マイクサウンダース

 アメリカ航空宇宙局(NASA)およびアメリカGGGで進められていたCR計画によって開発されたGストーン搭載型ロボットシリーズ、1世から13世まで13機の総称。アメリカでは”Death Weapn”と分類される。アメリカ合衆国次世代主力兵器のプロトタイプとして開発されたマイクサウンダースは「音」、すなわち振動あるいは波動を武器へと転用する従来とは一線を画した「兵器」である。平時は音波兵器のセキュリティ、視覚的撹乱及び消費エネルギィ節約の目的からコスモロボと呼ばれるコミカルな形態をとっているが、有事の際には戦闘形態であるブームロボ形態へとシステムチェンジし、機体胸部に設置されたサウンドディスクシステムによりGストーンの機能増幅、マイクロウェーブによる特定精密機械の撹乱など戦況に対応することが可能となっている。更にマイクサウンダースが放射するサウンドウェーブを効率よく伝播させより高い効果を得る目的でギラギラーンVVドカドカーンVといったオプション装備も充実しており、またこれらオプション装備と各種サウンドディスクを搭載し、サウンドウェーブ増幅装置であるマイクサウンダース(CR)と連携運用される飛行モジュール・スタジオ7バリバリーン)が各機に一基ずつ標準配属されている。
 サウンドディスクシステム、各種オプション装備とスタジオ7により良好な運用性を誇るマイクサウンダースであるが、その最大の特徴はソリタリーウェーブによる選択的破壊音波兵器、ソリタリーウェーブライザーである。これは破壊目標(の最中枢部分)を構成する物質の分子構造に同調させたソリタリーウェーブを放射することでその物質のみを選択的に疲労破壊に導くことができる、驚異の兵器なのである。使用の前提として分子構造の把握が必要ではあるが、照射されたソリタリーウェーブを防ぐことは困難であり、理論上いかなる物質をも破壊することが可能である。それゆえ一歩運用を間違えれば世界的な破滅を招くことは必至であり、マイクサウンダースシリーズは全て、平時における音波兵器のセキュリティが厳重に施されている。また各機に搭載されている超AIはCR計画の技術者でもあり、アマチュアミュージシャン(その腕前は充分プロ級であるが)でもあるスタリオン・ホワイトの人格を移植したものを基礎に、更に13体それぞれに独自に教育を加える形で個性をもたせているが、平時におけるセキュリティ下でこのAIのメンタリティは著しく幼年化する。
 世界各国に先駆けて日本からGストーンとそれに伴うオーバーテクノロジーの供与を受けることに成功したアメリカ合衆国は、これをかねてより提案されてはいたものの出力、および効率不足のため頓挫しかかっていた音波兵器開発計画に適用、これの量産を目的としたCR計画を開始。世界の警察を自認して久しいアメリカ合衆国はその覇権を確固たるものにするべく計画の遂行を急いだ。異星からの侵略が現実のものとなったとき、その防衛の主導権を握るのは「偉大なステーツ」でなければならなかったのである。開発はNASAを主体に行われ、その結果2003年のマイクサウンダース1番機(1世)の完成以降、2005年までに、細かな改修を加えながら実に13体のCRをロールアウトさせている。この13世をもってマイクサウンダースナンバーに一応の区切りをつけたNASAは宇宙での運用実験の後、最新型である13世をデータ収集の目的でGGGへ出向させている。ここで(データベースへの無断侵入という違法手段によって)得られたゾンダーメタルの分子構造解析データと(これは正式な手続きによって得られた)ゾンダーメタルのサンプルから、対ゾンダーメタル用ディスクXが完成。機界文明に対する強力な切り札を人類は得ることになる。なおこのディスクXは機界四天王による東京最終作戦において実戦に投入され、マイクサウンダース13世が全ゾンダーメタルの粉砕という驚異的な戦果をあげている。
 アメリカはEI−01殲滅後、このマイクサウンダースを擁して「世界秩序」の更なる確定を目指すはずであったが、機界31原種の来襲によりマイクサウンダース13機は正式に国際組織となったGGGへと編入されることとなる。以降来襲した28原種迎撃作戦や対ZX−06戦、対機界最強7原種戦などにおいて出撃し多くの戦果を挙げているが、一方で性能不足から部隊もまた徐々に損耗を続けていった。最終的には対Zマスター戦において隊長機である13世を除く全機が大破、マイクサウンダースナンバーは実質上壊滅してしまう。しかし、データ収集と、Gストーンとそれに伴うオーバーテクノロジーの運用ノウハウの構築というプロトタイプとしての役割は既に果たされたものとして、新たなマイクサウンダースの建造、および旧ナンバーの修復は行われていない。
 一方でCRの量産を目的としてアメリカGGGで開発されたCR量産試作型、CRプロトタイプ33Rおよび同34Rの2機は、原種のサミット強襲に際して鹵獲され、ゾンダー素体となったがその運用データは後に「ガオファイガープロジェクト」に転用されている。簡易ソリタリーウェーブライザーを搭載した量産型CRはその高い生産性とマイクサウンダース運用で蓄積されたデータが高く評価され、機界新種殲滅後の国連軍の主力装備として採用、多数が生産され各地に配備されている。
 なお下記のデータはマイクサウンダース1世から12世までのブームロボ形態時のものである。

 分類 (no classs)
   型式 ブームロボ
 アメリカにおける製造番号 XCR−1〜12
 管理責任者 獅子王雷牙博士
 全高 20.3m(66.5ft)
 乾燥重量 42.5t(85000lb)
   GSライドクラス 機密
   最大出力 155000kw(208000馬力)
 推進装置 機密
 最大走行速度 195km/h(105kt)
 電子装備 統合オープン・アーキテクチュア/サウンドディスクシステム
 特殊装備 ギラギラーンVV/ドカドカーンV/ディスクP/ディスクM/ディスクX/ソリタリーウェーブライザー
 備考 ノリが良い。専用サポートモジュール・スタジオ7に搭乗することで大気圏内外を飛行可能。