The Dust
[22] Sheer Heart Attack  
[23] We Will Rock You  
[24] We Are The Champions  
[25] God Save The Queen  

Disc 2  
[1] Backstage Interview  
[2] Freddie Mercury Interview  
[3] Brian May & Roger Taylor
   Interview
[4] Flash/The Hero  
[5] Now I’m Here  
[6] Impromptu  
[7] Put On The Fire  
[8] Dragon Attack  
[9] Now I’M Here (Reprise)  
[10] Crazy Little Thing Called Love
[11] Teo Torrriate  
[12] Another One Bites The Dust
[13] We Will Rock You
[14] We Are The Champions
[Recording Date]
1982/6/5

Milton Keynes Bowl, England


Disc 2
[4]-[11]
Seibu Stadium, Saitama,
Japan 82

[12]-[14] Stadthalle, Vienna,
Austria 82/5/12
このミルトンキーンズ公演は、BSやCSで何度も放送され、ブートレグでもいろいろなタイトルでリリースされてきた。それらの映像が60分に満たない短縮版で音声もモノラルという条件であったにもかかわらず人気があったのは、とにかくパフォーマンスが素晴らしいから。実質オープニングの[2]のカッコ良さといったらそれはもう筆舌に尽くしがたい。以降も演奏のテンションが高くフレディの声も絶好調。それが2004年に5.1ch化、1ステージ完全収録でオフィシャル化されたときの喜びは言葉に表せないくらいだった。なぜこんなに素晴らしいものをそれまで眠らせておいたのかというのは、しかしなんとなくわかる。ひとつは彼等自身があまり良い感情を持っていない「Hot Space」の収録曲が多いこと。しかし、実はこれが本作の大きな聴きどころでもあるので「Hot Space」が嫌いな人にこそ観てもらいたい。特に[6]のカッコよさといったらない。もうひとつの理由はブライアンのギターソロ中に音声が出なくなるアクシデントがあるところ。ありのままの姿が記録されているところが正式な作品とすることを躊躇させたのかもしれない。[17]は他のブートレグを含めて僕の知る限り最高のライヴ・バージョンで、2コーラス目の"Ain't no beauty Queens in this locality"のところで、ブートレグでは力が入りすぎたフレディの声が裏返ってしまっていたことが捉えられているけれど、このオフィシャル盤では見事にその部分だけ他の音源に差し替えられている。完成度の高いものを世間に出したいという作り手の気持ちはわかるけれど、この裏返りはフレディがノッていたからこそのものなんだから余計なことしなくていいと思う。と、まあそれはともかくオフィシャルのライヴ映像としてはダントツで最高のパフォーマンスであることに揺るぎはない。クイーンのライヴってどれを観たらいいんだろうとお悩みのアナタ、今すぐこのDVDを入手せよ。(2007年1月2日)

We Are The Champions

曲:★★★★★
演奏:★★★
音質:★★★☆
画質:★★★★
評価:★★★
[1] Tear It Up  
[2] Tie Your Mother Down  
[3] Under Pressure  
[4] Somebody To Love  
[5] Killer Queen  
[6] The Seven Seas Of Rhye  
[7] Keep Youself Alive  
[8] Liar  
[9] It's A Hard Life  
[10] Now I'm Here  
[11] Is This The World We
                               Created?
[12] Love Of My Life  
[13] Another One Bites The Dust
[14] Hammer To Fall  
[15] Crazy Little Thing Called Love
[16] Bohemian Rhapsody  
[17] Radio Ga Ga  
[18] I Want To Break Free  
[19] Jailhouse Rock  
[20] We Will Rock You  
[21] We Are The Champions  
[22] God Save the Queen

[Recording Date]
1985/5/11

Yoyogi Arena, Tokyo, Japan
85年のジャパン・ツアー、5月11日の公演はNHKが収録した。FMではギター・ソロを除いて完全放送。一方、テレビでは「ヤング・ミュージック・ショウ」として60分に短縮して放送された。武道館公演に行った僕は当然それぞれを録音/録画していて繰り返し何度も聴いた。その素材を元に完全版としてリリースされたのがこのDVD 。別の項目でも書いている通り、正直なところ85年以降のクイーンは、こと演奏力に限って言うとライヴ・バンドとしての力は下降気味で、ここでのパフォーマンスも特別良いものではないと思うし、ワールド・ツアー終盤でコンディションも良くなかったんじゃないかと思う。しかし、このDVDには当時放送されたものから実は大きな改良点があるところに価値がある。というのは、当時NHKで放送されたこの音源、どういうわけかフレディのピアノにセッティングされていたマイクの音が、それはもう聴くに耐えないほど割れていた。それがこの DVD ではほぼ修復されている。これもデジタル処理技術の賜物なんだろうか。ただしこのDVD、音声は普通の 2chステレオのみで、以前リリースされていたビデオから進歩していないのがちょっと残念。恐らく、DVD化に際してクイーン関係者が携わっていないから、新規で5.1chミックスが制作されることはなかったんでしょう。さて、演奏力について85年以降は下降気味と書いた一番の理由は、僅かではあるけれどロジャーのドラムにキレがなくなってきたことにある。もともとロジャーはテクニックを売りにしていたわけではなく、独特のラフでルーズで勢いに任せたキレ感に魅力があったんだけれど、その部分にわずかながら翳りが見られる。ロジャーが作曲家として重要性を増してきた頃とリンクしているのでドラマーとしての表現に対する関心が薄れてきたせいなのか、単にフィジカルな面での衰えなのか微妙なところ。(2007年1月2日)

