聖書の福音

手遅れ


 ルカの福音書16章19節から31節に、金持ちと貧乏人の話が出てきます。

 金持ちは死んで地獄に行き、貧乏人ラザロは死んで天国に行きました。金持ちは地獄の炎の中で熱くて苦しいので、ラザロを寄こしてもらってせめて指先で舌を冷やして欲しいと頼みました。しかし、返ってきた答えは、「私たちとおまえたちの間には、大きな淵があります。ここからそちらへ渡ろうとしても、渡れな いし、そこからこちらへ越えて来ることもできないのです。」(26節)というものでした。

 そこで金持ちはさらにお願いします。「ではお願いです。ラザロを私の父の家に送ってください。私には兄弟が五人ありますが、彼らまでこんな苦しみの場所に来ることのないように、よく言い聞かせてください。」(27,28節)
 しかし、この願いもかなえられませんでした。

 一度地獄に入ってしまった金持ちは、自分が苦しみから逃れることも、大切な兄弟を助けることも、全く出来ませんでした。自分の過ちに気づいたときには、もう全てが手遅れだったのです。

 ところで、なぜ金持ちは地獄に行き、貧乏人ラザロは天国に行ったのでしょうか。お金を持っていることが良くなかったのでしょうか。いいえ、2人の行き先を決めたのは、神様を信じていたかどうかでした。この聖書の箇所には詳しく書いてありませんが、別の箇所でそのことがはっきり示されています。

 「主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。」使徒の働き16章31節

 あなたが罪から救われて天国に行くためには、神であられるイエス・キリストを自分の救い主と信じるしか方法はありません。手遅れにならないうちに、このお方を受け入れて天国への切符を手にされますように。