2002年の印象的な舞台 

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02年の私は,基本的には暗かったです(笑)。
小嶋直也の故障休演が続いて参っているところに,ファルフ・ルジマトフは,キーロフからパートナーが来られないやら虫垂炎になってしまうやらで「感動的だが見るのがつらい」舞台ばかり見せてくれる・・・。きつかったわぁ。
でも,最後は小嶋復帰で舞い上がって「幸せ〜♪」で新しい年を迎えたわけです。やれやれ,よかった,よかった。

見た舞台は35回。新国立劇場バレエ団を15回見ました。う〜む,我ながらかなり偏っていますねえ。
次に多いのはレニングラード国立バレエの5回半(←「ルジマトフのすべて」を半分と数えた)。

ダンサー別では,山本隆之8回(主演4回。あとはエスパーダとコンテンポラリー)というのが一番多いかな・・・と数え始めたのですが,毎日出ている新国立のソリストやコール・ドのダンサーのほうが多いわけで,あまり数える実益はないような・・・。
ルジマトフは5回です。小嶋直也6回。

 

心に残る舞台ベスト5

アルビノーニのアダージョ 7月
17日
「ルジマトフのすべて」 ファルフ・ルジマトフ それはもうすばらしかったです。とにかくすばらしかった。
こうもり 9月
29日
新国立劇場バレエ団 湯川麻美子,山本隆之,吉本泰久 成長しつつあるバレエ団のファンであることの幸福。
湯川さんがすばらしかった。
四つの最後の歌(ミックスプログラムAプロ) 3月
16日
新国立劇場バレエ団 高山,山本,湯川,逸見,志賀,ガリムーリン,西川,森田,小嶋 小嶋直也は美しいダンサーだなー,と再認識しました。
スパルタクス 10月
5日
ソワレ
ボリショイ・バレエ ベロゴロフツェフ,ネポロージニー,アントニーチェワ,グラチョーワ 堪能しました〜。
グリゴローヴィチ大好き♪
スパルタクス 10月
5日
マチネ
ボリショイ・バレエ クレフツォフ,ルィフーロフ,パーリシナ,アラシュ この有名な作品をついに見られたという感激。
クレフツォフが名演でした。

 

初めて見た作品で印象に残るのは,なんといっても上記の『スパルタクス』。
悪い意味で印象的な作品は(←上演が悪かったということではない),シュツットガルト・バレエの『じゃじゃ馬馴らし』。これはもう拒絶反応出まくり(笑)。いい作品だとは思うけれど,私としては抵抗があって誉めたくない(笑)のがベジャール・バレエ団『バレエ・フォー・ライフ』
上演として一番がっかりしたのは,キエフ・バレエ『白鳥の湖』かなぁ・・・。いや,新国立の『レ・シルフィード』もかなり・・・。

見逃して残念だったのは,なんといってもレドフスカヤ/ルジマトフ主演のレニングラード国立『ドン・キホーテ』。これは,ルジマトフファンとしては見逃してはいけないことはわかっていて,それでもどうしても仕事を休めなかったので,口惜しくてたまらないです。
シュツットガルトの『ロミオとジュリエット』も,クランコ版を見てみたかったし,マラーホフのロミオも見たことがなかったので残念でした。
やっぱり平日の公演は見逃すことが多いんですよね・・・。

 

印象的だったダンサーについて

主演
(女性)
ニーナ・
アナニアシヴィリ
ABT『メリー・ウィドウ』でのハンナがとてもステキでした。大人の女と回想シーンの愛らしい少女を同時に見せられるのがすばらしい。

次点は,新国立劇場『こうもり』の湯川麻美子

主演
(男性)
ユーリ・
クレフツォフ
ボリショイ『スパルタクス』のタイトルロール。泣かせる名演と見事なリフト。パーリシナとのパートナーシップがすばらしかったです。

次点は,同じ『スパルタクス』のベロゴロフツェフ

助演
(女性)
ナデジダ・
グラチョーワ
ボリショイ『スパルタスス』でのエギナの妖艶さ! 対照的に「恥じらうオーロラ」だったという『眠り』も見たかったなー。

次点は,新国立劇場『ジゼル』での鳥海清子(バチルド)

助演
(男性)
ボリショイの
コール・ド・バレエ
『スパルタクス』での迫力ある跳躍の連続。明日にでもクラッススが踊れそうなダンサーがたくさん♪(←ちょっと無謀?)  

次点は,ベジャール『バレエ・フォー・ライフ』でのドメニコ・ルヴレ(ラジオ・ガガ)

新人
(女性)
鹿野沙絵子 新国立のコール・ドの方で,最近ソリスト級の役が増えたみたいです。『ドン・キホーテ』のキトリの友人とか『くるみ割り人形』のトレパックなど,役の雰囲気を出すのが上手だなー,と思います。

次点は,真忠久美子(新国立劇場バレエ団『こうもり』

新人
(男性)
グリゴリー・
バリノフ
新国立のソリスト。『ジゼル』のペザント・パ・ド・ドゥが見事。『くるみ割り人形』パ・ド・トロワもよかった。きれいに踊るし,テクニックもあるし,とってもかわいいの♪ 

次点は,「ルグリと輝ける仲間たち」のマロリー・ゴディオン(←スジェに「新人」は失礼?)

なんか『スパルタクス』ばっかり。それだけ印象が強烈だったのでしょうねえ。

 

ファルフ・ルジマトフについて

1月の『ドンキ』『バヤデルカ』は,レニングラード国立のバレリーナを支えての舞台で,「たいへんだなー」と思いました(クチュルクとペレンには失礼で申し訳ないとは思うけれど,でもさー)
もちろんステキでしたし,特に最終日の『バヤデルカ』は名演だったと思いますが,でも,全体としては,同情といっては失礼なのですが,そんな感じの気分。(やっぱりレドフスカヤとの『ドンキ』を見逃したのがいかんのよね。)

7月は病後だということで,また「たいへんだなー」と・・・。(とほほ)
『アルビノーニ』はこれ以上ないほど感動的な舞台でしたし,『放蕩息子』が見られてとても嬉しかったのですが,う〜む・・・こっちが感情移入しすぎているせいで,「体調は大丈夫か」モードがどうしても抜けないでしまいました。客観的に言って「病後なのを感じさせない」とは言いかねる舞台でしたし・・・。

今年は素直に熱狂できる舞台を見せてね,ファルフ。(おねだり)

 

小嶋直也について

見るたびに感激していました。3月は「半年ぶりだわ〜」,9月は「今度こそ完全復帰だわっ」,12月『くるみ』では「久しぶりの王子なのね〜」。で,休演の発表があると,そのたびにどんよりする。(自分でも困ったモノだと思いましたから,お読みになっていた皆さまはさぞ呆れられただろうと思います。失礼をいたしました。)
その過程を通じて,自分にとって彼がどんなに大切なダンサーなのかがわかったという副産物もありました。

3月の『四つの最後の歌』が最も印象に残ります。
彼の「売り」は,動きのキレと跳躍だと思っていたので,ゆっくりした動きが中心のそれほど跳ばない役で,あれだけ見せてもらえるとは・・・。(『こうもり』のウルリックよりよっぽど「新境地」だと思うんだけどー?)
その後再び休演したところをみると,ご本人のためには出演がよかったのかどうかわからないですが,とてもいい舞台でした。

完全復帰なのだろうと思いますので,今年はもう少し平常心を保ちたいものだと・・・。(←自信なし)

(03.1.2)

 

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