Live At Wembley Stadium

曲:★★★★★
演奏:★★★
音質:★★★☆
画質:★★★★
評価:★★★
[1] One Vision  
[2] Tie Your Mother Down  
[3] In The Lap Of Gods  
[4] Seven Seas Of Rhye  
[5] Tear It Up  
[6] A Kind Of Magic
[7] Under Pressure  
[8] Another One Bites The Dust  
[9] Who Wants To Live Forever  
[10] I Want To Break Free  
[11] Impromptu  
[12] Brighton Rock Solo  
[13] Now I'm Here  
[14] Love Of My Life  
[15] Is This The World We Created
[16] (You're So Square)
    Baby I Don't Care  
[17] Hello Mary Lou  
[18] Tutti Frutti  
[19] Gimme Some Lovin'  
[20] Bohemian Rhapsody  
[21] Hammer To Fall  
[22] Crazy Little Thing Called Love
[23] Big Spender  
[24] Radio Ga Ga  
[25] We Will Rock You  
[26] Friends Will Be Friends
[27] We Are The Champions  
[28] God Save The Queen  

Disc 2  
[1] Brian & Roger interview (2003)
[2] Gavin Taylor & Gerry Stickles
   interview  
[3] A Beautiful Day (documentary)
[4] Trubute To Wembley Towers
[5] Friday Concert
[6] Rihersal  
[7] Photo Gallery  
[8] One Vision
[9] Under Pressure
[10] Now I'm Here
[11] We Are The Champions

[Recording Date]
1986/7/12

Disc 2 [8]-[10] Multi-Angle

Wembley Stadium, England
ライヴ・エイドで自信を取り戻したクイーンはアルバム「A Kind Of Magic」を製作、アメリカや日本ではほとんど無視されたものの英国を中心に欧州では絶大な支持を得た。これに伴うマジック・ツアーはスタジアム・クラスの大規模会場を中心としたものになる。中でも地元でもあり、ライヴ・エイドの会場でもあったウェンブリー・スタジアム公演はこのツアーのハイライト。当時、日本でも1時間の編集版で深夜に放送されていて「ああ、なんで日本に来てくれないのー」なんて思ったことを思い出す(後にビデオでも発売された)。結果的に、最後のツアーのステージを完全に収めたものとして今となっては貴重なものになった。パフォーマンスも上々。85年以降はライヴ・バンドとしての力量に翳りが見えてきたことは「We Are The Champions」の項目でも書いた通りだけれども、フレディの声に張りがなくなっていたりロジャーにキレがなくなっていたりするのは歳相応のことなんだからしょうがない。それでも、やる気漲るパフォーマンス、スタジアム級ロック・バンドとしてのスケール感、新旧バラエティに富んだ選曲、地元オーディエンスの盛り上がりなどがそれを補っており、このステージが長いクイーンの活動の中でも大きなイベントだったことが十分理解できる。最後に冠を掲げるフレディの堂々たる雄姿がなんとも感慨深い。雨の前日公演、リハーサル風景、インタビューなど、恒例どおり DVD 化に伴うオマケも充実している。(2007年3月17日)
25周年記念エディションでは、前日6月11日全公演を収録。11日は、カメラリハーサルの雰囲気もあり、雨が降ったこともあってか、パフォーマンスもやや落ちる。標準エディション(?)にあったボーナス・マテリアルはオミットされている。 (2018年11月20日)

Hungarian Rhapsody: Live in Budapest

曲:★★★★
演奏:★★★★
音質:★★★★★
画質:★★★★★
評価:★★★★
[1] One Vision  
[2] Tie Your Mother Down  
[3] In The Lap Of Gods  
[4] Seven Seas Of Rhye  
[5] Tear It Up  
[6] A Kind Of Magic
[7] Under Pressure  
[8] Who Wants To Live Forever  
[9] I Want To Break Free  
[10] Guitar Solo
[11] Now I'm Here  
[12] Love Of My Life
[13] Tavaszi Szel Vizet Araszt
[14] Is This The World We Created
[15] Tutti Frutti  
[16] Bohemian Rhapsody  
[17] Hammer To Fall  
[18] Crazy Little Thing Called Love
[19] Radio Ga Ga  
[20] We Will Rock You  
[21] Friends Will Be Friends
[22] We Are The Champions  
[23] God Save The Queen
[Recording Date]
1986/7/27

