聖書の福音

見分け方



「パリサイ人やサドカイ人たちがみそばに寄って来て、イエスをためそうとして、天からのしるしを見せてくださいと頼んだ。

しかし、イエスは彼らに答えて言われた。「あなたがたは、夕方には、『夕焼けだから晴れる。』と言うし、

朝には、『朝焼けでどんよりしているから、きょうは荒れ模様だ。』と言う。そんなによく、空模様の見分け方を知っていながら、なぜ時のしるしを見分けることができないのですか。

悪い、姦淫の時代はしるしを求めています。しかし、ヨナのしるしのほかには、しるしは与えられません。」そう言って、イエスは彼らを残して去って行かれた。」(マタイの福音書一六章一節〜四節)

昔ある人々が、イエス様に対してキリスト(救い主)としての証拠を見せてほしいと言いました。

それに対してイエス様は、あなたたちは天気の見分け方をよく知っているのに、どうして私を見分けられないのかと答えられました。

最近はよく天気予報が当たるので、たいへん助かります。傘を持っていかなくて困ったりすることもあまりないですし、野外で遊ぶ予定なども立てやすいです。

しかし、ちょっと前までは天気予報も当たったり当たらなかったりしていましたし、さらにその前は天気予報自体がありませんでした。当時の人たちは、前の日やその日の朝の空の様子を見て、天気を自分で見分けていました。そしてそれは結構当たっていたようです。

このように、昔と今の天気を見分ける方法は違いますが、実はどちらも、神様が自然界を一定の法則をもって動かしておられるので、天気を見分け、当てることができるのです。

そして、私たちにとって天気よりももっと見分けることが必要なものがあります。それは私たちの救いのことです。

冒頭の記事に出てくる人たちの問いかけに対して、イエス様はヨナのしるししかないと答えられました。ヨナとは、旧約聖書に出てくる人で、神様の命令に従わなかったため、大魚に飲み込まれ三日三晩その腹の中にいて、その後悔い改めて助け出された人です。このヨナは、十字架で死なれ、三日目によみがえられたイエス様のことをあらわすしるしでした。

イエス様に問いかけた人たちは、その動機が良くなかったので、イエス様はヨナのしるししかないと答えられました。しかし、純粋な気持ちで聖書を読んでいくなら、イエス様が本当の救い主であることが数多く示されています。

旧約聖書では、イザヤ書五十三章を始め、イエス様に関する預言が多く語られており、また、イエス様の特徴やすばらしさを前もってあらわした人物(ヨセフ、ダビデなど)や、品物(ノアの箱舟、幕屋など)が多く記されてあります。

また、新約聖書では、福音書の中にイエス様の人生の記録が記されており、イエス様の愛、正しさ、そして十字架の上でなされた救いのみわざを知ることができます。

福音書に続く「使徒の働き」やクリスチャンの書いた手紙では、イエス様によって救われた人たちの行動や言葉をとおして、イエス様のことが示されています。

このように、聖書の中の多くの事柄によって、イエス様が私たちにとっての本当の救い主であるかどうかを見分けることができるのです。

あなたはどうでしょうか。ぜひ、聖書を素直な思いで読んでいただき、イエス様こそ自分の救い主だと見分けるお方になられますように。

「あなたがたは、聖書の中に永遠のいのちがあると思うので、聖書を調べています。その聖書が、わたしについて証言しているのです。」(ヨハネの福音書五章三九節)