Budapest, Hungary
クイーン最後のツアーとなった86年のライヴ映像としては、ウェンブリー公演のものが有名。それに加えて、ビデオ時代からこのハンガリー公演もリリースされていた。わずか10日違いの同じツアーの映像が2種類もリリースされていたのはそれなりの意味があるわけで、その意味というのはライヴ・パフォーマンスではなく、東欧ハンガリーのブダペストでロック・コンサートが開催されたことの記録ということに尽きる。ライヴが行われた記録として撮られたせいか、省略された曲、収録されていても大胆にカットされた曲がいくつかあり、途中でブダペスト滞在中の映像も挿入されるという構成になっており、ライヴだけを楽しみたいという人には不満が残る。全曲聴きたいのならCD付きのパッケージを選んでくださいというのが売り手のメッセージということらしい。しかし、この商品に価値がないかと言えばそんなことはない。いや、この商品だからこその価値もいっぱいある。まず、35ミリ・フィルムでの撮影で、オープニングから既に夜であることも手伝ってウェンブリーの映像と質感はだいぶ違っており、ビデオ撮影よりもより「作品」らしく見えること。そしてその映像が現代の最新技術をもって美しくレストアされていること。CDで聴くと音源レストアぶりも凄い。ウェンブリーのCDとは比較にならないほど現代的でタイトで明快。ロジャーのドラム・サウンドはちょっといじり過ぎな感じがしなくもないけれど、このときの技術でできるところまでやったであろうことは推測できる。その高音質のリマスタリングされた音源を、ブルーレイではDTS-HDマスターオーディオで聴くことができる。ちなみに演奏もこの日はよくまとまっていて、何か突き抜けるような勢いこそないとはいえ、いい意味で安定した良いパフォーマンスだと思う。尚、約27分の「A Magic Year」という映像が付いているので、どうしても字幕で観たい人は(かなり)高価な日本盤を買うしかないけれど、廃盤ビデオ「Magic Years」とかなり重複しているので、それを観ているマニアなら字幕がなくてもほぼ内容は把握できる。(2013年2月11日)

Rare Live (Video)

曲:★★★★★
演奏:★★★★
音質:★★★★★
画質:★★★★
評価:★★★☆
[1] I Want It All (title track)
[2] Crazy Little Thing Called Love
[3] Liar
[4] Another One Bites The Dust
[5] Rock'n Roll Medley
[6] My Melancholy Blues
[7] Hammer To Fall
[8] Killer Queen
[9] We Will Rock You
[10] Somebody To Love
[11] Tie Your Mother Down
[12] Keep Yourself Alive
[13] Love Of My Life
[14] Stone Cold Crazy
[15] Radio Ga Ga
[16] You Take My Breath Away
[17] Sheer Heart Attack
[18] We Are The Champions
[2] Saitama, Japan 82, also available in "On Fire"

[3] Rehearsal, London 73 and Rainbow Theatre,
London 74, also available in "At The Rainbow"

[4] Buenos Aires, Argentina 81 and Vienna, Austria 82(also available in "On Fire")

[5] Hammaersmith, London 75, also available
in "A Night At Odeon"

[6] Houston, Texas 77,

[7] Wembley Stadium, London 86,
also available in "Live At Wembley Stadium"

[8] Earls Court, London 77

[9] Wembley Stadium, London 85, (Live Aid)
also available in "Rock Montreal & Live Aid"

[10] Milton Keynes, England 82, also available in
"On Fire"

[11] Paris 79 and Frankfurt 82 and Rio De Janeiro
85(also available in "Live In Rio (Video)")

[12] Hammaersmith, London 75,
also available in "A Night At Odeon" and Tokyo, Japan 85, also available in
"We Are The Champions"

[13] Sao Paulo, Brazil 81, also available in "Live In Rio (Video)"


[14] Rainbow Theatre, London 74,
also available in "At The Rainbow"

[15] Sydney, Australia 85 & Knebworth 86

[16] Earls Court, London 77,

[17] Houston, Texas 77, and others

[18] Knebworth 86 and Frankfurt 82
89年にリリースされたライヴ・ビデオ。クイーンは87年リリースのビデオ「Magic Years」シリーズあたりから過去の映像アーカイヴを公開し始め、中でもこのビデオはライヴにフォーカスしたものとして当時は非常に貴重だった。何しろ殆どが見たことのない映像ばかりということもあって何度も観て楽しませてもらったことを思い出す。ただし、1曲の中でさまざまな時代の映像と音源を巧みに編集した仕上がりは、ひとつの曲は通して観たいと思う人には煩わしいかもしれない。70年代のライヴ映像は技術的な問題から解像度が低く暗い画面が多くなるのは仕方がないとはいえ、ここで観れる映像はブートレグに比べれば遥かにキレイなので、キング・クリムゾンのコレクターズ・クラブのような形でも構わないから是非公式版としてのリリースを期待したい。

尚、本作のクレジットはかなりいい加減なのでわかる範囲で修正を加えながら各曲のコメントを。
[2] はクレジットでは西宮球場となっているけれど西武球場の間違い。
[8] は有名なアールズ・コートの映像かと思いそうになるものの、ブートレグの映像とはカメラアングルも違えば演奏前のブライアンのMCも違うので、ブートレグの翌日、7日の映像の可能性大。
[13] の観客の熱さはスゴイ。これは一見の価値あり。
[15] は85年来日前、10年ぶりのオーストラリア公演でこのビデオ以外では観られない映像。オーストラリアは初めて訪問した10年前にはかなりウケが悪かったようでそれ以来の訪問だったらしい。
[17] は、ヒューストン公演を基本にしつつ、後半にはいろいろな公演のフレディの暴れっぷりが収録されていて楽しい。
[18] はクイーン最後の公演であるネブワースでのライヴ。
(2006年10月8日)

今となってはフルコンサートの映像ソフトで発売されているものが多くなったものの、77年アールズコート、77年ヒューストン、79年パリ、82年ウィーン、82年フランクフルト、86年ネブワースなど、まだまだ残っている。
(2018年11月20日)

Magic Years (Video)

マニア度:★★★★★
評価:★★★★★
87年リリース。それまでの活動を集約した各巻60分のビデオ・アンソロジー。曲はBGMとして断片的に流れるだけとはいえ、これはプロモーション・ビデオではなくドキュメンタリーなのでそれを求めるのはお門違い。内容は各時代のステージの様子、舞台裏、メンバーおよび有名人への膨大なインタビューとかなり充実している。クイーン専属映像スペシャリストのDoRoプロダクションの巧みな編集も相まってファンなら十分すぎるほど楽しめるはず。他のバンドも含めて、ここまで充実したビデオ・アンソロジーはそうはないだろう。当時は今ほどクイーンの映像は出まわっていなくて、特にライヴ関連はほとんどないと言ってもいい状況。ここでは断片的とはいえ、さまざまな時代のキレイな映像を見ることができて、リリース当時はすべてが新鮮だった。そのライヴの断片を味わうために何度も繰り返し観たのも懐かしい思い出。フレディがエイズ・キャリアであることがわかる直前とあって、最後は「Fuck today. Tommorow ! (過去なんてクソくらえだ。大事なのは明日さ。)という力強く未来を見据えるフレディのコメントで終わる。それにしても内容が素晴らしいだけにDVD化されていないのが悔しい。尚、この3巻は字幕が少々雑なのが難点。字幕というのは省略してわかりやすく表現するものであることは理解しているけれど、例えばジェフ・ベックがブライアンを評した「best pop guitarist」のコメントには「最高のギタリスト」という字幕にされてしまっていてニュアンスが伝わってりきっていない。注意して英語を聞きながら字幕を読むことをお勧めする。(2006年10月8日)

Champions Of The World (Video)

マニア度:★★★★★
評価:★★★★★
アルバム「Made In Heaven」と同時に発売されたアンソロジー。約120分。「Magic Years」と重複する部分が多くあるのは仕方のないところ。その代わり、それ以降(88年以降)の分からフレディ・マーキュリーの死に至るまでが追加されているところが目新しい。フレディについて語るブライアンやロジャーの姿は少々痛々しく見えるけれど、そこが加えられたことによってグループの歴史を振り返る完全なアンソロジーになった。相変わらずDoRoプロダクションの編集は冴えており最後までまったく飽きない。これもDVD化してもらいたい。(2006年10月8日)

Days Of Our Lives

マニア度:★★★★★
評価:★★★★☆
結成40周年を区切りとしてBBCで放送された2時間(1時間×2)のドキュメンタリー。DVDではそこに収録しきれなかったインタビュー映像などが追加されている。尚、ヨーロッパではBlu-rayとDVDがリリースされており、Blu-rayにはDVDよりボーナス映像が多く収められているが、日本版DVDはヨーロッパ版Blu-rayに収録されているものだけでなく日本独自のコンテンツとして"手をとりあって"の2005年版プロモ・ビデオ、"I Was Born To Love You"の2004年版プロモ・ビデオ、更にこれまでいろいろな映像で断片的に公開されていた75年初来日時の映像の(恐らく)ほぼすべて、82年西武球場のライヴ映像の一部(いい加減、完全版を出して欲しいけど)、2011年に東京のQUEEN展でも公開されていたと思われるフレディ・マーキュリー生誕65周年トリビュート・ビデオが収録されている。それまでのアンソロジー・ビデオは、メンバーやバンド関係者以外のコメントを多く収録していたのに対し
て、このビデオはメンバーとバンド関係者、メディア関係者のインタビューで構成されているのが大きな違い。また、94年の「Champions Of The World」のときにはまだ語ることができなかった、つまり時間が経ったからこそ言えるようになったブライアンとロジャーのコメントを聴くことができるのが目新しい。また映像に関しても、77年ヒューストンでのライヴのリハーサルや、"We Are The Champions"のレコーディング・セッションなど、初見のものが多くあり、古くからのマニアでも満足できる仕上がりになっている。映像の構成は手堅いものの、これまでのアンソロジー・ビデオのDoRoプロダクションのような編集の巧みさ、キレはない。とはいえ、以前の映像ドキュメンタリーが既に廃盤であることや、現在ではスタンダードとなったワイド画面前提で作られている映像集がこのDVDしかないことも考えると、旧来のドキュメンタリー作品を必要以上に持ち上げるのもちょっと憚られる。日本版でのBlu-rayのリリースがないのが残念だが、最近のインタビュー映像を除くと古い映像ばかりで、その最近のインタビューも関係者が喋っているだけで高解像度である必然性は感じないためDVDでも十分。(2012年1月14日)

Earls Court (Bootleg)





曲:★★★★★
演奏:★★★★★
音質:★★★☆
画質:★★★
評価:★★★★★
[1] Procession
[2] Tie Your Mother Down
[3] Ogre Battle
[4] White Queen
[5] Somebody To Love
[6] Killer Queen
[7] Good Old Fashioned Lover Boy
[8] The Millionaire Waltz
[9] You're My Best Friend
[10] Bring Back That Leroy Brown
[11] Death On Two Legs
[12] Doing Alright
[13] Brighton Rock
[14] '39
[15] You Take My Breath Away
[16] White Man
[17] The Prophet's Song
[18] Bohemian Rhapsody
[19] Keep Yourself Alive
[20] Stone Cold Crazy
[21] In The Lap Of The Gods
                                ...Revisited
[22] Now I'm Here
[23] Liar
[24] Lucille
[25] Jailhouse Rock
[26] Saturday Night's Alright
                           For Fighting
[27] Stupid Cupid
[28] Be Bop A Lula
[29] Jailhouse Rock
[Recording Date]
1977/6/6

Earls Court, London
「Earls Court 77」(写真上)
人気も定着した77年の地元公演とあって、120分たっぷり力の入ったステージを堪能できる。画質が悪く、ステージは暗い。しかもカメラワークがイマイチで見当違いのところが写っていることが少なくないし、カメラ台数が少ないせいもあってロジャーの顔がほとんど映っていなかったりする。しかし、それを補って余りあるのがライヴ・パフォーマンス。初期の拙さを脱却、しかも後のアリーナ・ロック然とした大雑把な演奏とも違う妙味がこの時期の魅力。また、[7][8][12][15][16][17] あたりの選曲もこの時期ならでは、そしてこれらのパフォーマンスがまた素晴らしい。[11]のフル演奏が聴けるのはこのツアーのみのはず。また、フレディの派手なレオタード姿もこの時期ならでは、と「この時期ならでは」を連発してしまったけれど本当にそうだからしょうがない。とにかく充実したライヴという一言に尽きる内容で、「Rare Live (Video)」はじめ、他のオフィシャル作品で部分的に見れる美しい映像を目にするたびに、コンプリートでのオフィシャル化を望まずにはいられない。(2006年10月8日)

「Definitive Earls Court」(写真中央)
画質、音質ともにほんのわずかに向上した程度でソースも同じ(画像が乱れるところが同じ)なので、「Earls Court 77」を持っていれば買い換える必要はないでしょう。 なぜだかブライアンのギターが控えめな音量バランスというのも個人的にはマイナス。

「Carnival At The Court」(写真下)
CD2枚組とセットで発売された。デジタル処理をしている形跡はあり、画質の変化はあるものの努力も虚しく画質は向上していない。流通しているマスターの限界ということなんでしょう。あと、3曲だけとはいえ7日の映像が含まれているのがトピック。(2014/6/8)

Ultimate Houston (Bootleg)

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
音質:★★★★☆
画質:★★★★☆
評価:★★★★★

[1] We Will Rock You (slow)
[2] We Will Rock You (fast)
[3] Brighton Rock
[4] Somebody To Love
[5] Death On Two Legs
[6] Killer Queen
[7] Good Old Fashioned Lover Boy
[8] I'm In Love With My Car
[9] Get Down Make Love
[10] The Millionaire Waltz
[11] You're My Best Friend
[12] Liar
[13] Love Of My Life
[14] '39
[15] My Melancholy Blues
[16] White Man
[17] The Prophet's Song
[18] Guitar Solo
[19] Now I'm Here
[20] Stone Cold Crazy
[21] Bohemian Rhapsody
[22] Keep Yourself Alive
[23] Tie Your Mother Down
[24] We Will Rock You
[25] We Are The Champions
[26] Sheer Herat Attack
[27] Jailhouse Rock
[28] God Save The Queen
[Recording Date]
1977/12/11

The Summit, Houston, USA
77年ヒューストン公演は、映像、音源ともに部分的に公式に公開されてきたことは古くからのファンなら良く知るところ。映像は時代相応に古いけれど、77年前後の時代に良好な音質で録音された音源は貴重なものだった。ただし、公式に曲として公開されていたのは "My Melancholy Blues" のみで、あとはドキュメンタリーなどで一部シーンが垣間見えるだけという秘匿ぶり。フル・コンサートで見たければブートレグに頼るしかなかった。そのブートレグも少しずつアップデートされ、画質、音質共に徐々に良くなってきていたところに決定版、オフィシャル版と言ってほぼ差し支えない高品質版が2017年に発売されていた(本タイトル以外でも入手可能)。77年くらいは、パフォーマンスに脂が乗った、ロックバンドとしては最良の時期だと個人的には思っていて、それがこの高音質で聴けるのだから堪らない。[3]のショート・バージョン、[15]はこのツアーならではの見どころ聴きどころ。[5]もこのツアーからメドレーに組み込まれ、[8][9][13][24][25][26] がセットリストに加わった。その [24][25]が、アンコール前のクロージング扱いで演奏の雰囲気もまだ地味であるところが興味深い。ブライアンのヘヴィでラフなギター・ワーク、ロジャーの軽いけど勢いで押すドラム、張りのあるフレディのヴォーカルはもちろん、ジョンのドライヴィング感覚溢れるベースが特に光っている。ギンギラ銀レオタード姿のフレディを良好な画質で拝めるのでファンなら入手して絶対に損はない。尚、本パッケージにはCDも付属している。(2018年11月20日)

Play The Silent Night (Bootleg)

曲:★★★★
演奏:★★★★
音質:★★★☆
画質:★★★☆
評価:★★★★
[1] Opening/Jailhouse Rock
[2] We Will Rock You
[3] Let Me Entertain You
[4] Somebody To Love
[5] If You Can't Beat Them
[6] Mustapha
[7] Death On Two Legs
[8] Killer Queen
[9] I'm In Love With My Car
[10] Get Down, Make Love
[11] You're My Best Friend
[12] Save Me
[13] Now I'm Here
[14] Don't Stop Me Now
[15] Spread Your Wings
[16] Love Of My Life
[17] '39
[18] Silent Night
[19] Crazy Little Thing Called Love
[20] Bohemian Rhapsody
[21] Tie Your Mother Down
[22] Sheer Heart Attack
[23] We Will Rock You
[24] We Are The Champions
[25] God Save The Queen
Extra Video: Freddie Mercury
and The Royal Ballett
[1] Bohemian Rhapsody
[2] Crazy Little Thing Called Love
[Recording Date]
1979/12/26

Hammersmith Odeon, London, U.K.
カンボジア難民救済チャリティ・コンサートは、1979年12月26〜29日にロンドンのハマースミス・オデオンで数多くのアーティストが集まったフェス形式で行われ、26日はクイーンのみの単独コンサートと別格で扱われた。そのときの映像、音源がこのブートレグ。オフィシャル・ビデオでも部分的に見ることができ、良質の映像が残っていることはファンには良く知られている。しかしながら、1ステージコンプリートの映像はブートレグ市場には出回っていない。このDVDは、流出している画質の良い映像をベースに、欠けている曲については音源のみを収録し、同時期のツアーの別映像を組み合わせるという荒業で、ほぼ1ステージ・コンプリートのビデオとして作られている。全体に映像と音が合っておらず、やや音が遅れ気味になっているのが残念。とはいえ、別の日の映像やスライドショーを組み合わせているところ([5][6][15][18][20])の違和感も少なく、Master Strokeレーベルの緻密な仕事ぶりに感心させられる。また、ボーナス映像でロイヤル・バレエ団と競演した貴重なフレディの映像も収録されていて、こちらもオフィシャル・ビデオで僅かに映像が垣間見える程度だっただけに物珍しくもありがたい。ロック・ミュージシャンが、現代バレエのスタイルではあるとはいえバレエ団と競演するなんてあり得ないのに、そんな中でもフレディそのもののパフォーマンスをしているところが微笑ましい。このパッケージも本編CDが同梱されている。(2012年1月29日)

En Argentina (Bootleg)

曲:★★★★★
演奏:★★★★
音質:★★★
画質:★★☆
評価:★★★☆
[1] Introduction
[2] We Will Rock You
[3] Let Me Entertain You
[4] Play The Game
[5] Somebody To Love
[6] I'm In Love With My Car
[7] Get Down Make Love
[8] Need Your Loving Tonight
[9] Save Me
[10] Now I'm Here
[12] Dragon Attack
    /Now I'm Here (reprise)
[13] Fat Bottomed Girls
[14] Love Of My Life
[15] Keep Yourself Alive
   / Drum Solo
   / Guitar Solo
[16] Flash
[17] The Hero
[18] Crazy Little Thing Called Love
[19] Bohemian Rhapsody
[20] Tie Your Mother Down
[21] Another One Bites The Dust
[22] Sheer Heart Attack
[23] We Will Rock You
[24] We Are The Champions
[25] God Save The Queen
[Recording Date]
1981/3/1

Velez Stadium, Buenos Aires, Argentina
熱狂の81年南米ツアーは地元のテレビ局が何公演かを撮影していたようで、オフィシャル映像でも断片的に確認することができる。しかしながら、1ステージ分となるとブートレグに頼らざるを得ない。このタイトルはアルゼンチン公演のもので正直言って画質も音質もあまり良くない。画面は全体的に暗めで解像感も低いし音質はコモリ気味で回転ムラもある。地元アナウンサーのスペイン語が曲間で被るのを鬱陶しいと感じるか南米ムードが味わえると感じるかは微妙なところ。カメラ・アングルはまあまあで、そもそも南米のテレビ・クルーに洗練されたカメラワークを期待するのは酷というもの。と、いろいろ難クセを付けてはみたけれど、フレディの調子を含めてパフォーマンスは充実しているし南米オーディエンスの熱狂が良くわかるところがこのブートレグのウリ。南米ツアーの映像は、いくつかのソースがブートレグで発売されているけれど、劣悪なものが多く僕の知る限りこのブートは最上の部類。[9]でマイクの調子が悪くなったフレディが、ジョンのスタンド・マイクを使って歌っている(ジョンのマイクはスイッチが切ってあるのだとばかり思っていた)ところはちょっとレア。(2007年3月10日)

Flash In Japan 82 & More (Bootleg)

曲:★★★★☆ (82年)
曲:★★★ (79年)
演奏:★★★★ (82年)
演奏:★★★ (79年)
音質:★★★★★ (82年)
音質:★★★☆ (79年)
画質:★★★★☆ (82年)
画質:★★★☆ (79年)
評価:★★★★
[1] Flash's Theme / The Hero
[2] Now I'm Here
[3] Put Out The Fire
[4] Dragon Attack / Now I'm Here
   (reprise)
[5] Love Of My Life
[6] Save Me
[7] Guitar Solo
[8] Under Pressure
[9] Crazy Little Thing Called Love
[10] Bohemian Rhapsody
[11] Tie Your Mother Down
[12] Teo Torriatte
[13] We Will Rock You
[14] We Are The Champions

[15] We Will Rock You
[16] Let Me Entertain You
[17] Killer Queen
[18] Bicycle Race
[19] I'm In Love With My Car
[20] Teo Torriatte
[21] Keep Yourself Alive
[22] Don't Stop Me Now
[23] Bohemian Rhapsody
[24] We Will Rock You
[25] We Are The Champions

Bonus Track
[26] Killer Queen
[Recording Date]
1982/11/3 [1]-[14]
1979/4/25 [15]-[25]

[1]-[14]
Seibu Stadium, Saitama, Japan

[15]-[25]
Budokan, Tokyo, Japan
[1]-[14] は82年ジャパン・ツアーの西武球場公演で、以前ビデオ「ライヴ・イン・ジャパン」として発売されていたもの。クイーンのライヴ映像が正式に発売されたのは実はこの作品が世界初ということは意外と知られていない。82年のライヴとなると今では決定版とも言える「Queen On Fire」があるし、こちらは1ステージ完全でないこともあって価値が薄れた感はあるけれど、この日のパフォーマンスも悪くない。この映像でしか観れない[3]、"さくらさくら" を挿入した [7]、日本だけの[12]あたりが見どころ。フレディの息が白くなっていて日本の11月の屋外は寒そうだけど、後半は特にノッてる感じでライオンズの帽子を被って "We Are The Champions "を歌うフレディの姿も楽しめる。[15]-[25] は79年の武道館公演で当時、日本テレビが放送したもの。何世代ダビングされたものなのか画質はあまり良くない。79年のジャパン・ツアーはフレディのノドの調子が悪く、あまり評判が良くなかったと言われていて、これを観れば納得する。とにかくこんなに声が出ないフレディも珍しく、それはもう見ていて痛々しいほど。それでも手抜きをせず一生懸命にやっているところが涙ぐましい。フレディが不調な分、ブライアンとロジャーの声がよく聞こえてくるところが聴きどころともいえる。また、[20]では声が出ないフレディを観客がサポートする。こんな日もあったんだという感じ。また79年の映像は意外と少ないのでまずまず貴重。でも僕は苦しそうなフレディがちょっと見ていられない。(2007年3月17日)

Professional Performer (Bootleg)

曲:★★★★
演奏:★★★★
音質:★★★☆
画質:★★★☆
評価:★★★★
[1] Crazy Little Thing Called Love
[2] Crazy Little Thing Called Love
[3] Under Pressure
[4] It's A Hard Life
[5] I Want To Break Free
[6] Tear It Up
[7] Radio Ga Ga
[8] Rehersals And Interviews
[9] Bohemian Rhapsody
[10] Radio Ga Ga
[11] Hammer To Fall
[12] Crazy Little Thing Called Love
[13] We Will Rock You
[14] We Are The Champoins
[15] Is The The World
                          We Created?
[16] Brian May Interview
    The Morning After Live Aid
[17] One Vision
[18] A Kind Of Magic
[19] Friends Will Be Friends
[20] Hammer To Fall
[21] Killer Queen
[22] Keep Yourself ALive
[23] Liar
[24] Killer Queen
[Recording Date]
1979/12/9 [1]
1982 [2] [3]
1984 [4]-[7]
1985/7/13 [8]-[16]
1986 [17]-[20]
Eary 70's [21]-[24]

[1] Hippodorome, 1979

[2][3] Saturday Night Live, USA, 1982

[9]-[15] Wembley Stadium, England, 1985
[1] はリハーサルの合間にビデオ・シューティングしたと思われる映像。[2][3]はアメリカのテレビ番組サタデー・ナイト・ショウでのもので、これまで断片的に観ることはできたものを完全収録。クイーンのテレビでの生演奏は珍しく僕が知る限りこれのみ。[4]-[7]、[17]-[20] は「Greatest Video Hits II」収録のものと同じ。[21] は正規プロモ・ビデオとは別バージョン。[24]がその正規バージョンで Top Of The Pops 出演用に撮影されたもの。[22] は「Greatest Video Hits I」に収録されているものと同じ。[23]はクイーンにとって初のビデオ・シューティングのときのもので、ぎこちないアクションを必死にキメようとする姿が微笑ましい。全体的にブートレグとしては良好な画質でレアな映像が楽しめる良心的な映像集。[9]-[15]はかの有名なライヴ・エイドの映像で、この当時はこの画質で見れることに意義があったけれど、完璧な画質&DTS化されたオフィシャル盤「Rock Montreal & Live Aid」がリリースされた現在は価値がなくなった。(2007年11月10日)

Freddie Mercury Tribute Concert

曲:★★★★★
演奏:★★★★★
音質:★★★★
画質:★★★
評価:★★★★★
METALLICA
 Enter Sandman
 Sad But True
 Nothing Else Matters
EXTREME
 Queen Medley
 (Mustapha/Bohemian Rhapsody
 /Keep Yourself Alive
 /I Want To Break Free
 /Fat Bottomed Girls/
 /ANother One Bites The Dust
 /We Will Rock You
 /Stone Cold Crazy/Radio Ga Ga)
 Love Of My Life
 More Than Words
DEF LEPPARD
 Animal
 Let's Get Rocked
 Now I'm Here (with Brian May)
Bob Geldof
 Too Late God
SPINAL TAP
 Majesty Of Rock
U2 (video)
 Until The End Of The World
GUNS 'N( ROSES
 Paradise City
 Knockin'On Heaven's Door
Elizabeth Taylor Speech

QUEEN+
Joe Elliott (Def Leppard)
      with Slash (Guns'N'Roses)
 Tie Your Mother Down
Roger Daltrey (The Who)
      with Tony Iommi (Black Sabbath)
 I Want It All
Zucchero
 Las Palabras De Amor
Gary Cherone (Extreme)
      with Tony Iommi (Black Sabbath)
 Hammer To Fall
James Hetfield (Metallica)
 Stone Cold Crazy
Robert Plant
 Innuendo
 Thank You
 Crazy Little Thing Called Love
Brian May
 Too Much Love Will Kill You
Paul Young
 Radio Ga Ga
Seal
 Who Wants To Live Forever
Lisa Stansfield
 I Want To Break Free
David Bowie/Annie Lennox
 Under Pressure
Ian Hunter (Mott The Hoople)
      with David Bowie/Mick Ronson
      /Joe Elliott/Phil Collen)
 All The Young Dudes
David Bowie/Mick Ronson
 Heroes
George Michael
 '39
George Michael/Lisa Stansfield
 These Are The Days Of Our Lives
George Michael
 Somebody To Love
Elton John/Axl Rose (Guns N'Roses)
 Bohemian Rhapsody
Elton John
      with Tonny Iommi (Black Sabbath)
 The Show Must Go On
Axl Rose (Guns N Roses)
 We Will Rock You
Lisa Minelli
 We Are The Champions
[Recording Date]
1992/4/20

Wembley Stadium, England
実は所有しているのは WOWOW で放送されたものを録画したビデオ。DVDでも発売されているけれど、WOWOWで放送されたものは出演者入れ替えのインターバルまでリ収録した完全ドキュメントになっている。このインターバルでは、場内にも放送されているさまざまな映像が放送でも流れ、それに合わせて盛り上がる観客の様子まで含まれていて当日の様子が実によくわかる。このコンサートを漏れなく楽しむには市販のDVDではなく、できればこの放送分(約4時間20分)を観ることをお勧めしたい。尚、このイベントはフレディ・マーキュリーの追悼とエイズ撲滅を目的としたもので、出演者のスピーチからもフレディの命を奪ったエイズ撲滅の力になりたいという意思が強く表れている

これ以上ないと思えるオープニングを務めたメタリカ、クイーンへの愛情を惜しげなく披露するエクストリーム、ヴィヴィアン・キャンベル初お披露目の場になったデフ・レパード(でもガム噛みながら歌うなよ、エリオット)、英国トラッド・フォークのボブ・ゲルドフ、英国的ユーモアを持つスパナル・タップ、ビデオだけ出演のU2、絶頂期のガンズ・アンド・ローゼズらのパフォーマンスを経て、いよいよクイーンの登場。時にトニー・アイオミやスラッシュのサポートを得ながら、次々にヴォーカリストが入れ替わり、その顔ぶれの幅広さはそのままクイーンの音楽性の幅広さと、多様なスタイルの曲を1人のヴォーカリストがすべてを歌いこなしていた事実を浮き彫りにする。エルトン・ジョンとアクセル(アクションが高田純次風)が肩を組んで歌う姿なんて他にどこで観れるというのか。ゲスト・ヴォーカリストはそれぞれに素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるけれど、ジェームズ・ヘットフィールドの堂々たる歌いっぷり、もともと「Oscar Wilde meets Led Zeppelin」とロジャーが評していた"Innuendo"におけるロバート・プラントのハマリっぷり、完全コピーで歌うジョージ・マイケルの"Somebody To Love"が出色。フレディが愛してやまなかったショウ・ビズ界の象徴、ライザ・ミネリが最後を締め追悼コンサートとしてこれ以上のものはないと思う。今となっては死に至ることがほとんどなくなったHIVで命を落としたフレディは確かに不幸だった。でも、これだけ愛されたミュージシャン、フレディ・マーキュリーの人生が不幸だったとは思わない。(2006年10月28日)